ITサポート:DAY36|ネットが遅い時

🐥 カイピヨくんと学ぶ ITサポート独学
DAY36|ネットが遅い時
― 原因切り分け ―
通勤中、家事をしながら、ネットワーク切り分けを音声で学習
※音声と記事の内容は同じです。お好みの方法で学習してください
📖 はじめに|DAY36は「遅い=原因が分かる日」
ITサポートで一番あいまいな相談がこれです。
- 「ネットが遅いです」
- 「なんか重いです」
- 「さっきまで普通だったのに…」
でもITサポートは、
"遅い"をそのまま受け取りません。
DAY36では、
感覚トラブルを論理トラブルに変える方法
を学びます。
「遅いって言葉はヒントゼロピヨ。」
"どこが遅い?"に分けるピヨ!🐥💙
第1章|結論:ネットが遅い=どこかが詰まっている
まず結論です。
どこかで渋滞すると遅くなる
通信の道(復習)
🎮 体験しよう:通信経路ビジュアライザー
第2章|「遅い」の正体を分解する
ITサポートが最初にやること
分解例
- ✅ ページが開くのが遅い
- ✅ 動画だけ止まる
- ✅ 特定サイトだけ遅い
第3章|切り分けの基本ルール(超重要)
ルールはこれだけ
比較の例
📊 切り分けの科学的根拠
トラブルシューティングの基本原理:ITサポートの切り分けは、科学的実験の「対照実験」と同じ原理です。1つの変数だけを変更して結果を比較することで、原因を特定します。複数の変数を同時に変更すると、どの変更が効果をもたらしたか不明になります。
ネットワーク速度の目安:用途別の必要速度は以下の通りです。①Webブラウジング:1〜5 Mbps、②YouTube(1080p):5 Mbps、③Zoom/Teams会議:3〜4 Mbps(上り下り)、④Netflix 4K:25 Mbps、⑤オンラインゲーム:30〜100 Mbps(Ping値20ms以下推奨)。速度測定サイト(Fast.com、Speedtest.net)で実測できます。
時間帯による速度変動:総務省「令和5年度通信速度測定結果」によると、光回線の平均速度は時間帯で大きく変動します。ピーク時(20〜22時)は昼間の60〜70%程度に低下。特に集合住宅の共用回線(VDSL)では顕著で、100Mbps契約でも夜間は10〜30Mbpsまで低下することがあります。
🎯 5つの原因パターン
各カードをクリックして詳細を確認しよう
• マウス操作も遅い
• アプリ起動しすぎ
• 有線だと速い
• 距離が遠い
• 再起動で改善
• 長時間稼働
• 特定時間帯だけ
• 夜だけ遅い
• 他は普通
• こちらの問題ではない
📊 ネットワーク遅延の技術的要因
Wi-Fi規格と理論速度:Wi-Fi 4(802.11n)最大600Mbps、Wi-Fi 5(802.11ac)最大6.9Gbps、Wi-Fi 6(802.11ax)最大9.6Gbps。ただし、実際の速度は理論値の40〜60%程度。障害物(壁、家具)、電子レンジやBluetooth機器との電波干渉、同時接続台数により大きく低下します。5GHz帯は2.4GHz帯より高速ですが障害物に弱いです。
ルーター再起動の効果:ルーターは長時間稼働すると、メモリにセッション情報やキャッシュが蓄積し、処理速度が低下します。再起動により、①メモリクリア、②DHCPリース更新、③ルーティングテーブル最適化、④ファームウェアの一時的不具合解消、が行われます。月1回程度の再起動が推奨されます。
回線種類別の特徴:①光ファイバー(FTTH):最大1〜10Gbps、安定性高、②CATV:最大320Mbps、上り速度が遅い、③ADSL:最大50Mbps(実測5〜30Mbps)、距離で大幅減衰、2024年サービス終了進行中、④モバイル回線(4G/5G):環境依存大、混雑時に大幅低下。光回線の世帯カバー率は約98%(総務省2023年)です。
サーバ応答時間:Webサイトの表示速度は、①DNS解決(20〜120ms)、②TCP接続確立(30〜200ms)、③HTTPリクエスト/レスポンス(50〜500ms)、④コンテンツダウンロード(サイズ依存)の合計です。GoogleのCore Web Vitalsでは、LCP(Largest Contentful Paint)が2.5秒以内が良好とされます。CDN(Content Delivery Network)利用でサーバ距離を短縮できます。
第9章|ITサポートの黄金チェック順
🎮 体験しよう:ネットワーク診断ツール
第10章|やってはいけない対応
NG行動
第11章|利用者への説明テンプレ(実務向け)
こう伝えると通じる
渋滞しているので、
1つずつ確認しますね」
第12章|DAY36で覚えればOKなこと
- ✅ ネットは道
- ✅ 遅い=詰まり
- ✅ 比較が切り分け
- ✅ 原因は5パターン
- ✅ 順番がすべて
📝 確認クイズ(DAY36)
ネットワーク切り分けの基本を確認しよう
「遅い時ほど落ち着くピヨ。」
"比べて・分けて・潰す"ピヨ!🐥💙
📊 今日のゴール
- ✅ 「遅い」を具体的な原因に分解する方法を理解する
- ✅ 通信経路の5つのポイントを把握する
- ✅ 比較による切り分けの基本を身につける
- ✅ 5つの原因パターンを覚える
- ✅ 黄金のチェック順序を実践できるようになる
📝 DAY36まとめ
- 基本原理:通信は「道」であり、端末→Wi-Fi/有線→ルーター→インターネット→サーバという経路のどこかで「詰まり」が発生すると遅くなります
- 切り分けの本質:ITサポートは「遅い」という感覚をそのまま受け取らず、「どこが遅いか?」に分解します。これは科学的実験の対照実験と同じ原理で、1つの変数だけを変更して結果を比較します
- 「遅い」の分解例:「ページが開くのが遅い」「動画だけ止まる」「特定サイトだけ遅い」は全く異なる原因を示唆。具体的な症状に分解することで原因箇所を絞り込めます
- 比較の3原則:①他の端末は?(スマホ、タブレット、他のPC)、②他のサイトは?(Google、Yahoo!、YouTube)、③有線なら?(LANケーブル直接接続)。1つずつ変数を変更して比較します
- 原因①端末側:症状=ネット以外も重い、マウス操作も遅い。原因=アプリ起動しすぎ、更新中、メモリ不足、CPU使用率100%。対処=タスクマネージャー確認、不要アプリ終了、再起動
- 原因②Wi-Fi:症状=場所で変わる、有線だと速い。原因=距離が遠い(電波減衰)、電波干渉(電子レンジ、Bluetooth)、利用者多すぎ、障害物(壁、家具)。Wi-Fi規格:Wi-Fi 4(最大600Mbps)、Wi-Fi 5(最大6.9Gbps)、Wi-Fi 6(最大9.6Gbps)。実測は理論値の40〜60%
- 原因③ルーター:症状=全体的に遅い、再起動で改善。原因=処理が溜まる(メモリ肥大)、長時間稼働、DHCPテーブル満杯。対処=電源OFF→10秒待機→ON、月1回の定期再起動推奨
- 原因④インターネット回線:症状=全端末遅い、特定時間帯だけ(夜20〜22時)。原因=ピーク時混雑、共用回線の帯域不足、天候(ADSLは雨で減衰)。総務省統計:ピーク時は昼間の60〜70%に低下。集合住宅VDSLは100Mbps契約でも夜間10〜30Mbpsまで低下
- 原因⑤サーバ側:症状=特定サイトだけ遅い、他は普通。原因=サーバ負荷、DDoS攻撃、メンテナンス中、CDN障害。ITサポートの結論=「こちらの問題ではありません」で切り分け成功
- 黄金チェック順:①他の端末は?→YES=端末原因、②他のサイトは?→NO=サーバ原因、③有線でどう?→改善=Wi-Fi原因、④再起動で改善?→YES=ルーター原因、すべてNO=回線原因
- NG行動:①いきなり再設定(原因不明のまま設定変更)、②勘で決める(検証せずに推測)、③一気に全部触る(複数箇所同時変更)。これらは原因特定を不可能にします
- 利用者への説明:「通信のどこかで渋滞しているので、1つずつ確認しますね」という説明で安心感を与えられます。道路の渋滞に例えると理解されやすいです
💬 次回予告(DAY37)
👉 DAY37:「接続トラブル対応 ― ITサポート目線」
繋がらない時の対処法を学ぼう!


