EC事業の売上・原価・利益とは?粗利益・限界利益・営業利益の違いを解説 DAY10

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【DAY10】EC事業のお金の基本

売上・仕入原価・製造原価・粗利益・限界利益・営業利益の違い

【DAY10】EC事業のお金の基本|「売れた金額」と「最後に残る利益」はなぜ違うのか?カイピヨくんと学ぶ国内・越境ECの基礎知識
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🔊 音声で聞く「1万円売れても3千円しか残らない現実」

ECサイトで1万円の商品が売れたとします。管理画面には「売上10,000円」と表示されます。しかし、その10,000円がすべて会社に残るわけではありません。商品を仕入れたり、製造したりする費用があります。決済手数料、販売手数料、梱包費、送料、広告費もかかります。さらに、ECシステムの利用料、人件費、家賃、通信費なども必要です。

管理画面の「売上10,000円」は、会社に残るお金ではない。商品を仕入れる・作る費用、決済手数料・販売手数料・梱包費・送料・広告費、システム利用料・人件費・家賃・通信費を差し引くと、最後に残るのはわずか100円ということもある

そのため、EC事業のお金を考えるときは、次の言葉を分けて理解します。

  • 売上/仕入原価/製造原価/売上原価
  • 粗利益/変動費/限界利益
  • 固定費/営業利益

「売れた金額と、最後に残る利益は同じじゃないんだ!」

この記事で分かること

  • 売上とは何か
  • 仕入原価と製造原価の違い
  • 売上原価とは何か
  • 粗利益の計算方法
  • 変動費と固定費の違い
  • 限界利益の計算方法
  • 営業利益の計算方法
  • EC事業で見落としやすい費用
  • 商品が売れても利益が残らない理由
  • 利益を確認するための実践ワーク

損益計算書は、一定期間の収益と費用を比べ、その差額として利益を示す書類です。中小企業庁は、基本的な関係を「収益-費用=利益」と説明しています。

先に結論|売上から費用を順番に引いて利益を見る

EC事業のお金は、階段のように考えると分かりやすくなります。

全体像:お金は「引き算の階段」として捉える。売上高から売上原価を引くと粗利益、そこから変動費を引くと限界利益、さらに固定費を引くと営業利益が残る。何にいくら使い、どの段階でいくら残るのかを確認することがEC経営の第一歩
売上高
- 売上原価
= 粗利益

粗利益
- 販売費及び一般管理費
= 営業利益

限界利益を見る場合は、別の切り口で計算します。

売上高
- 変動費
= 限界利益

限界利益
- 固定費
= 利益

中小企業庁は、売上高から売上原価を差し引いたものを売上総利益、そこから販売費及び一般管理費を差し引いたものを営業利益と説明しています。売上総利益は、一般に「粗利益」や「粗利」とも呼ばれます。

身近な例で考えると「フリーマーケットの売上」

イベントで手作りのキーホルダーを販売したとします。1個1,000円で、10個売れました。売上は次のとおりです。

1,000円 × 10個 = 10,000円

しかし、キーホルダーを作るために材料を買っています。さらに、袋、出店料、交通費などもかかっています。

売上10,000円
材料費-3,000円
包装費-1,000円
出店料-2,000円
交通費-1,000円
残った金額3,000円

売上が10,000円あっても、実際に残る金額は3,000円です。ECでも同じです。売上だけを見るのではなく、何にいくら使い、どの段階でいくら残るのかを確認します。

1.売上とは

商品やサービスを販売して得た金額

売上とは、商品やサービスを販売したことで発生する収入です。ECでは、商品代金、サービス利用料、定期購入料金、デジタル商品の販売代金、有料会員料金、購入者から受け取る送料などが売上に関係します。ただし、送料や手数料を売上としてどのように処理するかは、取引内容や経理方針によって異なる場合があります。

売上の基本計算:販売価格 × 販売数量 = 売上

5,000円 × 20個 = 100,000円

売上は100,000円です。ただし、これは会社に100,000円の利益が残ったという意味ではありません。

「注文・決済・売上・入金・利益は、同じ数字とは限らないよ!」

2.仕入原価とは

商品を仕入れるためにかかった金額

ステップ1:「原価」を正しく把握する。仕入原価は完成品を外部から買う費用(例:マグカップを卸会社から1個2,000円で仕入れる)。製造原価は自社などで商品を作る費用(例:手作りジャムを100個作る、1個600円)

仕入原価とは、販売する商品を外部から仕入れるためにかかった費用です。たとえば、雑貨店がメーカーからマグカップを1個2,000円で仕入れた場合、1個当たりの仕入原価は2,000円です。

仕入価格2,000円 × 10個 = 仕入金額20,000円

ただし、10個仕入れても、その月に3個しか売れていない場合があります。この場合、仕入れた10個すべてが、その月の売上原価になるとは限りません。

3.製造原価とは

商品を自分たちで作るためにかかった費用

製造原価とは、商品を製造するためにかかった費用です。国税庁は、製品製造原価を「製品等の製造に必要な売上原価」と説明しています。製造原価には、一般的に原材料費、製造を担当する人の労務費、外注加工費、工場で使う水道光熱費、製造設備の減価償却費、製造に必要な消耗品、製造に直接関係する経費が関係します。中小企業庁の調査でも、売上原価の構成として、商品仕入原価、材料費、労務費、外注費、減価償却費などが示されています。

4.売上原価とは

実際に売れた商品に対応する原価

売上原価とは、その期間の売上に対応する商品の原価です。中小企業庁は、売上原価を「その売上高に対応する原価」と説明しています。仕入れた商品が全部売れたとは限らないため、単純に「仕入金額=売上原価」とならない場合があります。

期首在庫
+ 当期仕入
- 期末在庫
= 売上原価
要注意:「仕入れた金額=その月の原価」ではない。期首在庫100,000円+当期仕入500,000円-期末在庫150,000円(売れ残り)=売上原価450,000円。売れ残った商品(在庫)は費用にならず、実在庫を数える棚卸しが正確な利益計算の第一歩

例として、次の状況を考えます。年の初めにあった在庫100,000円、今年仕入れた商品500,000円、年末に残った在庫150,000円。売上原価は次のようになります。

100,000円 + 500,000円 - 150,000円 = 450,000円

この450,000円が、その期間に売れた商品へ対応する原価です。年末に売れ残っている商品は、まだ売上になっていません。そのため、すべてをその年の費用にするのではなく、在庫として管理する必要があります。国税庁は、期末商品・製品棚卸高を、年末時点の商品などの棚卸高として案内しています。ECでは、管理画面上の在庫数だけでなく、倉庫にある実在庫を確認することが重要です。

5.粗利益とは

売上から売上原価を引いた利益

粗利益は、売上総利益とも呼ばれます。計算方法は次のとおりです。

売上高 - 売上原価 = 粗利益

中小企業庁は、売上総利益を企業の基本的な収益力を示す利益として説明しています。商品を2,000円で仕入れ、5,000円で販売したとします。

踊り場1【粗利益】商品の「基礎体力」。売上高5,000円-売上原価2,000円=粗利益3,000円。粗利益率=3,000円÷5,000円×100=60%。粗利益が大きくても喜ぶのは早く、送料や広告費はまだ引かれていない
売上高5,000円
売上原価-2,000円
粗利益3,000円

粗利益は3,000円です。売上のうち、何%が粗利益として残ったかを見る数字が粗利益率です。

粗利益 ÷ 売上高 × 100 = 粗利益率
3,000円 ÷ 5,000円 × 100 = 60%

粗利益率は60%です。粗利益が3,000円あっても、決済手数料、販売手数料、梱包費、配送料、広告費、ECシステム利用料、倉庫費、人件費、通信費、家賃といった費用が残っています。つまり、粗利益は最終的な利益ではありません。

「粗利益が大きくても、送料や広告費が高ければ最後には残らないことがあるよ!」

6.変動費とは

売上や販売数量に応じて増減する費用

コストの解剖:その費用、売れるたびに増える?変動費(性質:売上や販売数量に応じて増減する。決済手数料・販売手数料、1件ごとの梱包費・配送料)と固定費(性質:売上がなくても毎月発生しやすい。ECシステム月額料金、事務所・倉庫の家賃、固定給の人件費)。送料無料は送料が消えるわけではなく、販売者が利益の中から変動費として負担している

変動費とは、商品が売れる数や売上高に応じて増えたり減ったりする費用です。ECでは、商品の仕入原価、製品の製造原価、決済手数料、販売手数料、1件ごとの梱包費、1件ごとの配送料、成果に応じて発生する広告費、注文ごとの外注費などが変動費になる可能性があります。ただし、同じ費用でも契約方法によって変動費か固定費かが変わります。たとえば、倉庫費が「1件発送するごとに発生」するなら変動費に近く、毎月一定額なら固定費に近くなります。

7.固定費とは

売上がなくても発生しやすい費用

固定費とは、商品が売れた数に直接連動せず、毎月または一定期間ごとに発生する費用です。ECでは、ECシステムの月額料金、事務所や倉庫の家賃、固定給の人件費、インターネット料金、会計システムの月額料金、保険料、定額の外注費、サーバー費用などが固定費になる可能性があります。売上が0円でも、固定費は発生することがあります。

費用変動費になりやすい固定費になりやすい
商品仕入
決済手数料
販売手数料
1件ごとの送料
EC月額料金
家賃
固定給
定額のシステム費

実際の分類は、契約や社内の管理方法によって異なります。

8.限界利益とは

売上から変動費を引いた利益

限界利益は、売上から変動費を差し引いた金額です。

売上高 - 変動費 = 限界利益

J-Net21では、限界利益率を使って損益分岐点を計算する方法を説明しており、利益が0になる地点では「固定費=限界利益」となる関係を示しています。限界利益は、家賃、固定給、システム月額費、その他の固定費を支払うために残る金額です。そして、固定費をすべて支払ったあとに残る部分が利益になります。

踊り場2【限界利益】ECで最も重要な指標。売上5,000円からすべての変動費(商品原価2,000円・決済手数料200円・販売手数料300円・梱包費150円・送料負担500円=3,150円)を引くと限界利益1,850円。これが固定費を支払うための原資になる。限界利益率=1,850円÷5,000円×100=37%

商品1個を5,000円で販売します。1個売れるごとに発生する費用は次のとおりです。

変動費金額
商品原価2,000円
決済手数料200円
販売手数料300円
梱包費150円
配送費の自社負担500円
合計3,150円
売上高5,000円 - 変動費3,150円 = 限界利益1,850円

この商品が1個売れると、固定費の支払いと利益のために1,850円が残ります。限界利益率は次のとおりです。

限界利益 ÷ 売上高 × 100 = 限界利益率
1,850円 ÷ 5,000円 × 100 = 37%

9.販売費及び一般管理費とは

商品を販売し、会社を運営するための費用

販売費及び一般管理費は、略して「販管費」と呼ばれます。中小企業庁は、販売費及び一般管理費の例として、従業員給与、旅費交通費、消耗品費などを挙げています。ECでは、広告費、販売促進費、ECシステム利用料、事務所の家賃、管理部門の人件費、通信費、会計システム費、消耗品費、問い合わせ対応費、外注費、倉庫管理費、決済・販売手数料などが該当する可能性があります。どの費用を売上原価や販管費へ分類するかは、事業の内容や会計処理によって異なります。

10.営業利益とは

本業によって残った利益

営業利益は、粗利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益です。

粗利益 - 販売費及び一般管理費 = 営業利益

中小企業庁は、営業利益を企業本来の営業活動から生じた利益と説明しています。1か月の数字が次のとおりだったとします。

売上高500,000円
売上原価-200,000円
粗利益300,000円

さらに、次の販管費がかかりました。

費用金額
決済・販売手数料50,000円
配送・梱包費50,000円
広告費30,000円
ECシステム費20,000円
人件費100,000円
合計250,000円
踊り場3【営業利益】ついに残った「本当の利益」。限界利益200,000円から固定費150,000円(システム費・広告費・人件費)を引くと営業利益50,000円。限界利益-固定費=営業利益。売上が500,000円あっても、手元に残る営業利益は50,000円という現実を直視する
粗利益300,000円 - 販管費250,000円 = 営業利益50,000円

売上が500,000円あっても、営業利益は50,000円です。

粗利益・限界利益・営業利益を一つの例で見る

売上500,000円のEC事業を考えます。商品の仕入原価が200,000円、その他の変動費(決済手数料20,000円、販売手数料30,000円、配送・梱包費50,000円)が合計100,000円、固定費(ECシステム費20,000円、固定の広告費30,000円、人件費100,000円)が合計150,000円です。

粗利益
  • 売上高500,000円
  • -売上原価200,000円
  • =粗利益300,000円
限界利益
  • 変動費は売上原価200,000円とその他の変動費100,000円
  • 売上高500,000円-変動費300,000円
  • =限界利益200,000円
限界利益200,000円 - 固定費150,000円 = 営業利益50,000円

損益計算書の形で見ると、粗利益300,000円-変動的な販管費100,000円-固定的な販管費150,000円=営業利益50,000円となります。

統合:3つの利益の比較マトリクス。粗利益(Gross Profit=売上-売上原価、商品そのものの基本的な稼ぐ力)、限界利益(Marginal Profit=売上-変動費、固定費の支払いに回せる金額)、営業利益(Operating Profit=粗利益-販管費、本業全体で最終的に残った利益)
利益計算方法何が分かるか
粗利益売上-売上原価商品そのものの基本的な稼ぐ力
限界利益売上-変動費固定費の支払いに回せる金額
営業利益粗利益-販管費本業全体で最終的に残った利益

ECで見落としやすい費用

ECでは、商品原価だけを引いて「利益が出ている」と判断しないことが重要です。

  • 決済手数料:クレジットカードなどの支払い処理で発生します。
  • 販売手数料:ECモールやマーケットプレイスで、売上に応じて発生する場合があります。
  • 振込手数料:売上金を銀行口座へ振り込む際に発生する場合があります。
  • 梱包費:箱、袋、緩衝材、テープ、ラベルなどが必要です。
  • 配送料:購入者から送料を受け取っていても、配送会社へ支払う送料との差額を確認します。
  • 倉庫費:保管料、入庫料、ピッキング料、出荷料などが発生する場合があります。
  • 広告費:商品を見つけてもらうための検索広告、SNS広告などです。
  • 返品・再発送費:返品送料、返金手数料、再梱包、再発送などが発生します。
  • 値引き・クーポン:誰が値引き分を負担するか確認します。
  • 人件費:商品登録、受注、梱包、発送、問い合わせなどの作業時間にも費用がかかります。

よくある勘違い

罠を避ける:EC事業よくある3つの勘違い。「仕入れた商品はすぐ全額が売上原価になる」ではなく「売れずに残った商品は在庫。売れた分だけが原価」。「送料無料なら送料は存在しない」ではなく「送料は消えない。販売者が利益の中から負担している」。「黒字なら銀行口座にお金がたっぷりある」ではなく「利益と資金繰りは別。入金タイムラグや在庫仕入れで現金は先に減る」
✕ 勘違い1
売上が100万円なら100万円もうかった
◯ 実際は
売上から商品原価、送料、手数料、広告費、人件費などを差し引く必要があります。
✕ 勘違い2
販売価格から仕入価格を引けば最終利益が分かる
◯ 実際は
分かるのは、主に商品1個の基本的な粗利益です。EC運営に必要なその他の費用は、まだ引かれていません。
✕ 勘違い3
仕入れた商品は、すぐ全額が売上原価になる
◯ 実際は
売れずに残った商品は在庫になるため、仕入金額と売上原価が異なる場合があります。
✕ 勘違い4
粗利益と限界利益は同じ
◯ 実際は
粗利益は売上から売上原価を引きます。限界利益は、商品原価だけでなく、決済手数料や販売手数料などの変動費も差し引きます。
✕ 勘違い5
粗利益がプラスなら事業は黒字
◯ 実際は
粗利益から広告費、人件費、システム費などを差し引くと、営業利益がマイナスになる場合があります。
✕ 勘違い6
送料無料なら送料は存在しない
◯ 実際は
購入者が送料を払わなくても、販売者が配送会社へ送料を支払っている場合があります。送料無料は、送料が消えるのではなく、販売者が商品価格や利益の中から負担する仕組みです。

実際のケースで考えてみよう

ケース|手作りクッキーをEC販売する

ケーススタディ:手作りクッキーの解剖学。販売価格3,000円から材料・製造費900円、箱・緩衝材150円、決済・販売手数料300円、配送費自社負担650円を引くと限界利益1,000円。損益分岐点:月の固定費が100,000円の場合、このクッキーを毎月100箱売って利益が0円(トントン)になる

手作りクッキーを1箱3,000円で販売します。1箱当たりの費用は次のとおりです。

費用金額
材料・製造費900円
箱・緩衝材150円
決済手数料120円
販売手数料180円
配送費の自社負担650円
変動費合計2,000円
販売価格3,000円 - 変動費2,000円 = 限界利益1,000円

1箱売れるごとに1,000円が固定費の支払いへ回ります。

固定費金額
ECシステム10,000円
作業場所20,000円
固定の人件費50,000円
その他20,000円
合計100,000円

固定費100,000円を限界利益1,000円でまかなうには、単純計算で100箱必要です。

100,000円 ÷ 1,000円 = 100箱

これは利益が0円になる販売数量です。100箱より多く売れれば利益が出る可能性があり、少なければ固定費を回収できません。詳しい損益分岐点は、DAY13で学びます。

EC事業のお金を確認する10の質問

実践:自社のECビジネスを点検する10の質問。販売価格は明確か、商品1個の原価はいくらか、手数料率を正確に把握しているか、1件あたりの梱包費はいくらか、送料は自社と購入者どちらがいくら負担しているか、1件の注文を得るための広告費はいくらか、返品率・返品コストはどのくらいか、毎月の固定費はいくらか、商品1個あたりの限界利益はいくらか、月末に残る営業利益はいくらか
  1. 販売価格はいくらですか?税込・税抜、送料込み・送料別も確認します。
  2. 商品1個の原価はいくらですか?仕入商品か、自社製造品かを分けます。
  3. 売れるごとに発生する手数料はいくらですか?決済手数料、販売手数料などを確認します。
  4. 梱包費はいくらですか?箱、袋、緩衝材、ラベルなどを含めます。
  5. 送料を誰が負担しますか?購入者負担、自社負担、一部負担を確認します。
  6. 広告費はいくらですか?月額だけでなく、1件の注文を得るためにいくら使ったかも確認します。
  7. 返品率はどのくらいですか?返品送料、再発送、商品廃棄などの費用を確認します。
  8. 毎月発生する固定費はいくらですか?システム費、人件費、家賃などを整理します。
  9. 粗利益と限界利益はいくらですか?商品原価だけでなく、変動費全体を確認します。
  10. 営業利益はいくら残っていますか?本業全体の費用を差し引いた結果を確認します。

やってみよう|商品1個の利益シミュレーター

販売価格や原価、手数料を入力すると、粗利益・限界利益・月間の営業利益・損益分岐点の目安が自動で計算されます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

粗利益(1個)
限界利益(1個)/限界利益率
月間の限界利益合計
月間の営業利益(仮計算)
損益分岐点(固定費を回収するために必要な販売数)

これは仕組みを理解するための簡易計算です。実際の原価配分、税金、在庫評価、会計処理は事業の内容によって異なるため、正確な数字は税理士などへ確認してください。

もっと詳しく計算したい方へ

決済手数料・販売手数料を「円」だけでなく「%」でも入力でき、固定費を項目ごとに登録して自動で合算できる単体版のツールを公開しています。複数の商品や、固定費の内訳を細かく管理したい場合はこちらをご利用ください。

EC利益シミュレーター(単体ツール)を開く →

アウトプットワーク|EC商品の利益を整理しよう

ワークシート:あなたの商品で計算しよう。Step1:販売価格-変動費合計=限界利益。Step2:ECシステム費+家賃+固定人件費+広告費など=固定費合計。Step3:1ヶ月の限界利益総額-1ヶ月の固定費=営業利益

販売したい商品を一つ選んでください。上のシミュレーターで計算した数字を書き写しながら整理すると分かりやすくなります。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

1個当たりの計算

項目金額
販売価格
仕入原価・製造原価
粗利益
決済手数料
販売手数料
梱包費
配送費の自社負担
その他の変動費
限界利益

1か月の固定費

固定費金額
ECシステム費
家賃・倉庫費
固定の人件費
通信費
固定の広告費
その他
固定費合計

営業利益の仮計算

1か月の売上高円-売上原価円=粗利益円。
粗利益円-販売費及び一般管理費円=営業利益円。

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 売上の説明として最も近いものはどれでしょうか?

A.商品やサービスを販売して発生した金額
B.売上からすべての費用を引いた金額
C.銀行から借りたお金だけ
正解はAです。売上は、商品やサービスを販売したことで発生する金額です。売上から費用を差し引いたものが利益です。

第2問 仕入原価と製造原価の違いとして適切なものはどれでしょうか?

A.仕入原価は完成品を買う費用、製造原価は商品を作る費用
B.どちらも広告費だけを表す
C.製造原価には材料費が含まれない
正解はAです。完成した商品を外部から買う場合は仕入原価、材料などから商品を作る場合は製造原価として考えます。

第3問 粗利益の計算方法はどれでしょうか?

A.売上高-売上原価
B.売上高+売上原価
C.売上高-銀行預金
正解はAです。粗利益は、売上高から売上原価を差し引いて計算します。

第4問 限界利益の計算方法はどれでしょうか?

A.売上高-変動費
B.売上高-固定費だけ
C.売上高+変動費
正解はAです。限界利益は、売上高から変動費を差し引いて計算します。

第5問 次のうち、変動費になりやすいものはどれでしょうか?

A.販売ごとに発生する決済手数料
B.毎月一定の事務所家賃
C.固定給の人件費
正解はAです。売れるごとに発生する決済手数料は、販売数量や売上に応じて増減するため、変動費として管理されることがあります。

第6問 営業利益の説明として最も近いものはどれでしょうか?

A.本業の売上から売上原価と販管費を差し引いて残った利益
B.商品を仕入れた金額
C.購入者が支払った送料だけ
正解はAです。営業利益は、粗利益から販売費及び一般管理費を差し引いた、本業による利益です。

第7問|実務判断問題 商品を5,000円で販売しています。1個当たりの費用は、商品原価2,000円、決済手数料200円、販売手数料300円、梱包費200円、配送費800円です。この商品の粗利益と限界利益はいくらでしょうか?

回答例を見る

粗利益:販売価格5,000円-商品原価2,000円=粗利益3,000円

変動費合計:商品原価2,000円+決済手数料200円+販売手数料300円+梱包費200円+配送費800円=3,500円

限界利益:販売価格5,000円-変動費3,500円=限界利益1,500円
粗利益は3,000円ですが、決済、販売、梱包、配送の費用を引くと、固定費の支払いに回せる限界利益は1,500円です。

よくある質問

今回のまとめ

次のステップへ。売上を喜ぶだけでなく、どの段階でいくら残っているか確認しよう。次回DAY11:「1万円の商品が売れたら利益はいくら残る?」原価、送料、梱包費、手数料を差し引き、さらに具体的な利益シミュレーションへ進みます

EC事業では、売上だけを見ても、事業がもうかっているかは分かりません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. 売上は、商品やサービスを販売して発生した金額
  2. 仕入原価は完成品を仕入れる費用、製造原価は商品を作る費用
  3. 粗利益は、売上から売上原価を引いた金額
  4. 限界利益は、売上から変動費を引いた金額
  5. 営業利益は、粗利益から販売費及び一般管理費を引いた本業の利益

ECでは、商品原価だけでなく、決済手数料、販売手数料、送料、梱包費、広告費、人件費なども確認する必要があります。売れた金額ではなく、すべての必要な費用を払ったあとに、いくら残るのかを見ることが大切です。

「売上を喜ぶだけでなく、どの段階でいくら残っているか確認しよう!」

DAY10の実践課題

販売したい商品、または普段利用しているEC商品を一つ選び、販売価格、仕入原価または製造原価、決済手数料、販売手数料、梱包費、配送費、広告費、ECシステム費、人件費、返品が発生した場合の費用を調べてみましょう。そのうえで、「売上高-売上原価=粗利益」「売上高-変動費=限界利益」「粗利益-販売費及び一般管理費=営業利益」の3つを計算してください。

正確な金額が分からない項目は0円にせず、「未確認」と記録してください。未確認の費用が見つかることも、大切な学習成果です。

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次回 DAY11:1万円の商品が売れたら利益はいくら残る?

原価、送料、梱包費、決済手数料、販売手数料、広告費を差し引き、商品1個の利益を具体的に計算します。

DAY11へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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