台風で車が水没したらどうする?エンジンをかけてはいけない理由と保険確認

台風で車が水没したらどうする?エンジンをかけてはいけない理由と保険確認
🌀🌊🚗⚠️🔋🧾 直感に反する「正解」と、水没車サバイバル&保険確認マニュアル
🎧 音声で聞く|水没車サバイバル&保険ガイド
停電時や移動中でも「ながら理解」できます(再生でXP+10)
「台風で駐車場の車が水につかった」「水は引いたけれど、エンジンをかけてもいい?」「車内まで水が入っていなければ大丈夫?」「ハイブリッド車やEVは触っていい?」「車両保険で修理できる?」
台風や集中豪雨では、河川の氾濫・内水氾濫・高潮・道路冠水などによって、自動車が浸水・水没することがあります。ここで最も避けたいのが、水が引いたから、とりあえずエンジンをかけてみることです。国土交通省は、浸水・冠水した車両について、外観上問題がなさそうでも感電事故や電気系統のショートによる車両火災のおそれがあるため、自分でエンジンをかけないよう注意喚起しています。特にハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は高電圧バッテリーを搭載しているため、むやみに触らないよう求めています。
JAFも、車内まで冠水した車では、電装系のショート・エンジン破損・ブレーキ機構の異常などのおそれがあるため、点検前にエンジンを始動しないよう案内しています。
📌 この記事で分かること
- 走行中・駐車中それぞれの水没ケースでの正しい対応
- なぜエンジンをかけてはいけないのか、HV・EVや海水・高潮の注意点
- 水が引いた後にやること(記録→ロードサービス→点検)の順番
- 車両保険で補償される可能性と、修理か全損かの判断
- 今すぐ何をすべきか診断するツールと、修理費vs保険金額の判定ツール
まず結論|水没車は「動くか試す」のではなく「動かさず点検する」
水没した車を見つけたら、水が引いた→車へ乗る→エンジンをかける、ではありません。基本は、人の安全確認→車へ無理に近づかない→エンジンをかけない→ロードサービス・販売店へ相談→保険会社へ連絡→点検・修理判断、です。
カイピヨくんのひとこと
「動くか確認するためにエンジンをかける」が、一番やりたくなるけど避けるべき行動なんだね。
【状況別】あなたの車は今、どちらですか?
大きく2つのケースに分かれます。まず、まだ車の中にいる場合です。この場合は、車を守るより、自分と同乗者が脱出することが最優先です。
ケース1|走行中に道路が冠水した
JAFは、深い冠水路に入ると、車内へ水が入って危険を感じる頃には、車が浮く・エンジンが停止する・前後へ動けない状態になる可能性があるとしています。国土交通省も、水深が床面を超えると電気装置が故障したり、吸気口・マフラーからの浸水でエンジンやモーターが停止し、再始動できなくなるおそれがあると案内しています。
車内に水が入ってきたら?
JAFは、車内へ浸水してきたらエンジンを停止し、脱出を考えるよう案内しています。窓が開くなら窓から脱出します。ドアやパワーウインドウが開かない場合には、緊急脱出用ハンマーを使う方法があります。JAFは、ドアや窓が開かない場合、緊急脱出用ハンマーでガラスを割って脱出するよう案内しています。ただし、一部車種ではドアガラスにも合わせガラスが使われており、ハンマーで割れない場合があります。
水圧でドアが開かないことがある
外の水位が高くなると、外からの水圧によってドアが開きにくくなります。JAFによると、車内へ水が入り、外との水位差が小さくなるとドアへかかる水圧も下がり、開けやすくなる場合があります。ただし、ドアが開くまで待てば必ず安全という意味ではありません。窓が開くなど、早い段階で安全に脱出できるなら脱出を優先します。
冠水道路へ入った時点で引き返せないこともある
JAFの冠水路走行テストでは、水深30cmでも速度によってはエンジンルームへ多量の水が入り、水深60cmではエンジン停止に至ったケースがあります。ただしJAF自身も、「30cmなら走れる」という基準にはしておらず、実際の冠水路では水深も路面状況も分からないため、安易に進入せず迂回するよう求めています。
ケース2|駐車していた車が水没していた
例えば台風翌朝、駐車場の水は引いている・車も普通に置いてある・見た目には壊れていない、という状態。ここで、「エンジンがかかれば大丈夫だろう」と始動しないでください。国土交通省は、外観上問題がなさそうでもエンジンを自分でかけないよう明確に案内しています。
なぜ水没車のエンジンをかけてはいけない?
主な理由は3つです。
理由1|電気系統がショートしている可能性
現在の車には、ECU・センサー・配線・モーター・ライト・電動シート・パワーウインドウなど、多数の電気部品があります。水に浸かると電気系統に異常が起きる可能性があります。国土交通省は、水没車では、感電事故・電気系統のショート・車両火災が起こるおそれがあるとしています。
理由2|エンジン内部に水が入っている可能性
冠水路を走行すると、吸気口から水を吸い込むことがあります。国土交通省は、水深が床面以下でも、走行速度によって巻き上げた水が吸気口から入り、エンジンが停止して動作しなくなるおそれがあると注意喚起しています。JAFも、水没車ではエンジン破損のおそれがあるため、点検前に始動しないよう案内しています。そのため、「セルが回るかだけ確認」も避けます。
理由3|ブレーキなど別の部品も異常になっている可能性
車が動いたからといって、安全に走れるとは限りません。JAFは、車内まで冠水した車について、電装系・エンジン・ブレーキ機構などに異常が生じているおそれがあるとしています。つまり、エンジンがかかった=走って帰れる、ではありません。
エンジンをかけなければ電気は流れていない?
これも注意が必要です。JAFは、水害により冠水した車では、キーを切っていてもバッテリーが接続されていれば電流が流れており、電気系統の漏電によって火災が発生する可能性があるとしています。
バッテリーは自分で外した方がいい?
国土交通省は、浸水・冠水車両について、使用するまでの発火防止のため、バッテリーのマイナス側ターミナルを外すよう案内しています。ただし、水が残っている・作業方法が分からない・車体が不安定・バッテリー周辺まで冠水している、など安全に作業できない場合に無理に触るべきではありません。ロードサービスや販売店、整備工場へ相談してください。
触れるだけで危険な2つの特殊ケース
HV・EVは自分で触らない
特に重要です。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧バッテリーを搭載しています。国土交通省は、HV・EVの水没車はむやみに触らないよう案内しています。JAFも同様に、HV・EVについてはむやみに触れないよう注意しています。
EVなら水没しても絶対に感電する?
そこまで単純ではありません。重要なのは、感電するか自分で確認しようとしないことです。外から見ただけでは高電圧系統の状態を判断できません。したがって、EVだから安全・EVだから絶対危険と自己判断せず、専門家へ任せます。
海水・高潮で水没した車は特に注意
河川の水だけでなく、高潮・海水による水没もあります。JAFによると、2004年の台風16号による高潮では、海水に浸かった車がその後自然発火する事例が発生しました。海水に含まれる塩分によって、配線等がショート→発熱→発火につながったとされています。さらに水が引いた後も塩分によって腐食が急速に進むため注意が必要です。
水が引いた後に車へすぐ戻らない
冠水地域では車だけでなく周囲にも危険があります。道路陥没・外れたマンホール・流木・電線・泥・深い水たまり、などです。JAFも、冠水路では濁った水によって道路状況が見えず、マンホールのふたが外れていても分からない可能性があると注意しています。
水没車を見つけた後の行動順
安全が確認できたら、この順番です。①エンジンをかけない②車へ無理に触らない③被害状況を確認④ロードサービスへ連絡⑤保険会社へ連絡⑥販売店・整備工場で点検⑦修理・全損判断。
🚗 状況診断ツール|今すぐ何をすべき?
今の状況に近いものを選ぶと、優先すべき行動をその場で表示します。
今の状況に近いものを1つ選んでください
選択でXP+10、バッジ獲得。状況は途中で選び直せます。
STEP1・2|触らずに被害を記録する
スマートキーの車でも、STARTボタンを押さないようにします。国土交通省・JAFとも、水没車についてエンジンを始動しないよう注意しています。保険会社へ相談するときのためにも、被害状況を記録しておくと整理しやすくなります。車全体・水位の跡・車内・シート・フロア・メーター周辺・周囲の冠水状況などです。ただし、写真のために水の中へ入ることはしません。安全が最優先です。
水位の跡は重要な情報
車体や車内には、泥の線など、水がどこまで来たか分かる跡が残る場合があります。清掃前に撮影しておくと、どの程度浸水したかを販売店・保険会社へ説明しやすくなります。
STEP3・4|自走せず牽引し、点検してもらう
水没車は、自走ではなく、けん引・搬送を基本に考えます。JAFは、一度でも車内へ浸水した車について、動かす前にJAFや販売店へ相談するよう案内しています。また、水が引いた後に、販売店や整備工場などへけん引するロードサービスにも対応しています。確認が必要なのは、エンジン・電装系・ブレーキ・コンピューター・車内・配線・バッテリーなどです。JAFも、冠水車は各部の点検が必要として、ロードサービスへの救援要請を勧めています。
ニュートラルにして押せばいい?
車種や浸水状態によって、電動パーキング・シフトロック・電気系統などの状況が違います。自分で操作して移動させようとせず、ロードサービスへ車種と状況を伝える方が安全です。
「車内まで入っていない」なら大丈夫?
必ずしもそうとは限りません。国土交通省は、水深が床面以下でも走行速度が高いと、巻き上げた水が吸気口から入り、エンジンが停止する可能性があるとしています。つまり、シートが濡れていないだけでは車両の安全性を判断できません。
どこまで水につかったら廃車?
一律に、タイヤ半分・シートまで・エンジンまで、という基準だけで決めることはできません。車種や、浸水した場所・水の種類・浸水時間・電装部品の位置・修理費、などによって異なります。販売店・整備工場と保険会社の確認が必要です。
修理できてもニオイ・腐食が残る場合がある
水没では機械部分だけでなく、フロアカーペット・シート・内装・配線なども濡れます。特に泥水・海水では、清掃して見た目が戻っただけでは十分でない場合があります。腐食などを含めて専門的な点検が必要です。
ここから保険|台風で水没した車は補償される?
まず確認するのは、車両保険に加入しているかです。日本損害保険協会によると、任意の自動車保険で車両保険を付けている場合、台風・洪水・高潮などによる車の損害が補償対象となることがあります。日本損害保険協会の自動車保険Q&Aでも、車両保険で補償される偶然な事故の例として、台風・洪水・高潮が挙げられています。
車両保険に入っていれば必ず補償?
契約内容によります。日本損害保険協会も、契約タイプによっては保険金が支払われない場合があるとして、契約している保険会社・代理店への確認を求めています。
自賠責保険では車の水没は補償されない
自賠責保険は、人身事故の被害者救済を目的とする保険です。日本損害保険協会は、自分自身の傷害・物損・自分の車の損害は自賠責保険では補償されないと説明しています。したがって、水没した自分の車について確認するのは、基本的には任意保険の車両保険です。
「一般型」じゃないと洪水は出ない?
商品によります。日本損害保険協会の一般的な例では、補償範囲を限定した車両保険でも、台風・洪水・高潮が補償されるタイプがあります。ただし保険会社・商品・契約条件で異なるため、「エコノミー型だから絶対対象外」とも、「車両保険なら絶対対象」とも決めず、自分の保険証券・契約内容を確認します。
地震による津波は別
ここは重要です。日本損害保険協会によると、一般的な車両保険では、地震・噴火・これらによる津波による損害は補償されません。別途、特約が用意されている場合があります。つまり、台風の高潮と、地震による津波では保険上の扱いが異なる可能性があります。
保険会社へ連絡するときに整理すること
電話・Web受付の前に、発生日・場所・原因(台風・洪水・高潮など)・車両(メーカー・車種・ナンバー)・浸水(どこまで水が来たか)・現在の状態(エンジン未始動・移動していない)・写真の有無・レッカーの要否、と整理しておくと伝えやすくなります。
修理工場を先に決める?
ロードサービスや修理工場の扱いが保険商品によって異なるため、保険会社→ロードサービス→販売店、へ順番に相談すると整理しやすくなります。保険会社によってはレッカー・レンタカー等のサービスが付いている場合もあります。
保険会社に確認したい5項目
①車両保険が付いているか②今回の洪水・台風が補償対象か(契約タイプ確認)③免責金額(自己負担額があるか)④レッカー費用(ロードサービスの範囲)⑤代車・レンタカー(特約等の有無)。
🧮 修理費 vs 保険金額 判定ツール
水没状態によっては、修理費が非常に高額になることがあります。例えばソニー損保では、洪水による水没について、エンジンまで浸かるなどして修理不能となった場合や、修理費が保険金額を超える場合を全損として扱う例を案内しています。具体的な全損基準や支払額は保険会社・契約によって異なります。修理見積が出たら、保険金額と比べてみましょう。
修理見積額と車両保険金額を入力してください
利用でXP+10、バッジ獲得。あくまで目安の確認です。
補償対象だからといって、必ず保険を使うとは限りません。確認するのは、修理見積・保険金額・免責・保険使用後の契約条件などです。保険会社へ、今回使った場合、翌年以降どうなるかも確認してから判断するとよいでしょう。
✅ 水没車チェックリスト
気になる項目をタップするとチェックが付きます(タップでXP+1、全項目完了でバッジ獲得)。
【走行中】
【水が引いた後】
【HV・EV】
【保険】
よくある質問
かけないでください。国土交通省は、浸水・冠水車両について、外観上問題がなさそうでも感電や電気系統のショート、車両火災のおそれがあるため、自分でエンジンを始動しないよう案内しています。
可能性があります。水深が床面以下でも、走行時に巻き上げた水が吸気口からエンジンへ入る場合があります。車内が濡れていないことだけで安全とは判断できません。
自己判断で走らないでください。JAFは、冠水車では電装系のショート、エンジン破損、ブレーキ機構の異常などのおそれがあるとして、点検前に始動せずロードサービスへ相談するよう案内しています。
むやみに触らないでください。国土交通省は、HV・EVは高電圧バッテリーを搭載しているため、浸水後は自分で触れず販売店・整備工場へ相談するよう案内しています。
特に注意が必要です。JAFは、海水中の塩分による電気配線のショートや、その後の急速な腐食、発火事例について注意喚起しています。
状況によりますが、JAFは浸水車両のけん引にも対応しています。水が引いた後、販売店・整備工場などへ搬送するよう相談できます。
任意保険で車両保険を付けている場合、台風・洪水・高潮による損害が補償対象になることがあります。契約タイプによって異なるため、保険会社へ確認してください。
自賠責保険は自分の車の損害を補償する保険ではありません。日本損害保険協会も、自分の車の損害は自賠責保険の補償対象外としています。
一般的な車両保険では、台風・洪水・高潮が補償対象として挙げられています。ただし契約内容によって異なります。
地震による津波は扱いが異なります。日本損害保険協会によると、一般的な車両保険では地震・噴火・これらによる津波の損害は補償されません。特約が用意されている場合があります。
🏆 獲得バッジ
音声を再生
状況診断ツールを利用
修理費vs保険金額ツールを利用
チェックリスト全完了
まとめ
台風で車が水没したら、まずエンジンをかけないことが重要です。水没車には、電気系統のショート・感電・火災・エンジン破損・ブレーキ異常などの可能性があります。特にHV・EVは高電圧バッテリーを搭載しているため、自分で確認しようとせず専門家へ任せます。
水が引いた後は、①エンジンを始動しない②安全なら被害を記録する③ロードサービスへ連絡する④販売店・整備工場へ搬送する⑤車両保険を確認する⑥修理・全損の判断をする、という順番です。また、台風・洪水・高潮による水没は、車両保険の補償対象になる場合がありますが、契約タイプによって異なります。
解決ドットコムからひとこと
水没した車を見ると、「まだ動くかな?」を確認したくなります。でも、この場面では、動くか?より、動かして安全か?を先に考えます。水が引いた→見た目は普通→エンジンを始動→電装・エンジンに異常、となれば、問題を大きくする可能性があります。だから、水没→エンジンをかけない→専門家へ確認→保険を確認→修理か買い替えか判断、の順番です。
また、保険についても、「台風だから全部出る」ではなく、車両保険は付いている?→洪水・高潮は対象?→免責はいくら?→レッカーは?→修理費と保険金額は?まで整理します。問題を解く前に、まず整理する。水没車は「とりあえず動かしてみる」のではなく、「触らない・始動しない・専門家へつなぐ」ことが、車両被害と二次事故を広げない第一歩です。
カイピヨくんのひとこと
まずは上の状況診断ツールで、今すぐ何をすべきか確認してみよう!
- 台風で窓ガラスが割れたらどうする?けがを防ぐ初動対応と応急処置(とらぶる解決屋さん)
- 地震で断水したらトイレは流してよい?(とらぶる解決屋さん)
- 地震発生後10分間対応(となりの解決屋さん)
※本記事は2026年8月29日時点の国土交通省、JAF、日本損害保険協会等の公表情報を基に一般向けに整理しています。浸水状況、車種、HV・EVの構造、保険契約等によって対応は異なります。冠水が続いている場所や流れのある水域へ車を確認しに行かず、人命・安全を最優先してください。

