食品をECで継続販売する条件とは?賞味期限・ロット・温度管理・HACCPを解説 DAY68
【DAY68】食品を継続してEC販売する条件
賞味期限、消費期限、温度管理、製造ロット、最低発注量、衛生管理を「継続販売できる商品」にするために整理する
DAY67では、農業・漁業・畜産・食品加工について、生産量が毎回同じとは限らないことを学びました。では、商品が完成したら、すぐECで継続販売できるのでしょうか?
例えば、農家が作ったいちごジャム。商品:完成。味:おいしい。写真:撮影済み。EC:商品登録済み。注文:入り始めた。一見、問題なさそうです。しかし、次の質問に答えられるでしょうか?賞味期限は何日?その期限は何を根拠に決めた?何℃で保存する?夏も同じ配送方法?どの製造分を誰へ送った?原材料に問題が出たら、どの商品を回収する?1回の製造数量は?最低何個から次回製造してもらえる?今の在庫は、あと何日販売できる?製造場所には必要な衛生管理体制がある?
これらが分からない状態では、「商品を1回作れた」だけで「継続してEC販売できる」状態とは言えません。日本では、2021年6月1日から原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取組が求められています。2026年6月には厚生労働省がHACCP衛生管理記録アプリを公開するなど、現在も衛生管理の定着支援が続いています。さらに、食品は期限・温度・ロットという、普通の雑貨ECとは違う「時間のある在庫」です。
「食品の在庫は、“10個あります!”だけじゃ足りないよ。“いつ作った10個?いつまで?何℃で?どのロット?”まで分かって初めて管理できるんだ!」
DAY67との違い
DAY67では、供給側の自然変動を学びました。DAY68では、商品が完成した後の継続販売条件を整理します。つまり、DAY67は「何個作れそう?」、DAY68は「作った商品を、安全に何個、いつまで売れる?」です。
そして次回DAY69では、商品を作る生産者へ、写真撮影・商品説明・EC在庫更新・梱包・注文確認・問い合わせ対応まで全部任せると、どんな負担が生まれるのかを整理します(当初ロードマップどおりの内容です)。
この記事で分かること
- 賞味期限・消費期限の考え方と、EC独自の「出荷可能期限」
- 先入れ先出し(FIFO)と期限優先(FEFO)の違い
- 製造から購入者受取までの温度管理(コールドチェーン)
- 製造ロット・原料ロットとトレーサビリティ
- 最低発注量(MOQ)と再発注のタイミング
- HACCPに沿った衛生管理と食品表示、「販売可能在庫」の考え方
先に結論|食品を継続販売するには7つ必要
①製造
安全に製造できる衛生管理・製造体制
②情報
正しい原材料・アレルゲン・保存方法・表示
③期限
賞味期限または消費期限が決まっている
④温度
常温・冷蔵・冷凍で正しく保管・配送できる
⑤ロット
いつ作った?何の原料?誰へ送った?を追跡できる
⑥調達
製造能力・最低発注量・納期で継続的に仕入れられる
⑦在庫
在庫・期限・販売速度から売り切れる数量だけ持つ
つまり、製造×衛生×期限×温度×ロット×調達×販売が、継続販売の条件です。
賞味期限と消費期限
雑貨は半年倉庫にあっても販売できる商品がありますが、食品は時間が経つほど販売可能期間が短くなる商品があります。賞味期限は、未開封で表示された保存方法を守った場合に、おいしく食べられる期限を示します。賞味期限を過ぎたからといって、直ちに食べられなくなるという意味ではありません。消費期限は、傷みやすい食品について、表示された保存方法を守った未開封状態で、安全に食べられる期限として使われます。期限を過ぎた食品は食べない方がよいとされています。
重要なのは日付だけではありません。保存方法(10℃以下、冷凍、直射日光を避ける等)と期限がセットです。農林水産省も、消費期限・賞味期限はいずれも、未開封で表示された保存方法を守った場合を前提としています。「賞味期限90日」は、製造から90日経つまでどこに置いても品質保証という意味ではなく、指定された保存状態が前提です。開封後は、表示期限だけを見ず、商品ごとの開封後保存方法に従います。EC側は、賞味期限90日だけでなく、保存条件・開封前・開封後まで持ちます。
期限は誰が決める?
通常、食品の特性・製造方法・包装・保存条件などを把握する製造者等が、科学的・合理的根拠に基づいて設定します。消費者庁は2025年の期限表示ガイドライン見直しでも、食品の特性に応じて客観的な指標・基準から科学的・合理的に期限を決定する考え方を示しています。製造者が「試験の結果90日」としたものを、EC担当が「売りやすいから180日にしよう」とはしません。在庫が大量で賞味期限が近いからとラベルを貼り替えることもしません。期限は在庫状況から決める数字ではなく、長い期限=良い商品、短い期限=悪い商品とも限りません。生菓子・生鮮食品等は、短いこと自体が商品の性質です。
EC独自の出荷可能期限
ECでは「商品期限」と「販売期限」を分けます。賞味期限90日でも、残り1日で購入者へ発送する運用は現実的ではありません。そこでEC独自の出荷可能期限を決めます。これは法定表示の賞味期限を書き換えるものではなく、EC側が「購入者へ何日残して届けるか」を考えるための運用ルールです。例えば、賞味期限90日、ECルールで到着時30日以上残すとすれば、その条件から販売・出荷停止日を逆算します。倉庫から購入者まで1日なら1日、離島等でさらに日数がかかるなら余裕が必要です。海外ならさらに、通関・遅延等があるため、期限の短い食品を海外ECへ販売する場合は輸送日数との相性も確認します。
物理在庫と販売可能在庫は違います。倉庫100個でも、期限条件を満たすのが60個なら、EC Available Stockは60と考えます。Food Legal Shelf Lifeはまだ残っていても、自社EC Shipping Ruleでは出荷対象外、という状態があります。「在庫あり」だけでは不足しており、Stock:100より、Lot A 30個・期限9/30、Lot B 70個・期限10/31の方が重要です。
先入れ先出しとFEFO
食品在庫では、古いロットから先に出す運用があります。FIFO(First In, First Out)は、先に入ったものを先に出す考え方です。しかし食品では、後から入荷した商品でも期限が早いことがあります。FEFO(First Expired, First Out)は、期限が早い商品を先に出す考え方です。Lot A:入荷8/1・期限12/1、Lot B:入荷8/5・期限11/1なら、期限管理上はBを先に出す設計が考えられます。必ず一律にFIFOまたはFEFOではなく、在庫システムと商品特性に合わせます。
EC在庫引当で、注文ORD-001にLot Bを引当、まで管理できると、後の追跡がしやすくなります。倉庫の奥に期限の短い商品が残ると、これが廃棄につながります。0〜7日、8〜30日、31〜60日、61日以上など、残日数別に在庫を見る方法があります。期限が近い食品が販売機会を失うことは食品ロスにもつながります。農林水産省も、期限や納品期限等の商慣習を見直し、食品ロス削減につなげる取組を進めています。
温度管理
期限だけ守っても、温度が違えば意味が変わります。要冷蔵で賞味期限10日の商品を、真夏に常温倉庫へ放置すれば、表示条件どおりではありません。ECでは大きく常温・冷蔵・冷凍などの温度帯に分けます。常温商品でも、直射日光・高温多湿等を避ける必要がある商品があり、表示された保存方法を確認します。冷蔵・冷凍商品も、商品ごとの指定条件を確認します。厚生労働省は家庭での食中毒予防の目安として冷蔵庫10℃以下・冷凍庫-15℃以下を示していますが、事業者が扱う個別食品の管理基準は商品・工程・法令・衛生管理計画等に従います。「冷蔵は全部10℃ならOK」とは決めません。
温度管理は製造→保管→配送→購入者受取の4地点で見ます。工場・倉庫は冷蔵でも配送だけ常温なら、コールドチェーン(必要な低温状態を流通の途中で途切れさせない考え方)が切れます。製造者からEC倉庫への受渡し地点で一度常温に置かれていないかも確認します。冷蔵商品が温かい状態で届いたら、そのまま在庫に入れず確認フローが必要です。設定した温度条件から外れる温度逸脱は、商品・温度・時間・製造者の基準によって判断が変わり、EC担当者が感覚で「少しなら大丈夫」とは決めません。保管庫温度・確認時刻・異常・対応などを記録します。HACCPでは、衛生管理計画に基づいて実施し、その実施状況を記録・確認する考え方が基本です。
配送会社にも常温便・冷蔵便・冷凍便があり、商品温度と配送サービスを合わせます(商品:Frozen、Carrier:Ambientでは不一致)。保冷剤を入れたから自動的に温度保証、とはせず、商品・配送時間・気候・梱包性能・メーカー基準によります。夏季と冬季で外気温が違うため、必要なら夏・冬で梱包・温度保持テストを行います。要冷蔵食品を炎天下で長時間置く置き配や、通常の宅配ボックスが冷蔵庫とは限らない点、再配達でどの温度帯が維持されるかも確認します。海外配送でも、冷蔵・冷凍食品は単に発送できるかだけでなく、国際輸送全体で温度を維持できるかが重要です。温度は「配送担当の経験」にせず、商品マスタ(Storage:CHILLED、Shipping:CHILLED、Allowed Deviation等)から必要温度帯が自動的に分かる状態を作ります。
製造ロットとトレーサビリティ
製造ロットは、同じ条件・一定の範囲で製造され、追跡・管理の単位としてまとめた製品群です。ロット番号は、その製造ロットを識別する番号・記号で、問題が起きたとき対象を特定するために必要です(例:Lot JAM-260801-A、製造日8/1、数量500)。製品だけでなく、使用した原材料にもロットがあります(いちごST-001、砂糖SG-005、瓶PK-003)。製品JAM-260801-Aといちごロット・砂糖ロットを記録して原料と製品をつなぎます。農林水産省の食品トレーサビリティ資料でも、原料ロットと製造ロットを対応づけ、問題発生時に原因確認や対象製品の絞り込みができる形が示されています。
製造ロットを、誰へ何個送ったかも分かるようにし、ECなら注文番号ORD-1001にLot JAM-260801-Aを対応させます。問題が起きたら「ジャム全部」ではなく対象Lotを特定できる可能性が高まります。トレーサビリティは、商品がどこから来てどこへ行ったかを追える状態です。ロット番号の付け方は一つではなく、日付・ライン・商品コード・工場などを組み合わせます。重要なのは後から一意に追跡できることです。1か月分全部をLot Aにすると回収範囲が広くなりやすく、1個ずつ全部別Lotにすると管理負荷が大きくなるため、製造日・製造ライン・原料切替・工程などから実態に合った単位を決めます。製造中に原料Lotが変わった場合、どの商品から変わったかを記録できると追跡精度が上がります。
メーカーからLotありで納品されても、EC在庫がSKUだけだとLot情報が消えてしまいます。SKU(商品種類)とLot(製造単位)は違い、同じSKU-JAM-001にLot A:30、Lot B:50という状態があります。
ロットとリコール
商品に問題が起きたとき、最初の質問は「その原料をどの製造Lotに使ったか」、次に「その製造Lotを誰へ送ったか」です。追跡できれば対象顧客へ連絡しやすくなりますが、追跡できなければ全商品・全顧客へ広く対応せざるを得ない可能性があります。食品衛生法改正により、食品等の自主回収情報を行政へ報告する制度が設けられており、食品衛生申請等システムから自主回収報告を行う仕組みがあります。箱が潰れたという1件と食品安全上の問題は分けますが、Complaint:ORD-001、SKU:FOOD-001、Lot:L001のように調べられる状態にしておくと、同じLotで複数クレームがあれば品質問題の可能性を確認でき、商品別だけでなくLot別で見ると製造上の偏りが見える場合があります。
最低発注量(MOQ)と再発注
MOQ(Minimum Order Quantity、最低発注量)は、この記事では法令上の食品用語ではなく、仕入先・製造者と決める実務上の発注条件として扱います。製造者が「100個から製造できます」ならMOQ:100です。1個から作れないのは、製造前に機械洗浄・原料準備・加熱・充填・包装・ラベル・人員など固定的な作業があるためで、少量製造では1個当たりコストが高くなる場合があります。製造ロットとMOQは別で、MOQ:300個、製造Lot:100個×3Lotということもあれば、逆にMOQ:100個、製造工程上は1Lot 500個という契約・生産設計も考えられます。実際の条件は製造者と確認します。
MOQが大きいと、仕入れ・在庫・資金・倉庫・期限切れリスクが増えます。だから単価だけで選ばず、単価350円・MOQ1,000個より、単価420円・MOQ100個の方が、小規模ECでは総リスクが低い場合があります。「安く作れる」と「儲かる」は別で、食品では仕入原価+保管+廃棄まで見ます。月販50個・MOQ1,000個なら何か月で売るかを考え、Shelf Life180日・月販50・MOQ1,000なら、単純に月販だけを見ても売り切り条件が厳しいことが分かります。だから発注前にMOQ÷販売速度をざっくり確認します。ただし販売速度は季節・広告・新商品・キャンペーンで変わるため、「絶対売れる」ではなく通常・悪いケース・良いケースを作り、保守的に見ます。
再発注のタイミング
売り切れてから注文しても、製造に30日かかるなら30日欠品します。Lead Timeは発注してから入荷するまでの時間で、在庫が一定量まで減ったら再発注する発注点というルールを作ります。食品は期限も考え、在庫が多くても期限が近ければ追加発注しないこともあります。在庫数だけで自動発注をせず、Current Stock、Remaining Shelf Life、Sales Velocity、Lead Time、MOQを見ます。発注すると新Lotが到着し旧Lotがまだ残る新旧Lotの重なりや、新Lotの方が期限が長く旧Lotを先に販売する必要がある期限逆転にも注意します。期限が近いLotだけを対象にした販売キャンペーンも可能ですが、購入者が分かるように適切に説明し、食品表示を誤認させないようにします。
衛生管理と食品表示
食品ECで、広告・SEO・商品写真より先に必要なのが、安全に製造・取り扱える体制です。HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、原材料受入から製造工程等の危害要因を分析し、重要な管理点等を継続的に管理する衛生管理の考え方で、日本では原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取組が求められています。小規模だから何もしなくてよいわけではなく、事業規模・業種等に応じて、HACCPに基づく衛生管理またはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理など対応方法があります。何を管理するかを決める衛生管理計画、決めた方法を実際に行う実施、実施したかを残す記録が基本です。厚生労働省は2026年にも、HACCPに沿った衛生管理では日々の衛生管理記録が必要として、記録支援アプリを公開しています。
EC販売者が製造者とは限らず、メーカーから仕入れるECもあります。その場合、EC事業者が製造工程のHACCPを自分で実施するという意味ではなく、誰が・どこで製造しているか、必要な許可・届出等、衛生管理体制を確認します。OEM会社へ製造を委託する場合も、「工場に任せたから何も知らなくてよい」ではなく、EC側も製造者・製造所・商品仕様・Lot・期限・保管・変更連絡は把握します。食品を扱う営業には、業種に応じて営業許可・営業届出等が関係し、食品衛生法改正により営業許可制度の見直しと営業届出制度が導入されています。「ECだから許可不要」とも「食品ECなら全員製造許可」とも一括判断せず、何を、どこで、製造・加工・小分け・保管するかで確認します。
EC商品ページだけ正しければよいわけではなく、食品本体の表示も重要です。加工食品では、名称・原材料・添加物・内容量・期限・保存方法・事業者情報・アレルゲン・栄養成分など、食品表示制度上の確認が必要になります。消費者庁は食品表示法・食品表示基準と最新Q&Aを継続的に公開しています。Package:100g、EC:120gでは困るため、EC商品ページとパッケージを合わせます。原材料変更(特にアレルゲン変更)があれば、表示・商品ページ・規制情報を更新し、Label V1・V2のようにラベルバージョンを分け、旧ラベル在庫に新原料を入れないようにします。商品登録時に賞味期限○日だけをコピーするのではなく、製造者から正式な商品仕様を確認します。
「販売可能在庫」を作る
食品在庫の最終形は、Warehouse Stock:120だけではありません。Lot A(数量30、期限8/31、自社出荷期限終了)はEC販売不可、Lot B(数量40、期限10/31)は販売可、Lot C(数量50、期限12/31)は販売可なら、物理在庫120に対し、販売可能在庫は90です。これを区別し、さらに予約Reserved:20があれば、Available to Promise:70という考え方ができます。食品ECでは「期限条件」が在庫計算に入ることが、普通の商品在庫との大きな違いです。
返品の扱い
食品の返品は再販売できるか、慎重に判断します。購入者の手元でどの温度で、どのように保管されたか確認できない場合があるためです。未開封でも、保管状態が保証されたとは限りません。商品特性・安全性・製造者基準・返品理由・配送状況等から再販売ルールを決めます。冷蔵・冷凍品は特に注意し、一度温度管理から外れた可能性がある商品を、単純に倉庫在庫へ戻さないようにします。
やってみよう|出荷可否シミュレーター
賞味期限・経過日数・配送日数・到着時に残したい最低日数を入力すると、出荷できるかと出荷停止までの残り日数を計算します。
実際のケースで考えてみよう
商品:いちごジャム、売価1,200円、賞味期限:製造から180日・常温保存、MOQ:300個、製造リードタイム:20日とします。
売り切り診断
MOQ300個÷月販60個=約5か月。賞味期限6か月に対し余裕が小さく、そのまま発注すると廃棄リスクが大きい。
交渉と分割
A食品工房へ「150個×2回の分納(Lot分割)」を打診し、期限をずらせないか確認する(実現可否は製造者の設備・契約条件による)。
紐付け
入荷時、原料Lot(いちご・砂糖等)と製造Lot A・Lot Bを記録し、ECのSKUに対応づける。
引当(FEFO)と検索
期限の早いLot Aから注文へ優先的に引当。原料に問題が出ても、Lot→対象注文→顧客まで検索できる。
「おいしいジャム」が、期限・MOQ・Lotの設計を経て初めて「継続販売できるジャム」へ変わりました。次回発注も、在庫数だけでなく期限別在庫・販売速度・MOQ・Lead Timeを確認します。
ケース2|冷蔵プリン
商品:プリン、消費期限:短い、要冷蔵。MOQ:100でも、販売速度との相性を確認し、週末だけ注文が増えるなど曜日別需要を確認します。製造日を毎週月・木とするなら、EC注文締切も製造スケジュールに合わせます。工場→倉庫→Carrierまで冷蔵保管を確認し、再配達になった場合に期限に間に合うか、配送日数が増える遠隔地へ販売するかを検討します。全国一律販売ではなく、配送可能エリアを限定する方法もあります。「製造できる」+「安全に届く」までが商品設計です。
継続販売チェックリスト
該当する項目をタップしてチェックしてください。
チェック済み:0 / 6
アウトプットワーク|食品継続販売判定シート
実際にECで販売したい加工食品を一つ選んでください。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 賞味期限について正しいものはどれでしょうか?
第2問 賞味期限90日の商品なら、90日目にも必ずEC発送してよいでしょうか?
第3問 要冷蔵商品について正しいものは?
第4問 SKUと製造Lotについて正しいものは?
第5問 製造ロットとMOQについて正しいものは?
第6問 MOQが大きい場合に確認するものは?
第7問 HACCPについて現在の日本の考え方として適切なのは?
第8問 物理在庫100個のうち30個が自社の出荷可能期限を過ぎています。ECの販売可能在庫はどう考える?
第9問|実務判断問題 ジャムに異物混入の可能性が見つかりました。倉庫には同じSKUが500個ありますが、製造Lotを記録していません。どんな問題が起きるでしょうか?
回答例を見る
製造Lotが分からないため、問題がどの製造分に限定されるのか確認しにくくなります。結果として、本来より広い範囲の調査・販売停止・顧客確認・回収が必要になる可能性があります。
理想は、原料Lot→製造Lot→注文→顧客まで追える状態で、対象Lotのみをピンポイントで特定し、被害範囲を最小限に抑えられます。農林水産省の食品トレーサビリティ資料でも、原料Lotと製造Lot、製造Lotと出荷先を対応させることが、問題発生時の対象特定に有効とされています。
よくある質問
賞味期限は、未開封で表示された保存方法を守った場合においしく食べられる期限です。消費期限は傷みやすい食品について、安全に食べられる期限として使われます。どちらも表示された保存条件が前提です。
商品の特性・製造・保存条件などを把握した事業者が、科学的・合理的な根拠に基づいて期限を設定する必要があります。単に「半年あった方が売りやすい」などの販売上の都合で決めるものではありません。
表示期限とは別に、購入者へ届いた時点でどれだけ期限を残すかをEC運用上決めることをおすすめします。配送日数、商品特性、購入者への案内等を踏まえて出荷可能期限を設計します。
一律ではありません。厚生労働省は家庭向け食中毒予防では冷蔵庫10℃以下を目安としていますが、事業者は個別商品の保存方法や衛生管理計画、関係する基準に従う必要があります。
同じ製造条件等でまとめて管理し、後から製造履歴や原料・出荷先を追跡するための単位です。具体的な区切り方は商品・工場によって異なります。
違います。MOQは取引上の最低数量、製造ロットは製造・品質・追跡等の管理単位です。
日本では原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取組が求められています。ただし規模・業種等に応じ、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理など実施方法が異なります。
製造者、商品表示、期限、保存温度、配送温度、Lot、MOQ、Lead Time、衛生管理、販売速度の10項目を確認してください。この10項目がそろうと「商品が作れる」から「継続販売できる」へ進みやすくなります。
今回のまとめ
DAY68では、食品を継続してEC販売する条件を整理しました。今回覚えてほしいポイントは、次の5つです。
- 賞味期限・消費期限は保存条件とセット
- 食品にはEC独自の出荷可能期限も必要
- SKUと製造Lotを分けて追跡する
- MOQ・期限・販売速度をセットで考える
- 衛生管理と記録を継続する
最も重要なのは、「在庫があります」だけでは食品の販売可否を判断できないことです。在庫100個でも、Lot A:30個・期限近い・出荷不可、Lot B:70個・期限十分・出荷可能なら、EC在庫は70個と考えます。さらに次回入荷にはMOQがあり、MOQ:500個、Lead Time:30日、月販:100個、Shelf Life:180日なら、発注のタイミング・数量・期限を組み合わせて考えます。つまり、食品ECの在庫は、数量×期限×温度×Lot×販売速度です。
そして安全面ではHACCPに沿った衛生管理。日本では原則としてすべての食品等事業者が対象となり、厚生労働省では2026年にも衛生管理記録を支援する取組が更新されています。さらに万一、商品に問題が見つかったとき、原料Lot→製造Lot→出荷→Order→Customerまで追える状態が重要です。農林水産省の食品トレーサビリティ資料でも、原料・製造・出荷の対応づけによって、原因究明や回収対象の特定につなげる考え方が示されています。
「継続販売」とは、在庫を大量に持つことではありません。必要な数量を安全に作り、正しく保管し、期限内に販売し、なくなる前に次の商品を用意できる。これが継続販売です。製造→衛生→Lot→期限→保管→EC在庫→販売→再発注が循環している状態です。
「食品ECで大事なのは“何個ある?”だけじゃないよ。“いつ作った?いつまで?何℃?どのLot?次はいつ作れる?”までつながっていると、売り続けられる商品になるんだ!」

