ECの商品情報と在庫は誰が更新する?サプライヤー・販売者・倉庫の役割分担 DAY22

【DAY22】商品情報と在庫は誰が更新するのか
サプライヤー・販売者・運営会社・倉庫の登録・確認・承認を整理する
ECでは、商品名、商品説明、SKU、JANコード、価格、商品画像、在庫数、重量・サイズ、発送日数、返品条件、販売状態など、一つの商品を販売するために多くの情報を登録します。これらの情報は、商品を作ったサプライヤーでしょうか、販売者でしょうか、運営会社でしょうか、それとも倉庫でしょうか。答えは、項目によって異なります。原材料や製造方法を最もよく知っているのはサプライヤー、販売価格を決めるのは販売者、倉庫にある数を最も早く確認できるのは倉庫です。ただし、詳しい人が自由にECサイトを書き換えればよいわけではありません。「情報を作る人」「入力する人」「内容を確認する人」「公開・変更を承認する人」の4つを分ける必要があります。
この役割が曖昧だと、サプライヤーが価格を勝手に変更した、倉庫が在庫を増やしたが入荷記録がない、運営会社が商品説明を修正し事実と違う内容になった、古いパッケージ画像が掲載された、販売終了商品が購入できる状態だった、誰が変更したか分からない、といった問題が発生します。
「“知っている人”“入力する人”“決める人”は、同じとは限らないよ!」
この記事で分かること
- サプライヤー・販売者・運営会社・倉庫の違い
- 情報提供・登録・確認・承認の違い
- 商品名・商品説明・SKU・JANコードを誰が管理するか
- 販売価格・商品画像・在庫数を誰が決めるか
- 重量・梱包サイズ・発送日数を誰が確認するか
- 正式な元データをどこに置くか/変更申請から公開までの流れ
- 緊急時に誰が販売を止めるか/担当者不在時も止まらない運用
- RACIを使った役割分担表の作り方
この記事で示す役割分担は一般的な運用例です。実際の担当範囲は、売買契約、出店契約、物流契約、プラットフォームの仕様などに合わせてください。
- 先に結論|「決める人」と「入力する人」を分ける
- 身近な例で考えると「学校の成績表」
- 1.ECに関わる4つの役割
- 2.まず「誰が正しい情報を持っているか」を考える
- 3.商品名は誰が決める?
- 4.商品説明は誰が作る?
- 5.商品コード・SKUは誰が設定する?/6.JANコード・GTINは誰が設定する?
- 7.販売価格は誰が決める?
- 8.商品画像は誰が管理する?
- 9.在庫数は誰が更新する?/10.倉庫は販売価格を変更しない/11.販売可能在庫は誰が決める?
- 12.重量・サイズは誰が確認する?/13.発送までの日数は誰が決める?
- 14.一つの項目を複数の場所で更新しない
- 15.商品情報の変更フロー
- 20.RACIで役割を整理する
- 21.小規模ECで一人が兼任する場合/22.担当者が休んでも止まらない体制
- 24.公開前の確認項目
- よくある失敗
- 実際のケースで考えてみよう|ジャムの内容量とパッケージを変更する
- 商品情報管理を設計する12の質問
- やってみよう|承認者診断ツール&RACI自己診断チェッカー
- アウトプットワーク|商品情報の役割分担表を作ろう
- 理解度チェッククイズ
- よくある質問
- 今回のまとめ
- 獲得バッジ
先に結論|「決める人」と「入力する人」を分ける
| 役割 | 意味 |
|---|---|
| 情報提供 | 正しい元情報を渡す |
| 登録・更新 | システムへ入力する |
| 確認 | 入力内容と元情報を照合する |
| 承認 | 公開・販売してよいと最終判断する |
たとえば、販売価格を5,000円から5,500円へ変更する場合です。
運営会社が画面へ入力していても、運営会社が価格を決めたとは限りません。倉庫が在庫を更新していても、倉庫が商品の販売方針を決めるわけではありません。
身近な例で考えると「学校の成績表」
学校の成績表には、名前、出席日数、各教科の成績などが載っていますが、一人がすべてを自由に書くわけではありません。生徒の基本情報は学校が管理し、各教科の評価は担当教員が付け、出席日数は出欠記録から集計し、記載内容を担任が確認して学校として配付します。ECの商品情報も同じです。商品の製造者、販売者、倉庫、EC担当者が、それぞれ知っている情報を持ち寄り、誰かが全体を確認して購入者へ公開してよい状態にします。
1.ECに関わる4つの役割
商品を製造・生産・供給する人や会社(生産者、メーカー、卸売会社、ブランドオーナーなど)。正式な商品名、原材料・材質、製造方法、使用方法、注意事項、商品画像、JANコード・GTIN、パッケージ変更情報を持ちます。GTIN・JANコードは、商品のブランドオーナーが商品単位ごとに設定するのが基本です。
購入者に対して商品を販売する人や会社。販売価格、送料、販売期間、支払方法、キャンセル・返品条件、販売停止などを決めます。通信販売の販売業者には、価格や返品特約など取引条件を表示する義務があるため、入力を他社へ委託していても購入者向け表示を確認する必要があります。
ECサイトや販売プラットフォームを管理する人・会社。商品マスタへの登録、商品ページの作成、CSV・API連携、販売状態の変更などを行います。決められた内容を正しくシステムへ反映する役割になることが多く、販売者自身が運営も行う場合は複数の役割を兼ねます。
商品を保管し、入荷・在庫・出荷を管理する人や会社。実際に入荷した数量、現在の実在庫、破損・販売不可在庫、梱包後の重量・サイズ、出荷可能日などを記録します。在庫変動は「なぜ増減したか」を含めて記録することが重要です。
2.まず「誰が正しい情報を持っているか」を考える
すべての項目を、EC運営担当者だけで決めることはできません。項目ごとに、情報源が異なります。
| 情報 | 主な元情報の保有者 |
|---|---|
| 原材料・製造方法 | サプライヤー |
| 正式商品名・JANコード | サプライヤー・ブランドオーナー |
| 販売価格・セール価格 | 販売者 |
| 商品説明 | サプライヤーの事実+販売者の表現 |
| EC掲載画像 | サプライヤー提供・販売者確認 |
| 実在庫 | 倉庫 |
| 販売可能在庫 | 在庫管理ルールに基づき算出 |
| 梱包後サイズ・発送日数 | 倉庫・物流担当+販売者の表示方針 |
| 返品条件・公開状態 | 販売者の判断を運営担当が反映 |
最も詳しい人が情報を提供し、販売者が販売条件として問題ないか確認します。
3.商品名は誰が決める?
商品名には、サプライヤーやブランドオーナーが定める「正式商品名」(例:落花生ペースト120g)と、検索や購入者の理解を考慮した「EC表示用商品名」(例:千葉県産落花生を使った無糖ピーナッツペースト120g)があります。EC表示用商品名は販売者・運営担当が作成しても構いませんが、正式名称と矛盾していないか、原材料・産地を誤っていないか、実際にない特徴を加えていないかを確認します。
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| 正式商品名を提供 | サプライヤー |
| EC表示名を作成 | 販売者・運営担当 |
| 事実確認 | サプライヤー |
| 公開承認 | 販売者 |
「読みやすく変えても、商品の事実まで変えてはいけないよ!」
4.商品説明は誰が作る?
- 原材料・材質・内容量・サイズ
- 使用方法・保存方法・注意事項
- 製造国・対応機種
サプライヤーから正式な情報を受け取ります。
- 商品の魅力・利用場面
- おすすめする人・他商品との違い
- 写真の説明・購入前の選び方
運営担当者が文章を整える場合も、事実情報を勝手に追加・変更しません。
商品管理サービスには商品説明の下書きを生成する機能がありますが、生成内容の品質と正確性を確認するよう案内されています。AIや外部ライターが作成した文章も、元となる商品情報→説明文の下書き→サプライヤーによる事実確認→販売者による表示確認→公開承認という流れで確認します。
5.商品コード・SKUは誰が設定する?/6.JANコード・GTINは誰が設定する?
商品コードは商品全体を自社内で識別するコード、SKUは色・サイズ・容量など在庫を分ける単位です。基本的には販売者や在庫管理を統括する会社がルールを決めます。一度使用したSKUを変更すると、過去の注文、在庫データ、倉庫、売上集計、ECモール、返品・交換、API・CSV連携に影響するため、担当者だけで決めません。
GTIN・JANコードは、EC運営担当が自由に作る内部コードではありません。GS1 Japanでは、商品のブランドを持つ事業者がGS1事業者コードを使って商品ごとに設定すると説明しています。不明な場合は推測した数字を登録せず、ブランドオーナーへ確認します。
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| メーカー品番の提供/GTIN・JANコードの設定 | サプライヤー・ブランドオーナー |
| 自社商品コード規則を決定 | 販売者・運営責任者 |
| SKU・コードを登録 | 運営担当 |
| 倉庫システムとの対応・バーコード確認 | 倉庫 |
| 重複・一致確認 | 商品管理責任者・サプライヤー |
| 使用開始を承認 | 販売者 |
7.販売価格は誰が決める?
購入者へ販売する価格は、原則として販売者が決めます。サプライヤーは仕入価格、希望小売価格、最低発注量、卸条件、価格改定予定を提供できますが、EC上の最終販売価格、送料、値引き、セール期間などは販売契約や事業方針に基づいて販売者が決定します。
| 工程 | 担当 |
|---|---|
| 仕入価格改定を通知 | サプライヤー |
| 採算を計算・新価格を決定 | 販売責任者 |
| システムへ登録 | 運営担当 |
| 税・送料・適用日を確認 | 確認担当 |
| 公開を承認 | 販売責任者 |
ECサービスでは、商品作成・編集、原価編集、販売価格編集、在庫管理などを別々の権限として設定できる場合があります。商品説明を直す担当者に、価格を自由に変更できる権限まで与える必要はありません。
8.商品画像は誰が管理する?
- 現在の商品と一致しているか
- 色やサイズが正しいか/旧パッケージではないか
- 付属品が正しいか/過度な加工をしていないか
- 誰が撮影したか
- ECサイトへの掲載許可・広告やSNSでも使えるか
- 使用期限・別販売者への再提供の可否
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| 正式画像を提供・利用範囲を伝える | サプライヤー |
| 画像を加工・登録 | 運営担当 |
| 現物との一致確認 | サプライヤー・倉庫 |
| 使用許可確認・公開承認 | 販売者 |
「画像を受け取ったから自由に使える」とは限りません。提供元と使用範囲を記録します。
9.在庫数は誰が更新する?/10.倉庫は販売価格を変更しない/11.販売可能在庫は誰が決める?
入荷、出荷、破損、紛失、返品、廃棄、棚卸し差異など、実在庫が変わる場面を最も早く把握できるのは、実際に商品を受け取り保管し出荷する倉庫です。ただし、倉庫が自由にECサイト上の販売数を直接変更するのではなく、倉庫システムの記録を基準在庫へ連携する方法が一般的です。
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| 入荷数量を数える・入荷/破損/紛失を登録 | 倉庫 |
| 販売可能在庫を計算 | 在庫管理システム・販売者 |
| 安全在庫を決める | 販売者・商品責任者 |
| ECへ在庫を反映 | 運営システム |
| 大きな在庫調整を承認 | 在庫責任者 |
- 実在庫・保管場所・商品状態
- 梱包サイズ・出荷状態
- 販売価格・セール価格・商品説明
- 返品条件・公開/非公開・販売期間
倉庫にある実在庫と、ECで販売できる数量は同じとは限りません。
実在庫は倉庫、引当在庫は受注・在庫管理システム、販売不可在庫は倉庫、安全在庫は販売者・在庫責任者が管理し、販売可能在庫はこれらをまとめてシステムで計算します。倉庫だけ、販売者だけで決めるものではありません。
12.重量・サイズは誰が確認する?/13.発送までの日数は誰が決める?
商品本体の重量・縦横高さ・材質・形状は主にサプライヤーが提供しますが、送料計算に使うのは梱包後の重量・サイズであり、箱の大きさ、緩衝材を含む重量、温度帯、使用する配送サービスは主に倉庫・物流担当が確認します。
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| 商品本体のサイズ提供 | サプライヤー |
| 試験梱包・梱包後サイズ計測 | 倉庫 |
| 配送方法を確認 | 倉庫・物流会社 |
| 送料条件を決定・公開内容を確認 | 販売者 |
| ECへ登録 | 運営担当 |
倉庫が「通常1日で出荷できる」と回答しても、EC上で必ず「翌日発送」と約束できるとは限りません。注文締切時刻、決済確認、繁忙期、検品作業などを考慮し、倉庫が実務上の所要時間を伝え、販売者が余裕を含めた表示条件を決定・承認します。
14.一つの項目を複数の場所で更新しない
サプライヤーの表、運営会社の商品マスタ、ECサイトの管理画面など、同じ商品情報を複数箇所で個別に更新すると、内容が一致しなくなります。
| 情報 | 正式な元データ |
|---|---|
| 商品基本情報 | 商品マスタ |
| 原材料・仕様 | サプライヤーの承認済み資料 |
| 販売価格 | 価格管理表 |
| 在庫 | 倉庫・在庫管理システム |
| 商品画像 | 承認済み画像フォルダ |
| 公開状態 | EC管理システム |
項目ごとに正しい元データを決め、その場所から各システムへ反映します。営業資料は5,000円、商品マスタは5,500円、ECサイトは4,800円という状態を避けます。
15.商品情報の変更フロー
商品情報を変更するときは、口頭やチャットだけで依頼しません。
変更申請には、対象の商品コード・SKU、変更する項目、変更前・変更後、変更理由、適用開始日、緊急度、元となる資料、影響する販売先、依頼者、承認者を記載します(例:対象SKU「JM-001-ST-120」、変更項目「内容量」、変更前150g→変更後120g、理由「パッケージ・商品仕様変更」)。一つの項目変更が、商品名・商品説明・画像・重量・価格・JANコード・倉庫在庫など複数の情報に影響する場合があります。
16.変更の種類ごとに承認者を変える
| 変更内容 | 承認者の例 |
|---|---|
| 誤字修正 | EC運営責任者 |
| 商品説明の追加 | 商品責任者 |
| 販売価格 | 販売責任者 |
| 在庫調整 | 在庫責任者 |
| 商品画像 | 商品・ブランド責任者 |
| 配送条件 | 物流責任者+販売責任者 |
| 販売停止 | 商品責任者・緊急時は権限者 |
17.緊急時は「承認を待たず止める」権限も必要
商品に安全上の問題がある、誤った価格で大量注文が入っている、在庫がないのに販売が続いているといった場合は、通常の承認を待たずすぐ販売を止める必要があります。問題発見→商品を一時停止→責任者へ報告→影響する注文を抽出→原因を確認→修正・承認→販売再開という流れで対応し、停止後には必ず理由と操作履歴を残します。緊急時は、公開停止の権限を持つ担当者を複数用意します。
18.権限は必要な範囲だけ付ける
商品閲覧○/商品説明編集○/画像登録○/公開申請○ 販売価格編集×/原価閲覧×/在庫調整×/商品削除×/最終承認×
商品閲覧○/在庫数更新○/在庫調整理由入力○ 商品説明編集×/販売価格編集×/商品削除×
担当業務に必要のない権限を与えないことで、誤操作の範囲を小さくできます。
19.削除より「停止・廃番」を使う
販売終了した商品を完全に削除すると、過去注文、売上、返品、問い合わせ、在庫履歴を追えなくなる可能性があります。そこで「下書き」「確認待ち」「公開予定」「販売中」「一時停止」「在庫切れ」「販売終了」「廃番」「緊急停止」といった状態を用意します。商品削除の権限は、限られた管理者だけにします。
20.RACIで役割を整理する
役割分担を明確にする方法の一つがRACIです。R|実行担当(実際に作業する人)、A|最終責任者(最終的に承認・判断する人。原則として一人)、C|相談先(実行前に意見や確認を求める人)、I|共有先(完了後に結果を知らせる人)を項目ごとに整理します。
| 項目 | サプライヤー | 販売者 | 運営会社 | 倉庫 |
|---|---|---|---|---|
| 正式商品名 | R・C | A | I | I |
| 商品説明 | C | A | R | I |
| JANコード | R | A | I | C |
| 販売価格 | C | A・R | I | I |
| 商品ページ登録 | I | A | R | I |
| 実在庫 | I | A | I | R |
| 発送日数 | C | A | R | C |
在庫調整、安全在庫、配送方法、緊急販売停止なども同じ考え方で整理できます。この表は一例であり、契約や運営体制に合わせて変更します。
21.小規模ECで一人が兼任する場合/22.担当者が休んでも止まらない体制
小規模なECでは、一人が商品仕入れ・登録・価格設定・在庫管理・出荷・公開確認をすべて担当することがあります。一人で担当すること自体が問題ではありませんが、作業の役割は分けて考えます(午前:登録する立場/午後:確認する立場/公開前:承認する立場)。元資料と登録画面を並べて確認する、登録直後ではなく時間を空けて確認する、公開前チェックリストを使う、変更前データを保存するといった方法が使えます。
商品情報を一人だけが管理していると、休暇や退職時に更新できなくなります。正式な商品マスタ、商品コードのルール、変更申請書、承認者一覧、緊急停止手順、サプライヤー・倉庫連絡先、主担当と副担当を用意します。副担当には、実際に操作できる権限と手順を用意します。名前だけ決めても、ログインできなければ代行できません。
23.変更履歴を残す
商品情報を上書きするだけでは、変更理由が分かりません。変更ID、商品コード・SKU、変更項目、変更前・変更後、変更理由、依頼者、登録者、確認者、承認者、適用日時、影響先を記録します。在庫についても、数量だけでなく調整理由と履歴を確認できる仕組みが有効です。
24.公開前の確認項目
- 正式商品名・商品コード・SKU・JANコード
- 内容量・色サイズ・原材料・材質
- 使用方法・注意事項
- 販売価格・税区分・送料
- 発送予定・支払方法
- 返品条件・販売期間
- 販売可能在庫・梱包後重量/サイズ
- 温度帯・配送可能地域・同梱条件
- 情報提供者・登録者
- 確認者・承認者・適用開始日
- 公開後確認者
よくある失敗
実際のケースで考えてみよう|ジャムの内容量とパッケージを変更する
サプライヤーから「いちごジャム150g→120gへ変更、9月1日切替、新パッケージ画像あり、価格見直しが必要」と連絡がありました。
新しい正式商品名、内容量、原材料、サイズ・重量、JANコード、新画像、旧商品の最終出荷日、新商品の初回入荷日
新しい販売価格、旧商品の値引き、新旧を別SKUにするか、販売開始日、送料への影響、旧商品の返品対応
旧商品在庫、新商品の入荷数、梱包後重量・サイズ、保管場所、誤出荷を防ぐ表示
新商品マスタ、SKU、JANコード、商品説明、画像、価格、在庫連携、公開予定日
Step5|関係者が確認:商品仕様はサプライヤー、価格・販売条件は販売者、在庫・梱包は倉庫、画面表示・リンクは運営担当が確認します。Step6|販売者が公開を承認:承認後、9月1日に新商品を公開します。旧商品は削除せず、在庫終了後に「販売終了」へ変更します。Step7|公開後に確認:新商品が購入できるか、価格・内容量表示・画像・送料が正しいか、倉庫やモールへ正しく反映されているかを確認します。一つの商品変更でも、4者の情報を合わせる必要があります。
商品情報管理を設計する12の質問
- 商品情報の正式な提供者は誰ですか?サプライヤー、ブランドオーナーなどを決めます。
- 商品マスタはどこにありますか?複数の表を正式版にしないようにします。
- 商品説明を誰が作成しますか?事実情報と販売表現を分けます。
- 販売価格を誰が決定しますか?入力者ではなく、決定責任者を決めます。
- 在庫の正式な元データはどこですか?倉庫、在庫管理システムなどを決めます。
- 梱包後サイズを誰が測りますか?現物と梱包方法を確認できる担当者を決めます。
- 誰がシステムへ入力しますか?販売条件を決める人と分けます。
- 誰が入力内容を確認しますか?元資料と照合する担当者を決めます。
- 誰が公開を承認しますか?購入者に対する販売責任を持つ人を決めます。
- 緊急停止は誰ができますか?主担当と副担当を設定します。
- 変更履歴はどこに残しますか?変更前後、理由、承認者を記録します。
- 担当者不在時は誰が代行しますか?ログイン権限と手順まで確認します。
やってみよう|承認者診断ツール&RACI自己診断チェッカー
変更したい項目を選ぶだけで、一般的な運用例における承認者・確認者の目安が分かります。さらに、自社の項目ごとの最終責任者(RACIのA)を選んで、役割分担を自己診断できます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
① 承認者診断ツール
② RACI自己診断チェッカー(最終責任者を選ぶ)
| 項目 | 最終責任者(A)を選択 | |||
|---|---|---|---|---|
| 正式商品名 | ||||
| 商品説明 | ||||
| 販売価格 | ||||
| 在庫調整 | ||||
| 商品画像 | ||||
| 緊急停止 | ||||
これは一般的な運用例に基づく簡易ツールです。実際の役割分担は、契約内容や社内体制に合わせて決めてください。
アウトプットワーク|商品情報の役割分担表を作ろう
販売する商品を一つ選んでください。分からない項目は担当者の判断で埋めず、「未確認」と記録してください。
① 情報提供・登録・確認・承認の担当を決める
| 項目 | 情報提供/登録/確認/承認 |
|---|---|
| 正式商品名・商品説明 | |
| JANコード・SKU | |
| 販売価格 | |
| 在庫・梱包サイズ |
② 緊急時と代行体制を決める
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 緊急停止の主担当・副担当 | |
| 停止後の報告先・報告期限 | |
| 正式な元データの置き場所 |
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 商品情報を管理するときに、分けて考えたい役割はどれでしょうか?
第2問 商品の原材料や製造方法を最も正確に提供できるのは、一般的に誰でしょうか?
第3問 販売価格を最終的に決める役割として最も近いものはどれでしょうか?
第4問 倉庫が主に更新する情報はどれでしょうか?
第5問 商品説明を運営担当者が作成する場合、何を確認しますか?
第6問 JANコード・GTINを基本的に設定するのは誰でしょうか?
第7問 実在庫が10個なら、必ず10個すべてECで販売できるでしょうか?
第8問 商品情報の軽微な誤字修正と、販売価格変更は同じ承認者でなければならないでしょうか?
第9問 安全上の問題が見つかったのに、承認者が不在です。どうしますか?
第10問|実務判断問題 サプライヤーから「商品の内容量が150gから120gへ変わります」と連絡がありました。どの情報と担当者を確認しますか?
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サプライヤーへ確認:新しい正式商品名、内容量、商品重量・サイズ、原材料、JANコード、新パッケージ画像、変更日、旧商品の最終出荷日、新商品の初回入荷日。販売者が判断:新しい販売価格、旧商品を継続販売するか、新旧を別SKUにするか、送料への影響、販売開始日、返品・交換への対応。倉庫が確認:旧商品在庫、新商品入荷数、梱包後重量・サイズ、保管場所、誤出荷防止策。運営担当が更新:商品マスタ、商品名、説明文、画像、SKU・JANコード、価格、配送条件、公開日。更新後は各担当者が確認し、販売責任者が公開を承認します。
第11問|実務判断問題 倉庫から「棚には8個しかないが、ECでは12個販売可能になっている」と連絡がありました。どのような順番で対応しますか?
回答例を見る
該当SKUの販売を一時停止する/ECの販売可能在庫を0または安全な数量へ変更する/倉庫で実在庫8個を再確認する/未出荷注文・引当在庫を確認する/破損・返品・移動中在庫を確認する/自社EC・モール・実店舗の未反映注文を確認する/在庫同期エラーを確認する/現在の販売可能在庫を再計算する/基準在庫を修正する/各販売先へ反映する/差異の原因と修正理由を記録する/同じ問題を防ぐ運用を見直す。数字だけを12個から8個へ上書きせず、4個の差異がどこで発生したか確認します。
よくある質問
可能です。ただし、サプライヤーが入力した内容をそのまま公開せず、販売者が価格、送料、発送時期、返品条件などを確認します。入力権限も必要な範囲に限定します。
契約上、価格決定を任されている場合は可能です。単にECサイトを更新する業務だけを委託している場合は、販売者が決定した価格を運営会社が登録します。
運用として可能ですが、実在庫、引当在庫、安全在庫をどのように扱うかを決める必要があります。数量調整理由と操作履歴も残します。
軽微な変更を運営担当者の権限で修正できるルールは作れます。ただし、意味が変わる修正、価格、内容量、原材料、注意事項などは別の承認を必要とします。
実在庫は倉庫の現物が基準です。ただし、ECの販売可能在庫は、引当、販売不可、安全在庫などを含めて計算します。
利用範囲を確認します。EC掲載、広告、SNS、第三者への提供など、用途によって許可範囲が異なる可能性があります。
JANコードがなくても、自社の商品コードやSKUは設定できます。販売者または在庫管理を統括する会社が、重複しないルールを決めます。
適用開始日、対象販売先、税込・税抜、セール期間、既存注文への適用有無を決めてから反映します。
必要です。ただし、別の人を必ず置くという意味ではありません。登録、確認、承認の工程を分け、チェックリストと変更履歴を残します。
アカウント権限を停止し、主担当・副担当、未処理変更、商品マスタ、連絡先、操作手順を引き継ぎます。共有パスワードではなく、担当者ごとのアカウントを使用します。
今回のまとめ
商品情報と在庫は、一人の担当者が自由に更新するものではありません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- サプライヤーは商品の事実情報を提供する
- 販売者は価格・送料・販売条件を決定し、公開へ責任を持つ
- 運営会社は、承認された内容を商品マスタやECへ登録する
- 倉庫は、入荷・在庫・破損・梱包など現物に関する情報を更新する
- 情報提供・登録・確認・承認を分け、変更履歴を残す
商品情報の管理では、誰が画面を操作したかだけを見るのではありません。誰が事実を提供したか→誰が販売条件を決めたか→誰がシステムへ入力したか→誰が内容を確認したか→誰が公開を承認したか。この流れを明確にすることで、間違いが起きたときも、どこを確認すべきか分かります。
「“誰でも更新できる”より、“誰が何を更新するか分かる”ほうが安心だよ!」
DAY22の実践課題
自社の商品を一つ選び、登録・確認・承認の役割を決めてください。正式な商品情報の提供者、販売価格の決定者、商品マスタへの登録者、商品仕様の確認者、在庫の正式な元データ、公開の最終承認者、緊急時の販売停止担当、主担当が不在の場合の代行者を書き出します。分からない項目は担当者の判断で埋めず、「未確認」と記録して関係者へ確認してください。


