【FP3級 DAY34】贈与税の基礎(暦年課税と相続時精算課税)

【FP3級 DAY34】贈与税の基礎(暦年課税と相続時精算課税)

親から子への財産移転で活用する2つの課税方式を完全理解!


🎯 今日のテーマ

贈与税の仕組みと2つの課税方法を理解する
親から子へ財産を移すときに活用できる制度で、FP3級試験でも頻出です。

📗 学習ポイント

🔹 1. 贈与税の基本

💰 贈与税制度の概要

📝 贈与税とは

「個人から財産をもらった人」に課される税金
👉 もらった側が納税義務者(贈与した側ではない)

🎯 基礎控除額
📅
暦年課税
年間110万円
毎年110万円まで非課税
超えた分に累進税率
🏦
相続時精算課税
合計2,500万円
累計2,500万円まで非課税
超えた分に一律20%
📋 申告と納税
✅ 申告期限:贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
✅ 申告が必要:110万円を超える部分がある場合
✅ 納税義務者:財産をもらった側

🔹 2. 暦年課税(基本ルール)

📅 毎年リセットされる課税方式

🎯 暦年課税の特徴

毎年のもらった財産から基礎控除110万円を差し引いた残額に課税
👉 少額をコツコツ贈与する場合に使いやすい制度

💹 累進税率表
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
3,000万円超 55% 640万円
📌 計算例
父から子へ300万円を贈与した場合

① 課税価格:300万円 − 110万円(基礎控除)= 190万円
② 税率:200万円以下なので 10%
③ 贈与税額:190万円 × 10% = 19万円

🔹 3. 相続時精算課税(特例ルール)

🏦 生前贈与を前倒しする制度

👨‍👩‍👧‍👦 適用要件
贈与者(親)
60歳以上
贈与をする年の1月1日において
60歳以上の父母・祖父母
受贈者(子)
18歳以上
贈与をもらった年の1月1日において
18歳以上の子・孫
🎯 特例控除額と税率
特別控除額:2,500万円
累計で2,500万円まで贈与税非課税
超過分の税率:20%(一律)
2,500万円を超えた部分のみ課税
💡
累進税率ではなく
一律20%
⚠️ 重要な注意点
①一度選択すると戻れない
選択後は同一贈与者からの贈与は全て相続時精算課税
②相続時に精算
将来相続時に、贈与済み財産を相続財産に合算して再計算
③「節税」ではなく「前倒し」
相続税の節税効果は限定的。早期に財産移転する制度

🔄 贈与税課税方式の選択フローチャート

贈与を受ける
贈与者の年齢・受贈者の年齢は?
要件を満たさない
贈与者60歳未満
又は受贈者18歳未満
暦年課税のみ
年110万円控除
要件を満たす
贈与者60歳以上
かつ受贈者18歳以上
選択可能
どちらかを選ぶ
暦年課税
年110万円
累進税率
相続時精算課税
累計2,500万円
一律20%

📊 比較表:暦年課税 vs 相続時精算課税

項目 暦年課税 相続時精算課税
控除額 年110万円 合計2,500万円
税率 10%〜55%(累進) 20%(一律)
申告 毎年 初回選択時+贈与の都度
相続時 贈与分は含めない 贈与分を相続財産に合算
メリット 毎年少額なら無税 大きな額をまとめて移せる
デメリット 多額だと高税率 戻れない/相続で精算

✅ 試験によく出るポイント

「基礎控除110万円」「相続時精算課税の控除2,500万円」は暗記必須
✅ 相続時精算課税は「節税」ではなく「前倒し」である点に注意
✅ 出題形式は「どちらの課税方式か?」「税額はいくらか?」の計算問題が多い

📝 確認クイズ(5問)

各問題について、最も適切な選択肢を選んでください

Q1
暦年課税における基礎控除額はいくらか?
Q2
相続時精算課税制度の適用要件として、贈与者(親)の年齢要件は?
Q3
暦年課税で、父から子へ200万円の贈与があった場合の贈与税額は?
Q4
相続時精算課税を一度選択した場合、暦年課税に戻ることはできるか?
Q5
相続時精算課税制度の特別控除額はいくらか?

📌 今日のまとめ

  • 贈与税:個人から財産をもらった人に課される税金
  • 暦年課税:年110万円控除、累進税率10%〜55%
  • 相続時精算課税:累計2,500万円控除、一律20%税率
  • 👉 相続時精算課税は「節税」ではなく「前倒し」の制度

🔑 重要ポイント

💰 贈与税の基本数値

📅 暦年課税

110万円
  • 基礎控除:年間110万円
  • 税率:10%〜55%(累進)
  • 申告:毎年必要
  • 特徴:少額コツコツ

🏦 相続時精算課税

2,500万円
  • 特別控除:累計2,500万円
  • 税率:一律20%
  • 年齢要件:贈与者60歳以上
  • 特徴:まとめて移転

🎯 試験での頻出パターン

数値問題

  • 「基礎控除額は?」→ 110万円
  • 「特別控除額は?」→ 2,500万円
  • 「適用年齢は?」→ 贈与者60歳以上

計算問題

  • 「200万円贈与の税額」→ 9万円
  • 「300万円贈与の税額」→ 19万円
  • 「基礎控除後×税率」の計算

🎯 暗記のコツ

「110万円」「2,500万円」「60歳以上」「一度選択すると戻れない」
この4つは贈与税の基本中の基本!
計算問題は基礎控除を引いてから税率を適用

⏭️ 次回予告

Day35:遺産分割・遺留分制度
相続トラブルの防止策を整理して理解しましょう。遺産分割協議から遺留分侵害額請求まで、相続の「もめごと」対策を学びます。

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