ECの商品画像・動画・ロゴの著作権と商標|無断転載を防ぐ確認方法 DAY39

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【DAY39】商品画像・動画・ロゴの著作権と商標

他人の画像・説明文・動画・ロゴを利用するときの注意点を整理する

解決.com公式 DAY39|商品画像・動画・ロゴの著作権と商標。「拾い画」が命取りになる前に。EC運営者・マーケター向け実務チェックマニュアル
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🔊 音声で聞く「右クリック保存で数千万の損害賠償」

DAY38では、企業が関与した口コミやインフルエンサー投稿について、広告であることを隠していないか、PR表示が分かりやすいかを整理しました。DAY39では、その広告や商品ページで使う素材そのものを利用する権利を確認します。

ECでは、商品写真、商品説明文、イラスト、比較表、動画、BGM、メーカーのロゴ、ブランド名、購入者が投稿した写真、SNSのスクリーンショットといった素材を日常的に使用します。インターネットで見つけた画像を保存し、自社の商品ページへ貼ることは技術的には簡単です。しかし、ネット上に公開されている、無料で閲覧できる、検索結果に表示された、メーカーの商品である、出典を書いた、少し加工したという理由だけで、自由に使えるとは限りません。

著作権は、著作物が創作された時点で自動的に発生し、権利を取得するための登録は必要ありません。プロが作った作品だけでなく、個人が撮影した写真や作成した文章にも、創作性があれば著作権が発生します。また、ロゴや商品名には、著作権だけでなく商標権が関係する場合があります。

【DAY38】PR表示(ステマ規制)vs【DAY39】利用権限(著作権・商標権)。DAY38の目的は「広告であると購入者に分かるか?」=広告の明示。DAY39の目的は「そもそもその画像・文章・動画を使う権利があるか?」=素材の利用権限。PR表示を正しく付けていても、他人の写真や音楽を無断で使用すればアウトです!

「画像を見つけられることと、販売ページで使えることは別だよ。誰が作り、どこまで許可されているか確認しよう!」

DAY38との違い

DAY38は、その投稿が広告であると購入者に分かるかを確認しました。DAY39は、広告に使う画像・文章・動画・ロゴを利用する権利があるかを確認します。DAY38=広告であることの明示、DAY39=広告素材を利用する権利です。PR表示を正しく付けていても、他人の写真や音楽を無断で使用していれば、著作権等の問題は残ります。

この記事で分かること

  • 著作権と商標権の違い、ECで著作物になり得る素材
  • ネット上の画像を自由に使えない理由、メーカーの商品画像を利用する場合
  • 商品説明文をコピーする場合の注意点、フリー素材・有料素材の利用条件
  • 引用と転載の違い、SNS投稿・スクリーンショットの利用
  • 商品紹介動画とBGMの権利、他社ロゴ・ブランド名の利用
  • 制作会社へ依頼した画像の権利、AI生成画像を使用するときの確認

先に結論|「入手方法」ではなく「利用権限」を確認する

最大の誤解:「入手方法」=「利用権限」ではない。The Myth:ネットで無料公開されていた、出典(クレジット)を書いた、少し加工した、検索結果に出た、だからといって使えるわけではない。The Reality:4つの核心チェック 1.誰が作ったか?2.誰が権利を持っているか?3.どの利用が許可されているか?4.条件を守っているか?

素材を使う前に、①誰が作ったか、②誰が権利を持っているか、③どの利用が許可されているか、④条件を守っているか、という4点を確認します。例えば、有料素材サイトから画像を購入しても、ECの商品ページ、SNS広告、パッケージ、印刷物、動画、ロゴ、販売商品への印刷のすべてに利用できるとは限りません。利用規約により、商用利用可能、改変可能、クレジット表記が必要、再販売禁止、ロゴ利用禁止、利用者数の制限、媒体の制限などの条件が設定されている場合があります。

文化庁も、他人の著作物を利用する場合は、著作物に当たるか、保護期間内か、法律上の例外があるか、権利者の許諾があるかを順番に確認し、著作者人格権、肖像権、利用条件なども確認する必要があると案内しています。

著作権と商標権の違い

2つの巨大なルール:著作権 vs 商標権。著作権:保護の対象は文章・写真・イラスト・動画などの「創作的な表現」、発生条件は創作した時点で自動的に発生(登録不要)、ECでの具体例は商品写真・広告動画・商品説明文。商標権:保護の対象は商品・サービスを区別する名前・文字・図形・ロゴなどの「識別マーク」、発生条件は特許庁へ出願し審査を経て「登録」されることで発生、ECでの具体例はブランド名・商品名・会社ロゴ。注意!「商標登録されていない=自由にロゴを使える」とは限らない。一つのロゴに図形としての著作権と、識別表示としての商標権の両方が絡むケースが多発!

著作権は、文章、写真、イラスト、動画、音楽など、創作的な表現を保護します。商品写真、広告動画、商品説明文、キャラクター、パッケージデザインなどが対象になり得ます。著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生します。商標権は、商品やサービスを他社のものと区別するために使用する名前、文字、図形、記号、ロゴなどを保護します。ブランド名、商品名、会社ロゴ、サービスロゴ、シンボルマークが該当し、特許庁へ出願し、審査を経て登録されることで発生します。商標権者は、指定商品・指定役務について登録商標を使用する権利を専有し、一定の類似範囲の使用を排除できます。

会社のロゴは、図形としての創作性(著作権)と、商品・サービスの識別表示(商標権)の両方で保護される場合があります。さらに、人物が写っていれば肖像権、商品の形状によっては意匠権など、別の権利も関係する可能性があります。「商標登録されていない=自由にロゴを使える」とは限りません。反対に、単純な文字列で著作物性が認められにくい場合でも、商標登録されていれば、商標権の問題が生じることがあります。

ECサイトでは、商品写真、モデル写真、イラスト、アイコン、バナー、広告コピー、詳しい商品説明、比較記事、動画、ナレーション、BGM、図解、取扱説明書、パッケージのデザインが著作物として保護される可能性があります。一方、単なる事実、データ、アイデア、ありふれた表現などは、著作権法上の著作物に当たらない場合があります。例えば「重量:500g」「素材:綿100%」という事実そのものと、「職人が一つずつ丁寧に仕上げた、日常の景色になじむ柔らかな風合い」という創作的な説明文では、扱いが異なる可能性があります。

「拾い画」「もらった素材」に潜む3つの罠

「もらった素材」「フリー素材」に潜む3つの罠。Trap1 フリー・有料素材の罠:「無料ダウンロード」≠「何にでも使える」。確認必須:商用利用の可否、EC・広告での利用、ロゴへの組み込み禁止、利用者数の制限。Trap2 メーカー提供画像の罠:「自社商品を売るためだから」は通用しない。確認必須:自社ECのみかSNS広告もOKか、価格の文字入れや加工の可否、販売終了後の扱い。Trap3 卸会社からの転送の罠:卸会社が「著作権者」とは限らない。確認必須:メーカーから卸会社に対し「販売店への再許諾」が正式に認められているか?

検索エンジンやSNSで表示される画像は、閲覧できる状態になっているだけです。Google画像検索に出てきた、SNSで公開されていた、ブログに掲載されていた、保存ボタンが押せたという理由で、商品ページや広告へ転載できるわけではありません。文化庁も、「拾い画は無断利用してよい」という考えは誤りであり、多くの画像には権利者が存在するため、権利者や利用条件を確認する必要があると説明しています。少し文字やロゴを追加しても、元画像の権利が消えるわけではありません。他人の画像の下に「出典:○○社」と記載しても、利用許諾を得たことにはなりません。出典表示は誰の情報かを示すもの、利用許諾は権利者から利用の許可を得ることであり、両者は別です。

販売する商品がメーカー製品であっても、メーカーが撮影した商品画像を無断でコピーできるとは限りません。販売店による利用が認められているか、利用できる商品・媒体、画像を加工できるか、ロゴを追加できるか、価格を画像内へ入れられるか、利用期間、販売終了後の削除を確認します。メーカーが販売店向けに素材を配布している場合でも、自社ECのみ、指定モールのみ、販売中の商品に限る、SNS広告は禁止、加工禁止などの条件が付いている可能性があります。

卸会社から画像を受け取った場合、その卸会社が著作権者とは限りません。メーカーが撮影→卸会社へ提供→販売店へ転送という関係では、卸会社に販売店への再許諾権限があるか確認します。「本画像について、当社ECサイト、ECモール、SNS広告での商用利用および必要な範囲でのサイズ変更が許可されていることをご確認ください。」のように、メールや契約書で回答を残します。

「フリー素材」という言葉は、著作権が存在しない、どのような利用も自由という意味とは限りません。多くの場合は、一定の利用規約に従えば利用料なしで使えるという意味です。商用利用、ECサイト利用、広告利用、加工、クレジット表記、利用点数、利用者数、再配布、商品化、ロゴ利用を確認します。有料素材を購入した場合も、著作権そのものを買い取ったとは限らず、多くの場合は規約で定められた範囲の利用許諾を受けるという契約です。素材そのものを販売する、テンプレートとして配布する、企業ロゴとして登録する、商品の主要デザインとして大量印刷することが禁止されている場合があります。素材サイトの利用規約は後から変更されることがあるため、素材ID、素材名、ダウンロード日、利用規約、ライセンス種類、領収書などを取得時点で保存します。

商品説明文の「事実」と「創作」

診断1:商品説明文の「事実」と「創作」。事実(共有OK):重量500g、素材綿100%、型番ABC-100。創作(パクリNG):「職人が一つずつ丁寧に仕上げた、日常の景色になじむ柔らかな風合い」+独特な文章構成や比喩。安全な文章作成フロー:Step1メーカー仕様書で事実(スペック)を確認→Step2自社で実際に商品を使用・確認する→Step3「自社の言葉」でゼロから説明を書く→Step4法令表示・商品仕様と矛盾がないか照合する

競合店やメーカーの商品説明をコピーし、語尾だけ変える行為には注意が必要です。材質、重量、製造国、容量、使用方法といった情報は事実として共通することがある一方、文章の構成、具体的な表現、たとえ話、見出し、独自の説明、図解には創作性が認められる可能性があります。安全な作り方は、メーカーの仕様書から事実を確認→自社で商品を使用・確認→自社の言葉で説明を書く→法令表示・商品仕様と照合、という流れです。他社文章を一度コピーし、単語だけ置き換える方法は避けます。

商品名、型番、容量などを、販売商品を特定するために記載することと、メーカーのキャッチコピーや説明文を丸ごと転載することは分けて考えます。「商品名:○○クリーナー、型番:ABC-100、容量:500ml」と表示することと、メーカーの商品ページの写真・文章・比較表を一式コピーすることは同じではありません。販売に必要な商品情報でも、ロゴ画像、広告文、写真などの利用条件は個別に確認します。

自分で商品を撮影する場合

自社で商品を撮影すれば、メーカー写真の無断転載リスクは減らせます。ただし、撮影した写真に他社のキャラクター、美術作品、背景のポスター、モデルの顔、他社ロゴ、音楽・映像が映った画面が含まれる場合は、別の確認が必要になることがあります。撮影場所のルールや、人物の肖像権、商品のブランド表示なども確認します。自分がシャッターを押した写真でも、写っている人物の肖像を広告へ使用する場合には、本人の同意等が必要になる可能性があります。文化庁も、他人の顔が写った写真の利用では肖像権に注意するよう案内しています。

動画に潜む複合的な権利|映像・出演者・BGM

診断3:動画に潜む「複合的な権利」の解剖図。完成した動画を一つ買っても、すべての媒体で自由に使えるわけではありません。各レイヤーに権利が存在します。Layer1(映像・台本):制作会社との契約内容(利用許諾か、著作権譲渡か)。元データ(編集用ファイル)の有無。Layer2(演者):モデルの肖像権。SNS広告、紙媒体、利用期間、競合広告の制限。Layer3(BGM・効果音):著作隣接権。「SNS内のみ」「非商用限定」など、媒体転用で規約違反になるリスク。Layer4(背景・小道具):映り込んだ他社ポスターや美術作品の権利。Layer5(ロゴ):メーカーロゴのブランドガイドライン遵守

商品紹介動画には、映像、台本、ナレーション、出演者の実演、BGM、効果音、写真、イラスト、ロゴといった複数の権利が含まれます。動画制作会社から完成動画を受け取っても、含まれる音楽や素材を、自社EC、YouTube、Instagram、広告配信、店頭、海外サイトのすべてで使えるとは限りません。動画全体だけでなく、構成素材ごとに権利を確認します。

SNSや動画編集サービスで利用できる音楽でも、個人投稿のみ、非商用利用のみ、特定SNS内のみ、広告利用不可、地域制限、利用期間ありといった利用範囲が限定される場合があります。動画を別の媒体へ転載すると、元のライセンス範囲を超える可能性があります。音楽には、作詞・作曲の著作権だけでなく、実演家やレコード製作者等の著作隣接権が関係する場合があります。「SNS上で選択できた音楽だから、自社広告動画をどこでも使える」と判断しないようにします。動画に写真の著作権をカメラマンから取得しても、写っている人物を広告へ使用する同意が別途必要になる場合があり、ECサイト、SNS広告、動画広告、紙のチラシ、利用期間、利用地域、競合商品の広告、画像加工を確認します。文化庁は、著作者の権利とは別に、人物の肖像をみだりに使用されない利益や、著名人の顧客誘引力に関するパブリシティ権が問題になる場合があると説明しています。未成年者が写る場合は、保護者の同意や利用範囲を特に明確にします。

引用と転載の違い

引用は、自分の文章で説明・批評・検討を行うために、必要な範囲で他人の著作物を取り込む利用です。転載は、他人の文章や画像を、そのまま自分のページへ掲載する行為です。著作権法上の引用として認められるには、公表された著作物であること、公正な慣行に合致すること、報道・批評・研究など引用の目的上正当な範囲であることなど、複数の条件を満たす必要があります。ECの商品ページで、他社写真を主役として掲載し「参考として引用しました」と書くだけでは、適法な引用になるとは限りません。

実務上は、少なくとも引用する必要性がある、自分の文章が主体、引用部分が従属、引用部分が明確、必要な範囲だけ使用、内容を勝手に変更しない、出所を明示することを確認します。競合商品のパッケージ表示を比較・批評する記事で必要な一部分を示す場合と、自社商品の販売画像として競合写真を使う場合では目的が異なります。引用に当たるか判断が難しい場合は、自社判断で公開せず、権利者への許諾や専門家への確認を検討します。

購入者レビューとSNS投稿(UGC)の利用

診断4:購入者レビューとSNS投稿(UGC)。スクショ転載の危険性:「SNSで紹介された」=「広告で自由に使える」ではない。投稿者本人が写真の権利者とは限らない。背景に写り込んだ別人の顔(肖像権)や他社作品の権利侵害リスク。正しい運用フロー:サイト表示は各SNSの「公式埋め込み機能」を使用する(ただし万能ではない)。広告への二次利用は投稿者へ直接DM等で「掲載媒体・加工の可否・広告利用」の明確な諾諾を得る。ECレビューも規約で再利用範囲を明示する

SNS投稿のスクリーンショットには、投稿文、写真、ユーザー名、プロフィール画像、第三者のコメント、サービスのロゴ・画面が含まれることがあります。元の投稿が公開されていても、自社サイトや広告へスクリーンショットを転載できるとは限りません。「SNSで紹介してくれたので広告へ使いました」という運用は避けます。投稿者本人が写真の権利者とは限らず、写真に別の人物や他社作品が含まれている可能性もあります。SNSの公式埋め込み機能を使う方法と、画像をダウンロードして自社サーバーへ転載する方法は異なりますが、埋め込み機能を使えば著作権・肖像権・広告表示の問題がすべて解決するわけではありません。特に広告として二次利用する場合は、投稿者との利用許諾を明確にします。

ECレビューへ購入者が写真を投稿できる場合、その写真をレビュー欄に表示する範囲と、トップページ、SNS広告、メルマガ、商品パッケージ、店頭POPへ再利用する範囲は別です。利用規約や投稿画面で、掲載媒体、掲載期間、加工の可否、投稿者名の表示、広告利用、削除依頼、第三者の権利を侵害しないことを明示します。「レビューへ投稿したので、企業がどこでも自由に使える」と一方的に扱わないようにします。

外注制作と生成AIの盲点

診断5:外注制作と生成AIの盲点。制作会社への外注:罠は「お金を払った=著作権を得た」ではない、原則、創作者に権利が帰属する。対策は契約書で「利用許諾か、譲渡か」「利用できる媒体・期間」「第三者素材(フォント・有料写真)のライセンス」を明確にする。生成AIの利用:罠は「AIが作ったから権利フリーで安全」は誤り。対策はAIサービスの商用利用規約を確認、出力結果が「既存の有名キャラクター・ロゴ・人物」に酷似していないか、生成履歴を含めてチェックする

制作費を支払って、商品写真、バナー、ロゴ、動画、文章を作ってもらっても、発注者が自動的にすべての著作権を取得するとは限りません。文化庁は、原則として作品を制作したアーティスト等に著作権が帰属すると説明しています。また、他者へ制作を依頼した人が当然に著作者になるわけではありません。契約書で、著作権を譲渡するか利用許諾にするか、利用できる媒体、利用期間、加工の可否、二次利用、第三者への提供、元データ、著作者名の表示を明確にします。利用許諾では著作権は制作者側に残り、発注者が決められた範囲で使用します。著作権譲渡では著作権の財産的な権利を契約に従って発注者へ移しますが、著作者人格権は譲渡できないため、必要に応じて著作者人格権を行使しない範囲について契約で整理します。

契約に入れる利用媒体は、「広告に使用できる」とだけ書くと範囲が曖昧になるため、自社ECサイト、ECモール、SNS投稿、SNS広告、検索広告、YouTube、メルマガ、紙のチラシ、店頭POP、パッケージ、海外サイトなど、今後利用する可能性がある媒体も含めて整理します。完成したJPEG画像だけ納品されると、後から文字を変更したい、価格を差し替えたいと思っても編集用データがなければ変更できないため、PSD、AI、編集可能な動画データ、撮影元データ、使用フォント、使用素材、音源ライセンスを契約時に確認します。制作会社が使用したフォント、テンプレート、写真素材、音源について、発注者へ利用権が移らない場合もあるため、第三者素材が含まれるか、誰のアカウントで購入したか、再編集できるか、ライセンス証明を受け取れるかを確認します。

生成AIで作成した画像でも、無条件で安全とは限りません。AIサービスの商用利用条件、入力した素材の権利、既存作品との類似、他社ロゴ・キャラクター、人物の肖像、生成履歴、修正履歴を確認します。文化庁は、生成AIと著作権について、判例・裁判例の蓄積が十分ではない状況を踏まえ、生成・利用段階を含むリスク低減のための考え方とチェックリストを公表しています。AIが出力したという理由だけで、他社キャラクターに似ていてもよい、有名なロゴを再現してよい、既存写真をほぼ再現してよいとは判断できません。

著作権の保護期間・権利者が分からない場合

著作権には保護期間があります。日本では、著作物の保護期間は原則として著作者の死後70年までです。映画、法人名義、無名・変名などは起算点や計算方法が異なる場合があります。ただし、古い写真、昔の絵、古いブランドロゴだから自由に使えるとは限りません。著作者、死亡年、公表年、著作物の種類、国、翻案・復刻版の権利、商標権、写真撮影者の権利を確認します。保護期間が切れた原作品でも、新しく撮影・編集・翻訳された素材に別の権利が発生している場合があります。

権利者が分からないという理由で、自由に使えるわけではありません。文化庁には、相当な努力をしても権利者と連絡できない著作物等について、文化庁長官の裁定を受け、補償金を支払って利用できる制度があります。ただし、一般的なEC商品ページで手軽に使うための制度ではありません。代替素材を用意できる場合は、自社で撮影、許諾済み素材を購入、メーカーから正式素材を取得する方が運用しやすいことが多いです。

実際のケースで考えてみよう|卸会社から受け取った画像転用

あるEC事業者が、卸会社から「販売に使用してください。」というメールとともに商品画像を受け取りました。EC事業者は、その画像を自社EC、ECモール、Instagram、検索広告、紙のチラシへ掲載しました。後日、メーカーから「この画像は契約販売店の商品ページだけに使用を認めたものです。SNS広告や紙のチラシへの利用は許可していません。」と連絡がありました。

よくある失敗ケース:卸会社からの画像転用。INPUT Step1曖昧な提供:卸会社から「販売に使用してください」と画像がメールで届く。ACTION Step2範囲外の利用:EC担当者が「もらったからOK」と判断し、自社EC、ECモール、SNS広告、紙のチラシに一斉掲載。CRISIS Step3メーカーからの警告:メーカーから「契約販売店のページ内のみ許可している。SNS広告やチラシは規約違反」と警告が届く。CONSEQUENCE Step4掲載停止と機会損失:広告を全停止し、慌てて自社で再撮影を行う事態に

画像を撮影したのはメーカーが契約した撮影会社で、撮影会社→利用許諾→メーカー→限定的に提供→卸会社→販売店へ転送→EC事業者という関係でした。卸会社が、SNS広告や紙媒体まで再許諾できるか確認していませんでした。メーカーの素材利用条件は、利用可能が販売中の商品ページ、利用不可がSNS広告・紙媒体・画像への文字追加・第三者への再配布であり、EC事業者の利用は許可範囲を超えていました。Instagram広告、検索広告、紙チラシの次回配布から画像を一時削除し、自社ECとモールについてはメーカーへ確認し、指定条件に沿って利用を継続しました。SNS広告用には自社で商品を撮影し、他社ポスターが背景にないか、人物が写り込んでいないか、メーカーの表示ルールに反しないかを確認しました。再発防止として、素材管理表へ利用可能媒体、広告利用の可否、加工の可否、許諾元、許諾メール、利用終了日を追加し、「販売に使用してください」という曖昧な説明だけで、すべての媒体へ使用しない運用に変更しました。

よくある失敗

失敗1|画像検索で見つけた写真を使う
検索できることと、商用利用できることは別です。
失敗2|出典を書けば転載できると思う
出典表示と利用許諾は別です。
失敗3|商品を仕入れたのでメーカー画像も使えると思う
商品販売契約と画像利用許諾は同じとは限りません。
失敗4|卸会社から受け取ったので安全だと思う
卸会社に再許諾する権限があるか確認が必要です。
失敗5|フリー素材は何にでも使えると思う
商用利用、加工、商品化などの条件を確認します。
失敗6|制作費を払ったので著作権も自社のものだと思う
原則として、制作した人に著作権が帰属する場合があります。
失敗7|完成データだけ受け取り契約を残さない
利用範囲や加工の可否が分からなくなります。
失敗8|SNS投稿を購入者の声として転載する
投稿者の許諾や写真内の権利を確認します。
失敗9|動画のBGMだけ確認しない
映像利用が許可されても、音楽の権利が別に存在します。
失敗10|他社ロゴを小さくすれば問題ないと思う
サイズだけでなく、商標・著作権・誤認の有無を確認します。
失敗11|AI画像なら権利確認不要と思う
利用規約、既存作品との類似、人物・ロゴを確認します。
失敗12|次回DAY40の商品別法律まで混ぜる
DAY39では画像・文章・動画・ロゴの権利を扱い、食品・化粧品・酒類などの商品分野別の法律はDAY40で整理します。

素材利用を確認する12の質問

素材利用前・12のクリアランスチェック。主体の確認(Who):この素材を作った人は誰か?現在の著作権者は誰か?素材を渡した人に「許諾権限」はあるか?範囲の確認(Scope):「商用利用」が可能か?どの「媒体」で利用できるか?利用「期間」の制限はあるか?ロゴの使用許可・ガイドラインはあるか?制約の確認(Constraints):サイズ変更や文字追加などの「加工」は可能か?「クレジット表記」は必要か?人物(肖像権)や第三者作品が含まれていないか?取得時の「契約・規約」を保存しているか?公開終了後に確実に見つけて「削除」できるか?
  1. この素材を作った人は誰ですか?撮影者、デザイナー、メーカーを確認します。
  2. 現在の著作権者は誰ですか?制作した人と権利者が異なる場合があります。
  3. 素材を渡した人に許諾権限がありますか?卸会社や代理店の権限を確認します。
  4. 商用利用できますか?個人利用・非商用限定ではないか確認します。
  5. どの媒体で利用できますか?EC、SNS、広告、紙媒体を分けます。
  6. 加工できますか?切抜き、色変更、文字追加を確認します。
  7. クレジット表記は必要ですか?表記方法と位置を確認します。
  8. 利用期間はありますか?販売終了後・契約終了後の扱いを確認します。
  9. 人物や第三者作品が含まれていますか?肖像権や別の著作権を確認します。
  10. ロゴの使用許可がありますか?ブランドガイドラインを確認します。
  11. 契約・規約を保存していますか?取得時点の証拠を残します。
  12. 公開終了後に削除できますか?掲載場所を一覧化します。

利用許諾で確認する項目・素材管理台帳を作る

実務への落とし込み:「素材管理台帳」の実装。素材を商品ページへ貼る前に、スプレッドシートへ登録する仕組みを作ります。項目:素材ID、種類、対象商品、権利者/許諾元、利用媒体、加工の可否、利用期限、許諾の証拠。例:IMG-2026-001、商品写真、○○クリーナー、メーカーA/販売店用素材サイト、自社EC・モールのみ(SNS広告NG)、サイズ変更のみ可、販売終了まで、規約PDF・メール保存。利用規約は後から変更されることがあるよ!取得した時点のPDFやスクショを証拠として残しておこう!

最低限、素材名、権利者、許諾者、利用者、利用目的、利用媒体、利用地域、利用期間、加工の可否、クレジット、再許諾、第三者提供、利用終了後の削除、利用料を文書で確認します。画像を複数の商品ページで使用する場合は、商品ごとの許可、会社全体での許可、媒体ごとの許可のどれかも確認します。

素材を商品ページへ貼る前に、素材ID、素材種類、権利者、入手元、利用媒体、加工、利用期限、クレジット、許諾証拠、管理担当を素材管理台帳へ登録します。

無断利用を指摘された場合の対応

緊急対応フロー:無断利用を指摘されたら?感情的に反論したり「他社もやっている」と言い訳するのはNG。事実をベースに冷静に対応します。Step1対象素材を特定する→Step2公開を一時停止する(被害の拡大を防ぐ)→Step3自社の入手元を確認する→Step4保存していた許諾・契約・規約を確認する→Step5掲載していた期間と全媒体を洗い出す→Step6権利者へ事実と対応を回答する→Step7専門家(弁護士等)への相談・補償の検討→Step8台帳を見直し、同じ素材の他掲載先を全削除する

権利者や代理人から「当社の画像が無断で使用されています。」と連絡を受けた場合、感情的に反論せず、まず事実を確認します。対象素材を特定→公開を一時停止→入手元を確認→許諾・契約・規約を確認→掲載期間・媒体を確認→権利者へ回答→必要に応じて削除・補償・専門家相談→同じ素材の掲載先を全確認、という流れです。文化庁も、著作権侵害への対応では、権利関係や事実を確認し、必要な場合は弁護士等へ相談の上で慎重に対応するよう案内しています。「他の店も使っている」「卸会社からもらった」といった説明だけでは、利用権限の証明にならない場合があります。

やってみよう|素材リスク診断&素材管理チェックリスト

素材の入手経路を選ぶと、確認すべきリスクの目安が分かります。あわせて、利用前に最低限確認できているかもチェックできます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

① 素材リスク診断

ネットで見つけた画像
メーカー提供画像
卸会社経由の画像
フリー素材
有料素材
SNSのスクリーンショット

② 素材管理チェックリスト

①誰が権利者かを確認した
②渡した人に許諾権限があるか確認した
③利用できる媒体(EC/SNS/広告/紙)を確認した
④加工・クレジット表記の条件を確認した
⑤利用期間・販売終了後の扱いを確認した
⑥契約書・許諾メール・規約を保存した
⑦人物・第三者作品・ロゴの写り込みを確認した
できている項目
0 / 7
判定

これは自己チェック用の簡易ツールです。実際の利用可否は契約・規約の内容に基づいて判断してください。

アウトプットワーク|EC素材・知的財産管理表を作ろう

現在使用している、または使用予定の素材を一つ選び、権利関係を整理してください。分からない内容は推測せず、メーカー・卸会社との契約、素材サイトの利用規約、制作会社との契約書、ブランドガイドライン、J-PlatPat、文化庁の著作権資料を確認してください。

① 素材情報

② 利用範囲

③ 証拠と公開判断

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 著作権はいつ発生するでしょうか?

A.著作物を創作した時
B.文化庁へ登録した時だけ
C.商品が100個売れた時
正解はAです。著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生します。

第2問 画像検索で見つけた写真について正しいものはどれでしょうか?

A.権利者と利用条件を確認する
B.検索結果に表示されたので自由に使える
C.ロゴを追加すれば自社画像になる
正解はAです。インターネット上で閲覧できても、権利者の利用許諾があるとは限りません。

第3問 メーカーの商品を仕入れた場合、メーカー写真も自由に使えるでしょうか?

A.画像の利用許諾を別に確認する
B.必ず自由に使える
C.仕入数が多ければ自由に使える
正解はAです。商品の仕入れと、メーカーが撮影した写真の利用許諾は別に確認します。

第4問 「フリー素材」の意味として適切なものはどれでしょうか?

A.利用規約の範囲内で無料利用できる場合がある
B.著作権が必ず存在しない
C.ロゴとして自由に登録できる
正解はAです。無料素材でも、商用利用、加工、クレジット、再配布などの条件があります。

第5問 他人の画像に出典を書けば自由に転載できるでしょうか?

A.出典表示と利用許諾は別
B.必ず転載できる
C.販売目的なら出典も不要
正解はAです。出典を書いたことだけでは、権利者の許諾を得たことになりません。

第6問 制作会社へ画像制作費を支払った場合、著作権は必ず発注者へ移るでしょうか?

A.契約内容を確認する
B.必ず発注者へ移る
C.誰にも著作権は発生しない
正解はAです。著作権の帰属、利用許諾、譲渡、加工、二次利用を契約で確認します。

第7問 商品紹介動画で確認するものはどれでしょうか?

A.映像・出演者・BGM・素材の権利
B.動画の長さだけ
C.再生回数だけ
正解はAです。動画には複数の著作権、著作隣接権、肖像権等が含まれる可能性があります。

第8問 商標権について正しいものはどれでしょうか?

A.登録商標と指定商品・役務の関係を確認する
B.似たロゴでも商品が売れれば問題ない
C.著作権と完全に同じ制度
正解はAです。登録された文字・図形だけでなく、指定商品・役務や類似範囲を確認します。

第9問 購入者が投稿した写真を広告へ使う場合はどうしますか?

A.広告利用の許諾と写り込み等を確認する
B.レビューへ投稿されたので自由に使う
C.ユーザー名を消せば自由に使える
正解はAです。投稿者の許可に加え、写真に写る人物・作品・ロゴ等も確認します。

第10問 AI生成画像について適切な確認はどれでしょうか?

A.利用規約・類似作品・ロゴ・人物を確認する
B.AIが作ったので確認不要
C.有料AIなら必ず安全
正解はAです。AIサービスの規約と、生成結果に第三者の権利が含まれていないか確認します。

第11問|実務判断問題 卸会社から「この画像を販売に使ってください。」と送られてきました。EC事業者は、その画像を自社EC、SNS広告、紙のチラシへ使おうとしています。このメールだけで十分でしょうか?

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このメールだけでは不十分です。誰が画像の著作権者か、卸会社に再許諾権限があるか、利用できる媒体、SNS広告が可能か、紙媒体が可能か、加工できるか、利用期間を確認する必要があります。少なくとも、自社EC、SNS広告、紙媒体での商用利用を許諾するという範囲を文書で確認します。

第12問|権利整理問題 EC事業者が制作会社へ30万円を支払い、商品紹介動画を制作してもらいました。動画にはモデル、市販のBGM、有料写真素材、メーカーのロゴが含まれています。動画制作費を支払っているため、すべての媒体で永久に自由利用できるでしょうか?

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制作費を支払っただけで、すべての権利が自動的に取得できるとは限りません。動画全体の著作権、制作会社との利用許諾・譲渡契約、モデルの肖像利用範囲、BGMの商用・広告・媒体利用、写真素材のライセンス、メーカーのロゴ利用許可、利用地域・期間、動画の編集可否を確認するものです。

例えば、BGMがYouTubeだけで利用可能なら、テレビ広告や店頭動画へ転用できない可能性があります。契約と各素材のライセンスを確認してから利用します。

よくある質問

今回のまとめ

ECでは、商品ページや広告を作るために、多くの画像・文章・動画・ロゴを使用します。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. インターネット上の画像は、公開されていても自由素材とは限らない
  2. 商品の仕入れと、メーカー画像・ロゴの利用許可を分ける
  3. 制作費を支払っても、著作権の帰属・利用範囲は契約で確認する
  4. 動画は、映像・音楽・出演者・素材を個別に確認する
  5. ブランド名やロゴは、著作権だけでなく商標権も確認する

基本的な確認の流れは、素材を選ぶ→制作した人を確認→権利者を確認→許諾者の権限を確認→利用媒体・期間を確認→加工・クレジット条件を確認→人物・ロゴ・音楽等を確認→契約・規約を保存→素材管理台帳へ登録→公開→利用期限・販売終了時に見直し、という順です。大切なのは、無料で入手できたかではありません。誰が権利を持ち、どの媒体で、どの期間、どのような加工をして利用することが認められているかを確認することが重要です。

「画像を保存できても、利用する権利まで保存できたわけじゃないよ。許可の範囲を記録してから公開しよう!」

まとめ&NEXT STEP。1.ネット上の画像は、公開されていても「自由素材」ではない。2.商品の仕入れと、メーカー画像・ロゴの「利用許可」は全くの別物。3.制作費を払っても、著作権の帰属・利用範囲は「契約」で明文化する。4.動画は「映像・音楽・出演者・ロゴ」を個別に権利確認する。5.ブランド名やロゴは、著作権だけでなく「商標権」も確認する。大切なのは「無料で入手できたか」ではなく、「誰が・どの媒体で・どの期間・どんな加工を許可しているか」の証拠を残すことです。次回DAY40:販売する商品によって変わる法律(食品、化粧品、酒類など分野別のルールを解説!)

DAY39の実践課題

現在使用している、または使用予定の素材を一つ選び、権利関係を整理してください。素材名、種類、使用する商品、入手元を書き出し、制作者、著作権者、商標権者、許諾者を確認します。自社EC、ECモール、SNS、広告、紙媒体それぞれで利用が可/不可/未確認かを整理し、加工の可否も確認します。契約書、許諾メール、利用規約、ライセンス証明の有無と利用期限を記録し、この素材はどこから、どの範囲で利用許諾を受けているか、加工はどこまで認められているか、販売終了後は誰が素材を削除するか、権利侵害の指摘があった場合は誰へ報告するかを決めてください。分からない内容は推測せず、メーカー・卸会社との契約、素材サイトの利用規約、制作会社との契約書、ブランドガイドライン、J-PlatPat、文化庁の著作権資料を確認してください。

獲得バッジ

音声で学んだ
素材権利マスター
管理表完成
FAQマスター
クイズクリア

次回 DAY40:販売する商品によって変わる法律

食品、化粧品、健康食品、酒類、中古品、未成年者向け商品の確認事項を整理します。

DAY40へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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