フリーランス新法で会社は何を変えるべき?発注者向け完全ガイド

フリーランス新法で会社は何を変えるべき?発注者向け完全ガイド
🎧 音声で聞く|請求書を待つ支払いは法律違反
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「業務委託契約書はあるから問題ない」
「請求書が届いてから支払えばよい」
「フリーランスは社員ではないので、ハラスメント窓口の対象外」
「契約期間が終わったら、更新しなくても自由」
このような運用は、フリーランス新法に違反する可能性があります。
一般に「フリーランス新法」と呼ばれている法律の正式名称は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律です。「フリーランス・事業者間取引適正化等法」とも呼ばれ、2024年11月1日に施行されました。
しかし、会社が変更すべきなのは、契約書のひな形だけではありません。外注先の該当判定から、発注、支払、追加修正、募集、相談対応、契約終了まで、業務委託の運用全体を見直す必要があります。
公正取引委員会が公表した2025年度の運用状況では、1,552件について勧告または指導が行われました。違反行為の類型では、報酬の支払義務違反が1,135件、取引条件の明示義務違反が1,126件で、この2つだけで全体の8割を超えています。
つまり、特別に悪質な会社だけの問題ではありません。日常的な発注書、請求書、検収、振込の運用に、違反リスクが潜んでいるのです。
📌 この記事で分かること
- フリーランス新法の対象になる取引
- 発注者に課される7つのルール
- 契約期間によって変わる義務
- 発注書に記載する内容とテンプレート
- 報酬の支払期限(60日ルール)と計算例
- 募集・ハラスメント・育児介護への対応
- 契約終了時の30日前予告
- 会社が実際に変更すべき業務フロー
- まず結論|会社が変更すべき8つのこと
- 🔍 誰が「フリーランス」に該当する?対象者診断
- どのような取引が対象になる?
- 📈 契約期間で積み上がる発注者の義務
- 🗂️ 業務委託のライフサイクル|どこを見直すべきか
- 📋 フリーランス新法対応の発注書テンプレート
- ⏱️ 60日ルール|支払期日の計算例と自動計算ツール
- 💰 2026年問題|振込手数料の天引き完全禁止
- 1か月以上の委託で禁止される7つの行為
- 育児・介護等との両立への配慮/ハラスメント対策
- 📅 長期契約の終了は30日前までに予告
- 🏢 部門別・責任マトリクス/発注管理フロー8ステップ
- ⚠️ 新法を守っても防げない「労働者性」の罠
- ✅ 発注者向けチェックリスト
- 🧠 理解度クイズ|制度を正しく理解できているか診断
- 🏆 獲得バッジ
- よくある質問
- まとめ|最初から完璧を求めず、まず3つを可視化する
まず結論|会社が変更すべき8つのこと
フリーランスへ仕事を発注している会社は、最低限、次の8項目を見直しましょう。
2.発注時に法定事項をメールや発注書で明示する
3.納品・役務提供から60日以内に支払う
4.減額・返品・無償修正などの判断基準を作る
5.フリーランス募集の掲載内容を審査する
6.ハラスメント相談窓口をフリーランスにも開放する
7.育児・介護との両立に関する申出を受ける手順を作る
8.長期契約の終了・不更新を30日前までに予告する
特に注意したいのは、契約書を締結していても、必要事項がすべて書かれていなければ、取引条件の明示義務を満たしたことにはならない点です。
解決ドットコム ワンポイント
フリーランス新法への対応は「契約書を一度直して終わり」ではありません。発注から契約終了まで、誰が・いつ・何を確認するかを決める必要があります。
🔍 誰が「フリーランス」に該当する?対象者診断
法律上の「フリーランス」は、一般的なイメージとは少し異なります。法律では、業務委託の相手方である事業者のうち、次のいずれかに該当する者を「特定受託事業者」としています。
個人の場合
個人事業主などで、従業員を使用していない人です。
法人の場合
代表者以外に役員がいない、かつ従業員を使用していない、という両方の条件を満たす法人です。つまり、一人社長の会社も、法律上のフリーランスに該当する可能性があります。
「従業員を使用する」とは?
公正取引委員会のQ&Aでは、原則として次の両方を満たす労働者を雇用する場合を「従業員を使用する」としています。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される見込みがある
短時間・短期間だけ一時的に働く人を雇っているからといって、必ず対象外になるわけではありません。反対に、アルバイトが一人いるという理由だけで、必ず対象外になるとも限りません。勤務条件を確認して判断する必要があります。
会社が確認すべきこと
新規取引を始める際は、外注先に、個人か法人か、法人の場合は役員数、従業員を使用しているか、従業員の勤務時間と雇用見込み、発注日時点での状況を確認しましょう。
確認結果は、取引先登録フォーム、メール、電子契約システムなどに記録しておく方法があります。法律上の判定は発注時点の状況が重要です。発注後に相手が従業員を雇わなくなったとしても、その発注が後から法律の対象へ変わるわけではありません。
どのような取引が対象になる?
対象になるのは、事業者がフリーランスへ行う「業務委託」です。例えば、ライターへの記事作成、デザイナーへのロゴ・バナー制作、カメラマンへの撮影、エンジニアへのシステム開発、動画編集、講師への研修、コンサルティング、配送業務、営業代行、清掃・メンテナンスなどが考えられます。
一方、一般消費者が個人的に仕事を依頼する取引、フリーランスが完成済みの商品を一般販売する取引、業務委託ではない通常の商品売買、発注先が法律上のフリーランスに該当しない取引は、原則として対象ではありません。
例えば、企業がカメラマンへ宣材写真の撮影を委託する取引は対象になり得ますが、消費者が家族写真の撮影を依頼する取引は事業者からの委託ではないため対象外です。
📈 契約期間で積み上がる発注者の義務
すべての発注者に、同じ義務が課されるわけではありません。発注者が従業員を使用しているか、業務委託期間がどのくらいかによって、適用されるルールが変わります。
| 発注者・契約の状況 | 主な義務 |
|---|---|
| フリーランスへ業務委託するすべての事業者 | 取引条件の明示 |
| 従業員を使用する発注者等 | 支払期日の設定、募集情報の的確表示、ハラスメント対策 |
| 1か月以上の業務委託 | 7つの禁止行為 |
| 6か月以上の業務委託 | 育児介護等への配慮、中途解除・不更新の予告と理由開示 |
従業員を使用していない個人事業主や、一人の代表者だけで従業員もいない法人が別のフリーランスへ発注する場合でも、取引条件の明示義務はあります。単発契約でも「取引条件の明示」と「60日以内の支払い」は必須で、長期化するほどマネジメントコストが増大します。
🗂️ 業務委託のライフサイクル|どこを見直すべきか
契約書の雛形を変えるだけでは不十分です。現場の「日々のフロー」を旧方式から新方式へアップデートする必要があります。各フェーズの具体的な変更点を見ていきましょう。
Phase1|募集・準備:入口のコンプライアンス
ウェブサイト、SNS、求人・案件募集サービス、クラウドソーシングサイトなどでフリーランスを募集する場合、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示は禁止されています。募集情報は、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
現在の厚生労働省の案内では、SNSなどを通じて募集する場合、少なくとも次の6項目を記載する必要があります。
- 募集者の氏名または名称
- 住所・所在地
- 連絡先
- 業務内容
- 業務を行う場所
- 報酬
これらが欠けている募集は、「誤解を生じさせる表示」に該当するものとして、法違反になると案内されています。
案件募集を現場担当者だけで公開できる状態を見直し、発注責任者・人事・法務のいずれかが確認するルールを設けましょう。掲載中の案件を定期的に確認し、終了済みの募集は削除・停止します。
Phase2|発注:「とりあえず作業開始」の完全禁止
フリーランスへ業務委託をした場合、発注者は直ちに、書面または電磁的方法で取引条件を明示しなければなりません。口頭だけの発注は認められません。メール、チャット、SNSのメッセージ、電子契約、発注システムなどを利用できます。
明示する主な事項
- 発注者とフリーランスの名称
- 業務委託をした日
- 給付・業務の内容
- 納品日または役務提供日
- 納品・役務提供を行う場所
- 検査を行う場合の検査完了日
- 報酬額
- 支払期日
- 現金以外で支払う場合の支払方法に関する事項
問題は、契約書の名称ではありません。発注時点で、必要な取引条件が書面や電子データとして相手へ示されているかが重要です。発注担当者が自由文で依頼するのではなく、必須項目が未入力なら発注できない「発注フォーム」を導入しましょう。
📋 フリーランス新法対応の発注書テンプレート
発注担当者が自由文で依頼する運用をやめ、次の項目をすべて含む発注書・発注メールのひな形を使いましょう。未入力の項目があれば発注できない仕組みにするのが理想です。
記載のポイント
- 納品日・支払期日は具体的な日付で書く——「完成後」「月末締め」などの曖昧な表現は避けましょう。
- 基本契約書と個別発注書を分ける場合——基本契約書に一般条項、個別発注書に業務内容・金額・納期など個別事項を記載し、両方を合わせて法定事項を満たす形にします。
- 電子データでの明示も有効——メールやチャットでも構いませんが、必要事項をすべて記載し、後から確認・保存できる状態にする必要があります。
- 修正・追加費用の条件を先に決めておく——後述する「不当なやり直し」の禁止に関わる重要項目です。
カイピヨくんの一言
発注書は「型」を決めておけば毎回悩まなくて済むよ。15項目を埋めれば、それだけで法定事項をほぼ網羅できるようにテンプレート化しておこう。
Phase3|実行・修正:「修正は何回でも無料」の崩壊
デザイン、記事、動画、システム開発などでは、修正回数を決めずに発注するケースがあります。しかし、当初の依頼内容と異なる変更や、発注者側の都合によるやり直しを無償で求めると、不当な給付内容の変更・やり直しに該当する可能性があります。
| 無料対応になりやすいもの(受注者側の責任) | 追加発注として扱うべきもの(発注者都合) |
|---|---|
| 発注内容と異なる成果物 | 発注後の方向性・仕様の変更 |
| 明らかな誤記・バグ | 承認済み成果物の作り直し |
| 合意した仕様を満たしていない部分 | 顧客都合による全面変更 |
| 事前に決めた修正回数の上限を超えた対応 |
誰の責任で修正が発生したかを整理し、発注者都合なら金額と納期を再明示(再発注)しましょう。
⏱️ 60日ルール|支払期日の計算例と自動計算ツール
従業員を使用する発注者などは、フリーランスから物品や成果物を受け取った日、または役務の提供を受けた日から、60日以内のできる限り短い期間に支払期日を設定し、その期日までに支払わなければなりません。
「請求書が届かない」「社内・顧客の検収が終わらない」は、支払いを遅らせる免罪符になりません。
支払期日の自動計算ツール
納品日(または役務提供日)を入力すると、60日後の日付が自動で計算されます。実際の支払期日はこれより短く設定するのが望ましいですが、法定上限の目安として活用してください。
60日以内の支払期限(法定上限)
※実務では、この日付より前の「できる限り短い期間」に設定することが望ましいとされています。
計算例で確認する
| 納品日 | 60日後の期限 | ポイント |
|---|---|---|
| 2026年8月1日 | 2026年9月30日 | 8月・9月とも大の月ではないため日数計算に注意 |
| 2026年8月15日 | 2026年10月14日 | 月をまたぐ計算は自動計算ツールで確認するのが確実 |
| 2026年9月1日 | 2026年10月31日 | 「翌々月末払い」が偶然60日に収まる場合もあるが、必ず確認が必要 |
「月末締め翌月末払い」のような固定ルールは、納品日によっては60日を超えてしまう場合があります。契約ごとに、実際の納品日から60日を計算する仕組みが必要です。
請求書の到着日を基準にしない
会社によっては、「請求書を受け取った月の翌月末に支払う」という運用をしています。しかし、請求書の提出が遅れたことを理由に、成果物の受領や役務提供から60日を超えて支払う運用は危険です。実際に公正取引委員会の指導事例では、「請求書受領月の翌月末日」を支払期日にしていた運用が問題とされています。
「検収が終わっていない」も注意
支払期日の起算点は、原則として成果物を受領した日や役務提供を受けた日です。社内確認、上司の承認、顧客の確認、検収作業が遅れているという事情だけで、支払期限を後ろへずらせるとは限りません。
支払い運用の改善例
- 納品日を発注システムへ記録する
- 納品から60日以内になる支払日を自動計算する
- 請求書未着でも担当者へ警告を出す
- 検収担当者と支払担当者を分けて管理する
- 支払期日が空欄の発注を禁止する
- 翌々月払いの契約を一律に使用しない
💰 2026年問題|振込手数料の天引き完全禁止
2026年1月1日以降の発注分については、フリーランスとの合意があったとしても、振込手数料を報酬から差し引く行為は、原則として報酬の減額に該当します。
契約書に「振込手数料は受注者負担とする」と書いてあれば必ず有効になる、という考え方は避ける必要があります。2026年の勧告事例では、「事務手数料」「業務委託管理料」「照合明細費用」などの名目で報酬から金額を差し引いたケースも公表されています。
会社が変更すべきこと
- 支払システムの手数料負担設定を「自社負担」へ変更する
- 契約書の「振込手数料は受注者負担」の条項を見直す・削除する
- 経理担当者へ新ルールを周知する
- 一括振込時の控除設定を確認する
- 管理料や事務手数料など、別名の控除も確認する
1か月以上の委託で禁止される7つの行為
フリーランスへの業務委託期間が1か月以上の場合、発注者には次の7つの禁止行為が適用されます。
①受領拒否
フリーランスに責任がないのに、注文した成果物などを受け取らないことです。「社内方針が変わった」「顧客が不要と言った」「担当者が退職した」という発注者側の事情だけで、完成した成果物の受領を拒むのは問題になる可能性があります。
②報酬の減額
フリーランスに責任がないのに、決めた報酬を後から減らすことです。予算が足りない、売上が悪かった、顧客から入金されなかった、社内経費を差し引く、振込手数料を差し引く、といった運用に注意が必要です。
③返品
フリーランスに責任がないのに、受領した物品などを返品することです。
④買いたたき
通常の対価や市場価格と比べ、著しく低い報酬を不当に設定することです。価格が安いという事実だけで直ちに違反になるわけではありませんが、業務内容、工数、相場、交渉経緯などを踏まえて判断されます。
⑤購入・利用強制
正当な理由なく、発注者が指定する商品やサービスを購入・利用させることです。指定教材を自費で購入させる、有料の業務システムを強制契約させる、発注会社の商品を購入させる、などです。
⑥不当な経済上の利益の提供要請
報酬に含まれていない作業、金銭、サービスなどを、不当に提供させることです。無料で追加資料を作らせる、無償でイベントを手伝わせる、協賛金を負担させる、契約外の作業を無償で行わせる、などが考えられます。
⑦不当な内容変更・やり直し
フリーランスに責任がないのに、発注内容を変更したり、無償でやり直させたりすることです。
育児・介護等との両立への配慮/ハラスメント対策
育児・介護等との両立に配慮する
6か月以上の継続的な業務委託では、フリーランスから申出があった場合、育児、介護などと業務を両立できるよう、必要な配慮を行う義務があります。6か月未満の業務委託でも、配慮するよう努める必要があります。
打ち合わせ時間の変更、オンライン参加、納期や作業時間の調整、一時的な業務量の削減などが配慮の例です。必ずフリーランスの希望どおりにしなければならない、という意味ではありませんが、申出を無視せず、事情を確認し、可能な配慮を検討することが重要です。
ハラスメント対策の体制を整える
フリーランスは社員ではありませんが、発注者にはハラスメント対策に必要な体制整備が求められます。方針の明確化、周知・啓発、相談窓口の整備、適切な対応、迅速な事実確認、プライバシー保護、相談を理由とする不利益取り扱いの禁止が必要です。
厚生労働省によると、法施行後の指導では、ハラスメント対策の体制整備と募集情報の的確表示に関する違反が多くなっています。既存の社員向け相談窓口を、フリーランスも利用できるようにする方法がありますが、規程に「従業員のみ」と書かれている場合は、対象者を追加する必要があります。相談したことを理由に、契約を解除したり、次回から発注しなかったりする報復的な対応は禁止されています。
📅 長期契約の終了は30日前までに予告
6か月以上の継続的な業務委託について、契約を途中で解除する場合や、契約満了後に更新しない場合は、原則として少なくとも30日前までに予告する必要があります。予告後、契約終了までの間にフリーランスから理由の開示を求められた場合は、遅滞なく理由を開示しなければなりません。
1年間の契約を途中で解除する、半年以上更新してきた契約を終了する、自動更新してきた契約を次回更新しない、毎月発注していた業務を終了する、担当変更を理由に契約を打ち切る——こうしたケースが対象になり得ます。
予告は書面、ファクシミリ、電子メールなど、記録が残る方法を使いましょう。「担当が変わった」「会社都合で急に案件がなくなった」という理由だけで、即日打ち切り(予告免除)にはなりません。
契約終了時の社内フロー
2.6か月以上の継続委託か確認する
3.解除・不更新の理由を整理する
4.30日前までに通知する
5.理由開示請求へ対応する
6.未払い報酬を確認する
7.成果物・データを引き継ぐ
8.アカウントや権限を停止する
9.貸与品を返却してもらう
10.対応記録を保存する
災害など、予告が困難な一定の例外はありますが、個別事情に迷う場合は、労働局や専門家へ確認しましょう。
🏢 部門別・責任マトリクス/発注管理フロー8ステップ
| 部門 | 主な役割 |
|---|---|
| 発注部門 | 業務内容、納期、修正範囲、契約期間の確定 |
| 購買・総務 | 取引先登録、発注書・契約書の管理 |
| 経理 | 支払期日、振込額、手数料負担の確認 |
| 人事 | 募集情報、育児介護への配慮、相談窓口 |
| 法務 | 契約書、禁止行為、契約終了の確認 |
| コンプライアンス | 研修、相談、違反疑いの調査 |
| 情報システム | 発注・支払い・契約期限のシステム管理 |
| 経営者・責任者 | ルールの承認、例外対応、是正判断 |
中小企業では、一人が複数の役割を担当することもあります。その場合でも、「誰かが確認する」ではなく、担当者名と期限を明確にしましょう。
発注管理フロー8ステップ
STEP2|取引先の属性を確認する(発注時の体制・従業員有無の記録)
STEP3|発注書を必須化する(口頭依頼の撤廃、必須項目のフォーム化)
STEP4|契約期間を管理する(1か月・6か月の境目で義務変更へ対応)
STEP5|納品・役務提供日を記録する(請求書ではなく「納品日」起点の管理)
STEP6|追加作業を別発注にする(仕様変更時の再見積もりと納期再設定)
STEP7|経理システムを修正する(手数料負担設定、60日超過アラート)
STEP8|相談・終了手続きを整える(窓口開放と30日前予告ルールの徹底)
⚠️ 新法を守っても防げない「労働者性」の罠
契約書に「業務委託」と書いていても、実際の働き方が労働者に近ければ、労働基準法などが適用される可能性があります。厚生労働省は、労働者に該当するかどうかは、契約の名称ではなく、働き方の実態を踏まえて総合的に判断すると案内しています。
❌ 出退勤時間を会社が細かく指定している
❌ 業務を断る自由がない
❌ 仕事の進め方を常に直接指示している
❌ 代わりの人に業務を任せられない(代替性の欠如)
❌ 報酬が「作業時間」だけで決まる
フリーランス新法に対応したからといって、労働者性の問題がなくなるわけではありません。業務委託としての独立性があるかも、別に確認する必要があります。新法対応と同時に、働き方の実態監査が必要です。
✅ 発注者向けチェックリスト
タップしてチェックを付けながら対応状況を確認しましょう(チェック1つでXP+1/全部チェックでバッジ獲得)。チェック状態はこの端末に保存されます。
取引先確認・発注
支払い・修正
就業環境・契約終了
🧠 理解度クイズ|制度を正しく理解できているか診断
全4問。正解でXP+5。全問正解でバッジ「🏆 フリーランス新法マスター」を獲得!
🏆 獲得バッジ
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クイズ全問正解
よくある質問
契約書に法定の明示事項がすべて記載され、個別の業務内容、報酬、納期、支払期日などが確定していれば、契約書で明示することもできます。ただし、基本契約書に一般的な事項しか書かれていない場合は、個別発注書やメールなどで不足事項を明示する必要があります。
電磁的方法による明示は可能です。ただし、必要事項をすべて記載し、後から確認・保存できる状態にする必要があります。単に「お願いします」と送るだけでは不十分です。
全員ではありません。従業員を使用している個人事業主は、法律上の特定受託事業者に該当しない場合があります。発注時の状況を確認してください。
請求書の提出ルールを定めることはできますが、法定の支払期限を超える理由にはできません。成果物の受領日や役務提供日を起点に、支払期限を管理する必要があります。
いいえ。1か月以上の委託に適用される7つの禁止行為が直接適用されない場合でも、取引条件の明示義務などは残ります。また、独占禁止法など、別の法律で問題になる可能性もあります。
フリーランスが利用できることを明確にし、相談方法や不利益取り扱いの禁止を周知する必要があります。規程や案内が社員だけを対象にしている場合は、見直しが必要です。
まとめ|最初から完璧を求めず、まず3つを可視化する
フリーランス新法で会社が変更すべきなのは、契約書だけではありません。対象者の確認、発注、検収、支払い、追加修正、募集、相談対応、契約終了まで、業務委託の流れ全体を見直す必要があります。
重要なポイントを整理すると、次のとおりです。
- 一人法人も対象になる可能性がある
- 発注時に取引条件を直ちに書面やメールで明示する
- 契約書があっても必要事項が不足すれば不十分
- 報酬は成果物の受領・役務提供から60日以内に支払う
- 2026年以降は振込手数料を報酬から差し引かない
- 1か月以上の委託では7つの禁止行為が適用される
- 追加修正や仕様変更は別発注として整理する
- 募集情報は正確・最新に保つ
- フリーランス向けのハラスメント相談体制を作る
- 6か月以上の委託では育児介護等への配慮が必要
- 契約解除・不更新は原則30日前までに予告する
- 業務委託という名称でも、実態によっては労働者になる
解決ドットコムからひとこと
フリーランス新法への対応で、最初から完璧なシステムを作る必要はありません。まずは、社内で次の3つを確認してください。
2.何を、いくらで、いつまでに依頼したのか
3.いつ納品され、いつ支払うのか
この3つが一覧で確認できない会社は、契約書より先に、発注管理の仕組みを整える必要があります。違反の多くは、悪意よりも、担当者ごとに発注方法が違う、経理が納品日を知らない、契約期間を誰も管理していない、追加修正が口頭で増えていく、相談窓口が社員だけを対象にしている、といった運用の分断から起こります。
契約を直す前に、まず現場の発注フローを整理する。それが、フリーランス新法に対応しながら、発注者と受注者の双方が安心して仕事を進めるための第一歩です。


