解決ドットコム式:組織は「フェーズ × 人材配置」で決まる 優秀なエースが組織を壊す理由

組織は「フェーズ × 人材配置」で決まる
優秀なエースが組織を壊す理由
通勤中やスキマ時間に、組織設計の本質を習得できます
「誰が正しいか」じゃないピヨ。「今、誰をどこに置くか」ピヨ!同じ人でも、フェーズが違えば主力にも組織破壊要因にもなるピヨ〜🔄✨
📌 はじめに:組織がうまく回らない本当の理由
組織がうまく回らなくなるとき、原因は「人」や「能力」だけにあるとは限りません。
💡 本質的な問題
むしろ多くの場合、組織が置かれている状況(フェーズ)と、人の役割配置・管理の仕方が噛み合っていないことが問題になります。
⚠️ 同じ人でも
- あるフェーズでは主力になり
- 別のフェーズでは組織を壊す要因になる
ということは珍しくありません。
これは人の優劣を語る記事ではありません。配置と順番の話です。
🔍 全体像:4つのフェーズと組織ライフサイクル
📖 理論的背景
組織の成長と衰退は、経営学において組織ライフサイクル理論として研究されています。特にグレイナーの成長モデル (Greiner, 1972)は、組織が「進化(安定期)」と「革命(危機期)」を繰り返すことを示しています。
📊 4つのフェーズ
| フェーズ | 主目的 | 組織の状態 |
|---|---|---|
| ① 成長 | 拡張・探索 | 正解がまだ存在しない |
| ② 安定 | 再現性・最適化 | 業務が定型化 |
| ③ 災害・危機 | 止血・修復 | 判断基準が壊れている |
| ④ 縮小・清算 | 損失最小化 | 事業・業務を絞る |
当てはまる項目をチェック
🌱 フェーズ① 成長フェーズ:探索と拡張の時期
📊 組織の状態
- 正解がまだ存在しない
- スピードと試行錯誤が価値
- 失敗が学習になる
👔 管理職の役割
- 任せる
- 試させる
- 失敗を回収する
✅ 適正人材
- 自分で考えて動ける
- 仮説検証が苦でない
- 未整備な環境に耐えられる
- 判断責任を引き受けられる
❌ NG人材
- 明確な手順がないと動けない
- 正解が決まらないと不安になる
- 判断責任を避ける
⚠️ ミスマッチが起きると
スピードが落ち、チャンスを逃し、組織が硬直します。
📖 グレイナーの法則
このフェーズは、組織の「創造性による成長」の時期にあたります。この時期にNG人材を配置すると、組織は次の段階へ進む前に「リーダーシップの危機」に陥り、成長が停滞します。
⚙️ フェーズ② 安定フェーズ:再現性と仕組みの時期
📊 組織の状態
- 業務が定型化
- 品質と再現性が重要
- 属人化がリスク
👔 管理職の役割
- 標準化
- 判断の分散
- 役割の明確化
✅ 適正人材
- ルールを守れる
- 再現性を重視できる
- 改善提案ができる
- チーム視点を持てる
❌ NG人材
- 常に独自解を出したがる
- ルールを飛ばす
- 「前はこうだった」で動く
⚠️ ミスマッチが起きると
品質が不安定になり、属人化が再発し、管理コストが増大します。
📖 状況対応型リーダーシップ(SL理論)
このフェーズで求められるのは、標準化されたプロセス内での継続的改善(カイゼン)能力です。Hersey & Blanchard (1969)の状況対応型リーダーシップにおける「高習熟度」のメンバーに対する委任型のマネジメントが機能する状態と言えます。
🚨 フェーズ③ 災害・危機フェーズ:マネジメントが消失する局面
⚠️ 重要
このフェーズは、成長・安定の延長線上にはありません。判断基準が壊れ、情報が分断され、一つの判断ミスが致命傷になる特殊な局面です。
📊 組織の状態
- 判断基準が壊れている
- 履歴・情報が分断されている
- 人が抜け、役割前提が崩壊
- 一つの判断ミスが致命傷になる
👔 管理職の役割(ここが本質)
この局面で管理職は、マネジメント職でいられません。
- 最も問題の大きい領域のプレイヤー
- 壊れたプロセスの修復者
- 全体問題の統合判断者
を同時に担います。人を見る暇はなく、構造を見て、止血し、修復します。
✅ 適正人材(極めて限定的)
次の条件をすべて満たす人だけ:
- 最低限の基礎を理解している
- ゴール(止血点)を理解できる
- 手順未完成でも動ける
- 自分の行動の影響範囲を意識できる
- 問題を「判断せずに」切り出せる
つまり、判断を下す人ではなく、判断を成立させる材料を出せる人
❌ NG人材①:自己完結型の自己判断人材
能力が高く、判断も早い。しかしこのフェーズでは危険になります。
- 応用を入れて走る
- 正解を出そうとする
- 判断を完結させてしまう
結果:判断が分散、プロセスが修復されない、マネジャーが統合できない
❌ NG人材②:指示待ち人材(論外)
災害・危機フェーズにおいて、指示待ちは戦力になりません。
理由は構造的です:
- 管理職は全体把握と止血で限界
- 指示待ち時間=被害拡大
- 前提説明・確認コストが莫大
つまり、指示待ち人材は、存在自体が止血を不可能にする
❓ なぜこのフェーズは「教育不能」なのか
教育に必要なのは:
- 時間
- 失敗許容
- 再挑戦の余地
災害・危機フェーズではそのすべてが存在しません。教育を始めた瞬間、災害は長期化します。
📖 合成の誤謬とHRO理論
危機下では情報の非対称性が激しく、個人の最適判断が全体の致命傷になる「合成の誤謬」のリスクが高まります。高信頼性組織(HRO)の研究では、極限状態においてこそ、個人の自律的な判断よりも情報の構造化と中央への集約が優先されるべき局面があることが示されています。
📖 認知負荷とセンスメイキング
危機管理のリーダーは、状況把握と意味づけ(センスメイキング)に最大の認知資源を割いています(Weick, 1993)。この状況で、指示待ち人材への対応はリーダーの認知負荷を限界以上に高め、組織全体の意思決定を遅延させます。
📉 フェーズ④ 縮小・清算フェーズ:損失最小化の時期
📊 組織の状態
- 事業・業務を絞る
- 将来より今
- 間違えると即致命傷
👔 管理職の役割
- 切り分け
- 判断の引き取り
- 撤退ラインの明確化
✅ 適正人材
- 割り切れる
- 感情と判断を分けられる
- 淡々と処理できる
- 完璧を求めすぎない
❌ NG人材
- 理想を語り続ける
- 全員を救おうとする
- 改革を始める
⚠️ ミスマッチが起きると
感情的なもつれから判断が遅れ、損失が拡大します。
📖 サバイバー・シンドロームと心理的デタッチメント
このフェーズでは、残された従業員にサバイバー・シンドローム (Noer, 1993)が発生します。過度な共感や理想主義は、清算実務における客観的な意思決定を遅らせ、結果として損失を拡大させるリスクがあります。マネジメント層には、心理的デタッチメント(感情的な切り離し)を保ち、淡々と処理する能力が求められます。
該当する項目をチェック
💥 なぜ人材ミスマッチは組織を壊すのか
⚠️ 本質的な構造
人は悪くない
能力もある
ただ置き場所が違う
正しい人が、間違ったフェーズに置かれると、
正しさが、組織破壊になる。
🔄 最終章:この判断は「いつ解除するか」
⚠️ 最重要
災害・危機フェーズの判断は、永続させてはいけません。
✅ 解除のサイン
- プロセスが文書化できる
- 判断基準が共有されている
- 履歴が追える
- 例外が減っている
- 管理職がプレイヤーを降りられる
この時、初めて権限委譲・教育・育成に戻れます。
📖 レヴィンの組織変革モデル
危機モードの解除は、レヴィンの組織変革モデル (Lewin, 1951)における「再凍結」のプロセスにあたります。解除条件を決めずに使う危機判断は、別の災害を生みます。
達成した項目をチェック
解除準備度
すべての条件を満たして安全に解除しましょう
習得した知識をチェック
組織配置マスター度
すべてチェックして完璧にマスターしましょう
まとめ
✅ 人材に優劣はない。フェーズに適正がある。
⚠️ 災害フェーズでは、自己完結判断も指示待ちも危険
必要なのは基礎+ゴールで動き、問題を構造化して上げられる人
🎯 管理職の仕事は
人を見ることではなく、フェーズを見極め、配置を変えること
「誰が正しいか」じゃないピヨ。「今、誰をどこに置くか」ピヨ!同じ人でも、フェーズが違えば主力にも組織破壊要因にもなるピヨ〜🔄 配置と順番が組織を決めるピヨ〜✨
📚 参考文献とエビデンス
- Greiner, L. E. (1972). Evolution and revolution as organizations grow. Harvard Business Review.
- Hersey, P., & Blanchard, K. H. (1969). Life cycle theory of leadership. Training and Development Journal.
- Imai, M. (1986). Kaizen: The Key to Japan's Competitive Success. McGraw-Hill.
- Weick, K. E. (1993). The collapse of sensemaking in organizations. Administrative Science Quarterly.
- Noer, D. M. (1993). Healing the Wounds: Overcoming the Trauma of Layoffs. Jossey-Bass.
- Lewin, K. (1951). Field theory in social science. Harper & Row.
- 高信頼性組織(HRO)理論、合成の誤謬、センスメイキング、サバイバー・シンドローム


