ECとは?実店舗との違いとネットで商品が売れる仕組みを初心者向けに解説 DAY3

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【DAY3】ECとは何か

ECと実店舗の違い、インターネット上で商品を販売する仕組み

カイピヨくんと学ぶECの基礎知識|DAY3 ECとは何か|実店舗の商売をデジタルへ翻訳する14のステップ
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🔊 音声で聞く「ネット通販の正体は泥臭い物理の世界」

スマートフォンやパソコンから商品を探し、そのまま注文して自宅で受け取る。今では当たり前になった買い物の方法ですが、その裏側では、商品登録、在庫管理、決済、発送、問い合わせ対応など、さまざまな仕事が動いています。

ECは、単にWebサイトへ商品を並べることではありません。商品を見つけてもらい、注文を受け、代金を受け取り、商品を届けるまでの仕組み全体を指します。

ECの正体は「見えない裏側の仕組み」であることを示す氷山の図。水面上はECサイト、水面下は商品登録・在庫管理・決済処理・問い合わせ対応・梱包発送

「ECサイトはお店の入口!注文や発送まで動いて、はじめて買い物が完成するよ!」

この記事で分かること

  • ECという言葉の意味、ECサイトとネットショップの関係
  • ECと実店舗の共通点、ECと実店舗の違い
  • インターネット上で商品が売れるまでの流れ
  • ECサイトを作るだけでは商品が売れない理由
  • ECを運営するために必要な仕事、ECを始める前に確認したいこと

今回の学習範囲は、ECとは何か、実店舗との違い、自社ECやモールなどの基本構造、商品登録から購入・発送・入金までの流れを理解するための土台になります。

先に結論|ECとはインターネット上で売買する仕組み

ECとは、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みです。ECは「Electronic Commerce」の略で、日本語では「電子商取引」と呼ばれます。ただし、日常的にはネットショップ、オンラインストア、通販サイト、ECサイト、ECモール、インターネット通販といった意味で使われることが多くあります。

厳密には呼び方ごとに意味が少し異なる場合がありますが、最初は次のように理解すれば大丈夫です。ECは、インターネット上のお店と、その裏側で動く販売・決済・配送の仕組み全体です。商品ページだけでなく、注文、代金の支払い、在庫、発送、返品、問い合わせまで含めて考えます。

ECサイトとネットショップは何が違う?

日常会話では、「ECサイト」と「ネットショップ」は、ほぼ同じ意味で使われることがあります。ただし、少し分けて考えると理解しやすくなります。

EC・ECサイト・EC運営の関係を示す同心円図。ECが電子商取引全体、ECサイトはネットショップやオンラインストアという場所、EC運営は商品登録や受注発送などの実務
言葉一般的な意味
ECインターネット上で売買する仕組み全体
ECサイト商品やサービスを販売するWebサイト
ネットショップインターネット上のお店
オンラインストアネットショップとほぼ同じ意味
EC運営商品登録、受注、発送、問い合わせなどの実務

つまり、ECサイトはECを行うための場所の一つです。たとえるなら、実店舗における「お店の建物」に近い存在です。建物があっても、商品、店員、レジ、在庫、配送方法がなければ、お店としては動きません。ECサイトも同じです。

身近な例で考えると「24時間見られるお店」

実店舗で商品を買う場面を想像してみてください。店の看板、商品棚、値札、商品説明、買い物かご、レジ、店員、在庫置き場、レシート、持ち帰り用の袋。ECサイトにも、これらに近い役割があります。

実店舗からECへの概念翻訳マトリクス:店の看板→サイト名・ロゴ・トップページ、商品棚→商品一覧ページなどの対応表
実店舗ECサイト
店の看板サイト名、ロゴ、トップページ
商品棚商品一覧ページ
商品商品ページ
値札販売価格
商品説明商品名、説明文、写真、動画
買い物かごショッピングカート
レジ注文画面、決済画面
店員問い合わせ窓口、チャット、FAQ
在庫置き場倉庫、在庫管理システム
レシート注文確認メール、領収書
持ち帰り配送会社による配達

ECサイトは、実店舗の仕事をインターネット上へ置き換えた仕組みと考えられます。ただし、実店舗とECには大きな違いもあります。

実店舗とECの共通点

ECと実店舗は、販売する場所こそ違いますが、基本的な考え方には共通点があります。

場所が変わっても「商売の基本」は同じであることを示す循環図:商品が必要→価格を決める→魅力を伝える→代金を受け取る→在庫を管理する→問い合わせに対応する
  • 商品が必要:販売する商品やサービスが必要です。商品がなければ、実店舗でもECでも販売できません。
  • 価格を決める:商品の販売価格、値引き、送料などを決めます。
  • 商品の魅力を伝える:購入者に、商品の特徴や使い方、良さを伝える必要があります。
  • 在庫を管理する:何個販売できるのかを確認します。
  • 代金を受け取る:現金、クレジットカード、銀行振込などの方法で代金を受け取ります。
  • 問い合わせへ対応する:商品について質問されたり、返品の相談を受けたりすることがあります。

つまり、ECになっても「商売の基本」がなくなるわけではありません。

実店舗とECの違い

実店舗とECの6つの違い(顧客体験編):対面接客の不在、商品の直接確認が不可、24時間営業の罠
実店舗とECの6つの違い(物流・データ編):持ち帰りvs配送、商圏の無限拡張(越境EC)、行動データの可視化

やってみよう|実店舗とECの違い診断

6つの違いをタップすると、それぞれの内容をまとめて確認できます。すべてタップして、実店舗とECの違いを整理してみましょう。

① 購入者と直接会わない
② 商品をその場で確認できない
③ 商品を持ち帰らず、配送する
④ 営業時間外でも注文が入る
⑤ 日本全国や海外へ販売できる
⑥ 購入者の行動をデータで確認できる

確認した項目:0 / 6

ECで商品が売れて届くまでの基本的な流れ

注文からお届けまでの並行進行を示すスイムレーン図。顧客のアクション(商品を見つける〜問い合わせ・返品)と事業者のアクション(商品準備〜配送会社へ渡す)が対応する12ステップ

ECでは、一般的に次のような順番で商品が購入者へ届きます。

商品を用意する 商品情報を登録する ECサイトへ公開する 購入者が見つける カートへ入れる 注文情報を入力する 代金を支払う 注文を確認する 在庫を確保する 検品・梱包する 配送会社へ渡す 商品が届く 問い合わせ・返品へ対応する

これは基本的な流れです。実際には、商品、販売方法、決済方法、発送方法によって順番や担当者が変わります。

ECでは4つのものが動いている

ECの仕組みは、商品・情報・お金・荷物の4つに分けると整理しやすくなります。

ECを動かす4つの歯車(商品・情報・お金・荷物)の非対称性を示す図。情報とお金は一瞬で動くが、商品と荷物は物理的な時間がかかる
  • 商品:購入者へ届ける実際の商品です(食品、衣類、家電、工芸品、化粧品、デジタル商品、サービスなど)。
  • 情報:商品や注文に関するデータです(商品名、価格、商品画像、在庫数、購入者の住所、注文内容、追跡番号など)。
  • お金:購入者が支払う商品代金や、事業者間で分配する売上金です(商品代金、送料、決済手数料、販売手数料、返金、売上金など)。
  • 荷物:配送会社を通じて購入者へ送る商品です。情報は一瞬で送れても、荷物が届くまでには時間がかかります。

「画面では注文が一瞬でも、商品は倉庫から実際に運ばれてくるんだ!」

ECサイトを作っただけでは商品が売れない

ECサイトを作ることは、実店舗で建物を用意することに近いものです。建物を作っただけでは、購入者は来ません。

The Reality Equation:ECシステム(ただの場所)は売上とイコールではない。商品力×情報伝達×集客力×運営体制が成功につながる図

商品を売るためには、購入者が欲しいと思える商品、商品価値や送料を含めて納得できる価格、購入前の不安を減らせる商品情報、検索・SNS・広告・既存顧客などからの集客、分かりやすいカートや決済画面、明確な送料・発送日・到着予定、注文・在庫・発送・問い合わせを担当する運用体制が必要です。ECシステムは、販売活動を支える道具です。システムを導入しただけで、商品力や集客、運用体制の問題が自動的に解決するわけではありません。

ECのメリットと注意点

ECのメリットと注意点のトレードオフ:商圏の拡大・小さく始められる・情報量の豊富さ・データの活用と、実物確認の不可・配送コスト・在庫管理の複雑化・集客の自己責任の比較

ECのメリット

  • 遠方の購入者へ販売できる
  • 営業時間外でも商品を見てもらえる
  • 実店舗より低い初期費用で始められる場合がある
  • 写真・動画・文章などで商品情報を詳しく伝えられる
  • 売上や閲覧状況などの販売データを確認できる

ECの注意点

  • 購入者が商品を直接確認できない
  • 梱包費や送料など配送費用が発生する
  • 実際の在庫とサイト上の在庫がずれることがある
  • サイズ・納期・返品などの問い合わせ対応が必要
  • 公開しただけでは訪問されないため集客が必要
  • 不正注文や情報管理への対策が必要

ECには「商品を販売しない形」もある

ECでは、形のある商品だけを販売するとは限りません。電子書籍、動画教材、オンライン講座、イベント参加券、予約サービス、ソフトウェア、会員サービス、相談サービスなども、インターネット上で販売できます。

有形商材を超えて:電子書籍・動画教材、オンライン講座・相談サービス、イベント参加券・予約サービス、ソフトウェア・会員サービスの例

形のある商品では配送が必要ですが、デジタル商品はオンライン上で提供する場合があります。ただし、商品を届ける方法が違っても、注文、決済、問い合わせ、キャンセルなどの運用は必要です。

実際のケースで考えてみよう

ケース|手作りクッキーをECで販売する

手作りクッキーをECで売る場合の差分:実店舗で必要なもの(店舗、棚、値札、レジ、店員、持ち帰り袋)と、ECを追加して必要になるもの(商品写真、原材料・アレルギー情報、在庫数の同期、送料設定、配送中の割れ対策、注文確認メール、問い合わせ窓口、返品対応)

あるお菓子店が、店頭で販売している手作りクッキーをECサイトでも販売することにしました。実店舗で必要なものは、店舗、商品棚、値札、レジ、店員、持ち帰り用の袋です。

ECで追加して必要になるものは、商品写真、商品説明、原材料やアレルギー情報、在庫数、注文画面、決済方法、配送用の箱、送料設定、発送日、配送会社、注文確認メール、問い合わせ窓口、返品や破損時の対応です。実店舗で売れている商品でも、そのままECで販売できるとは限りません。配送中に割れないか、賞味期限は十分か、送料を含めて購入しやすい価格かなどを確認する必要があります。

実店舗とECの違いを整理する比較表

比較項目実店舗EC
販売場所店舗Webサイト、アプリなど
接客対面商品ページ、メール、チャットなど
商品確認手に取れる場合が多い写真や動画、説明で確認
商品の受取りその場で持ち帰る配送またはオンライン提供
営業時間店舗の営業時間内商品ページは常時閲覧できる場合が多い
販売地域店舗へ来られる範囲配送可能な地域
支払方法現金、カードなどカード、振込、ウォレットなど
在庫管理店頭・倉庫システム上の在庫との一致が必要
問い合わせ店員へ直接メール、電話、フォームなど
集客看板、立地、チラシ検索、SNS、広告、既存顧客など

どちらが優れているという話ではありません。実店舗とECには、それぞれ異なる強みと注意点があります。両方を組み合わせる事業者もいます。

ECを始める前に確認したい7つのこと

ECを始める前に確認すべき7つのロードマップ:何を販売するのか→誰に販売するのか→どのように届けるのか→誰が運営するのか→どのように代金を受け取るのか→どのように購入者を集めるのか→問題が起きたら誰が対応するのか
  1. 何を販売するのか:商品、サービス、デジタル商品などを整理します。
  2. 誰に販売するのか:年齢、地域、利用目的など、想定する購入者を考えます。
  3. 商品をどのように届けるのか:自社発送、メーカー直送、倉庫発送、オンライン提供などを決めます。
  4. 誰が運営するのか:商品登録、在庫、注文、発送、問い合わせの担当者を決めます。
  5. どのように代金を受け取るのか:クレジットカード、銀行振込などの決済方法を検討します。
  6. どのように購入者を集めるのか:検索、SNS、広告、既存顧客、店舗などからの導線を考えます。
  7. 問題が起きたら誰が対応するのか:キャンセル、返品、破損、配送遅延などの対応方法を決めます。

アウトプットワーク|実店舗をECへ置き換えてみよう

身近なお店を一つ選んでください(例:パン屋、洋服店、花屋、本屋、雑貨店、お菓子店)。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

実店舗にあるものECでは何に置き換わるか
看板
商品棚
商品説明
買い物かご
レジ
店員
在庫置き場
レシート
商品の持ち帰り

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 ECの説明として最も近いものはどれでしょうか?

A.商品写真を掲載するWebページだけ
B.インターネット上で商品やサービスを売買する仕組み
C.商品を配送する会社
正解はBです。ECは、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みです。商品ページだけでなく、注文、決済、在庫、発送、問い合わせなども含まれます。

第2問 ECサイトを公開すれば、必ず商品が売れるでしょうか?

A.必ず売れる
B.サイト公開後は何もしなくてよい
C.商品、価格、集客、配送、運用なども必要
正解はCです。ECサイトは販売するための場所です。商品力、価格、商品情報、集客、配送、運用体制なども必要です。

第3問 実店舗の商品棚に近いECサイト上の機能はどれでしょうか?

A.商品一覧ページ
B.配送伝票
C.銀行口座
正解はAです。商品一覧ページは、実店舗の商品棚のように、複数の商品を並べて見せる役割があります。

第4問 実店舗と比べた場合、ECで追加されやすい仕事はどれでしょうか?

A.商品を製造する
B.商品を梱包し、配送会社へ渡す
C.販売価格を決める
正解はBです。実店舗では購入者が商品を持ち帰ることが多いですが、ECでは梱包して配送する仕事が必要です。

第5問 海外からECサイトを見られる場合、その国へ必ず商品を販売できるでしょうか?

A.必ず販売できる
B.サイトを見られれば輸入規制は関係ない
C.配送、決済、輸入規制などを確認する必要がある
正解はCです。ECサイトを海外から見られることと、その国へ販売・輸入できることは別です。配送、決済、商品規制などを確認します。

第6問|実務判断問題 店頭で人気の生菓子を、ECサイトでも販売したいという相談がありました。ECサイトを作る前に、どのようなことを確認する必要があるでしょうか?

回答例を見る

賞味期限、保存温度、配送に必要な日数、冷蔵・冷凍配送の対応、配送中に形が崩れないか、梱包方法、販売できる地域、発送できる曜日、在庫数、注文を受けてから製造するか、返品や破損時の対応、送料を含めた販売価格。

店頭で販売できることと、配送を使って販売できることは別に考える必要があります。

よくある質問

今回のまとめ

ECとは、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みです。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. ECは商品ページだけでなく、注文、決済、発送まで含む
  2. 実店舗の売り場やレジを、インターネット上の機能へ置き換えている
  3. ECでは購入者が商品を直接確認できないため、商品情報が重要になる
  4. 商品を届けるために、在庫、梱包、配送の運用が必要になる
  5. ECサイトを作るだけではなく、商品、価格、集客、運用体制も必要になる

ECの基本は、商品、情報、お金、荷物がどのように動くかを見ることです。

「ECは“ネットに商品を置くこと”ではなく、注文からお届けまでを動かす仕組みなんだ!」

DAY3の実践課題

普段利用しているECサイトを一つ開き、商品一覧ページ、商品の詳しい説明、在庫表示、送料、配送予定日、支払方法、問い合わせ先、返品条件、販売している会社を探してみましょう。

そのうえで、実店舗の「看板・商品棚・レジ・店員・持ち帰り」が、ECサイトでは何に置き換わっているかを書き出してみてください。

獲得バッジ

音声で学んだ
違いマスター
置き換え達成
FAQマスター
クイズクリア

次回 DAY4:BtoC・BtoB・D2C・CtoCとは

誰が誰に商品を販売するのか、取引形態ごとの違いを整理します。

DAY4へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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