クレジットカードの売上確定・返金・チャージバックとは?EC実務の流れを解説 DAY31

【DAY31】売上確定・返金・チャージバックの基本
クレジットカードの承認から売上確定、不正利用への対応まで整理する
DAY30では、決済代行会社との直接契約とプラットフォーム決済の違い、契約・入金・売上分配の構造を学びました。DAY31では、一件のクレジットカード決済が「決済完了」の画面の裏側で、実際にはどのような処理を経ているのかを整理します。カード情報を入力し「決済が完了しました」と表示されたとしても、販売者側では、利用できるか確認する処理、本人認証、金額を一時的に確保する処理、実際に請求する金額を確定する処理、キャンセル時に取り消す処理、返金する処理、不正利用を確認する処理、異議申立てに対応する処理が、それぞれ別に動いています。
重要なのは、決済を「成功・失敗」の2つだけで考えないことです。利用承認を得ても、まだ売上を確定していない場合があります。「返金しました」と連絡しても、購入者のカード明細に反映されるまで時間がかかることがあります。商品を発送し入金された後に、カード利用者から「この支払いには覚えがない」と申し立てられ、売上が取り消されることもあります。この仕組みが、一般にチャージバックと呼ばれます。
「カードが使えたことと、売上がずっと確定したことは同じじゃないよ!」
この記事で分かること
- クレジットカードの利用承認とは何か、売上確定との違い
- 即時売上と後から売上確定する方式、承認の有効期間を過ぎた場合
- 決済取消しと返金の違い、全額返金と部分返金、二重返金を防ぐ方法
- 不正利用の疑いがある注文の特徴と、EMV 3-Dセキュアによる本人認証の限界
- チャージバックの流れ、保存する証拠、受け入れる場合と反証する場合
- 在庫・売上・手数料の処理と、販売者・決済会社・カード会社の役割分担
決済会社によって、状態名、承認の有効期間、返金方法、証拠の提出期限、チャージバック費用は異なります。実際の運用では、利用する決済代行会社・ECプラットフォーム・カード会社の最新仕様と契約条件を確認してください。
- 先に結論|カード決済は5つの段階で考える
- 身近な例で考えると「ホテルの宿泊代」
- 1.利用承認とは/利用承認と本人認証は別
- 2.売上確定とは/即時売上と後から売上確定する方式
- 3.決済の取消しと返金の違い/全額返金と部分返金
- 4.返金操作でつまずきやすい6つのポイント
- 5.不正利用の兆候/EMV 3-Dセキュアの限界
- 6.チャージバックとは/返金との違い
- 7.チャージバックで失うのは売上だけではない
- 8.チャージバックが発生する理由/通知を受けたときの流れ
- 9.反証に使う証拠は「量」より「分かりやすさ」
- 10.すべての証拠は「注文番号」に紐づける
- 11.誰が何を担当する?/不正対策を強くしすぎる問題
- よくある失敗
- 実際のケースで考えてみよう|1万円の商品をカード決済で販売した
- 売上確定・返金・チャージバックを設計する12の質問
- やってみよう|チャージバック実損計算機&二重返金チェッカー
- アウトプットワーク|カード決済運用表を作ろう
- 理解度チェッククイズ
- よくある質問
- 今回のまとめ
- 獲得バッジ
先に結論|カード決済は5つの段階で考える
| 段階 | 主な処理 |
|---|---|
| ① 利用承認 | カードを利用できるか確認する |
| ② 本人・不正確認 | 本人認証や不正検知を行う |
| ③ 売上確定 | 購入者へ請求する金額を確定する |
| ④ 返金 | 確定済みの売上を全部または一部戻す |
| ⑤ 異議申立て | カード利用者が支払いへ異議を申し立てる |
カードを使える≠本人が使ったことを完全に保証する。売上を確定した≠後から絶対に取り消されない。返金操作をした≠購入者への反映が完了した。この違いを理解することが、DAY31の中心です。
身近な例で考えると「ホテルの宿泊代」
ホテルへ宿泊するとき、チェックイン時にカードを提示することがあります。ホテルは最初に「このカードで予定金額を支払えそうか」を確認します。この段階では、宿泊後に追加料金が発生するかもしれません。チェックアウト時に、宿泊代・食事代・追加サービス・値引きを確認し、最終金額を確定します。ECでも同じように、注文時に利用可能額を確保→在庫・商品・発送条件を確認→実際の売上を確定、という方法があります。
1.利用承認とは/利用承認と本人認証は別
クレジットカードの利用承認は、一般にオーソリゼーションまたはオーソリと呼ばれます。カード決済を行う前に、カードが有効か、利用できる状態か、必要な利用可能額があるか、不正利用の疑いがないか、本人認証が必要かを、カード会社等へ確認する処理です。日本クレジット協会の現行案内でも、EC加盟店に対して、オーソリゼーション処理の体制整備、適切な不正ログイン対策、EMV 3-Dセキュアの導入などが求められています。
利用承認が成功しても、商品の在庫がある、注文情報が正しい、商品を発送した、売上が入金された、後から異議申立てが起きない、ことまで保証するものではありません。
利用承認と本人認証は、似ていますが役割が異なります。利用承認は「カードを取引に利用できるか」を確認し、本人認証は「カードを使っている人が正当なカード会員である可能性を高める」ために行われます。代表的な仕組みがEMV 3-Dセキュアです。本人認証を通過しても、すべての不正利用や異議申立てを完全に防げるわけではなく、注文内容、配送先、利用状況などを合わせて確認します。
2.売上確定とは/即時売上と後から売上確定する方式
売上確定は、利用承認を得た金額について、実際に購入者へ請求する処理です。決済サービスによっては、キャプチャーと呼ばれます。決済システムでは、利用承認と売上確定を分けて処理できる場合があります。例えばStripeの決済状態では、利用承認後に売上確定を待つ状態と、売上確定後に決済が完了した状態が区別されています。
即時売上方式は、注文時に利用承認と売上確定を続けて行います。在庫が確実にある商品、注文後すぐ発送する商品、金額が変わらない商品、デジタル商品に向いています。承認後売上方式は、注文時は利用承認だけを行い、在庫・商品を確認したうえで後から売上を確定します。在庫確認が必要な商品、検品後に発送する商品、予約販売、受注生産、複数商品から発送可能分だけ請求する場合に向いています。
売上確定を後にすると、欠品時に請求を確定せずに済む、出荷数量に合わせて請求できる、不審な注文を確認してから売上を確定できる、というメリットがあります。ただし、利用承認には売上確定できる期間があり、カードブランド・取引の種類・決済サービス・契約条件によって異なります。期限内に売上確定しなかった場合、確保されていた金額が解放され、決済が取り消されることがあります。予約販売や受注生産では、承認を保持できる期間、再承認の方法、再承認失敗時の対応をあらかじめ確認します。
3.決済の取消しと返金の違い/全額返金と部分返金
決済取消しは、売上が完了する前に決済処理をやめることです。在庫がなかった、重複注文、不正利用の疑い、購入者がすぐキャンセルした、金額を間違えた、といった場合に行います。返金は、売上が完了した後、購入者へ代金を戻す処理です。売上確定前は取消し、売上確定後は返金、と分けて考えます。決済サービスによっては、売上確定直後の取消し処理が、カード明細上「返金」ではなく元の請求自体を取り消す形で表示されることもあります。
全額返金は、確定した決済金額をすべて購入者へ戻す処理です。商品を発送できない、全商品が返品された、不正利用と判断した、重複決済した、といった場合に行います。部分返金は、決済額の一部だけを戻す処理です。5個中1個が欠品、セット商品の一部が破損、送料だけ返金、といった場合に行い、何を返金したかを注文番号・対象商品・数量・理由・操作者とあわせて記録します。「2,000円返金」とだけ記録すると、後から理由が分からなくなります。
4.返金操作でつまずきやすい6つのポイント
一つの決済に対して、複数回の部分返金が行われる場合があります。決済サービス上では元の決済額を超える返金はできない仕組みが一般的ですが、カードへの返金と銀行振込を組み合わせるなど別の方法を併用すると、システムが自動で把握できず二重返金が発生することがあります。返金依頼受付→内容確認中→承認済み→返金処理中→返金完了(または失敗)、と状態を分け、注文番号・決済ID・返金ID・返金額・累計返金額・残りの売上額・操作者・返金方法を必ず確認し、一定額以上は承認者を必要とする権限設計にします。
カード決済の返金は、原則として元の決済に使われた支払方法へ行います。「別の銀行口座へ振り込んでください」と言われても、独自判断で変更しません。第三者の口座を指定される可能性、二重返金、不正な資金移動に利用される可能性があるためです。元の支払方法へ返金できない場合は、決済会社へ正式な対応方法を確認します。
販売者が返金ボタンを押しても、その瞬間に購入者のカード明細へ反映されるとは限りません。販売者が返金操作→決済会社が受付→カード会社へ情報連携→購入者の利用明細へ反映、という順で日数がかかる場合があります。「返金処理を受け付けました」と「カード明細への返金反映が完了しました」を分けて案内します。また、決済残高不足やシステムエラーなどで返金操作が失敗する可能性もあるため、返金依頼済み≠返金成功として、完了・失敗の状態まで確認します。売上を確定したら、注文番号・決済ID・利用承認額・売上確定額・出荷番号・追跡番号などをあわせて記録し、売上確定だけ行い発送していない注文が残らないようにします。
5.不正利用の兆候/EMV 3-Dセキュアの限界
不正利用とは、カードの正当な利用者ではない人がカード情報等を使って支払う行為などを指します。盗まれたカード情報の利用、フィッシングで取得したカード情報の利用、ECアカウントへの不正ログイン、家族等による無断利用、転売目的の大量購入などが代表例です。カード番号だけでなく、ECサイトへの不正ログイン、配送先、注文行動、本人認証などを重ねて確認します。
不正注文の可能性を示す例には、初回で高額・同一商品の大量購入・短時間の複数回注文といった「注文内容」、氏名とメールの組み合わせが不自然・注文者と受取人が大きく異なるといった「購入者情報」、高額品の転送サービス発送・注文直後の営業所受取り変更といった「配送」があります。一つ当てはまっただけで不正注文と断定せず、複数の情報を組み合わせて判断し、疑わしい場合は売上確定・出荷を保留してから情報を確認します。確認中に発送してしまうと、商品を回収できない可能性があります。
EMV 3-Dセキュアは、オンライン決済における本人認証の仕組みで、ワンタイムパスワード・カード会社のアプリ・生体認証などが用いられます。2026年7月時点で、日本クレジット協会は「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.1版」を最新資料として公開しており、EC加盟店にはEMV 3-Dセキュア、適切な不正ログイン対策、ECサイトの脆弱性対策などを含む対応が求められています。ただし、EMV 3-Dセキュアは不正利用対策のすべてではありません。不正ログインされた正規アカウント、商品未着・説明不一致の申立て、家族等の利用、転送後の紛失などは別に確認する必要があり、本人認証・不正ログイン対策・注文監視・配送記録・顧客対応記録を組み合わせます。
6.チャージバックとは/返金との違い
カード利用者がカード会社へ、「この請求は自分が行ったものではない」「商品が届いていない」「説明と違う」「返品したのに返金されていない」などの異議を申し立てることがあります。カード会社・国際ブランド等の手続きに基づき、加盟店側から売上が差し引かれる仕組みが、一般にチャージバックと呼ばれます。異議申立てが通知されると、対象金額や手数料が加盟店側の決済残高から一時的または確定的に差し引かれ、加盟店は期限内に証拠を提出できる場合があります。最終的な判断はカード発行会社等が行います。
| 項目 | 返金 | チャージバック |
|---|---|---|
| 開始する人 | 販売者 | カード利用者側の申立て |
| 主な判断者 | 販売者・決済会社 | カード発行会社等 |
| 証拠提出 | 通常不要 | 必要になる場合 |
| 結果 | 購入者へ返金 | 売上維持または取消し |
購入者と直接話し合い、通常の返金で解決できる場合は、チャージバックへ進む前に対応することが重要です。ただし、チャージバック手続きが開始された後は、通常の返金と同時処理できないサービスもあるため、決済会社の手順を確認します。
7.チャージバックで失うのは売上だけではない
商品が届いているのに売上だけ取り消された場合、商品在庫は戻りません。そのため、チャージバックは売上だけでなく、商品原価も失う可能性があります。実損の例としては、販売価格10,000円・商品原価4,000円・送料800円・梱包費200円に加え、申立て関連の手数料が発生し、これらの合計が損失額になります。
取引損失は「返金・取消額+商品原価+配送・梱包費+対応費-回収できた金額」で確認します。件数だけを見るのではなく、返金額、商品原価、配送費、梱包費、申立て費用、作業費、再発送費、回収額を項目ごとに記録し、商品別に損失を集計できる状態にします。一件でも高額商品ではチャージバックが大きな損失につながるため、件数が少ないからといって対策を省略しないようにします。
8.チャージバックが発生する理由/通知を受けたときの流れ
代表的な申立て理由には、不正利用(このカード決済を自分は行っていない)、商品未着、商品説明との不一致、重複請求、返金未反映、定期購入の解約後請求、カード明細の名称に覚えがない、などがあります。通知を受けたら、注文・決済を特定→申立て理由と提出期限を確認→返金・配送・連絡履歴を確認→受け入れるか反証するかを判断→証拠を提出、という流れで進めます。提出期限は管理画面に表示された期限を優先し、後回しにしないようにします。
実際に二重請求していた、商品を発送していない、配達証拠がない、証拠を用意できない、反証にかかる費用が損失を上回る、といった場合は、異議申立てを受け入れる判断があります。受け入れる場合も、原因と再発防止を記録します。反対に、申立て内容が事実と異なり十分な資料がある場合は反証を検討します。最終的な判断はカード発行会社等が行うため、証拠を提出しても結果は保証されません。
9.反証に使う証拠は「量」より「分かりやすさ」
不正利用の申立てにはEMV 3-Dセキュアの認証結果・注文時刻・IPアドレス・端末情報・過去の利用履歴・会員ログイン履歴を、商品未着の申立てには追跡番号・配達完了記録・配達日時・受領サイン・配達写真を、商品説明との不一致には商品ページ・出荷前の検品写真・購入者とのやり取りを用意します。異議申立てへの証拠は、時系列で整理し、取引概要・注文者情報・決済と本人認証・発送と配達記録・購入者との連絡・返品と返金条件・申立て内容への説明、という順で構成します。
資料を大量に提出すれば有利になるとは限りません。関係のない注文一覧、読めない小さな画像、長い社内メール、商品未着なのに決済承認だけを提出する、といった悪い例を避け、申立て理由へ直接答えることを重視します。カード明細に表示される名称が購入者の認識と異なると、不正利用と判断される可能性があるため、商品ページ・注文確認メール・配送ラベルの発送元名を一致させ、購入者が請求元を認識できるよう案内します。
10.すべての証拠は「注文番号」に紐づける
商品未着の異議申立てに備え、注文番号・決済ID・出荷番号・追跡番号・配送先・出荷日時・配達日時・配達証拠・連絡履歴を、一つの注文番号へ結び付けて保存します。配送完了だけでなく、どの住所へ、どの方法で配達されたか確認できる状態にします。
購入者が発送後に住所変更を依頼した場合、元の注文住所を新住所で上書きすると、注文時にどの住所だったのかが分からなくなります。注文時住所、変更後住所、変更依頼日時、変更を受けた担当者、配送会社への反映状況を、履歴として積み上げて残すことが絶対のルールです。情報を後から上書きしないことが、証拠としての価値を守ります。
11.誰が何を担当する?/不正対策を強くしすぎる問題
決済状態確認と不正検知はシステム・受注担当、売上確定と配送証拠の保存は倉庫・出荷担当、不審注文の手動確認・返金受付・証拠収集はCS、返金承認・反証判断・経理処理は責任者・経理が担当する、という役割分担が基本です。決済完了後の防衛は、一部署だけで完結せず、部署間の連携によって成り立ちます。
不正を防ぐためにすべての注文を手作業で確認すると、通常の購入者まで待たせてしまいます。本人確認を厳しくしすぎると、正当な注文を拒否する可能性もあります。低リスクは自動承認・通常出荷、中リスクは追加確認・出荷保留、高リスクは本人確認・責任者判断、非常に高いリスクは決済取消し・販売停止というように、商品ごとに確認基準を分けます。高額家電、金券・換金性の高い商品、限定品、デジタルコードなど、短時間で転売できる商品は高リスクとして扱います。
同じカードでの短時間大量注文、複数アカウントから同じ配送先、不正ログインの可能性、複数のチャージバックが同時発生、といった重大な不正を検知した場合は、通常注文と分けて対応します。対象注文を保留→決済・出荷を停止→影響範囲を確認→決済代行会社・システム会社へ連絡→必要に応じて専門家・関係機関へ相談、という流れで進めます。
よくある失敗
実際のケースで考えてみよう|1万円の商品をカード決済で販売した
商品価格10,000円・商品原価4,000円・送料800円・梱包費200円の商品を、購入者がカードで注文しました。
利用承認・本人認証ともに成功し、不正検知上も問題なしと判断されました。在庫と商品状態を確認し10,000円を売上確定、追跡番号を登録して発送、配達完了となりました。
商品2点のうち1点が破損しており、購入者は破損品相当の4,000円返金を希望。部分返金4,000円を実施し、残る売上は6,000円になりました。数週間後、購入者側から「10,000円すべてに覚えがない」という異議申立てが届きました。
異議申立ての対象金額、4,000円の返金状態、本人認証結果、配達記録、破損連絡時のやり取りを時系列で整理。仮に残る6,000円もチャージバックで失うと、最終売上は0円になり、さらに商品原価・送料・梱包費・対応費が発生します。
このケースで学ぶことは、部分返金とチャージバックは別の処理だということです。決済ID、返金ID、異議申立てIDを同じ注文番号へ結び付けます。
売上確定・返金・チャージバックを設計する12の質問
- 注文時に売上を即時確定しますか?利用承認と売上確定を分けるか確認します。
- 誰が売上確定を行いますか?自動・倉庫連携・担当者操作を決めます。
- 利用承認はいつまで有効ですか?予約・受注生産の発送期間と比べます。
- 売上確定前のキャンセルはどう処理しますか?利用承認の取消し方法を確認します。
- 全額・部分返金を誰が承認しますか?金額ごとの権限を決めます。
- 返金先はどこですか?元の決済方法へ返すことを基本にします。
- 返金完了を誰が確認しますか?返金操作と返金成功を分けます。
- 不審注文を何の条件で保留しますか?金額、数量、配送先、決済失敗などを決めます。
- EMV 3-Dセキュアを導入していますか?決済代行会社・ECシステムへ確認します。
- チャージバック通知は誰に届きますか?メール・管理画面・Webhook等を確認します。
- どの証拠を注文番号へ保存しますか?決済、本人認証、配送、連絡履歴を結び付けます。
- チャージバック損失を商品別に集計できますか?件数だけでなく原価・送料・費用を確認します。
やってみよう|チャージバック実損計算機&二重返金チェッカー
チャージバックが発生した場合の総損失額と、複数回の返金による超過返金の危険を、その場で確認できます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
① チャージバック実損計算機
② 二重返金・累計返金オーバーチェッカー
これは仕組みを理解するための簡易ツールです。実際の手数料・返金上限の仕様は、契約している決済代行会社・決済サービスの規約に従って確認してください。
アウトプットワーク|カード決済運用表を作ろう
販売する商品を一つ選び、分からない項目は推測で埋めず「未確認」と記録してください。
① 売上確定方法・承認の有効期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決済方式(即時売上/承認後売上/未確認)と売上確定担当 | |
| 利用承認の有効期間と、期限内に発送できない場合の対応 |
② 返金の権限と記録
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 返金額ごとの操作者・承認者、返金操作後に確認する状態 | |
| 注文番号・決済ID・返金IDを記録する場所 |
③ 不正注文の保留条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出荷を保留する条件(該当項目数の基準) | |
| 高額注文の基準額・同一商品の大量購入の基準数 |
④ チャージバック対応
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通知先・一次確認担当・反証判断者・証拠提出担当 | |
| 本人認証結果・配送証拠の保存場所 |
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 クレジットカードの利用承認と売上確定は、必ず同じ処理でしょうか?
第2問 利用承認が成功した場合、正当な本人による利用が完全に保証されるでしょうか?
第3問 売上確定前に在庫切れが判明した場合、どの処理を確認しますか?
第4問 決済額1万円から3,000円だけ購入者へ戻す処理は何でしょうか?
第5問 返金ボタンを押した時点で、購入者のカード明細にも必ず反映済みでしょうか?
第6問 カード決済の返金先は、基本的にどこでしょうか?
第7問 EMV 3-Dセキュアを導入すれば、チャージバックは絶対に起こらないでしょうか?
第8問 チャージバック通知を受けた場合、最初に確認するものはどれでしょうか?
第9問 商品未着の異議申立てに有効な資料はどれでしょうか?
第10問 チャージバックで売上を失った場合、商品原価や送料はどうなる可能性がありますか?
第11問|実務判断問題 注文金額は20,000円です。利用承認後、在庫確認の結果、15,000円分の商品しか発送できません。どのような確認と処理を行いますか?
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20,000円をまだ売上確定していないか確認する/一部の金額だけ売上確定できるか確認する/15,000円だけ確定できる場合は発送商品と金額を一致させる/残り5,000円の承認枠を解放・取消しできるか確認する/部分確定に対応しない場合は全額取消し後に15,000円を再決済する方法を確認する/購入者へ欠品商品と請求額変更を案内し同意を得る/在庫・注文・決済状態を更新する/注文番号、承認額、確定額を記録する。決済システムによって一部確定の可否が異なるため、独自判断で操作しません。
第12問|実務判断問題 購入者へ全額返金した翌日に、同じ決済についてチャージバック通知が届きました。どのように対応しますか?
回答例を見る
全額返金の返金IDと状態(受付・処理中・完了)を確認する/チャージバックの対象金額を確認する/返金実行日時と異議申立て開始日時を確認する/決済管理画面で通常返金と異議申立てが重複していないか確認する/決済会社へ返金済み取引への対応方法を確認する/通常返金を追加で行わない/返金記録を反証資料として提出できるか確認する/購入者との返金合意・連絡履歴を保存する/最終的に売上が二重に差し引かれていないか入金明細を照合する。チャージバックが進行中の場合、通常の返金操作が制限されることがあるため決済会社の指示に従います。
よくある質問
決済方式によります。承認後に売上確定が必要な場合は決済状態を確認します。不審な注文では、本人認証・配送先等も確認してから発送します。
商品、発送期間、決済サービスの承認期間によります。在庫確認後・発送時に確定する運用もあれば、注文時に即時確定する運用もあります。
利用承認が期限切れとなり、請求できなくなる可能性があります。売上確定待ち注文を定期的に確認します。
カード会社や処理状況によって異なります。販売者が取消しを行っても、利用明細や利用可能額への反映に時間がかかる場合があります。
サービス上は複数回可能な場合がありますが、返金合計は元の決済額を超えないようにします。別方法による返金も含めて管理してください。
カード発行会社が後継カードや別の方法で処理する場合があります。販売者が独自に別の返金先へ送らず、決済会社へ確認します。
すべての詳細が販売者へ通知されるとは限りません。購入者にはカード会社への確認や別の決済方法を案内します。
不要にはなりません。不正ログイン、配送先変更、大量注文、商品未着等も確認します。
状況確認できる場合はありますが、証拠提出期限とは別に進めます。購入者が申し立てを取り下げると言っても、決済会社上の手続きが自動的に終了するとは限りません。
最終判断はカード発行会社等が行うため、結果は保証されません。申立て理由に合った証拠を、期限内に分かりやすく提出します。
チャージバックだけで商品が自動回収されるわけではありません。商品回収は販売者・購入者間の返品手続きとして別に対応します。
一件でも高額商品では大きな損失になります。商品、配送先、認証結果、配送記録を保存します。
今回のまとめ
クレジットカード決済では、利用承認、売上確定、返金、チャージバックを分けて理解する必要があります。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- 利用承認はカードを利用できるか確認する処理であり、売上確定とは別の場合がある
- 取消しは売上確定前、返金は売上確定後に行う処理である
- 返金操作・返金完了・カード明細への反映は同じ時点ではない
- EMV 3-Dセキュアは重要だが、すべての不正利用や異議申立てを防ぐものではない
- チャージバックでは、決済・配送・本人認証・購入者との連絡を証拠として保存する
ECカード決済の基本的な流れは、注文を受ける→利用承認・本人認証→不正利用の可能性を確認→在庫・商品を確認→売上確定→商品を発送→必要に応じて取消し・返金→異議申立て時は証拠を提出、です。決済システムに任せるだけでは運用は完成しません。誰が、どの状態を確認し、いつ発送し、問題が起きたときに何を残すのかを決めることが基本です。
「決済が終わった後も、返金と異議申立てに備えて記録を残そう!」
DAY31の実践課題
自社ECでクレジットカード注文が入った場合の運用を作成してください。決済方式(利用承認・売上確定のタイミング・利用承認の有効期間)、発送条件(発送前に確認する状態・出荷を保留する不正リスクの基準・売上確定待ち注文の確認担当)、返金(受付担当・責任者承認が必要な金額・返金操作後に確認する状態・返金IDの保存先)、不正注文(高額注文の基準額・同一商品の購入個数基準・連絡先を確認できない場合の対応)、チャージバック(通知の届け先・提出期限を確認する担当・本人認証結果の取得元・配送証拠の保存先・反証か受け入れかを判断する担当)を書き出します。分からない項目は推測で埋めず、決済代行会社、ECプラットフォーム、カード会社、社内責任者へ確認してください。


