損益通算とは?|赤字をほかの所得で相殺できる制度の最新ルール【2025年版】

損益通算のイメージ

損益通算とは?|赤字をほかの所得で相殺できる制度の最新ルール【2025年版】

通算対象所得・制限事項・繰越控除・計算順序を完全理解!

📊💰 損益通算を完全マスター

赤字所得を黒字所得で相殺する損益通算制度を正しく理解しよう!
対象所得・制限規定・繰越控除・節税効果まで完全網羅します!


📊 損益通算とは?

損益通算(そんえきつうさん)とは、
所得税において、ある所得で出た損失(赤字)を、他の所得の利益(黒字)と相殺(通算)して、総所得金額を減らすことができる制度のことです。
これにより、課税所得が減って、所得税の額を軽くできるケースがあります。ただし、すべての所得が損益通算の対象となるわけではなく、法律で定められた特定の所得に限られます。

💡 損益通算の基本原理

黒字所得-赤字所得=通算後所得
課税所得の減額による節税効果

🔄 損益通算の仕組み

📋 損益通算の処理手順

STEP 1
📊 各所得の計算
事業・不動産・譲渡
山林所得等の算出
STEP 2
🔍 対象所得判定
通算可能所得
制限事項の確認
STEP 3
⚖️ 損益相殺
黒字所得から
赤字所得を控除
STEP 4
📈 総所得金額
通算後の
合計所得金額
STEP 5
📋 繰越処理
残余損失の
翌年以後繰越
📋 損益通算対象所得一覧

✅ 通算できる所得・❌ 通算できない所得

✅ 損益通算できる所得

不動産所得
• 賃貸物件の赤字
• 借入金利子による損失
• 減価償却費による損失

事業所得
• 個人事業の営業損失
• フリーランス業務の赤字

譲渡所得
• 総合課税対象の譲渡損失
• 上場株式等の譲渡損失(特例)

山林所得
• 山林の伐採・譲渡による損失

📊 これらの赤字は他の所得と相殺可能

❌ 損益通算できない所得

給与所得
• 給与で赤字は通常発生しない

雑所得
• 副業等の雑所得の赤字
• 年金所得の損失

一時所得
• 生命保険等の一時所得損失

配当所得
• 配当で損失は通常発生しない

利子所得
• 利子で損失は通常発生しない

🚫 これらの赤字は他の所得と相殺不可

⚠️ 損益通算の制限事項

生活に通常必要でない資産
• 趣味・娯楽用の不動産貸付
• ゴルフ会員権・リゾート会員権
• 競走馬・美術品等の損失

国外中古建物の減価償却費
• 一定の国外中古建物の減価償却費
• 令和3年以後取得分に適用

不動産所得の土地負債利子
• 土地取得借入金の利子部分
• 不動産所得を上回る利子は通算制限

📊 これらは損益通算の対象外
🧮 損益通算計算シミュレーター

📊 複数所得の損益通算効果を計算してみよう

【各所得金額の入力】
【株式等特定損失】
【制限事項の設定】
計算結果:
各所得を入力して計算してください
📅 繰越控除制度

🔄 損失の繰越控除制度

所得・損失の種類 繰越期間 対象範囲 申告要件
上場株式等譲渡損失 3年間 上場株式等の譲渡益・配当所得 確定申告(付表添付)
事業所得の損失 3年間 各種所得(青色申告者のみ) 青色申告・期限内申告
不動産所得の損失 3年間 各種所得(青色申告者のみ) 青色申告・期限内申告
山林所得の損失 3年間 各種所得(青色申告者のみ) 青色申告・期限内申告
雑損失 3年間 災害・盗難・横領による損失 確定申告(雑損控除)

📋 繰越控除の要件と注意点

青色申告の繰越控除
• 期限内申告が必要
• 連続して確定申告書を提出
• 事業・不動産・山林所得の損失が対象

上場株式等の繰越控除
• 申告分離課税を選択
• 確定申告書に付表を添付
• 譲渡益・配当所得との通算

雑損失の繰越控除
• 災害・盗難等による損失
• 所得控除として適用
• 生活に通常必要な資産が対象

📊 継続的な申告が繰越の前提
💼 実務における損益通算の活用

🏢 事業所得での活用

開業初年度の活用
• 初期投資による赤字
• 給与所得と損益通算
• 大幅な節税効果

設備投資年の活用
• 減価償却費の集中
• 一時的な赤字の有効活用

青色申告の優遇
• 3年間の繰越控除
• 最大65万円の特別控除

📊 事業展開期の強力な節税手段

🏠 不動産投資での活用

投資初期の節税
• 諸費用・修繕費による赤字
• 給与所得との損益通算
• キャッシュフロー改善

減価償却の活用
• 建物部分の償却費
• 設備・内装の償却

注意すべき制限
• 土地負債利子の制限
• 生活に通常必要でない資産

📊 適正な範囲での節税効果

📈 株式投資での活用

譲渡損失の繰越
• 3年間の繰越控除
• 将来の譲渡益と相殺
• 配当所得との損益通算

税務戦略
• 損出しタイミング
• 利確との組み合わせ

申告の重要性
• 継続的な確定申告
• 付表の正確な記載

📊 中長期的な節税戦略

⚠️ 制限事項への対応

事前の検討事項
• 通算対象所得の確認
• 制限規定の把握
• 税務上の取り扱い

適正な申告
• 必要書類の整備
• 計算の正確性
• 制限額の適用

専門家の活用
• 複雑なケースの相談
• 最適な節税戦略

📊 適法な範囲での最大効果
📊 練習問題(択一式)

問題1:損益通算の対象所得

損益通算の対象となる所得はどれでしょうか?

問題2:繰越控除の期間

上場株式等の譲渡損失の繰越控除期間はどれでしょうか?

問題3:損益通算の制限

損益通算が制限される資産はどれでしょうか?

🔍 よくあるQ&A
Q. 副業の赤字は給与所得と損益通算できますか?

A. 副業が雑所得に該当する場合は損益通算できません。
ただし、副業が事業所得に該当する規模・継続性がある場合は、給与所得と損益通算が可能です。事業所得と雑所得の区分は、営利性・継続性・社会的地位等で総合的に判断されます。

Q. 不動産投資の赤字はすべて損益通算できますか?

A. 一定の制限があります。
土地取得のための借入金利子のうち不動産所得を上回る部分は損益通算できません。また、別荘等の「生活に通常必要でない資産」の賃貸による損失も通算対象外です。

Q. 株式の損失を繰り越すには毎年申告が必要ですか?

A. はい、継続的な確定申告が必要です。
上場株式等の譲渡損失の繰越控除を受けるには、損失が生じた年から継続して確定申告書を提出する必要があります。1年でも申告を怠ると、その後の繰越控除は受けられません。

Q. 白色申告でも損益通算はできますか?

A. 当年分の損益通算は可能ですが、繰越控除には制限があります。
白色申告でも事業所得・不動産所得等の損失は当年の他の所得と損益通算できます。しかし、3年間の繰越控除は青色申告者の特典のため、白色申告者は利用できません。

カイピヨくん

💬 カイピヨくんのひとこと

損益通算は"赤字を活かす"制度ピヨ!黒字だけを見るんじゃなくて、赤字をちゃんと申告すれば税が軽くなる可能性大ピヨ〜✨

🎓 FP3級で押さえておきたいポイント
項目 内容
定義 ある所得の赤字を他の所得の黒字と相殺する制度
対象所得 事業・不動産・譲渡・山林所得(制限あり)
制限事項 生活に通常必要でない資産・土地負債利子等
繰越控除 青色申告・上場株式等で3年間繰越可能
節税効果 課税所得の減額による所得税・住民税の軽減
✅ まとめ
ポイント 説明
損益通算 赤字所得を黒字所得で相殺する節税制度
対象範囲 事業・不動産・譲渡・山林所得(制限あり)
制限規定 生活に通常必要でない資産・土地負債利子
繰越控除 青色申告・上場株式等で3年間繰越可能
活用効果 課税所得減額による大幅な節税効果

💪 損益通算制度を正しく理解して効果的な節税戦略を

損益通算は赤字を有効活用できる強力な節税制度です。
対象所得と制限事項を正しく理解し、
適法な範囲で最大限の節税効果を実現しましょう!

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