EC事業の売上・原価・利益とは?粗利益・限界利益・営業利益の違いを解説 DAY10

【DAY10】EC事業のお金の基本
売上・仕入原価・製造原価・粗利益・限界利益・営業利益の違い
ECサイトで1万円の商品が売れたとします。管理画面には「売上10,000円」と表示されます。しかし、その10,000円がすべて会社に残るわけではありません。商品を仕入れたり、製造したりする費用があります。決済手数料、販売手数料、梱包費、送料、広告費もかかります。さらに、ECシステムの利用料、人件費、家賃、通信費なども必要です。
そのため、EC事業のお金を考えるときは、次の言葉を分けて理解します。
- 売上/仕入原価/製造原価/売上原価
- 粗利益/変動費/限界利益
- 固定費/営業利益
「売れた金額と、最後に残る利益は同じじゃないんだ!」
この記事で分かること
- 売上とは何か
- 仕入原価と製造原価の違い
- 売上原価とは何か
- 粗利益の計算方法
- 変動費と固定費の違い
- 限界利益の計算方法
- 営業利益の計算方法
- EC事業で見落としやすい費用
- 商品が売れても利益が残らない理由
- 利益を確認するための実践ワーク
損益計算書は、一定期間の収益と費用を比べ、その差額として利益を示す書類です。中小企業庁は、基本的な関係を「収益-費用=利益」と説明しています。
先に結論|売上から費用を順番に引いて利益を見る
EC事業のお金は、階段のように考えると分かりやすくなります。
- 売上原価
= 粗利益
粗利益
- 販売費及び一般管理費
= 営業利益
限界利益を見る場合は、別の切り口で計算します。
- 変動費
= 限界利益
限界利益
- 固定費
= 利益
中小企業庁は、売上高から売上原価を差し引いたものを売上総利益、そこから販売費及び一般管理費を差し引いたものを営業利益と説明しています。売上総利益は、一般に「粗利益」や「粗利」とも呼ばれます。
身近な例で考えると「フリーマーケットの売上」
イベントで手作りのキーホルダーを販売したとします。1個1,000円で、10個売れました。売上は次のとおりです。
しかし、キーホルダーを作るために材料を買っています。さらに、袋、出店料、交通費などもかかっています。
| 売上 | 10,000円 |
| 材料費 | -3,000円 |
| 包装費 | -1,000円 |
| 出店料 | -2,000円 |
| 交通費 | -1,000円 |
| 残った金額 | 3,000円 |
売上が10,000円あっても、実際に残る金額は3,000円です。ECでも同じです。売上だけを見るのではなく、何にいくら使い、どの段階でいくら残るのかを確認します。
1.売上とは
商品やサービスを販売して得た金額
売上とは、商品やサービスを販売したことで発生する収入です。ECでは、商品代金、サービス利用料、定期購入料金、デジタル商品の販売代金、有料会員料金、購入者から受け取る送料などが売上に関係します。ただし、送料や手数料を売上としてどのように処理するかは、取引内容や経理方針によって異なる場合があります。
売上の基本計算:販売価格 × 販売数量 = 売上
売上は100,000円です。ただし、これは会社に100,000円の利益が残ったという意味ではありません。
ECの注文画面に表示される金額が、そのまま最終的な売上になるとは限りません。注文キャンセル、返品、全額返金、一部返金、値引き、クーポン、売上取消し、不正利用によるチャージバックなどが起こる可能性があります。そのため、次の数字を分けて確認します。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 注文金額 | 注文時に作成された金額 |
| 決済金額 | 実際に支払い処理された金額 |
| 売上高 | 会計上、売上として記録する金額 |
| 入金額 | 手数料などを差し引いて振り込まれる金額 |
| 利益 | 売上から費用を差し引いて残る金額 |
「注文・決済・売上・入金・利益は、同じ数字とは限らないよ!」
2.仕入原価とは
商品を仕入れるためにかかった金額
仕入原価とは、販売する商品を外部から仕入れるためにかかった費用です。たとえば、雑貨店がメーカーからマグカップを1個2,000円で仕入れた場合、1個当たりの仕入原価は2,000円です。
ただし、10個仕入れても、その月に3個しか売れていない場合があります。この場合、仕入れた10個すべてが、その月の売上原価になるとは限りません。
10個を2,000円ずつで仕入れ、3個売れた例です。仕入れた商品10個、1個の原価2,000円、仕入金額20,000円。売れた3個分の原価は次のとおりです。
売れずに残った7個は在庫として残ります。国税庁も、売上原価を計算する際には期首と期末の商品・製品の棚卸高を扱うことを案内しています。つまり、仕入れた金額と、その期間に売れた商品の原価は分けて考える必要があります。
仕入原価に含まれる可能性があるもの:商品の購入代金、仕入先から自社倉庫までの運賃、輸入時の費用、仕入れに直接必要な費用、商品を販売可能な状態にするまでの費用です。何を原価へ含めるかは、会計処理や取引内容によって異なる場合があります。実際の記帳や申告では、税理士などへ確認してください。
3.製造原価とは
商品を自分たちで作るためにかかった費用
製造原価とは、商品を製造するためにかかった費用です。国税庁は、製品製造原価を「製品等の製造に必要な売上原価」と説明しています。製造原価には、一般的に原材料費、製造を担当する人の労務費、外注加工費、工場で使う水道光熱費、製造設備の減価償却費、製造に必要な消耗品、製造に直接関係する経費が関係します。中小企業庁の調査でも、売上原価の構成として、商品仕入原価、材料費、労務費、外注費、減価償却費などが示されています。
ジャムを100個作ったとします。
| 果物 | 20,000円 |
| 砂糖などの材料 | 5,000円 |
| 瓶・ふた | 10,000円 |
| 製造担当者の人件費 | 20,000円 |
| 製造場所の光熱費など | 5,000円 |
| 合計 | 60,000円 |
100個を製造するために60,000円かかった場合、単純に割ると1個当たり600円です。
ただし、実際の原価計算では、作りかけの商品、不良品、設備費、間接費などの扱いも必要になる場合があります。
| 比較項目 | 仕入原価 | 製造原価 |
|---|---|---|
| 商品の用意方法 | 完成品を外部から買う | 自社などで商品を作る |
| 主な費用 | 商品の購入代金 | 材料費、労務費、製造経費 |
| 具体例 | マグカップを卸会社から仕入れる | 原料からジャムを製造する |
| 管理する内容 | 仕入数量、単価、在庫 | 材料、作業時間、製造数量 |
メーカーが作った商品を販売会社が買う場合、メーカー側では製造原価、販売会社側では仕入原価として見ることがあります。
4.売上原価とは
実際に売れた商品に対応する原価
売上原価とは、その期間の売上に対応する商品の原価です。中小企業庁は、売上原価を「その売上高に対応する原価」と説明しています。仕入れた商品が全部売れたとは限らないため、単純に「仕入金額=売上原価」とならない場合があります。
+ 当期仕入
- 期末在庫
= 売上原価
例として、次の状況を考えます。年の初めにあった在庫100,000円、今年仕入れた商品500,000円、年末に残った在庫150,000円。売上原価は次のようになります。
この450,000円が、その期間に売れた商品へ対応する原価です。年末に売れ残っている商品は、まだ売上になっていません。そのため、すべてをその年の費用にするのではなく、在庫として管理する必要があります。国税庁は、期末商品・製品棚卸高を、年末時点の商品などの棚卸高として案内しています。ECでは、管理画面上の在庫数だけでなく、倉庫にある実在庫を確認することが重要です。
5.粗利益とは
売上から売上原価を引いた利益
粗利益は、売上総利益とも呼ばれます。計算方法は次のとおりです。
中小企業庁は、売上総利益を企業の基本的な収益力を示す利益として説明しています。商品を2,000円で仕入れ、5,000円で販売したとします。
| 売上高 | 5,000円 |
| 売上原価 | -2,000円 |
| 粗利益 | 3,000円 |
粗利益は3,000円です。売上のうち、何%が粗利益として残ったかを見る数字が粗利益率です。
粗利益率は60%です。粗利益が3,000円あっても、決済手数料、販売手数料、梱包費、配送料、広告費、ECシステム利用料、倉庫費、人件費、通信費、家賃といった費用が残っています。つまり、粗利益は最終的な利益ではありません。
「粗利益が大きくても、送料や広告費が高ければ最後には残らないことがあるよ!」
6.変動費とは
売上や販売数量に応じて増減する費用
変動費とは、商品が売れる数や売上高に応じて増えたり減ったりする費用です。ECでは、商品の仕入原価、製品の製造原価、決済手数料、販売手数料、1件ごとの梱包費、1件ごとの配送料、成果に応じて発生する広告費、注文ごとの外注費などが変動費になる可能性があります。ただし、同じ費用でも契約方法によって変動費か固定費かが変わります。たとえば、倉庫費が「1件発送するごとに発生」するなら変動費に近く、毎月一定額なら固定費に近くなります。
7.固定費とは
売上がなくても発生しやすい費用
固定費とは、商品が売れた数に直接連動せず、毎月または一定期間ごとに発生する費用です。ECでは、ECシステムの月額料金、事務所や倉庫の家賃、固定給の人件費、インターネット料金、会計システムの月額料金、保険料、定額の外注費、サーバー費用などが固定費になる可能性があります。売上が0円でも、固定費は発生することがあります。
| 費用 | 変動費になりやすい | 固定費になりやすい |
|---|---|---|
| 商品仕入 | ○ | |
| 決済手数料 | ○ | |
| 販売手数料 | ○ | |
| 1件ごとの送料 | ○ | |
| EC月額料金 | ○ | |
| 家賃 | ○ | |
| 固定給 | ○ | |
| 定額のシステム費 | ○ |
実際の分類は、契約や社内の管理方法によって異なります。
8.限界利益とは
売上から変動費を引いた利益
限界利益は、売上から変動費を差し引いた金額です。
J-Net21では、限界利益率を使って損益分岐点を計算する方法を説明しており、利益が0になる地点では「固定費=限界利益」となる関係を示しています。限界利益は、家賃、固定給、システム月額費、その他の固定費を支払うために残る金額です。そして、固定費をすべて支払ったあとに残る部分が利益になります。
商品1個を5,000円で販売します。1個売れるごとに発生する費用は次のとおりです。
| 変動費 | 金額 |
|---|---|
| 商品原価 | 2,000円 |
| 決済手数料 | 200円 |
| 販売手数料 | 300円 |
| 梱包費 | 150円 |
| 配送費の自社負担 | 500円 |
| 合計 | 3,150円 |
この商品が1個売れると、固定費の支払いと利益のために1,850円が残ります。限界利益率は次のとおりです。
粗利益と限界利益は似ていますが、引く費用の範囲が異なります。粗利益は「売上高-売上原価」、限界利益は「売上高-すべての変動費」です。商品原価以外にも、決済手数料、販売手数料、送料など、売れるたびに増える費用があります。限界利益では、それらも差し引きます。
| 項目 | 粗利益 | 限界利益 |
|---|---|---|
| 計算方法 | 売上-売上原価 | 売上-変動費 |
| 引く費用 | 売れた商品の原価 | 売上に応じて増減する費用 |
| 主な用途 | 商品の基本的な収益性 | 固定費を回収できるかの判断 |
| 決算書への表示 | 売上総利益として表示 | 通常は内部管理で利用 |
| ECで見るもの | 商品価格と原価 | 原価、決済、販売、配送など |
限界利益は、一般的な損益計算書に独立した利益項目として表示されるとは限らず、主に経営管理や損益分岐点の分析に使われます。
9.販売費及び一般管理費とは
商品を販売し、会社を運営するための費用
販売費及び一般管理費は、略して「販管費」と呼ばれます。中小企業庁は、販売費及び一般管理費の例として、従業員給与、旅費交通費、消耗品費などを挙げています。ECでは、広告費、販売促進費、ECシステム利用料、事務所の家賃、管理部門の人件費、通信費、会計システム費、消耗品費、問い合わせ対応費、外注費、倉庫管理費、決済・販売手数料などが該当する可能性があります。どの費用を売上原価や販管費へ分類するかは、事業の内容や会計処理によって異なります。
10.営業利益とは
本業によって残った利益
営業利益は、粗利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益です。
中小企業庁は、営業利益を企業本来の営業活動から生じた利益と説明しています。1か月の数字が次のとおりだったとします。
| 売上高 | 500,000円 |
| 売上原価 | -200,000円 |
| 粗利益 | 300,000円 |
さらに、次の販管費がかかりました。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 決済・販売手数料 | 50,000円 |
| 配送・梱包費 | 50,000円 |
| 広告費 | 30,000円 |
| ECシステム費 | 20,000円 |
| 人件費 | 100,000円 |
| 合計 | 250,000円 |
売上が500,000円あっても、営業利益は50,000円です。
粗利益・限界利益・営業利益を一つの例で見る
売上500,000円のEC事業を考えます。商品の仕入原価が200,000円、その他の変動費(決済手数料20,000円、販売手数料30,000円、配送・梱包費50,000円)が合計100,000円、固定費(ECシステム費20,000円、固定の広告費30,000円、人件費100,000円)が合計150,000円です。
- 売上高500,000円
- -売上原価200,000円
- =粗利益300,000円
- 変動費は売上原価200,000円とその他の変動費100,000円
- 売上高500,000円-変動費300,000円
- =限界利益200,000円
損益計算書の形で見ると、粗利益300,000円-変動的な販管費100,000円-固定的な販管費150,000円=営業利益50,000円となります。
| 利益 | 計算方法 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 粗利益 | 売上-売上原価 | 商品そのものの基本的な稼ぐ力 |
| 限界利益 | 売上-変動費 | 固定費の支払いに回せる金額 |
| 営業利益 | 粗利益-販管費 | 本業全体で最終的に残った利益 |
よくある勘違い
実際のケースで考えてみよう
ケース|手作りクッキーをEC販売する
手作りクッキーを1箱3,000円で販売します。1箱当たりの費用は次のとおりです。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 材料・製造費 | 900円 |
| 箱・緩衝材 | 150円 |
| 決済手数料 | 120円 |
| 販売手数料 | 180円 |
| 配送費の自社負担 | 650円 |
| 変動費合計 | 2,000円 |
1箱売れるごとに1,000円が固定費の支払いへ回ります。
| 固定費 | 金額 |
|---|---|
| ECシステム | 10,000円 |
| 作業場所 | 20,000円 |
| 固定の人件費 | 50,000円 |
| その他 | 20,000円 |
| 合計 | 100,000円 |
固定費100,000円を限界利益1,000円でまかなうには、単純計算で100箱必要です。
これは利益が0円になる販売数量です。100箱より多く売れれば利益が出る可能性があり、少なければ固定費を回収できません。詳しい損益分岐点は、DAY13で学びます。
EC事業のお金を確認する10の質問
- 販売価格はいくらですか?税込・税抜、送料込み・送料別も確認します。
- 商品1個の原価はいくらですか?仕入商品か、自社製造品かを分けます。
- 売れるごとに発生する手数料はいくらですか?決済手数料、販売手数料などを確認します。
- 梱包費はいくらですか?箱、袋、緩衝材、ラベルなどを含めます。
- 送料を誰が負担しますか?購入者負担、自社負担、一部負担を確認します。
- 広告費はいくらですか?月額だけでなく、1件の注文を得るためにいくら使ったかも確認します。
- 返品率はどのくらいですか?返品送料、再発送、商品廃棄などの費用を確認します。
- 毎月発生する固定費はいくらですか?システム費、人件費、家賃などを整理します。
- 粗利益と限界利益はいくらですか?商品原価だけでなく、変動費全体を確認します。
- 営業利益はいくら残っていますか?本業全体の費用を差し引いた結果を確認します。
やってみよう|商品1個の利益シミュレーター
販売価格や原価、手数料を入力すると、粗利益・限界利益・月間の営業利益・損益分岐点の目安が自動で計算されます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
これは仕組みを理解するための簡易計算です。実際の原価配分、税金、在庫評価、会計処理は事業の内容によって異なるため、正確な数字は税理士などへ確認してください。
もっと詳しく計算したい方へ
決済手数料・販売手数料を「円」だけでなく「%」でも入力でき、固定費を項目ごとに登録して自動で合算できる単体版のツールを公開しています。複数の商品や、固定費の内訳を細かく管理したい場合はこちらをご利用ください。
アウトプットワーク|EC商品の利益を整理しよう
販売したい商品を一つ選んでください。上のシミュレーターで計算した数字を書き写しながら整理すると分かりやすくなります。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
1個当たりの計算
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格 | |
| 仕入原価・製造原価 | |
| 粗利益 | |
| 決済手数料 | |
| 販売手数料 | |
| 梱包費 | |
| 配送費の自社負担 | |
| その他の変動費 | |
| 限界利益 |
1か月の固定費
| 固定費 | 金額 |
|---|---|
| ECシステム費 | |
| 家賃・倉庫費 | |
| 固定の人件費 | |
| 通信費 | |
| 固定の広告費 | |
| その他 | |
| 固定費合計 |
営業利益の仮計算
粗利益円-販売費及び一般管理費円=営業利益円。
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 売上の説明として最も近いものはどれでしょうか?
第2問 仕入原価と製造原価の違いとして適切なものはどれでしょうか?
第3問 粗利益の計算方法はどれでしょうか?
第4問 限界利益の計算方法はどれでしょうか?
第5問 次のうち、変動費になりやすいものはどれでしょうか?
第6問 営業利益の説明として最も近いものはどれでしょうか?
第7問|実務判断問題 商品を5,000円で販売しています。1個当たりの費用は、商品原価2,000円、決済手数料200円、販売手数料300円、梱包費200円、配送費800円です。この商品の粗利益と限界利益はいくらでしょうか?
回答例を見る
粗利益:販売価格5,000円-商品原価2,000円=粗利益3,000円
変動費合計:商品原価2,000円+決済手数料200円+販売手数料300円+梱包費200円+配送費800円=3,500円
限界利益:販売価格5,000円-変動費3,500円=限界利益1,500円
粗利益は3,000円ですが、決済、販売、梱包、配送の費用を引くと、固定費の支払いに回せる限界利益は1,500円です。
よくある質問
同じとは限りません。売上金から決済手数料、販売手数料、返金などが差し引かれて入金される場合があります。売上明細と入金明細を分けて確認します。
売れずに残った商品は在庫として扱われるため、仕入れた金額とその期間の売上原価が異なる場合があります。
粗利益も利益の一つですが、最終的に残る利益ではありません。粗利益から広告費、人件費、システム費などを差し引いて営業利益を計算します。
限界利益は売上から変動費を引いた金額です。そこから固定費を差し引くと、事業の利益が見えてきます。営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益です。
作業を自分一人で行っていても、商品登録、梱包、発送、問い合わせには時間がかかります。事業の採算を判断する際は、作業時間や将来の人件費も考慮する必要があります。
購入者から送料を受け取らなくても、販売者が配送会社へ支払う送料は発生します。送料無料分を商品価格や利益で負担できるか確認します。
一般的な経営管理の考え方と、実際の会計・税務処理は分けて考えます。原価の範囲、在庫評価、売上計上などの個別判断は、税理士などへ確認してください。
今回のまとめ
EC事業では、売上だけを見ても、事業がもうかっているかは分かりません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- 売上は、商品やサービスを販売して発生した金額
- 仕入原価は完成品を仕入れる費用、製造原価は商品を作る費用
- 粗利益は、売上から売上原価を引いた金額
- 限界利益は、売上から変動費を引いた金額
- 営業利益は、粗利益から販売費及び一般管理費を引いた本業の利益
ECでは、商品原価だけでなく、決済手数料、販売手数料、送料、梱包費、広告費、人件費なども確認する必要があります。売れた金額ではなく、すべての必要な費用を払ったあとに、いくら残るのかを見ることが大切です。
「売上を喜ぶだけでなく、どの段階でいくら残っているか確認しよう!」
DAY10の実践課題
販売したい商品、または普段利用しているEC商品を一つ選び、販売価格、仕入原価または製造原価、決済手数料、販売手数料、梱包費、配送費、広告費、ECシステム費、人件費、返品が発生した場合の費用を調べてみましょう。そのうえで、「売上高-売上原価=粗利益」「売上高-変動費=限界利益」「粗利益-販売費及び一般管理費=営業利益」の3つを計算してください。
正確な金額が分からない項目は0円にせず、「未確認」と記録してください。未確認の費用が見つかることも、大切な学習成果です。


