商品マスタとは?ECの商品名・SKU・JANコード・価格・在庫管理を分かりやすく解説 DAY14

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【DAY14】商品マスタの基本

商品名・商品コード・SKU・JANコード・価格・画像・在庫・配送条件を整理する

EC運営の土台を作る「商品マスタ」の基本。商品を正しく売って届けるための共通の説明書。カイピヨくんの一言:商品を増やす前に、情報を正しく管理できる土台を作ろう
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🔊 音声で聞く「ECの赤字を防ぐ商品マスタの鉄則」

ECサイトの商品ページには、商品名、写真、価格、在庫状況などが表示されています。購入者から見ると、そこに書かれている情報が「商品」です。しかし、ECを運営する側では、商品ページに表示する情報だけでは足りません。たとえば、次の情報も必要です。

  • 倉庫で商品を見分けるためのコード
  • 色やサイズごとの在庫数
  • 梱包後の重さと大きさ
  • 発送できる温度帯
  • 販売開始日と販売終了日
  • どの画像が正式な商品画像なのか
  • 誰が最後に情報を更新したのか
  • どの販売サイトへ掲載しているのか

こうした商品に関する情報を、決められた形でまとめたものが商品マスタです。商品マスタが整っていないと、商品が売れても、在庫不足、誤配送、価格間違い、古い画像の掲載などが起こりやすくなります。

「商品マスタは、商品を正しく売って届けるための“共通の説明書”なんだ!」

この記事で分かること

  • 商品マスタとは何か/商品ページとの違い
  • 商品名をどのように管理するか
  • 商品コード・SKU・JANコードの違い
  • 商品単位とバリエーション単位の違い
  • 価格情報の持ち方/商品画像の管理方法
  • 在庫情報の考え方
  • 重量・サイズ・温度帯など配送条件
  • 商品情報を更新・承認するルール
  • 商品マスタに起こりやすい問題
Contents
  1. 先に結論|商品マスタは「商品を動かすための元データ」
  2. 身近な例で考えると「学校の名簿と個人票」
  3. 1.商品マスタとは何か|商品に関する基準情報をまとめたもの
  4. 2.商品ページと商品マスタは何が違う?
    1. 商品ページは購入者向けの売り場
    2. 商品マスタは運営側の管理情報
  5. 3.商品情報は5つの層に分ける
  6. 4.商品名は一つではない
  7. 5.商品コードとは|自社で商品を識別するための番号・文字列
    1. 6.SKUとは|在庫を管理する最小単位
    2. 7.JANコード・GTINとは|流通で商品を識別する標準コード
  8. 8.「1商品1行」でよいとは限らない
  9. 9.価格情報は一つではない/10.画像も商品マスタの一部
    1. 商品画像は見た目だけの資料ではない
  10. 11.在庫は「数字を一つ入れれば終わり」ではない
    1. 12.配送条件を商品マスタへ入れる
  11. 13.販売状態を管理する
  12. 14.商品情報の3つの「正しさ」
  13. 15.誰が商品情報を更新するのか
  14. 16.商品マスタの基本テンプレート
    1. 商品基本情報
    2. SKU・識別情報
    3. 販売情報・在庫物流情報
  15. よくある失敗
  16. 実際のケースで考えてみよう|手作りマグカップを3色で販売する
  17. 商品マスタを作る12の質問
  18. やってみよう|商品コード・SKUジェネレーター&商品マスタ完成度チェック
  19. アウトプットワーク|商品マスタを1件作ってみよう
  20. 理解度チェッククイズ
  21. よくある質問
  22. 今回のまとめ
  23. 獲得バッジ

先に結論|商品マスタは「商品を動かすための元データ」

商品マスタは、単なる商品一覧表ではありません。商品を販売するために必要な情報を、関係者やシステムが共通して使うための元データです。

商品マスタは商品を動かすための元データ。中心の商品マスタから、ECサイトの商品ページ、在庫管理・注文管理、倉庫・発送、会計・売上分析、広告・外部サービスへ矢印が伸びる。重量500g→50gの入力ミスがあると、すべてのシステムにエラーが波及する。単なる商品一覧表ではない
メーカー・商品提供者
商品マスタ
ECサイトの商品ページ/在庫管理/注文管理/倉庫・発送/会計・売上分析/広告・外部サービス

商品マスタに誤りがあると、その情報を使う複数の場所にも誤りが広がります。たとえば、商品重量を500グラムと登録すべきところ、50グラムと登録したとします。その結果、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 送料が正しく計算されない
  • 倉庫の発送方法が合わない
  • 購入者へ誤った情報が表示される
  • 海外配送時の書類が正しく作れない
  • 物流費の計算を間違える

商品マスタは、購入者に見せるためだけではなく、受注・在庫・配送・売上を正しく動かすための情報基盤です。

身近な例で考えると「学校の名簿と個人票」

学校には、生徒の名前だけが並んだ名簿があります。しかし、学校を運営するためには、名前だけでは足りません。

「白いTシャツ」という名前だけでは商品は届かない。学校の名簿=商品名のみ(名前だけでは管理できない)と、個人票=商品マスタ(サイズ、仕様、包装形態まで網羅:商品コードTS-001、サイズS、素材綿100%、包装ギフト対応、保管場所A-12棚)を対比。同じ名前の商品でも、サイズや包装の違いを識別するコードがなければ正しい発送は不可能
  • 学籍番号/学年/クラス/出席番号
  • 緊急連絡先/アレルギー情報
  • 登校状況/転校・卒業の状態

同じ名前の生徒がいても、学籍番号が違えば別の人として管理できます。ECの商品も同じです。「白いTシャツ」という商品名だけでは、Sサイズ・Mサイズ・Lサイズ、半袖・長袖、通常包装・ギフト包装といった違いを正しく管理できません。そこで、商品ごと、または色・サイズごとに識別できるコードを設定します。

1.商品マスタとは何か|商品に関する基準情報をまとめたもの

商品マスタとは、商品を識別し、販売・在庫・配送などに利用する基本情報をまとめたデータです。一般的には、スプレッドシート、在庫管理システム、ECシステム、商品情報管理システムなどで管理します。商品マスタには、次のような情報が含まれます。

分類主な情報
識別情報商品コード、SKU、JANコード
表示情報商品名、説明文、画像
販売情報価格、税率、販売期間
在庫情報在庫数、在庫管理の有無
物流情報重量、サイズ、温度帯
管理情報公開状態、更新日、担当者

すべての会社が同じ項目を使うわけではありません。食品、衣類、工芸品、デジタル商品など、商品によって必要な項目が変わります。

2.商品ページと商品マスタは何が違う?

「見せるための売り場」と「動かすための管理台帳」。商品ページ(主に使う人:購入者、目的:商品を知り購入する、公開範囲:外部へ公開、原価/内部コード:表示しない、更新履歴:見せない)と商品マスタ(主に使う人:販売者・倉庫・システム、目的:商品を正しく管理する、公開範囲:原則として社内管理、原価/内部コード:管理・識別に必須、更新履歴:管理対象になる)を比較。商品ページは売り場、商品マスタは売り場を支える管理台帳

商品ページは購入者向けの売り場

商品ページは、購入者が見る画面です。主に次の内容を掲載します。

  • 商品名/商品画像/販売価格
  • 商品説明/サイズや仕様
  • 在庫状況/発送予定/カートボタン

商品マスタは運営側の管理情報

商品マスタには、購入者へ見せない情報も含まれます。

  • 内部用商品コード/仕入原価/仕入先
  • 倉庫の保管場所/商品登録担当者/公開承認者
  • 取扱終了の予定/画像ファイルの保存場所/外部システム連携用ID
比較項目商品ページ商品マスタ
主に使う人購入者販売者・倉庫・システム
目的商品を知り、購入する商品を正しく管理する
公開範囲外部へ公開原則として社内管理
原価通常は表示しない管理する場合がある
内部コード表示しない場合がある識別に使用する
更新履歴購入者には通常見せない管理対象になる

「商品ページは“売り場”、商品マスタは“売り場を支える管理台帳”だよ!」

3.商品情報は5つの層に分ける

商品マスタを一つの長い項目一覧として作ると、何のための情報か分かりにくくなります。次の5つに分けると整理しやすくなります。

商品情報は5つの階層で整理する。1識別情報(商品コード・SKU・JAN/GTIN)、2管理情報(登録担当者・更新日・情報提供者)、3在庫・配送情報(在庫数・重量・梱包サイズ・温度帯)、4販売情報(通常価格・セール価格・販売期間)、5表示情報(商品名・画像・説明文)。膨大な項目を1つの長いリストにせず5つの目的に分けて設計することで、誰がどの項目を更新すべきかが明確になる
① 商品を識別する情報
  • 商品コード
  • SKU
  • JANコード・GTIN
  • 商品名
  • ブランド
  • 商品分類
② 購入者へ表示する情報
  • 表示用商品名
  • 商品説明
  • 商品画像
  • 色・サイズ
  • 使用方法
  • 注意事項
③ 販売するための情報
  • 通常価格
  • セール価格
  • 税区分
  • 販売開始日
  • 販売終了日
  • 公開状態
④ 在庫・配送に必要な情報
  • 在庫数
  • 重量
  • 商品サイズ/梱包後サイズ
  • 温度帯
  • 発送までの日数
  • 配送不可地域
⑤ 管理・確認のための情報
  • 情報提供者
  • 登録担当者
  • 公開承認者
  • 更新日
  • 情報の確認状態
  • 備考

4.商品名は一つではない

ECでは、「商品名」を一つだけ持たせると管理しにくい場合があります。たとえば、次の商品を販売するとします。

購入者向けの商品名

千葉県産落花生を使った香ばしいピーナッツバター 120g
商品ページで魅力を伝えるための名前です。

社内管理用の商品名

PB落花生120g・通常
一覧表や倉庫で見分けやすくするための名前です。

納品書に表示する名称

ピーナッツバター 120g
文字数や帳票の見やすさに合わせて、短い名前を使うことがあります。

項目用途
正式商品名メーカーが定めた名称
EC表示名商品ページで表示する名称
社内管理名社内で識別しやすい名称
帳票表示名納品書や送り状で使う名称
検索用キーワードサイト内検索などに使う言葉

ただし、必要以上に名前を増やすと更新漏れが起こります。どの名前をどこで使うのかを決めておきます。

商品名で確認すること:正式な名称は何か/内容量やサイズを含めるか/色や種類を含めるか/ブランド名を含めるか/文字数制限があるか/変更した場合にどこを更新するか/古い商品名が残っていないか

5.商品コードとは|自社で商品を識別するための番号・文字列

3つの識別コードの役割と違い。商品コード(自社で商品全体を識別する、例:FD-JAM-001)、SKU(在庫を管理する最小単位、例:FD-JAM-001-120、色・サイズなどを追加)、JANコード/GTIN(流通全体での国際標準コード、例:4901234567890)。商品とSKUはイコールとは限らず、自社でどの単位を表しているかを統一することが重要

商品コードは、自社の中で商品を識別するために設定するコードです。たとえば、次のようなコードを使います。

FD-JAM-001
FD=食品/JAM=ジャム/001=商品番号

商品コードの付け方は、会社ごとに決められます。ただし、誰か一人にしか分からない複雑なルールにすると、運用が難しくなります。

商品コードを設定する理由
  • 同じような商品名を区別する
  • 商品名が変わっても同じ商品として管理する
  • 注文データと在庫をつなぐ
  • 倉庫へ正しい商品を指示する
  • 売上を商品別に集計する
  • 複数のシステムを連携する
避けたい商品コード
  • 意味が分からない(A、B、Cなど)
  • 商品名をそのままコードにする(長すぎて扱いにくい)
  • 同じコードを使い回す(過去データと新商品が混ざる)

商品名は変更されることがありますが、内部の商品コードは簡単に変更しない運用が一般的です。コードを変更すると、過去の売上や在庫データとのつながりが切れる可能性があります。

6.SKUとは|在庫を管理する最小単位

SKUは、Stock Keeping Unitの略です。一般的には、色、サイズ、容量などの違いを含めて、在庫を別々に管理するための単位やコードとして使われます。Shopifyでは、SKUを商品やバリエーションの在庫・売上を社内で追跡するためのコードと説明し、正確な管理のため、各商品バリエーションに重複しないSKUを設定することを案内しています。

Tシャツ1種類を販売するとします。購入者から見ると一つの商品ページですが、在庫管理では色・サイズごとに分かれます。

商品サイズSKU
ベーシックTシャツSTS-WH-S
ベーシックTシャツMTS-WH-M
ベーシックTシャツSTS-BK-S

Shopifyでも、色やサイズなどの組み合わせを商品バリエーションとして扱い、バリエーションごとに在庫を管理できる仕組みが案内されています。

項目商品コードSKU
主な目的商品全体を識別する在庫管理単位を識別する
対象商品色・サイズ等の組み合わせ
TS-001TS-001-WH-M
同一商品内の数1つの場合が多い複数になる場合がある

実際には、商品コードとSKUを同じ意味で使う会社もあります。重要なのは言葉の呼び方ではなく、自社でどの単位を表しているのかを統一することです。SKUの詳しい設計は、DAY15で扱います。

7.JANコード・GTINとは|流通で商品を識別する標準コード

JANコードは、商品についているバーコードの下に表示されている数字として知られています。GS1では、GTINを商品・サービスを識別するための国際標準コードの総称としており、日本で一般的なJANコードには13桁のGTIN-13と8桁のGTIN-8があります。GTIN・JANコードは、商品のブランドを持つ事業者などが、商品ごとに設定します。

項目SKUJANコード・GTIN
主な用途自社内の在庫管理流通全体での商品識別
付ける人自社で設定ブランドオーナー等がルールに従い設定
形式自社で決めた英数字など標準化された数字
他社との共有自社内中心小売・物流・取引先で利用
すべての商品に必要か管理上設定することが多い販売方法や商品によって異なる

一点物の工芸品、個人が制作した作品、受注生産品、自社内だけで扱う商品、デジタル商品などでは、JANコードが付いていない場合があります。JANコードがなくても、自社のSKUや商品コードを設定すれば、社内で在庫や注文を管理できます。ただし、取引先、販売サイト、物流会社などからGTIN・JANコードを求められる場合があります。

8.「1商品1行」でよいとは限らない

商品マスタをスプレッドシートで作るとき、よくある悩みが「商品を1行にするのか、SKUを1行にするのか」という問題です。結論は、管理する目的によって異なります。

「1商品1行」の罠:データ構造の分岐。商品単位(共通情報:コードTS-001、商品名ベーシックTシャツ、素材綿100%)から、SKU単位(コードTS-001-WH-S仕様白・S在庫5、コードTS-001-WH-M仕様白・M在庫8、コードTS-001-BK-S仕様黒・S在庫2)へ矢印で分岐。色やサイズごとに商品説明を何度も入力すると更新漏れが起きるため、共通情報と変動情報を分けて管理することで正確な在庫管理が可能になる
商品単位のマスタ

商品全体に共通する情報を管理します。

  • 商品コード:TS-001
  • 商品名:ベーシックTシャツ
  • ブランド:KAIK
  • 商品説明:綿100%のTシャツ
SKU単位のマスタ

色・サイズ・在庫など、バリエーションごとに異なる情報を管理します。

  • TS-001-WH-S:白・S・在庫5・3,000円
  • TS-001-WH-M:白・M・在庫8・3,000円
  • TS-001-BK-S:黒・S・在庫2・3,000円

分けて管理するメリットは、共通情報を何度も入力しなくてよい、商品説明の更新箇所を減らせる、在庫はSKU別に細かく管理できる、同じ商品に複数の色やサイズを追加しやすい、という点です。小規模な商品数なら一つの表にまとめても運用できます。商品数やバリエーションが増えたら、商品マスタとSKUマスタを分ける方法があります。

9.価格情報は一つではない/10.画像も商品マスタの一部

商品マスタへ「価格」という列を一つだけ作ると、後から管理できなくなる場合があります。ECでは、通常販売価格、セール価格、仕入価格、原価、希望小売価格、法人向け価格、会員価格、国内向け価格、海外向け価格など、複数の価格があります。

価格と画像は単なる数字と絵ではない。価格情報ダッシュボード:通常価格5,000円・セール4,500円・原価2,000円(非公開)・適用開始日8/1が¥4,500に集約される。画像フォルダ管理:メイン・背面・パッケージ・画像ID使用許可済みの4区分。価格だけを上書きするといつなぜ変えたかが消失する。画像は購入者向けだけでなく倉庫担当者が商品を識別するための重要なデータでもある
項目
通常販売価格5,000円
セール価格4,500円
仕入原価2,000円
最低販売価格4,000円
海外販売価格6,500円

仕入原価や最低販売価格は、購入者へ公開しない内部情報です。アクセスできる担当者を制限する場合もあります。価格に付けたい関連情報として、税込・税抜、税率、送料込み・送料別、適用開始日、適用終了日、セール理由、承認者、販売チャネルがあります。価格だけを上書きすると、「いつ、なぜ変えたか」が分からなくなります。必要に応じて価格履歴を残します。

商品画像は見た目だけの資料ではない

商品画像は、購入者の判断だけでなく、商品識別にも使われます。たとえば、倉庫や問い合わせ担当者が画像を見て、商品を確認することがあります。商品マスタでは、メイン画像、正面画像、背面画像、側面画像、使用イメージ、サイズ比較画像、パッケージ画像、注意事項画像のように分けて管理できます。

項目内容
画像ID画像を識別するコード
対象商品コード/対象SKUどの商品か、色などが異なる場合
画像の種類メイン、背面、使用例など
ファイルURL保存場所
表示順/使用許可/更新日何番目に表示するか、掲載可能か、いつ更新したか

外部の販売・集客サービスでは、商品を一意に示すID、商品名、価格、在庫状況、メイン画像などの項目が使われます。Google Merchant Centerでも、商品ごとの一意のID、タイトル、価格、在庫状況、メインの商品画像などが商品データの主要項目として定められています。販売先を増やす可能性がある場合は、画像をWordPressの記事内だけに置くのではなく、再利用しやすい形で管理します。

11.在庫は「数字を一つ入れれば終わり」ではない

商品マスタへ在庫数を入れるだけでは、実際の販売可能数が分からない場合があります。たとえば、倉庫に10個あっても、次の状態があります。

在庫と配送条件の解剖学。Inventory Math:実在庫10-注文済み引当2-破損1-安全在庫1=販売可能在庫6。Size Difference Illustration:商品本体10cm×10cm×9cmのマグカップと、梱包後(送料計算用)20cm×20cm×15cmを比較。在庫は数字を一つ入れるだけでは成立せず、送料計算に必要なのは商品本体のサイズではなく梱包後の重量とサイズ
実在庫10個-注文済み・引当2個-破損1個-安全在庫1個=販売可能在庫6個
データ更新頻度
商品名少ない
商品説明ときどき
重量・サイズ商品変更時
在庫数毎日・注文ごと
価格セールや改定時

商品マスタは商品の基本情報を管理します。在庫数は注文や入荷によって頻繁に変わるため、在庫管理システムや別の在庫表で管理する場合があります。頻繁に変わる情報と、ほとんど変わらない情報を分けると管理しやすくなります。在庫管理に必要な項目は、在庫管理をするか、現在庫、引当在庫、販売可能在庫、安全在庫、入荷予定数、入荷予定日、保管場所、在庫更新日時、在庫更新元です。詳しい在庫の考え方はDAY16で扱います。

12.配送条件を商品マスタへ入れる

ECで見落とされやすいのが、配送に必要な情報です。商品名と価格が正しくても、配送条件がなければ送料計算や出荷判断ができません。

基本的な物流情報
  • 商品本体の重量/縦・横・高さ
  • 梱包後の重量/縦・横・高さ
  • 温度帯/壊れ物か/液体か
  • 天地無用か/同梱できるか
  • 発送までの日数/配送方法/発送元
食品の場合に必要になる情報
  • 常温・冷蔵・冷凍
  • 賞味期限・消費期限
  • 保存方法/アレルギー情報
  • 発送可能な期間
  • 他の温度帯商品と同梱できるか

たとえば、マグカップ本体は幅10cm×奥行10cm×高さ9cmだとします。しかし、配送時には緩衝材と箱を使うため、梱包後は幅20cm×奥行20cm×高さ15cmになります。送料や倉庫作業で使うのは、梱包後の大きさと重さです。商品本体のサイズだけを登録すると、送料を誤る可能性があります。商品によって必要な表示や法的確認が異なるため、商品マスタだけで最終判断せず、必要に応じて関係機関や専門家へ確認します。

13.販売状態を管理する

商品には「在庫あり・なし」以外にも状態があります。

販売ステータスのパイプライン管理。下書き→確認待ち→販売中から、一時停止/在庫切れ(ページは残す・再入荷通知用)と、販売終了/廃番(データは消さない・過去履歴用)に分岐。非公開(ページを消す)と在庫切れ(ページは残す)は異なる。販売終了商品も完全に削除せず、過去の売上データとの紐付けのためにステータスとして残す
状態意味
下書き情報を作成中
確認待ち内容を確認している
公開予定公開日を待っている
販売中購入できる
一時停止一時的に購入できない
在庫切れ在庫がない
予約受付中将来の入荷・製造分を販売
販売終了今後販売しない
廃番商品自体が終了

非公開は商品ページを表示しない状態です。在庫切れは商品ページは表示するが、現在購入できない状態です。在庫切れでも、再入荷通知や商品説明を残したい場合があります。一方、販売してはいけない商品は、ページ自体を非公開にする必要があります。

14.商品情報の3つの「正しさ」

商品マスタでは、次の3つを一致させることが重要です。

核心の原則:商品情報の3つの正しさ。現物の正しさ(内容量、色、サイズ、成分、パッケージ)、システムの正しさ(商品コード、SKU、在庫数、重量、価格)、表示の正しさ(商品名、商品画像、販売価格、在庫表示、配送条件)が重なる中心に完璧なEC運営がある。トラブル例:ジャムの内容量を150gから120gに減らした際、商品ページだけを書き換えて商品マスタと倉庫データを直さないと、旧商品と新商品が混ざり誤配送が発生する
① 現物の正しさ

実際の商品がどうなっているか。

  • 内容量/色/サイズ
  • 成分/パッケージ
② システムの正しさ

商品マスタや在庫システムの情報。

  • 商品コード/SKU
  • 在庫数/重量/価格
③ 購入者向け表示の正しさ

商品ページで表示している情報。

  • 商品名/商品画像
  • 販売価格/在庫表示/配送条件

実際の商品=商品マスタ=商品ページ。この3つが一致していないと、トラブルが起こります。たとえば、ジャムの内容量を150グラムから120グラムへ変更した場合、商品マスタを更新、商品ページを更新、商品画像を差し替え、重量を更新、梱包サイズを確認、在庫を旧商品と分ける、SKUやJANコードの扱いを確認、倉庫へ変更を共有、販売開始日を決める、といった作業が必要になる可能性があります。商品ページの文章だけを直せば終わりではありません。

15.誰が商品情報を更新するのか

商品情報が古くなる大きな原因は、担当者が決まっていないことです。次のような役割を決めます。

情報を劣化させないための運用ルール。情報提供者→登録担当者→確認・公開承認者→更新・在庫担当者の円環サイクル。必須ルール:口頭やチャットでの「価格変えておいて」はNG。変更依頼には対象コード・変更前後・理由・適用日を必ず明記すること。担当者不在が、情報が古くなる最大の原因
役割主な仕事
情報提供者正式な商品情報を渡す
登録担当者商品マスタへ入力する
確認担当者入力内容を確認する
公開承認者販売してよいか判断する
更新担当者変更内容を反映する
在庫担当者在庫情報を管理する
商品情報の変更依頼に必要なもの:対象の商品コード/変更する項目/変更前の内容/変更後の内容/変更理由/適用開始日/影響する販売サイト/確認者/完了日。口頭やチャットだけで「価格を変えておいて」と依頼すると、変更漏れや認識違いが起こりやすくなります。

16.商品マスタの基本テンプレート

最初からすべての項目を作る必要はありません。まずは次の基本項目から始めます。

商品基本情報

項目入力例
商品コードFD-JAM-001
商品名いちごジャム
表示用商品名千葉県産いちごの手作りジャム
ブランド○○ファーム
カテゴリ食品・ジャム
販売状態販売中

SKU・識別情報

項目入力例
SKUFD-JAM-001-120
JANコード4901234567890
サイズ・容量120g

販売情報・在庫物流情報

項目入力例
通常価格1,500円
セール価格1,350円
販売可能在庫30個
商品重量/梱包後重量250g/400g
梱包サイズ20×15×10cm
温度帯常温
発送目安3営業日以内

税率や表示の最終判断は、商品の内容や取引条件に応じて確認します。

よくある失敗

よくある8つの失敗(アンチパターン)。商品名だけで在庫を管理する、商品コードとJANコードを混同する、色/サイズ違いを同じSKUにする、商品ページだけを更新する、重量に商品本体の重さしか入れない、販売終了商品をマスタから完全削除する、価格を上書きして変更履歴を消す、複数の表(営業・倉庫・EC)で別々に更新する。一つでも当てはまる場合は商品マスタの運用ルールの見直しが必要
失敗1|商品名だけで在庫を管理する
似た商品や同じ商品名があると、誤出荷の原因になります。商品コードやSKUで識別します。
失敗2|商品コードとJANコードを同じものだと思う
商品コードは自社内部で使うコード、JANコード・GTINは標準化された商品識別コードです。用途を分けます。
失敗3|色・サイズ違いを同じSKUで管理する
白のMサイズと黒のMサイズは、別々の在庫です。同じSKUにすると、どちらが売れたか分からなくなります。
失敗4|商品ページだけを更新する
商品ページは直っていても、倉庫やCSVに古い情報が残る可能性があります。元となる商品マスタから更新します。
失敗5|重量に商品の重さだけを入れる
送料計算には、梱包後の重量やサイズが必要です。
失敗6|販売終了商品を削除する
完全に削除すると、過去の注文や売上の確認が難しくなる場合があります。削除せず「販売終了」として残す方法があります。
失敗7|価格を上書きして履歴を残さない
いつから、なぜ価格を変えたか分からなくなります。必要に応じて適用日や変更履歴を残します。
失敗8|複数の表で別々に更新する
営業用、倉庫用、EC用の表が別々にあり、それぞれ価格や商品名が違う状態です。正式な元データを一つ決めます。

実際のケースで考えてみよう|手作りマグカップを3色で販売する

工房が手作りマグカップを販売します。色は白・青・茶の3種類です。商品ページは一つですが、在庫は色ごとに異なります。

実践ケーススタディ:青い手作りマグカップの悲劇。失敗:情報の分断(商品ページには在庫切れSold Outと表示、倉庫の紙には青:残り2個、倉庫の表が古いため誤って電話注文を受けてしまった)。原因:ページだけを更新し、倉庫の表を直さなかった。解決策:一元管理(SKU別に一元化された在庫をECサイトと電話受付の両方が参照する仕組み:MG-001-WH白5、MG-001-BL青0、MG-001-BR茶8)。対策:正式な在庫データを1カ所に定め、全チャネルが参照する仕組みを作る
SKU在庫画像
MG-001-WH5個白の商品画像
MG-001-BL2個青の商品画像
MG-001-BR8個茶の商品画像

青が売り切れたため、担当者が商品ページへ「青は在庫切れ」と表示しました。しかし、倉庫の表では青の在庫が2個のままでした。翌日、倉庫担当者が電話注文で青を販売してしまいました。

原因:商品ページと倉庫表を別々に更新している/正式な在庫データが決まっていない/SKU単位の在庫更新ルールがない/更新日時を共有していない

改善方法:SKUごとに在庫を管理する/正式な在庫データを一つ決める/商品ページは正式データから更新する/電話注文や実店舗販売も同じ在庫から減らす/更新エラー時の確認担当を決める

商品マスタを作る12の質問

  1. この商品を識別する商品コードはありますか?商品名が変わっても同じ商品を追えるコードを決めます。
  2. 色・サイズ・容量ごとに在庫は分かれますか?分かれる場合はSKU単位で管理します。
  3. JANコード・GTINはありますか?商品本体、メーカー資料、取引先情報などを確認します。
  4. 正式な商品名は何ですか?社内で勝手に略した名前と分けます。
  5. 購入者へ表示する価格はいくらですか?税込・税抜、送料込み・別を確認します。
  6. 原価や仕入価格は誰が見られますか?公開情報と内部情報を分けます。
  7. 正しい商品画像はどこにありますか?古いパッケージ画像が残っていないか確認します。
  8. 在庫を更新する元データはどこですか?EC画面、倉庫表、在庫システムのどれが正式か決めます。
  9. 梱包後の重量・サイズは分かりますか?配送方法と送料計算に使用します。
  10. 発送条件は何ですか?温度帯、発送日、同梱可否などを確認します。
  11. 販売状態を誰が変更しますか?公開、一時停止、販売終了の権限を決めます。
  12. 情報変更を誰が承認しますか?登録担当者だけで公開しない確認体制を作ります。

やってみよう|商品コード・SKUジェネレーター&商品マスタ完成度チェック

商品コードを入力し、色やサイズなどのバリエーションを追加すると、SKUの形式(商品コード-略称)を自動で組み立てます。さらに商品マスタの主要項目をチェックしていくと、どこまで情報が揃っているかが一目で分かります。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

チェックリスト&ネクストステップ。色・サイズ・容量ごとにSKUを分けているか、梱包後の重量・サイズを登録しているか、価格や表示の変更ルール・承認者は決まっているか、在庫を更新する正式な元データは1つに定まっているか。まずは身近な商品を1つ選び、商品マスタの全項目を埋めてみましょう。未確認項目が見つかれば、それは販売前に防げたトラブルです

① 商品コード・SKUジェネレーター

まだSKUが追加されていません。商品コードとバリエーションを入力して追加してください。

② 商品マスタ完成度チェック

入力・確認できている項目にチェックを入れてください。分からない項目はチェックを付けず「未確認」のままにしておくのが安全です。

識別情報
販売情報
在庫・配送情報
管理情報
完成度:0%0 / 16項目)

これは仕組みを理解するための簡易チェックです。実際の運用では、社内の商品マスタ規定や在庫システムのルールに従って確認してください。

アウトプットワーク|商品マスタを1件作ってみよう

販売したい商品、または普段購入している商品を一つ選んでください。分からない項目は空欄のままにせず、「未確認」と記入してください。

① 商品を識別する

項目内容
商品コード
SKU
JANコード・GTIN
正式商品名/社内管理名
ブランド/カテゴリ

② 購入者へ表示する

表示用商品名/商品説明
メイン画像/追加画像
色・サイズ・容量/注意事項

③ 販売条件を整理する

通常価格/セール価格
税区分/送料込み・送料別
販売開始日・終了日/販売状態

④ 在庫・配送条件を整理する

現在庫/引当在庫/安全在庫/販売可能在庫
商品重量/梱包後重量
梱包後サイズ/温度帯
発送までの日数/発送元

⑤ 管理者を決める

役割担当者
情報提供者/登録担当者
確認担当者/公開承認者
在庫更新担当者/最終更新日

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 商品マスタの説明として最も近いものはどれでしょうか?

A.商品の基本情報を管理し、販売・在庫・配送などに使う元データ
B.購入者からの問い合わせだけを記録する表
C.配送会社の車両一覧
正解はAです。商品マスタは、商品名、商品コード、価格、在庫、配送条件などを管理し、ECサイト、受注、倉庫などで共通して使う元データです。

第2問 商品ページと商品マスタの違いとして適切なものはどれでしょうか?

A.商品ページは購入者向け、商品マスタは運営・管理向け
B.商品マスタは購入者だけが使う
C.どちらにも商品情報は必要ない
正解はAです。商品ページは購入者へ商品を伝える売り場、商品マスタは販売者や倉庫が商品を正しく管理するためのデータです。

第3問 SKUの主な役割として最も近いものはどれでしょうか?

A.色やサイズなど、在庫管理単位を識別する
B.会社の電話番号を管理する
C.配送会社を決定する
正解はAです。SKUは、色やサイズなどの違いを含めて在庫を識別・管理するために使われます。

第4問 JANコード・GTINの説明として正しいものはどれでしょうか?

A.自社の担当者名を表すコード
B.流通で商品を識別するための標準コード
C.購入者が自由に変更する番号
正解はBです。GTINは商品やサービスを識別するGS1標準のコードで、日本ではJANコードとして広く使われています。

第5問 白・Mサイズと黒・MサイズのTシャツは、同じSKUでよいでしょうか?

A.在庫が別なら異なるSKUで管理する
B.色が違っても必ず同じSKUにする
C.SKUは在庫管理に使わない
正解はAです。色が異なれば、実際に保管・販売する在庫も別です。それぞれ異なるSKUを設定します。

第6問 送料計算に使う情報として、より適切なのはどれでしょうか?

A.梱包後の重量・サイズ
B.商品名の文字数
C.商品写真の枚数だけ
正解はAです。配送時には箱や緩衝材が追加されるため、送料計算では梱包後の重量とサイズを使用します。

第7問 商品が販売終了になった場合、必ずデータを完全に削除すべきでしょうか?

A.過去データとの関係を残すため、販売終了状態で保持する方法がある
B.すべて即座に削除する
C.商品コードを新商品へ必ず使い回す
正解はAです。完全に削除すると、過去の注文や売上で使われた商品コードとの関係が分からなくなる場合があります。販売終了や廃番の状態で残す方法があります。

第8問|実務判断問題 商品ページでは価格5,000円、商品マスタでは4,500円、モールでは4,800円になっています。どのような順番で確認・修正しますか?

回答例を見る

正式な現在価格を確認する→価格を決めた責任者と適用開始日を確認する→どのデータを価格の正式な元情報とするか確認する→商品マスタを正式価格へ修正する→商品ページとモールへ反映する→税込・税抜、送料込み・別を確認する→更新後に各販売画面を確認する→変更履歴を残す。商品ページだけを直すのではなく、元となる商品マスタとすべての販売先を確認します。

第9問|実務判断問題 同じ商品に「赤・S」「赤・M」「青・S」「青・M」があります。商品説明は同じですが、在庫と画像が異なります。商品単位とSKU単位で、どの情報を分けて管理しますか?

回答例を見る

商品単位で管理する情報:商品コード/商品名/ブランド/共通の商品説明/材質/基本的な使用方法

SKU単位で管理する情報:SKU/色/サイズ/在庫数/色ごとの画像/必要に応じて価格/JANコード/保管場所。共通する情報と、バリエーションごとに異なる情報を分けます。

よくある質問

今回のまとめ

商品マスタは、ECサイトの商品一覧を作るためだけの表ではありません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. 商品マスタは、販売・在庫・配送などで共通して使う商品の元データ
  2. 商品ページは購入者向け、商品マスタは運営・管理向け
  3. 商品コードは商品を識別し、SKUは色・サイズなどの在庫単位を識別する
  4. JANコード・GTINは、流通全体で商品を識別する標準コード
  5. 価格・画像・在庫・梱包後サイズ・販売状態まで管理する

大切なのは、項目を大量に作ることではありません。誰が、何のために使い、どのデータを正しい情報として扱うのかを決めることです。商品マスタ、実際の商品、商品ページの情報が一致していれば、価格間違い、在庫切れ、誤配送などを防ぎやすくなります。

「商品を増やす前に、商品の情報を正しく管理できる土台を作ろう!」

DAY14の実践課題

身近な商品を一つ選び、商品マスタを作成してください。最低限、商品コード、SKU、JANコード・GTIN、正式商品名、表示用商品名、ブランド、カテゴリ、通常価格、商品画像、色・サイズ・容量、在庫数、商品重量、梱包後重量、梱包後サイズ、温度帯、発送までの日数、販売状態、情報提供者、更新担当者、最終更新日を記入します。入力後、実際の商品→商品マスタ→ECサイトの商品ページの順で見比べ、商品名、価格、画像、サイズ、重量、在庫などが一致しているか確認します。分からない項目は推測で埋めず、「未確認」と記録してください。商品マスタで未確認項目が見つかることは、失敗ではありません。販売開始前に確認すべき情報が見つかったということです。

獲得バッジ

音声で学んだ
SKU設計マスター
商品マスタ作成完了
FAQマスター
クイズクリア

次回 DAY15:SKUとバリエーションの基本

色・サイズ・容量・セット内容をどこまで別の商品として管理するのか、SKU設計と在庫管理の考え方を整理します。

DAY15へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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