SKUとバリエーションとは?色・サイズ・容量別の在庫管理と設計方法を解説 DAY15

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【DAY15】SKUとバリエーションの基本

色・サイズ・容量・セット内容をどこまで別の商品として管理するか

【DAY15】ECの基礎知識:SKUとバリエーションの設計図。迷わない在庫管理のための「分ける・分けない」判断基準。国内EC・越境ECを基礎から学ぶ
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🔊 音声で聞く「物理在庫と矛盾しないSKU設計」

DAY14では、商品名、商品コード、SKU、JANコード、価格、画像、在庫、配送条件などをまとめる「商品マスタ」を学びました。DAY15では、その中でも特に迷いやすいSKUとバリエーションの設計を掘り下げます。たとえば、同じTシャツに次の種類があるとします。

  • 白・Sサイズ/白・Mサイズ
  • 黒・Sサイズ/黒・Mサイズ

購入者から見ると、すべて「同じTシャツ」です。しかし、倉庫では別々の商品として保管されています。白のMサイズが売れても、黒のMサイズの在庫を減らしてはいけません。そこで、色とサイズの組み合わせごとに、異なるSKUを設定します。

お客様が見ている一つの商品は、倉庫では複数の別商品として存在する。左:購入者から見た商品ページはベーシックTシャツ一つ、Colorとサイズのプルダウンのみ。右:倉庫ではWhite-S・White-M・White-L・Black-S・Black-M・Black-Lの6箱に分かれて保管されている。倉庫では別々の商品。白のMサイズが売れても、黒のMサイズの在庫を減らしてはいけない

一方で、商品ページに入力する「名入れ文字」や「ギフト包装」は、必ずしもすべて別SKUにする必要はありません。大切なのは、選択肢があるたびにSKUを増やすことではなく、在庫、価格、画像、配送、商品そのものの違いを見て、別に管理すべき単位を決めることです。

「選べる項目があるからといって、全部を別SKUにするわけではないんだ!」

この記事で分かること

  • SKUとバリエーションの関係/「商品」と「在庫管理単位」の違い
  • 色・サイズ・容量を別SKUにする判断基準
  • SKUにしなくてもよい選択肢
  • 固定セット・選べるセット・まとめ売りの違い
  • SKU数が増えすぎる原因/SKUコードの付け方
  • 価格・画像・重量・配送条件の管理
  • 複数の販売サイトでSKUを共通化する方法
  • 商品追加・変更・廃番時のルール

先に結論|「別の在庫として数えるか」で考える

SKUを分けるか迷ったときは、まず次の質問をします。「その違いを、倉庫や発送現場で別々に数える必要がありますか?」答えが「はい」なら、別SKUにする可能性が高くなります。

SKUを分けるか迷ったときの究極の判断基準。「その違いを、倉庫や発送現場で別々に数える必要がありますか?」YESなら別SKUにする、NOなら注文時のオプション情報にする。選べる項目があるからといって、全部を別SKUにするわけではない
違い別SKUにする可能性
色が違い、在庫も別高い
サイズが違い、在庫も別高い
容量が違う高い
香り・味・型番が違う高い
セット内容が固定されている高い
ギフト包装を選べる状況による
名入れ文字が違う通常は低い
配送日時の希望SKUにはしない
購入者の備考SKUにはしない

ECサービスでは、色やサイズなどの選択肢の組み合わせを商品バリエーションとして扱い、各バリエーションの在庫を個別に管理できます。たとえば「青・Sサイズ」は、一つの具体的なバリエーションです。

身近な例で考えると「靴箱の管理」

靴屋で同じデザインのスニーカーを販売するとします。店頭の見本は一つでも、倉庫には白・25cm、白・26cm、白・27cm、黒・25cm、黒・26cm、黒・27cmの箱があります。購入者が「白・26cm」を注文したら、倉庫担当者は白・26cmの箱を取り出さなければなりません。商品名がすべて「ベーシックスニーカー」だけでは、正しい箱を選べません。そこで、箱ごとに識別できるSKUを付けます。

SN-001-WH-25/SN-001-WH-26/SN-001-WH-27
SN-001-BK-25/SN-001-BK-26/SN-001-BK-27

SKUは、購入者向けの魅力的な名前ではなく、正しい在庫を見つけ、数え、発送するための識別情報です。

1.SKUとは何か|在庫を区別して管理するための単位

SKUは、Stock Keeping Unitの略です。EC実務では、色、サイズ、容量、仕様などの違いを含め、在庫を別々に管理するための単位やコードとして使われます。同じ商品ページに掲載されていても、選択肢の組み合わせごとに在庫が異なるなら、複数のSKUが存在します。

商品:ベーシックTシャツ

この例では、一つの商品に6つのSKUがあります。在庫の追跡や売上分析を正しく行うため、SKUは重複させず、商品バリエーションごとに固有のコードを設定することが推奨されています。

2.バリエーションとは何か|同じ商品の中にある選択肢の違い

バリエーションとは、基本的には同じ商品でありながら、特定の項目が異なる種類です。代表的な項目は、色、サイズ、容量、味、香り、素材、型番、セット数、保存容量、電圧・規格です。色が2種類、サイズが3種類なら、組み合わせは6種類です。

サイズバリエーション
S白・S
M白・M
S黒・S

商品バリエーションは、色やサイズなどの選択肢の組み合わせとして管理され、価格、在庫、配送情報などをバリエーションごとに持たせるECサービスがあります。

3.商品・選択肢・バリエーション・SKUの違い

商品・バリエーション・SKUの正しい階層構造。商品(ベーシックTシャツ)から選択項目(色・サイズ)へ分岐し、バリエーション(白・M)に集約され、SKU(TS-001-WH-M)へつながる。SKUは在庫を見つけ、数え、発送するための識別情報。購入者向けの魅力的な名前ではなく、物理的な管理単位を表す
用語意味Tシャツの例
商品購入者から見た基本商品ベーシックTシャツ
選択項目購入時に選ぶ分類色、サイズ
選択値選択項目の具体的な内容白、黒、S、M、L
バリエーション選択値の組み合わせ白・M
SKU在庫管理で使う単位・コードTS-001-WH-M

購入者は「ベーシックTシャツ」という商品を見ます。倉庫は「TS-001-WH-M」というSKUを見て、白のMサイズを取り出します。

4.別SKUにする5つの基本条件

別のSKUを発番すべき5つの絶対条件。在庫が別→現物が別→価格が違う→配送条件が違う→JAN/GTINが違う、の順に矢印でつながる。GS1ルール:色・サイズ別に異なるGTINが必要
条件1|在庫を別々に数える

最も重要な条件です。白が5枚、黒が3枚なら、色ごとに在庫を分ける必要があります。同じSKUにすると、合計8枚あることしか分からず、どちらの色が売り切れたか判断できません。

条件2|実際に取り出す商品が違う

倉庫担当者が別の棚、箱、袋から取り出すなら、別SKUにする可能性が高くなります。コーヒー豆の200gと500gは中身が同じでも、容量とパッケージが違うため別SKUにします。

条件3|価格が異なる

Sサイズと特大サイズで価格が異なる場合、別SKUで管理すると売上や在庫を追いやすくなります。ただし、会員価格やセールのように商品自体が同じ場合は、同じSKUに価格条件を持たせる方法があります。

条件4|重量・配送条件が異なる

容量やセット数によって、重量、梱包サイズ、配送方法が変わる場合があります。配送条件が異なる商品を同じSKUで管理すると、送料計算や出荷指示を誤る可能性があります。

条件5|商品識別コードが異なる

色・サイズ・容量ごとにJANコード・GTINが異なる場合は、SKUも分けて対応づけます。GS1 Japanのガイドラインでは、複数の色・サイズを持つ商品の場合、それぞれ異なるGTINを設定する必要があるとされています。

5.SKUにしなくてもよい選択肢

商品ページ上で選べる項目があっても、すべてを別SKUにする必要はありません。

注文ごとのオプション情報にとどめるべき項目。箱に配送日時・購入者の備考・名入れ文字の付箋が貼られている。基本商品SKU:MG-001+加工指定:KAZUYAという例。商品そのもの(在庫)は変わらないため、新しいSKUは作らず、一つのSKUに紐づく注文情報として管理する
配送日時

配送日時を選んでも、商品そのものは変わりません。注文情報や配送指定として管理します。

名入れ文字

完成品の文字は異なりますが、文字入り在庫をそれぞれ保管しているわけではありません。SKU:MG-001/加工指定:KAZUYAのように、元の商品SKUと加工内容を注文情報として分けます。

購入者からのメッセージ

ギフトカードへ書く文章が違っても、商品在庫そのものは変わりません。SKUではなく、注文ごとの入力情報として管理します。

のし・メッセージカード

無料ののしやメッセージカードを追加するだけなら、商品SKUとは分けて管理する方法があります。ただし、資材に在庫・原価があり種類別に管理する場合は、資材SKUや付帯サービスとして管理することもあります。

6.迷ったときの判断表

【保存版】マスターSKU診断マトリックス。確認項目:倉庫で別々に数えるか/別の棚・箱から現物を取り出すか/JANコード・GTINが違うか/重量・梱包・配送が変わるか/注文後に文字だけ加工するか/配送日時や備考だけが違うか。判断がYESなら「別SKUを検討」「別SKUが基本」「同一SKU+加工情報」「SKUにはしない」のアクションが示される。商品登録前にこの表で分ける・分けないをセルフチェックする
確認項目「はい」の場合
倉庫で別々に数えるか別SKUを検討
別の棚・箱から取り出すか別SKUを検討
価格が異なるか別SKUまたは価格条件を検討
重量・梱包・配送が違うか別SKUを検討
JANコード・GTINが違うか別SKUが基本
売上を別々に分析したいか別SKUを検討
注文後に文字だけ加工するか同一SKU+加工情報を検討
配送日時だけが違うかSKUにはしない
購入者の備考だけが違うかSKUにはしない

7.色・サイズのSKU設計

基本の商品コードをTS-001とし、色の略号(白=WH、黒=BK、青=BL)とサイズの略号(S・M・L)を決めます。組み合わせると、次のSKUになります。

商品サイズSKU
TシャツSTS-001-WH-S
TシャツMTS-001-WH-M
TシャツSTS-001-BK-S

「白」「ホワイト」「White」「WHITE」「WH」のような表記揺れを避けます。商品ページでは「ホワイト」、SKUでは「WH」のように、用途別の表記ルールを決めます。担当者ごとに自由入力すると、同じ色が別の色として集計される可能性があります。サイズの順番も、S→M→L→XLのように表示順を決めておくと分かりやすくなります。

8.容量・数量のSKU設計

容量違いの罠:完成品と原料からの小分けの違い。左:100g・500gの完成品袋がそれぞれ別SKUとして独立管理される。右:10kgの原料袋(MASTER SACK)から注文時に100g・200gへグラム単位で減算する設計が必要。販売用SKUは別でも、在庫の元になる材料は同じ場合がある

同じ種類のコーヒー豆を100g、200g、500gの容量で販売します。完成した袋を容量別に保管しているなら、別SKUにします。

容量SKU在庫管理
100gCF-001-100100g袋の在庫
200gCF-001-200200g袋の在庫
500gCF-001-500500g袋の在庫

大きな袋から注文後に100gや200gへ小分けする運用もあります。この場合、完成品在庫ではなく、原料在庫を共通で管理する方法があります。100g商品が1個売れたら原料在庫を100g減らし、500g商品が1個売れたら500g減らします。容量別商品の在庫数だけを別々に入力すると、同じ原料から作れる数量を二重に数える可能性があります。

「販売用SKUは別でも、在庫の元になる材料は同じ場合があるんだ!」

9.味・香り・仕様のSKU設計

同じクッキーでも、プレーン、チョコ、抹茶のように味ごとに完成品の在庫が違うなら、別SKUです(CK-001-PL/CK-001-CH/CK-001-MA)。化粧品の香りの違いによって中身やパッケージが異なるなら、別SKUにします。電子機器の保存容量、メモリ容量、電圧、接続方式、型番の違いも、通常は別SKUとして管理します。Google Merchant Centerでも、色・サイズだけでなく、電子機器のメモリ、画面サイズ、プロセッサーなどが異なる商品をバリエーションとして扱います。

10.セット商品のSKU設計

セット商品は、SKU設計で特に混乱しやすい分野です。セットには、主に3つの種類があります。

欠品を防ぐセット商品3つの管理モデル。まとめ売り(同一の単品在庫から3つ引き当てる。専用のセット在庫を作らない)、固定セット(専用のセットSKUを作成し、構成品のレシピBOMを紐付ける)、選べるセット(セット自体を基本商品とし、選ばれた中身は注文情報として個別の在庫から減算する)
① 同じ商品を複数個まとめる

例:ジャム1個/3個セット/6個セット。JM-001-01、JM-001-03、JM-001-06のようなSKUを作れますが、在庫の元は同じジャムです。3個セットが1件売れたら、ジャム在庫を3個減らします。セット商品だけを別在庫として登録すると、単品在庫と二重計上する可能性があります。

② 内容が決まった固定セット

例:ジャム1個+はちみつ1個+紅茶1袋を「朝食ギフトセット」として販売。セットSKU:GT-001とし、構成SKUと必要数の構成表を別に持ちます。どれか一つが欠品すると、セットを販売できない場合があります。

③ 購入者が中身を選ぶセット

例:6種類のジャムから好きな3個を選ぶ。すべての組み合わせをSKU化すると、SKU数が急増します。通常は、セット本体と選ばれた構成内容を注文情報として管理し、各構成商品の在庫を減らす方法を検討します。

11.セット商品で確認すること

  • セット専用の完成品在庫を持つか/注文後に構成商品を集めるか
  • 構成商品の在庫を自動で減らせるか
  • 一つでも欠品したら販売停止するか/代替商品を認めるか
  • セット専用の箱を使うか/単品とセットで同じ在庫を共有するか
  • 返品時にセット全体を戻すか/一部だけ返品できるか

GS1では、あらかじめ内容が決められた組み合わせ商品の中身を変更する場合、GTINの変更が必要となるルールが示されています。

12.ギフト包装は別SKUにする?

通常包装とギフト包装で、中の商品は同じとします。この場合、商品SKUを増やさず、包装方法を注文オプションとして管理できます。

ギフト包装は別SKUにするべきか?ギフト包装を提供するか?で分岐。中の商品も同じ無料の簡易包装なら、包装指定として注文オプションで管理。有料包装または包装紙・専用箱自体の在庫を管理したい場合は、包装資材SKUを独立して作成する(商品SKU:MG-001+包装資材SKU:WRAP-001)
別管理を検討する場合:有料包装/包装紙に在庫がある/箱の種類が複数ある/配送サイズが変わる/ギフト専用の完成品を事前に作る/包装作業費を売上分析したい。このような場合は、商品SKU:MG-001+包装資材SKU:WRAP-001のように、商品と包装資材を分けて管理すれば、包装紙の残数も把握できます。

13.名入れ・受注生産の考え方

購入者ごとの名前をSKUにすると、注文のたびに新しいSKUが必要になり、現実的ではありません。基本商品SKU:MG-001/加工サービス:ENGRAVE/入力文字:KAZUYAのように、基本商品と加工内容を分けます。

加工サービスコード追加料金
文字彫刻OP-ENG500円
写真印刷OP-PHT1,000円
ロゴ印刷OP-LOGO1,500円

加工方法ごとに価格や納期が違うなら、加工サービスコードを設定する方法があります。商品SKUと加工サービスを組み合わせて注文を管理します。

14.SKU数が増えすぎる「組み合わせ爆発」

バリエーション項目が増えるほど、SKU数は急増します。たとえば、色5種類×サイズ4種類×素材3種類×包装2種類をすべて組み合わせると、5×4×3×2=120種類になります。一つの商品だけで120SKUです。商品が10種類あれば、1,200SKUになります。

SKUが増えすぎる恐怖「組み合わせ爆発」を防ぐ。5 Colors × 4 Sizes × 3 Materials × 2 Wrappings = 120 SKUs(負担増:商品登録・棚卸し・発注・ミス増加)。(5 Colors × 4 Sizes × 3 Materials) + 1 Wrapping Option = 60 SKUs。包装などをSKUから外し注文オプションにするだけで、SKU数は劇的に減る。運用し続けられる設計か確認しよう

SKUが増えると、商品登録、商品画像、在庫入力、棚卸し、価格更新、入荷登録、発注、売上分析、欠品確認、CSV連携、問い合わせ対応、販売終了処理といった仕事も増えます。SKUを細かくしすぎると、購入者の選択肢は増えても、運営側のミスと負担が増えます。包装を注文オプションにするだけで、5色×4サイズ×3素材=60SKUのように、120SKUから60SKUへ減らせます。SKU設計では、購入者の自由度だけでなく、継続して運用できるかを確認します。

15.存在しない組み合わせを作らない

すべての選択肢が、必ず組み合わせられるとは限りません。次の在庫だけを販売するとします。

SKU設計で起こりやすいシステム上の失敗。White・Black列はS/M/Lすべて○だが、Limited Red列はMのみ○でSとLは×。ECシステムで色×サイズを自動生成すると、存在しない限定赤・Sが買える状態になる。最初から作成しない設計が必要。WARNING:1.倉庫とECでSKUコードが違う 2.同じ商品に複数のSKUが存在する
SML
限定赤

限定赤はMサイズしかありません。それにもかかわらず、色3種類×サイズ3種類として自動作成すると、限定赤・S、限定赤・Lという存在しないSKUができます。購入者が選べないようにするか、最初から作成しない設計が必要です。Google Merchant Centerでも、同じ商品グループ内でバリエーション値の組み合わせが重複しないよう求めています。

16.SKUコードの付け方

良いSKUコードの解剖図(ネーミングのルール)。JM001-ST-120=商品番号JM001+味・色ST+サイズ・容量120。Don't:2026-CHIBA-STRAWBERRY-JAM-120G-1500YENのような長いコードは年や価格を含めない、空白・全角記号・スラッシュは禁止

良いSKUコードは、重複しない、長すぎない、読み間違えにくい、一定のルールがある、簡単に変更しない、使用できる文字を統一する、商品名が変わっても使える、過去商品と使い回さない、という条件を満たすと扱いやすくなります。

構造
TS001-WH-M商品番号-色-サイズ(TS001=商品/WH=ホワイト/M=Mサイズ)
JM001-ST-120商品番号-味-容量(JM001=ジャム商品/ST=いちご/120=120g)

「2026-CHIBA-STRAWBERRY-JAM-120G-1500YEN」のようなSKUは、一見分かりやすくても変更に弱くなります。価格、産地、年などが変わるたびにSKUを変更したくなります。SKUは商品を識別するためのコードです。頻繁に変わる価格、販売年、キャンペーン名などは、別項目で管理します。空白、全角記号、スラッシュ、改行、絵文字、非常に長い文字列は、システム連携やCSV処理で問題になることがあります。利用するEC、倉庫、会計、広告などのシステム仕様を確認し、英数字やハイフンなどへ統一する方法があります。

17.一度使ったSKUを変更・再利用しない

複数チャネル展開と廃番管理の鉄則。左:基準SKUの統一。自社の基準SKU:TS001-WH-Mを対応表(Translation Table)でEC Mall・Web Shop・Physical Storeそれぞれのコードへ変換する。右:使い回し禁止。旧SKU TS001-WH-M(v1)を新商品へ再利用するのはSTOP。販売終了したSKUは状態を廃番にし履歴として残す。新商品へ使い回すと過去の売上データや返品照合が崩壊する

商品名や価格を変更しても、同じ在庫・商品を継続して管理するなら、SKUを維持する方法があります。SKUを途中で変更すると、過去の売上とつながらない、倉庫で別商品として登録される、在庫が二重になる、広告の商品実績が分かれる、返品商品の照合が難しくなる、といった問題が起こる可能性があります。

販売終了したSKUを、新しい商品へ再利用してはいけません。同じSKUを使うと、過去注文のSKUが旧商品なのか新商品なのか判断できなくなります。販売終了商品は状態を「廃番」にし、SKUは履歴として残します。

18.SKUごとに何を持たせる?

項目SKUごとに異なる可能性
色/サイズ/容量/在庫数高い
JANコード・GTIN/保管場所/商品画像高い
価格/重量/梱包サイズ/原価/発送日数状況による
商品説明共通の場合が多い

共通情報をSKUごとにコピーすると、説明変更時に何十件も修正することになります。商品単位(基本の商品名、ブランド、共通説明、共通素材、商品カテゴリ、使用方法)と、SKU単位(SKUコード、色、サイズ、容量、在庫、JANコード、SKU画像、重量、保管場所)を分けます。

19.画像をSKUへ正しく対応させる

商品ページで青を選んだのに、赤の商品画像が表示されると、購入者は注文内容に不安を感じます。色や柄が異なる場合は、SKUと画像を対応づけます。Google Merchant Centerでは、各バリエーションについて、色、価格、在庫、画像などの登録内容を、遷移先の商品ページで表示される内容と一致させる必要があります。

20.複数の販売サイトでSKUを統一する

同じ商品を自社EC、ECモールA、ECモールB、実店舗で販売するとします。販売先ごとにSKUを変えると、在庫連携や売上集計が複雑になります。自社の基準SKUを一つ決め、販売先固有のコードが必要な場合は対応表を作ります。

基準SKU自社ECモールAモールB
TS001-WH-MTS001-WH-MA-00125B-SHIRT-M-W

この対応表によって、各販売先の注文を共通SKUへ変換します。Google Merchant Centerでは、バリエーションごとに別の商品データを登録し、同じ商品グループIDを付けて、同一商品のバリエーションとしてまとめます。つまり、ECサイト上では一つの商品ページでも、外部連携ではSKU・バリエーションごとのデータが必要になる場合があります。

21.在庫はSKU単位で減らす

SKU注文前注文後
白・S55
白・M21
黒・S88

白・Mが1枚売れた場合、減らすのは白・Mだけです。商品全体の在庫を「19枚」とだけ管理していると、白・Mが残り1枚であることが分かりません。

SKU設計で起こりやすい失敗

失敗1|色・サイズが違うのに同じSKU
どの在庫が売れたか分からなくなります。
失敗2|同じバリエーションに複数のSKU
同じ白・Mサイズが、TS001-WH-MとTS01-WHITE-Mの2コードで登録されていると、在庫と売上が分かれ、実際の数量を把握しにくくなります。
失敗3|選択項目をすべてSKUにする
配送日時、メッセージ、名入れ文字までSKUにすると、SKU数が増え続けます。
失敗4|セット在庫を単品在庫と別に二重登録
単品在庫30個に加え、3個セット在庫10セットを登録すると、合計60個販売できるように見えますが、実際には30個しかありません。
失敗5|存在しない組み合わせを登録
販売していない色・サイズの組み合わせが購入できる状態になります。
失敗6|SKUへ価格を入れる
価格変更のたびにSKUを変更すると、過去データとのつながりが切れます。
失敗7|廃番SKUを新商品へ使い回す
返品、売上分析、過去注文の確認が難しくなります。
失敗8|倉庫とECでSKUが違う
注文データを見ても、倉庫がどの商品を発送すればよいか分かりません。

実際のケースで考えてみよう|地域のジュースを販売する

同じ果汁ジュースを、りんご・200ml、りんご・500ml、ぶどう・200ml、ぶどう・500ml、200mlの6本セット、500mlの3本セット、好きな味を選べる6本セットの形で販売します。

容量SKU
りんご200mlJU-AP-200
りんご500mlJU-AP-500
ぶどう200mlJU-GR-200
セットSKU構成
りんご200ml・6本JU-AP-200-06JU-AP-200を6本
ぶどう200ml・6本JU-GR-200-06JU-GR-200を6本

「200mlジュース・選べる6本セット」で、注文内容がりんご×4、ぶどう×2だった場合、すべての組み合わせを別SKUにせず、注文内容に基づいて単品在庫を減らす設計を検討します。

ここで決めること:セット専用の完成品を在庫するか/単品から注文後に箱詰めするか/構成商品の在庫を自動で減らせるか/どれか一種類が欠品した場合にどうするか/箱代や作業費をどう管理するか/セット商品の返品をどう扱うか

SKUを設計する12の質問

  1. 購入者は何を選べますか?色、サイズ、容量、味などをすべて書き出します。
  2. 組み合わせは何種類ありますか?不要な組み合わせが含まれていないか確認します。
  3. 在庫を別々に数えますか?別々に数えるなら別SKUを検討します。
  4. 倉庫で別の物を取り出しますか?保管場所やパッケージが違うか確認します。
  5. 価格は異なりますか?価格だけが違うのか、商品自体も違うのかを分けます。
  6. 重量や梱包サイズは異なりますか?送料や配送方法への影響を確認します。
  7. JANコード・GTINは異なりますか?色・サイズ・容量ごとのコードを確認します。
  8. 画像は異なりますか?購入者が選んだSKUと画像が一致するようにします。
  9. セット商品は単品在庫を共有しますか?二重在庫を防ぎます。
  10. 名入れや包装をSKUにする必要がありますか?注文オプションやサービスコードで管理できないか考えます。
  11. 複数サイトで同じSKUを使えますか?基準SKUと販売先コードの対応を整理します。
  12. 販売終了後のSKUをどう残しますか?削除や使い回しをせず、状態を管理します。

やってみよう|組み合わせ数シミュレーター&別SKU判定チェッカー

選択項目とその選択肢数を追加すると、すべて別SKUにした場合の組み合わせ数と、注文オプションへ回した項目を除いた場合の組み合わせ数を比較できます。さらに、迷っている違いを5つの条件でチェックすると、別SKUにすべきかどうかを判定します。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

① 組み合わせ数シミュレーター

まだ項目が追加されていません。色、サイズ、素材、包装などを追加してください。

すべてを別SKUにした場合
「SKUに含める」項目だけの場合

② 別SKU判定チェッカー

迷っている違い(色、包装、名入れなど)を一つ入力し、当てはまる条件にチェックしてください。

この違いを判定する

まだ判定した項目がありません。

これは仕組みを理解するための簡易チェックです。実際の商品では、GS1のGTIN付番ルールや自社の在庫システムの仕様も合わせて確認してください。

アウトプットワーク|SKU設計表を作ろう

販売したい商品を一つ選んでください。分からない項目は空欄のままにせず、「未確認」と記入してください。

① 選択項目を整理する

選択項目選択値
サイズ
容量
味・香り/素材
セット内容/その他

② SKUにするか判断する

違い在庫は別か/現物は別か/配送は別か/別SKUにするか
サイズ
容量
包装/名入れ
セット

③ SKUコードのルールを書く

基本構造は「」とします。
色コードは「」を使用します。
サイズ・容量コードは「」を使用します。
販売終了したSKUは「削除せず、状態で残す」とします。

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 SKUの説明として最も近いものはどれでしょうか?

A.色・サイズなどを含め、在庫を識別するための単位・コード
B.購入者の氏名を表すコード
C.広告のキャッチコピー
正解はAです。SKUは、色、サイズ、容量などを含めて、在庫を区別・追跡するために使用する単位やコードです。

第2問 白と黒のTシャツを別々に在庫管理する場合、どのように管理するのが適切でしょうか?

A.同じSKUにする
B.色ごとに異なるSKUを設定する
C.商品名を登録しない
正解はBです。白と黒で実際の在庫が異なるため、それぞれ異なるSKUを設定します。

第3問 色2種類、サイズ3種類を、すべて組み合わせて販売する場合、バリエーションは何種類でしょうか?

A.5種類
B.6種類
C.9種類
正解はBです。色2種類×サイズ3種類=6種類です。

第4問 次のうち、通常は商品SKUにしなくてもよいものはどれでしょうか?

A.色違いの完成品
B.容量違いの商品
C.配送希望日時
正解はCです。配送希望日時によって商品在庫は変わらないため、SKUではなく配送指定情報として管理します。

第5問 名入れ商品を管理する方法として近いものはどれでしょうか?

A.入力される名前ごとに新しいSKUを作る
B.基本商品SKUと名入れ内容を分けて管理する
C.名入れ内容を記録しない
正解はBです。在庫として管理する基本商品SKUと、注文ごとに異なる名入れ内容を分けます。

第6問 単品在庫30個から3個セットを販売する場合、販売できるセット数はいくつでしょうか?

A.10セット
B.30セット
C.90セット
正解はAです。30個÷3個=10セット。単品販売でも同じ在庫を使用するため、単品注文が入れば販売可能なセット数も減ります。

第7問 商品ページでは一つの商品でも、色・サイズごとに在庫が異なる場合、在庫はどの単位で管理しますか?

A.商品ページ全体だけ
B.SKU・バリエーション単位
C.購入者単位
正解はBです。色・サイズごとに在庫が異なる場合、SKU・バリエーション単位で数量を管理します。

第8問 販売終了したSKUを新商品へ使い回すと、どのような問題が起こる可能性がありますか?

A.過去注文と新商品を区別できなくなる
B.在庫が必ず増える
C.送料が必ず無料になる
正解はAです。同じSKUに旧商品と新商品が混在し、売上、返品、在庫、過去注文の判別が難しくなります。

第9問|実務判断問題 次の選択肢がある商品を販売します。色:白、黒/サイズ:S、M、L/ギフト包装:あり、なし/名入れ:自由入力。どこまでをSKUにし、何を注文オプションとして管理しますか?

回答例を見る

SKUにするもの:白・S/白・M/白・L/黒・S/黒・M/黒・L。色とサイズは、完成品の在庫が異なるため、6SKUに分けます。

注文オプションにするもの:ギフト包装、名入れ文字。包装資材の在庫を別管理したい場合は、包装資材や有料サービスとして別コードを付ける方法があります。名入れ内容は自由入力のため、名前ごとにSKUは作りません。

第10問|実務判断問題 同じジャムを、単品、3個セット、好きな味を選べる3個セットで販売します。在庫を二重に数えないために、どのような設計が必要でしょうか?

回答例を見る

味ごとの単品SKUを作る/固定3個セットは構成SKUと必要数を登録する/選べる3個セットは注文時に選ばれた単品SKUを記録する/セットが売れたら単品の元在庫から数量を減らす/単品在庫とセット在庫を別々に加算しない/一つの味が欠品した場合の販売ルールを決める/セット用の箱や作業費は別に管理する。

よくある質問

今回のまとめ

複雑な在庫を、正しく届けるための設計図。「SKUは細かいほど良いわけじゃない。正しく数えて届けられる単位にしよう!」購入者が何を選ぶかではなく、現場で何を別々に数え、取り出し、発送する必要があるかが重要。次回DAY16:在庫・引当・欠品の基本

SKU設計は、商品コードを作るだけの作業ではありません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. SKUは、在庫を区別して管理するための単位・コード
  2. 色、サイズ、容量など、実在庫が異なる場合は別SKUにする
  3. 名入れ文字、配送日時、購入者の備考は、通常SKUとは分けて管理する
  4. セット商品は、構成商品の在庫を二重に数えない仕組みが必要
  5. SKUは重複・使い回しを避け、複数の販売先でも基準を統一する

SKUを細かく分けすぎると、管理する商品数が急増します。反対に、まとめすぎると、どの色・サイズが残っているのか分かりません。重要なのは、購入者が何を選ぶかではなく、現場で何を別々に数え、取り出し、発送する必要があるかです。

「SKUは細かいほど良いわけじゃない。正しく数えて届けられる単位にしよう!」

DAY15の実践課題

身近な商品を一つ選び、選択肢をすべて書き出してください。次に、すべての色とサイズを販売するか、組み合わせは何種類あるか、在庫を別々に数える必要があるか、SKUコードをどのように付けるか、色ごとの商品画像があるか、サイズによって価格や重量が変わるか、倉庫の保管場所はどこか、販売終了したSKUをどう残すかを確認します。分からない項目は、無理に決めず「未確認」と記録してください。SKUの設計段階で不明点を見つけることで、販売後の欠品、誤配送、在庫の二重計上を防ぎやすくなります。

獲得バッジ

音声で学んだ
組み合わせ設計マスター
SKU設計表完成
FAQマスター
クイズクリア

次回 DAY16:在庫・引当・欠品の基本

実在庫、販売可能在庫、引当在庫、安全在庫の違いと、注文が入ったときに在庫がどのように動くのかを整理します。

DAY16へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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