借金の訴状が届いたら弁護士に依頼するには?相談から裁判対応までの流れを解説
借金の訴状が届いたら弁護士に依頼するには?相談から裁判対応までの流れを解説
相談・費用・裁判対応の流れを、最初の電話から依頼後までの順番で整理します。
裁判所から突然「訴状」が届いた。内容を読んでもよく分からない。「自分で答弁書を書くのは不安」「債権者と直接話したくない」「仕事があって裁判所への対応が難しい」——そんな場合は、弁護士へ相談して対応を依頼する方法があります。
ただし、「弁護士を探し始めたから、裁判の期限は待ってくれる」わけではありません。訴状が届いている場合、答弁書の提出期限や第1回口頭弁論期日はそのまま進みます。訴状を放置して反論もしない場合、不利な判決につながる可能性があるため、分からない場合ほど早めの対応が重要です。東京弁護士会も、訴状への対応が難しい場合には早めに弁護士へ相談するよう案内しています。
この記事では、借金やカード代金などを請求する訴状が届き、「自分ではなく、弁護士へ頼みたい」という人向けに、最初の電話から依頼後までを順番に整理します。
※本記事は一般的な情報を整理したものです。個別事件について、支払義務の有無、時効の成立、どのような答弁をすべきか等を判断するものではありません。
- 絶対のルール:放置しない
- 最初のミッション:2つの「期限」を確認する
- どんな場合に弁護士へ相談した方がいい?
- 弁護士を探す:「すべての弁護士」が裁判に対応するわけではない
- 最初の電話・問い合わせでは何を伝える?
- 相談までに書類をまとめる
- 相談では何を確認する?
- その場で依頼する前に「どこまでやってくれるか」を確認する
- 弁護士費用を確認する
- 費用が用意できない場合は?
- 正式に依頼するとどうなる?
- 弁護士に頼んだら、自分は何もしなくていい?
- 分割和解を希望する場合
- すでに別の法律事務所へ依頼している場合
- 依頼を断られたら?
- 弁護士へ依頼する流れを簡単にまとめると
- カイピヨくんの一言
- 獲得できるバッジ
- 次のステップへ進む
- よくある質問
- 参考情報
絶対のルール:放置しない
最初のミッション:2つの「期限」を確認する
弁護士を探す前に、裁判所から届いた書類を手元に置いてください。全部理解する必要はありません。まず確認するのは、次のような基本情報です。
| 確認するもの | どこを見る? |
|---|---|
| 裁判所 | 訴状・呼出状 |
| 事件番号 | 呼出状など |
| 原告 | 訴状 |
| 請求金額 | 訴状 |
| 答弁書の提出期限 | 裁判所からの案内 |
| 第1回口頭弁論期日 | 口頭弁論期日呼出状 |
特に重要なのが、「答弁書はいつまでか」「裁判は何月何日か」です。弁護士へ問い合わせるとき、この2つが分かっているだけでも話がかなり早くなります。
どんな場合に弁護士へ相談した方がいい?
「訴状が届いたら全員弁護士に依頼しなければならない」というわけではありません。一方、自分だけでは判断しにくいケースもあります。当てはまる項目を選んで診断してみましょう。
弁護士相談 要否診断ツール
当てはまるものをすべてタップして「診断する」を押してください。
弁護士を探す:「すべての弁護士」が裁判に対応するわけではない
弁護士を探すときは、単に「債務整理を扱っています」だけではなく、「すでに訴訟になっている借金の案件に対応できるか」を確認してください。ここはかなり重要です。
任意整理には対応していても、すでに裁判所へ訴えられている事件については、「訴訟対応は別契約」「別料金」「その事件は対応していない」ということがあります。したがって、問い合わせ時には、「債務整理を相談したい」だけではなく、「すでに裁判所から訴状が届いています」と最初に伝えます。
最初の電話・問い合わせでは何を伝える?
長い経緯を最初から全部説明する必要はありません。まず、次のように伝えれば十分です。
そのうえで事務所から、「相談可能です」「書類を送ってください」「予約日は〇日です」などの案内を受けます。「相談予約が取れた」だけでは、まだ弁護士があなたの代理人になったとは限りません。相談日が答弁書期限より後になる場合は、そのことを必ず伝えてください。
相談までに書類をまとめる
弁護士へ相談するときは、裁判所から届いた書類を一部だけ選ぶのではなく、封筒を含めて一式準備するのが分かりやすいです。法テラスも、法律相談では訴状や呼出状など、事件に関係する資料を準備することを案内しています。
相談準備チェックリスト
準備できたものからタップしてチェックしてください。全部揃っていなくても相談はできます。「資料がないから相談できない」と考えて期限を過ぎる方が問題です。
- 裁判所の書類(訴状、呼出状、答弁書など)
- 債権者からの書類(請求書、督促状など)
- 契約関係(契約書、カード関係書類)
- 返済関係(明細、振込記録、通帳)
- 債務一覧(他にも借金があれば一覧)
- 家計(収入・支出・毎月払えそうな金額)
- 以前の法律事務所関係(委任契約書、債権者一覧など)
相談では何を確認する?
弁護士へ行ったら、「どうしたらいいでしょうか?」だけで終わらせず、自分が知りたいことを整理しておくと分かりやすくなります。例えば、次のようなことです。
- 今回の請求内容に問題がないか
- 答弁書はどのように対応するのか
- 分割払いによる和解は考えられるのか
- 今回の一社だけ対応すればよいのか、それとも他の借金も含めて債務整理を考えるべきか
弁護士は、代理人として訴訟手続を進めたり、裁判所に提出する書類を作成したり、相手方と交渉したりすることができます。
その場で依頼する前に「どこまでやってくれるか」を確認する
ここは費用と同じくらい重要です。確認したいのは、「今回支払う費用で、どこまで対応してもらえるのか」です。「債務整理を依頼した=今回の裁判も全部込み」とは限りません。必ず委任契約の範囲を確認してください。
委任契約スコープ確認チェッカー
各項目をタップするたびに「未確認→含まれる→別契約」と切り替わります。相談時の聞き漏れ防止にお使いください。
弁護士費用を確認する
弁護士費用は全国一律ではありません。事務所や事件内容によって異なります。そのため、「着手金はいくら?」だけで判断するのではなく、最終的にどんな費用が発生する可能性があるかを確認します。
一般的には、相談料、着手金、報酬金、実費、日当などが問題になります。借金案件でも、任意整理費用と訴訟対応費用が別になっている場合があります。そのため、「表示されている債務整理費用の中に、今回すでに起きている裁判の対応も含まれますか?」と確認するのが分かりやすいです。法テラスでは任意整理について費用の目安も公開していますが、これはあくまで法テラスの立替制度上の任意整理費用の目安であり、すでに起きている訴訟の弁護士費用が必ず同じになるという意味ではありません。
費用が用意できない場合は?
「弁護士に頼みたいけれど、お金がない」という場合には、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。一定の収入・資産などの条件を満たす人について、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度があります。費用の立替えには、資力基準のほか、「勝訴の見込みがないとはいえないこと」「民事法律扶助の趣旨に適すること」といった要件があります。
立替制度の場合、法テラスが一旦弁護士費用等を立て替え、原則として利用者が分割で法テラスへ返済します。事情によっては返済猶予や免除の制度が利用できる場合もあります。
正式に依頼するとどうなる?
弁護士に正式に依頼する場合、通常は委任契約を結びます。契約後は、事件内容や依頼範囲に応じて弁護士が、訴状を確認する → 必要な主張を整理する → 裁判所へ提出する書面を作成する → 原告側と連絡・交渉する → 裁判期日に対応する → 必要に応じて和解を検討する、といった対応を進めます。
2026年5月21日以降に提起された民事訴訟では民事訴訟手続の全面デジタル化が始まっており、弁護士などの訴訟代理人にはmintsを利用したオンライン提出が義務付けられています。本人がそのシステムを使いこなす必要はありません。
弁護士に頼んだら、自分は何もしなくていい?
ここは違います。手続や交渉を弁護士へ任せられても、事件の事実を説明するのは本人です。弁護士から、「最後に返済したのはいつですか?」「この金額に心当たりがありますか?」「毎月いくらなら支払えますか?」「他に借金がありますか?」などを確認されることがあります。分からないことを無理に答える必要はありません。ただし、弁護士からの連絡を放置すると対応が進めにくくなるため、依頼後は連絡を確認してください。
分割和解を希望する場合
借金そのものには争いがなく、「一括では払えないので分割にしたい」という場合には、その希望も弁護士へ伝えます。「月5万円と言われても払えません」だけではなく、手取りはいくらか・固定費はいくらか・他の返済はいくらか・現実的に毎月いくらなら継続できるか、まで整理しておくと相談しやすくなります。
ここでは解決ドットコムの「借金返済計画・分割払いシミュレーター」を使って、自分の家計と返済可能額を事前に整理しておく使い方もできます。※シミュレーターで計算した返済額を債権者が受け入れることを保証するものではありません。
すでに別の法律事務所へ依頼している場合
債務整理をすでに法律事務所へ依頼している途中で、債権者から訴えられる場合もあります。この場合は、新しい事務所へ相談するときに、「現在、別の法律事務所へ債務整理を依頼しています」と必ず伝えてください。そのうえで、現在の事務所が今回の訴訟を対応するのか、対応しない場合は委任関係をどう整理するのか、新しい弁護士へ何の資料を引き継ぐのかを確認します。元の事務所との委任が残ったまま関係を曖昧にして別の弁護士へ依頼しようとすると、債権者への連絡窓口などが分かりにくくなる場合があります。まず現在の委任範囲を確認することが重要です。
依頼を断られたら?
弁護士へ相談しても、必ず受任してもらえるとは限りません。事件内容、裁判期日までの時間、事務所の取扱分野、利益相反、費用などによって、受けてもらえない場合があります。その場合は、「断られた=自分ではどうにもならない」ではありません。別の法律事務所、弁護士会の法律相談、法テラスなどを利用して、次の相談先を探します。ただし、その間にも裁判の期限は進みます。期限が近い場合は、相談先探しと並行して担当裁判所へ提出期限や手続方法を確認してください。
弁護士へ依頼する流れを簡単にまとめると
あなたが中心となって動くのは「最初の3ステップ」だけです。そこを乗り越えれば、専門家が盾となります。
カイピヨくんの一言
獲得できるバッジ
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よくある質問
参考情報
- 裁判所では、民事訴訟の基本的な流れや2026年5月21日からのオンライン手続について案内しています。裁判所「民事裁判手続のデジタル化」
- 裁判所は民事事件に関する手続のQ&Aも公開しています。裁判所「裁判手続についてのQ&A」
- 東京弁護士会では、裁判所から訴状などが届いた場合の法律相談窓口を案内しています。
- 法テラスでは、無料法律相談や弁護士費用等の立替制度(民事法律扶助業務)を案内しています。法テラス「法テラスの目的と業務(民事法律扶助業務)」


