モバイルバッテリーが膨らんだら?使用中止・保管・回収先の確認順
モバイルバッテリーが膨らんだら?使用中止・保管・回収先の確認順
「どこに捨てる?」は後回し。まず今、安全な状態かを確認し、燃えにくい容器で一時保管してから回収先を探す手順です。
久しぶりにモバイルバッテリーを見たら、「本体が少し膨らんでいる」「ケースが浮いている」「充電すると以前より熱い」。そんな異変に気付くことがあります。まだ充電できると「もう少しだけ使えるのでは?」と思うかもしれません。しかし、膨張・変形したモバイルバッテリーは使用を続けないのが基本です。
NITE(製品評価技術基盤機構)は、リチウムイオン電池を搭載した製品について、膨らんで変形している・異常に熱くなる・焦げたようなにおいがする・充電できない・強い衝撃を受けて変形や破損している、といった異常があれば、使用を中止し、販売店やメーカー等へ相談するよう案内しています。確認する順番は次のとおりです。
- ①充電・使用をやめる
- ②押す・穴開け・分解しない
- ③発熱・煙・異臭を確認
- ④燃えにくい容器で一時保管
- ⑤メーカー・販売店を確認
- ⑥自治体の回収方法を確認
- ⑦指定された方法で引き渡す
今回は、モバイルバッテリーがすでに膨張している・異常が出ている場合の初動に絞って整理します。
- 結論|膨張したら「充電して様子を見る」はしない
- STEP1|まず充電ケーブルを外して使用を中止する
- STEP2|膨らみを押して元に戻さない
- STEP3|発熱・異臭・煙がないか確認する
- STEP4|膨張しているだけなら燃えにくい容器へ
- STEP5|夏の車内など高温になる場所へ置かない
- STEP6|購入店・メーカーを確認する
- STEP7|「回収ボックスに入れればいい」と決めつけない
- STEP8|回収先へ持っていく前に連絡する
- 【ツール】膨張バッテリー初動ナビ&問い合わせメモ
- よくある疑問|少しだけ・熱くない・原因は?
- 膨張したモバイルバッテリーの判断フロー
- 普段使いのモバイルバッテリー異常チェックと買い替え
- まとめ|膨らんだら「処分方法」より先に使用を止める
- よくある質問
- 参考にした公的情報
結論|膨張したら「充電して様子を見る」はしない
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 本体が膨らんでいる | 使用・充電を中止 |
| ケースや外装が浮いている | 使用・充電を中止 |
| 以前より異常に熱い | 使用・充電を中止 |
| 焦げ臭い・薬品のような異臭 | 使用を中止し安全確保 |
| 落下後に変形した | 使用しない |
| 煙・火花・炎が出ている | 近づかず安全確保、必要に応じ119番 |
| 正常に見える | メーカーの取扱説明書に従って使用 |
STEP1|まず充電ケーブルを外して使用を中止する
充電中に膨張へ気付いた場合は、まず使用を中止します。安全に外せる状態なら充電をやめ、以後、スマートフォンを充電する・モバイルバッテリー本体を再充電する・「まだ動くか」を試す、といった使用はしません。
リチウムイオン電池は、内部異常によって急激な発熱や発火につながることがあります。経済産業省も、異常な熱を感じた場合はすぐに電源を切り、充電を中止するよう案内しています。
STEP2|膨らみを押して元に戻さない
見た目が気になるからといって、手で押して平らにするのは避けます。NITEでは実際に、膨張したモバイルバッテリーを押し込んで元へ戻そうとした際、外力によって内部ショートが起こり、異常発熱・発火した事故事例を紹介しています。つまり、膨らみを直す作業そのものが危険になる可能性があります。
やってはいけない9つの行動
- 強く押す
- 曲げる
- 踏む
- 穴を開ける
- ハンマー等で壊す
- 分解する
- 電池を自分で取り出す
- 捨てやすいサイズへ切る
- 無理にケースへ押し戻す
「小さくすれば捨てやすい」という考え方にはしません。
STEP3|発熱・異臭・煙がないか確認する
| 比較的落ち着いている状態 | より注意が必要な状態 |
|---|---|
| 膨張している/変形している/現在は発熱していない/煙が出ていない → 使用は再開せず、一時保管して回収先を確認 | 触らなくても熱を感じる/焦げ臭い/化学薬品のような異臭/シューという音/煙/火花/炎 → 処分方法を調べるより、まず身の安全を確保 |
煙や炎が出ているときは近づかない
NITEは、モバイルバッテリーから煙や炎が噴き出しているときは、無理に近づかないよう案内しています。対処が難しい場合は、安全な場所へ離れて119番とします。
小型のモバイルバッテリーについては、火花などが収まった後、大量の水で冷却することが事故拡大防止に有効とNITEは案内しています。ただし、火炎や煙が続いている状態で無理に持ち運んだり、手でつかんだりしないことが大前提です。自分で安全に対処できないと感じたら、消防へ連絡します。
STEP4|膨張しているだけなら燃えにくい容器へ
発火しておらず、膨張・変形している状態なら、NITEは金属缶や土鍋などの燃えない容器へ入れ、販売店やメーカー等へ相談するよう案内しています。一時的に置く場所も、紙・衣類・布団・カーテン・段ボールなどの可燃物から離します。
「とりあえず机の引き出し」は避ける
膨張したバッテリーを「週末に捨てよう」と引き出しへ戻すのはおすすめできません。引き出しの中には、紙・文房具・ケーブル・布製品などが入っていることがあります。異常が出ているバッテリーは、通常の電子機器とは分けて扱うと考えましょう。
STEP5|夏の車内など高温になる場所へ置かない
リチウムイオン電池は高温環境でもリスクが高まります。そのため、膨張したモバイルバッテリーを車へ置いておき、後日店舗へ持っていくという保管方法も避けます。特に直射日光が当たる場所や高温になる車内には放置しません。経済産業省も、リチウムイオン電池を高温や直射日光にさらさないよう注意喚起しています。
STEP6|購入店・メーカーを確認する
次に、どこで処分・回収してもらえるかを確認します。最初の候補は、①製造メーカー、②購入した販売店です。メーカー名・型番が分かれば、公式サポート・回収案内・修理や交換対応・リコール情報も確認できます。
リコール対象かも確認する
膨張の原因が必ず製品不良とは限りませんが、製品によってはリコールが行われている場合があります。経済産業省やNITEでは、リチウムイオン電池搭載製品について、リコール対象品なら直ちに使用を中止して販売店・製造事業者等へ相談するよう案内しています。メーカー名・型番・製品名が分かるなら、処分前に一度確認しておくとよいでしょう。
STEP7|「回収ボックスに入れればいい」と決めつけない
ここは特に注意したい部分です。小型充電式電池には、JBRCの協力店・協力自治体による回収制度があります。しかし、JBRCでは膨張した電池・破損した電池・水濡れした電池などを通常の回収対象外としています。
つまり、膨らんでいるモバイルバッテリーを、そのまま家電量販店等の回収ボックスへ入れるとは限りません。先に店舗スタッフ等へ確認します。
膨張した電池は自治体によって対応が違う
環境省が2026年9月に公表した調査では、リチウムイオン電池または使用製品を回収している市町村は86.2%でした。一方、膨張・変形したリチウムイオン電池等を回収している市町村は41.3%でした。つまり、「自治体がリチウムイオン電池を回収している=膨張品も同じ場所で回収する」とは限りません。
自治体サイトではここを見る
検索するときは「○○市 モバイルバッテリー 膨張 処分」などで確認し、次の項目を見ます。分からなければ、ごみ・資源回収担当部署へ問い合わせます。
- 膨張品を受け入れているか
- 持ち込み場所
- 回収曜日
- 事前連絡が必要か
- 電池を製品から外す必要があるか
- 回収ボックスへ入れてよいか
一般ごみへ混ぜない
自治体から明確な案内がない状態で、可燃ごみ・不燃ごみ・プラスチックごみ・小型家電などへ自己判断で混ぜることは避けます。リチウムイオン電池は、ごみ収集・処理工程で圧縮や破砕を受けると発煙・発火につながる可能性があります。環境省も、自治体でのリチウムイオン電池による火災事故対策を進めています。
「電池だけ外せば捨てられる?」も自己判断しない
モバイルバッテリーでも、ケースを開ければ中のセルが見える製品があります。しかし、処分のために自分で分解することは避けます。特に膨張・変形している電池へ力を加えると、内部損傷につながる可能性があります。取り外しが難しい製品は、そのまま回収できる方法をメーカー・自治体へ確認します。
STEP8|回収先へ持っていく前に連絡する
膨張品は通常の電池とは扱いが違うため、いきなり店舗へ持っていくより、「膨張したモバイルバッテリーですが回収できますか?」と事前に確認する方が確実です。伝える内容は、モバイルバッテリーである・膨張している・現在発熱しているか・破損しているか・メーカー名・型番、程度です。下のツールでメモを作れます。
こんな状態なら持ち歩く前に相談する
現在も熱い・煙が出た・液漏れのような異常がある・本体が大きく裂けている・焦げ跡がある、といった場合は、そのまま電車・車等で持ち運ぶ判断をせず、メーカー・自治体・消防等へ状況を伝えて確認します。「捨てに行くためだから大丈夫」とは考えません。
【ツール】膨張バッテリー初動ナビ&問い合わせメモ
今の状態を選ぶと、安全確保を優先すべきか、一時保管して回収先を探してよいかの目安と、次にやることを表示します。メーカー名・型番・お住まいの市区町村を入れると、メーカー・販売店・自治体へ伝える問い合わせメモと、自治体サイトの検索語を作ります。
表示は一般的な初動の目安で、危険性や回収可否を判定するものではありません。身の危険を感じたら迷わず避難・119番を優先してください。入力内容は保存・送信しません。
よくある疑問|少しだけ・熱くない・原因は?
「少しだけ膨らんでいる」はセーフ?
膨張について、何mmまでなら使えるという家庭向けの判断基準はありません。NITEは「膨らんで変形している」こと自体を異常例として挙げています。「ほんの少しだから」ではなく、外観が以前と変わり膨張しているなら使用を中止と考えます。
発熱していなければ大丈夫?
現在冷えていても、膨張という異常がなくなったわけではありません。もう一度充電して「熱くならなければ使う」という確認方法は取りません。
膨張の原因は何?
リチウムイオン電池は使用や保管の状態などによって劣化します。また、高温・強い衝撃・内部異常・製品不具合なども事故につながる要因になります。ただし、自宅で「なぜ膨らんだのか」を特定する必要はありません。膨張している時点で、原因調査より使用中止を優先します。
膨張したモバイルバッテリーの判断フロー
- 膨らんでいる
- 充電中なら安全に可能な範囲で中止
- 煙・炎・強い発熱・異臭→身の安全・119番
- 押す・分解しない
- 燃えない容器で一時保管
- メーカー・購入店を確認
- 不可・不明なら自治体へ
- 指定された方法で回収
この順番なら、「どこへ捨てればいい?」から考え始めずに済みます。
やってはいけないことチェック
- もう一度充電して試す
- スマホを充電して使い切る
- 押して元へ戻す/穴を開ける/分解する/電池セルを取り出す
- 一般ごみに自己判断で混ぜる
- 無人の回収ボックスへ膨張品を勝手に入れる
- 車内へ長時間置く
- 紙・布・段ボールの近くで保管する
「処分するまであと少しだから」という理由で、危険な使い切り方をしないことが大切です。
「捨てる場所が分からないから保管し続ける」も解決にならない
膨張したバッテリーは、「捨て方が分からない」という理由で何か月も放置しないようにします。整理する順番は、メーカー → 購入店 → 自治体です。JBRCの通常回収へ出せない膨張品でも、メーカーや自治体で別の回収方法が用意されている場合があります。
普段使いのモバイルバッテリー異常チェックと買い替え
- 外装が膨らんでいない
- ケースが浮いていない
- 以前より異常に熱くならない
- 充電時間が極端に変わっていない
- 充電できないことがない
- 焦げ臭い・薬品臭がない
- 落下などで変形していない
- 水にぬれていない
- リコール対象ではない
1つでも明らかな異常があれば、使用を続けながら様子を見るのではなく、取扱説明書・メーカー等を確認します。
新しいモバイルバッテリーを買うときは?
買い替える場合は、安さや容量だけで選ばないことも重要です。経済産業省は、モバイルバッテリーを購入するときにPSEマークを確認するよう案内しています。あわせて、製造・輸入事業者が分かる、国内で連絡できる窓口がある、型番が確認できる、取扱説明書がある、といった点も確認しておくと、異常時に相談しやすくなります。
リコール記事とは役割を分ける
解決ドットコムでは、家電について「自分の製品がリコール対象か確認する」整理も扱っています。今回の記事はそれとは異なり、すでに膨張・発熱などの異常が起きている製品をどう扱うかが中心です。
👉 久しぶりに出した家電がリコール対象かも?型番・製造年・使用中止・メーカー確認の順番
型番や取扱説明書を整理しておく方法についてはこちらも参考にしてください。メーカー名・型番・購入時期が分かる状態にしておけば、異常時の問い合わせもしやすくなります。
まとめ|膨らんだら「処分方法」より先に使用を止める
モバイルバッテリーが膨張したとき、最初に考えるべきなのは「どのごみで捨てる?」ではありません。
- 1.使用・充電を中止
- 2.力を加えない
- 3.発熱・煙・異臭を確認
- 4.異常が強ければ身の安全
- 5.燃えない容器で一時保管
- 6.メーカー・購入店へ相談
- 7.自治体等を確認
- 8.指定された方法で引き渡す
特に覚えておきたいのは、膨張品はJBRCの通常回収対象外という点です。「充電池だから家電量販店へ持っていけばいい」と一律に考えず、膨張していることを伝えて確認します。
モバイルバッテリーの場合も、「まだ使えるか」「どこへ捨てるか」を先に考えるのではなく、「今、安全な状態か」から確認する。それが最優先です。
よくある質問
Q1. 少し膨らんでいるだけなら使えますか?
使用を続けないでください。NITEは「膨らんで変形している」状態を異常の例として挙げ、使用を中止して販売店・メーカー等へ相談するよう案内しています。
Q2. 充電を使い切ってから捨てた方がよいですか?
膨張した製品を処分のために充放電することは避けます。異常がある場合は使用を中止し、回収先の指示に従ってください。
Q3. 家電量販店の電池回収ボックスへ入れてよいですか?
膨張した電池はJBRCの通常回収対象外です。店舗独自の対応がある場合もあるため、回収ボックスへ自己判断で投入せず、スタッフへ確認してください。
Q4. 不燃ごみに出してもよいですか?
自治体によって回収方法が異なります。特に膨張品の対応は自治体ごとの差が大きいため、自分の自治体の公式案内を確認してください。
Q5. 膨らんだ部分を押せば元に戻りますか?
押さないでください。NITEでは、膨張したモバイルバッテリーを押したことで内部ショートし、発火した事故例が紹介されています。
Q6. 煙が出たらどうすればよいですか?
煙や炎が出ている間は無理に近づかず、まず身の安全を確保してください。自分で安全に対処できない場合は119番へ通報します。
暮らしのトラブル、ひとりで抱えていませんか?
家電・電池のトラブルの整理は、解決ドットコムで順番に確認できます。
参考にした公的情報
- NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構):リチウムイオン電池搭載製品の異常の例、膨張品を押し込んだ事故事例、煙・炎が出たときの対応、燃えない容器での一時保管について案内しています。
- 経済産業省:異常な発熱時の充電中止、高温・直射日光を避けること、購入時のPSEマーク確認、リコール対象品の使用中止について案内しています。
- 一般社団法人JBRC:小型充電式電池の回収制度。膨張・破損・水濡れした電池は通常の回収対象外としています。
- 環境省:市町村のリチウムイオン電池回収状況の調査(2026年9月公表)、ごみ処理工程での火災事故対策。
※回収方法・受け入れ条件は、メーカー・販売店・自治体ごとに異なります。実際の処分は各公式案内を確認してください。


