会社が倒産!未払賃金はどうなる? 未払賃金立替払制度のしくみと、あなたが今すぐ取るべき行動

🧾 会社が倒産!未払賃金はどうなる?
未払賃金立替払制度のしくみと、あなたが今すぐ取るべき行動

会社が倒産して「給料がもらえない」「退職金も出ない」――そんな状況に直面したとき、多くの方が途方に暮れてしまいます。

しかし、泣き寝入りする必要はありません。

国が運営する『未払賃金立替払制度』を利用すれば、倒産で支払われなかった賃金・退職金の最大8割を国が立て替えて支払ってくれる可能性があります。

本記事では、この制度の仕組み、対象者、申請手続き、注意点をエビデンス付きで徹底解説します。

🔴 結論:泣き寝入りせず、動けばお金は戻るかもしれない

会社が倒産して賃金が支払われないまま退職した労働者は、労働者健康安全機構(JOHAS)が運営する『未払賃金立替払制度』を利用できる可能性があります。

これは、国が未払い分の一部(最大8割)を立て替えて支払う公的制度です。手続きは自分で無料でできます。

📄 制度の概要:労働者健康安全機構(JOHAS)公式サイト

🎯 制度の対象者(ざっくり)

まず、あなたが制度の対象になるかを確認しましょう。以下の条件をすべて満たす必要があります。

対象になる人 条件
倒産した会社の元従業員 倒産日(破産決定日等)の6か月前〜2年以内に退職した人
※倒産から2年以上前に退職した場合は対象外
正社員・契約社員・パート 雇用形態は問わない(※労働者性があること)
※役員は原則対象外(ただし、兼務役員で労働者性が認められる場合は対象)
未払賃金・退職金がある 退職日から遡って6か月以内に支払期日を迎えた賃金・退職金
※賞与(ボーナス)は対象外
2万円以上の未払いがある 少額(2万円未満)は対象外
※立替払額の上限は年齢により異なる(後述)

💡 「事実上倒産」でもOK

会社が営業停止・夜逃げなどで事実上倒産している場合も、労働基準監督署長が「倒産状態」と認定すれば対象になります。

法律上の倒産(破産・民事再生等)だけでなく、事実上の倒産も救済対象です。

📄 根拠:厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要(PDF)」

🧭 倒産後の流れとあなたの行動ステップ

ここからは、実際に制度を利用するための具体的な手順を解説します。

STEP 1:倒産の形態を確認する

まず、自分の会社が「法律上の倒産」「事実上の倒産」かを把握します。

種類 内容 どこで確認?
法律上の倒産 裁判所が破産・民事再生・特別清算等を決定した 官報や破産管財人の通知を確認
官報検索
事実上の倒産 会社が夜逃げ・営業停止・給与支払不能 労働基準監督署へ相談し、倒産認定を申請
全国の労働局・労基署一覧

🔸 倒産認定後、「未払賃金立替払制度」の申請が可能になります。
法律上の倒産の場合は破産管財人等が証明書を発行し、事実上の倒産の場合は労基署長が認定します。

STEP 2:未払金を"証拠で固める"

あなたの「給与・退職金の証拠」が最重要です。以下の書類を可能な限り集めてください。

🗂 集める書類(重要度順)
  • 給与明細・賞与明細(未払い分が分かるもの)
  • 給与振込通帳のコピー(入金履歴)
  • 雇用契約書・就業規則(給与額・退職金規定)
  • タイムカード・勤怠表(労働実態の証明)
  • 退職届・退職証明書(退職日・理由の記載が重要)

💡 これらは立替払申請時に「未払金の証明資料」として使われます。
証拠が不十分な場合、労基署が事業主や同僚に確認を取ることも可能です。

STEP 3:労働基準監督署に相談(最重要)

最寄りの労働基準監督署で「未払賃金立替払制度を使いたい」と伝えます。

📍 労基署で行うこと
  • 倒産認定申請(事実上倒産の場合)
  • 「未払賃金立替払制度」申請書の受け取り
  • 手続きのサポート(提出先・必要書類の案内)

🕒 相談は無料/予約不要。平日の業務時間内に訪問してください。
持ち物:給与明細、通帳コピー、雇用契約書等の証拠書類

📄 公式窓口検索:全国の労働基準監督署一覧(厚労省)

STEP 4:労働者健康安全機構へ申請(実際の立替払い窓口)

申請窓口:独立行政法人 労働者健康安全機構(JOHAS)

📝 提出する主な書類
  • 立替払請求書(労基署または破産管財人から入手)
  • 給与明細や通帳コピー(未払額の証明)
  • 倒産証明書または労基署の認定書
  • 本人確認書類・銀行口座情報

🕓 申請期限(重要)

破産など法律上倒産 → 決定日の翌日から2年以内
事実上倒産 → 労基署認定日の翌日から2年以内

⚠️ 期限を過ぎると申請できなくなります。早めの手続きが重要です。

支給までの目安:申請から1〜3か月程度

STEP 5:支給後にどうなるか

立替払制度による支給後、以下のようになります。

💰 支給額と上限
・未払いのうち最大で8割が支給
・支給額の上限は年齢により異なる:
 45歳以上:最大296万円
 30歳以上45歳未満:最大176万円
 30歳未満:最大88万円

💡 支給後、あなたの賃金請求権は国に移転(代位取得)します。
→ 国が会社や破産財団に請求する形になります。

📄 法的根拠:労働基準法第25条の5、未払賃金立替払法(昭和51年法律第34号)

参照:e-Gov法令検索「賃金の支払の確保等に関する法律」

⚠️ 注意点・よくある落とし穴

制度を利用する際に注意すべきポイントをまとめました。

注意点 内容
期限を過ぎると申請できない 「倒産から2年以内」に絶対に動くこと。期限を超えると救済なし。
※法律上の倒産は破産決定日から、事実上の倒産は労基署認定日から起算
書類が足りず支給遅延 明細や通帳コピーなど「証拠の一貫性」が重要。
給与額・支払日・未払い期間を明確に示せる資料を揃える
退職時期が古い 倒産日から2年以上前に退職していると対象外。
※倒産日の6か月前〜2年以内の退職者が対象
会社が労災保険未納でも大丈夫 労災保険に未加入・未納でも、制度の適用は排除されない
※未払賃金立替払制度は独立した制度(厚労省Q&Aより)
代理業者の高額請求に注意 「手続きを代行します」系の民間サイトに要警戒。
申請は自分で無料で可能。高額な代行費用を払う必要はありません

✅ 行動チェックリスト(必ず確認!)

以下のチェックリストを使って、抜け漏れなく手続きを進めましょう。

🐣 カイピヨくんのひとこと
カイピヨくん

「会社が倒産しても、あきらめるのは早いピヨ!」

国が"立て替えてくれる"制度があるピヨ〜。
明細と通帳を持って、まずは労基署に行くピヨ!
相談は無料だし、親切に教えてくれるピヨ。2年以内に動けば大丈夫ピヨ🐥💙

📌 まとめ:動けば救済されるチャンスはある

✅ 1. 倒産後も賃金は「消える」わけではない

会社が倒産しても、未払賃金立替払制度を利用すれば、最大8割を国が立て替えてくれる可能性があります。

✅ 2. 2年以内に労基署+JOHASへの手続きを

倒産日(または労基署認定日)から2年以内に申請すれば、救済される可能性があります。
期限を過ぎると申請できなくなるため、早めの行動が重要です。

✅ 3. 手続きはすべて自分で無料でできる

労働基準監督署とJOHASでの手続きは無料です。
高額な代行業者に頼む必要はありません。

✅ 4. 証拠書類の保全と、早めの相談がカギ

給与明細・通帳コピー・雇用契約書などの証拠書類を可能な限り集めてください。
そして、まず労基署に相談することが最初の一歩です。

✅ 5. 泣き寝入りせず、公的制度を活用しよう

倒産で困っている労働者を救済するための制度です。
あきらめずに、まず行動してください。

💙 一人で抱え込まないでください

会社の倒産は労働者の責任ではありません。

未払賃金立替払制度は、困っている労働者を救済するための公的制度です。

まずは最寄りの労働基準監督署に相談してください。あなたの権利を守るために、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

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