【FP3級 DAY4】公的医療保険制度の基礎理解
医療費の自己負担を減らす公的制度の仕組みを理解しよう!
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🎯 今日のテーマ
「医療費の自己負担を減らす公的制度の仕組みを理解する」
→ 病気やケガのリスクに備える社会保障制度を学びましょう!
📗 学習ポイント
🔹 公的医療保険は「国民皆保険」制度
| 項目 |
内容 |
| 対象 |
日本に住むすべての人が何らかの医療保険に加入 |
| 主な制度 |
健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度 |
| 給付内容 |
診療費の一部負担、出産手当金、傷病手当金 など |
🔹 医療保険の種類と対象者
| 制度名 |
対象者 |
管轄 |
| 健康保険(組合・協会けんぽ) |
会社員とその家族 |
会社+保険組合 |
| 国民健康保険 |
自営業・無職など |
市区町村 |
| 後期高齢者医療制度 |
75歳以上の人 |
広域連合 |
🔹 自己負担割合(原則)
| 年齢層 |
自己負担 |
| 小学生~69歳 |
原則 3割負担 |
| 70~74歳 |
原則 2割負担(一定所得者は3割) |
| 75歳以上 |
原則 1割負担(一定所得者は3割) |
🔹 高額療養費制度とは?
- 医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度
- 申請により戻る(限度額適用認定証もある)
- 同じ月・同じ医療機関ごとに集計して計算される
- 収入に応じて自己負担限度額が設定される
🔹 図解で理解:医療保険の全体構造
日本の医療保険制度(国民皆保険)
↓
↓
75歳以上は後期高齢者医療制度
✏️ Day 4 ミニ確認テスト(○×形式)
各問題について、正しいと思う場合は「○」、間違っていると思う場合は「×」を選択してください
Q1
国民健康保険の加入対象は自営業者や無職の人である。
Q2
高額療養費制度は、医療費が高額になった場合に年金を上乗せして支給する制度である。
Q3
後期高齢者医療制度の対象となるのは原則75歳以上である。
Q4
75歳以上の医療費自己負担は原則1割である。
Q5
日本は国民皆保険制度により、すべての人が何らかの医療保険に加入している。
✅ Day 4 テスト結果
正解一覧
Q1: ○ (国民健康保険は自営業者・無職などが対象)
Q2: × (高額療養費制度は医療費の自己負担軽減制度)
Q3: ○ (後期高齢者医療制度は原則75歳以上が対象)
Q4: ○ (75歳以上は原則1割負担、一定所得者は3割)
Q5: ○ (国民皆保険制度により全員が何らかの医療保険に加入)
✅ Day 4 ミニテスト【解説&深掘り】
✅【Q1】「国民健康保険の加入対象は自営業者や無職の人である。」
正解:○
解説:
国民健康保険(国保)は、市区町村が運営する公的医療保険制度で、「職場の健康保険に入れない人」が対象です。
国民健康保険の対象者:
• 自営業者・フリーランス
• 無職・退職者
• 学生(親の扶養に入らない場合)
• パート・アルバイト(勤務先で健康保険に加入しない場合)
注意点:
• 公務員 → 共済組合に加入
• 会社員 → 健康保険(組合健保または協会けんぽ)に加入
❌【Q2】「高額療養費制度は、医療費が高額になった場合に年金を上乗せして支給する制度である。」
正解:×
解説:
高額療養費制度は年金制度とは全く別の制度です。医療費の自己負担軽減のための制度です。
高額療養費制度の正しい内容:
• 同じ月・同じ医療機関での医療費が高額になった場合
• 収入に応じた自己負担限度額を設定
• 限度額を超えた分を後日払い戻し
• 事前に「限度額適用認定証」を取得すれば窓口負担も軽減可能
例:
月収30万円の会社員が100万円の医療費がかかった場合
• 通常の3割負担:30万円
• 高額療養費適用後:約9万円(自己負担限度額)
• 差額約21万円が後日払い戻される
✅【Q3】「後期高齢者医療制度の対象となるのは原則75歳以上である。」
正解:○
解説:
75歳になると、それまで加入していた健康保険や国民健康保険を脱退し、後期高齢者医療制度に移行します。
後期高齢者医療制度の特徴:
• 運営:各都道府県の広域連合
• 自己負担:原則1割(一定以上所得者は3割)
• 保険料:個人ごとに徴収
特例:
65歳以上74歳以下でも、一定の障害があると認定された人は対象になることがあります。
年齢別の医療制度:
• 0歳〜74歳:健康保険または国民健康保険
• 75歳以上:後期高齢者医療制度
✅【Q4】「75歳以上の医療費自己負担は原則1割である。」
正解:○
解説:
後期高齢者医療制度では、医療費の自己負担は原則1割負担となります。
自己負担割合(年齢別):
• 小学生〜69歳:3割負担
• 70歳〜74歳:2割負担(一定所得者は3割)
• 75歳以上:1割負担(一定所得者は3割)
一定所得者とは:
• 課税所得が145万円以上の人
• ただし、収入合計が単身で383万円未満、夫婦で520万円未満の場合は1割負担
ポイント:
高齢になるほど自己負担割合が軽減される仕組みになっています。
✅【Q5】「日本は国民皆保険制度により、すべての人が何らかの医療保険に加入している。」
正解:○
解説:
日本は1961年から「国民皆保険制度」を実現しており、日本に住むすべての人が何らかの公的医療保険に加入することになっています。
国民皆保険の仕組み:
1. 健康保険:会社員・公務員とその家族
2. 国民健康保険:自営業者・無職・退職者など
3. 後期高齢者医療制度:75歳以上の人
国民皆保険のメリット:
• 誰でも同じ医療を受けられる
• 医療費の自己負担が軽減される
• 保険証1枚で全国どこでも受診可能
• 高額療養費制度などのセーフティネットも充実
世界的に見ても:
国民皆保険制度は世界的に珍しく、日本の誇るべき社会保障制度の一つです。
🩺 Day4 まとめ
| 問題 |
正誤 |
ポイント |
| Q1 |
✅ |
国民健康保険は自営業者・無職などが対象 |
| Q2 |
❌ |
高額療養費制度は医療費の自己負担軽減制度(年金ではない) |
| Q3 |
✅ |
後期高齢者医療制度は原則75歳以上が対象 |
| Q4 |
✅ |
75歳以上は原則1割負担(一定所得者は3割) |
| Q5 |
✅ |
国民皆保険制度により全員が何らかの医療保険に加入 |
🩺 今日のゴール
- ✅ 日本の「国民皆保険制度」の仕組みを理解する
- ✅ 医療保険の種類と対象者の違いを把握する
- ✅ 年齢別の自己負担割合と高額療養費制度を覚える
📝 DAY4まとめ
- 日本は国民皆保険制度により、すべての人が何らかの医療保険に加入
- 健康保険(会社員)、国民健康保険(自営業等)、後期高齢者医療制度(75歳以上)
- 自己負担割合:3割→2割→1割と高齢になるほど軽減
- 高額療養費制度で医療費の自己負担限度額を設定、超過分は払い戻し
▶ 次回:DAY5公的介護保険制度の基礎理解へ