ステルスマーケティング規制とは?EC・口コミ・PR・アフィリエイトの表示方法 DAY38

【DAY38】ステルスマーケティング規制とは
広告・口コミ・アフィリエイト・インフルエンサー投稿の表示を整理する
DAY37では、EC広告に使用する「最高品質」「満足度No.1」「通常価格から50%OFF」「本日限定」「送料無料」といった表示について、実際の商品、価格、販売条件、根拠資料と一致させる必要があることを学びました。DAY38では、表示内容の正確さとは別に、その投稿が広告であると購入者に分かるかを整理します。
例えば、インフルエンサーがSNSへ「最近見つけたこの商品、本当におすすめ!毎日使っています!」と投稿したとします。一見すると、本人が自分で購入し、自分の意思で紹介しているように見えます。しかし実際には、企業から投稿を依頼された、報酬を受け取っている、商品を無償提供された、投稿内容を企業が確認した、という関係があるかもしれません。
購入者は、広告だと分かっていれば「企業から依頼された紹介なのだな」と考慮して内容を判断できます。一方、広告であることが隠されていると、企業と関係のない第三者による自主的な評価だと誤解する可能性があります。このように、広告であることを隠し、一般消費者が事業者による表示だと判断しにくい表示が、ステルスマーケティングとして問題になります。日本では2023年10月1日から、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示」が景品表示法上の不当表示として規制されています。
「投稿内容が本当でも、企業から頼まれた広告だと隠せば問題になることがあるよ!」
DAY37との違い
DAY37は、広告の内容は正しいか、根拠があるか、価格や条件に誤りがないかを確認しました。DAY38は、企業が関与した広告であることを購入者が認識できるかを確認します。DAY37=広告内容の正確性、DAY38=広告であることの明確性です。「PR」と表示していても、商品の効果や価格が事実と異なれば、優良誤認・有利誤認などの問題は別に残ります。
この記事で分かること
- ステルスマーケティング規制の基本、規制対象となる事業者
- インフルエンサーやアフィリエイターの立場、「事業者の表示」と判断される基準
- 商品を無償提供した場合、口コミ投稿特典を付ける場合、星5レビューを条件にする危険
- 社員が個人アカウントで投稿する場合、アフィリエイト広告の表示位置
- PR・広告表示の書き方、動画・リプライ欄だけの表示が不十分な理由
- 「お客様の声」を選んで掲載する場合、過去の投稿を修正する必要性
- 景品表示法の2つの柱|DAY37とDAY38の違い
- ステマ規制の核心|規制対象は原則として広告主
- 先に結論|2つの質問で判断する
- 「事業者の関与」とみなされる7つのトリガー
- インフルエンサーへの商品提供|危険度で考える
- 自主的に購入した投稿はPR表示の対象外
- 口コミキャンペーンの境界線|クーポンと星5条件
- レビューの修正を依頼する場合
- 「社員SNS」と「お客様の声」の落とし穴
- 明確な広告表示の書き方
- 分かりにくい広告表示・リプライ欄だけの表示はNG
- 媒体別の対応|アフィリエイト・動画・ライブ配信
- 過去の投稿も確認する
- 違反した場合の措置
- 広告主の管理体制|契約と投稿前確認手順
- 実際のケースで考えてみよう|インフルエンサーへ商品を提供した
- よくある失敗
- ステマ規制を確認する12の質問
- やってみよう|事業者の表示 判定シミュレーター&PR表示チェックリスト
- アウトプットワーク|PR・口コミ投稿管理表を作ろう
- 理解度チェッククイズ
- よくある質問
- 今回のまとめ
- 獲得バッジ
景品表示法の2つの柱|DAY37とDAY38の違い
景品表示法は、大きく分けて優良誤認・有利誤認などの「表示内容」の規制と、ステルスマーケティングなど「広告であることの明確性」の規制の両方に関係します。DAY37で扱った表示内容の正確性と、DAY38で扱う広告であることの明確性は、それぞれ別の観点から確認する必要があります。「PR」と明確に表示していても、その中身が事実と異なれば優良誤認・有利誤認の問題が残り、逆に内容が正確でも、広告であることを隠していればステマ規制の問題が残ります。両方を満たして、初めて適法な広告表示になります。
ステマ規制の核心|規制対象は原則として広告主
ステルスマーケティング告示で直接規制対象となるのは、自己の商品・サービスについて、表示内容の決定に関与した事業者、いわゆる広告主です。企業から依頼を受けたインフルエンサーやアフィリエイターは、原則として告示の直接の規制対象ではありません。ただし、インフルエンサー自身が広告主と共同して商品を供給するなど、例外的に事業者側の立場となる場合は、規制対象になる可能性があります。つまり、EC事業者は「投稿したインフルエンサーの責任だから、自社は関係ない」とは考えられません。投稿を依頼した広告主側が、表示方法を管理する必要があります。
事業者の表示とは、顧客を誘引する目的で、事業者が自社の商品・サービスの内容や価格などについて行う表示です。自社の商品ページや公式SNSは、通常、企業自身の表示だと分かります。問題になりやすいのは、インフルエンサー投稿、購入者レビュー、アフィリエイト記事、専門家コメント、社員の個人SNS、ランキングサイト、比較記事といった第三者による表示です。第三者が投稿した形式でも、企業が内容の決定に関与していれば「事業者の表示」と判断される場合があります。
企業が投稿文を一字一句指定していなくても、広告ではないとは限りません。企業がインフルエンサーへ「商品を使用した感想を投稿してくれたら報酬を支払います」と依頼した場合、「必ず褒めてください」と指示していなくても、個別の投稿依頼と報酬の関係があれば、投稿者の完全に自主的な投稿とは認められず、事業者の表示に該当する可能性が高いとされています。「表現は自由です」「正直な感想を書いてください」と伝えれば広告表示が不要になるわけではありません。
先に結論|2つの質問で判断する
ステルスマーケティングに該当する可能性を確認するときは、次の2つを順番に考えます。質問1|事業者の表示か(企業が投稿内容の決定に関与したか)。質問2|広告だと明確に分かるか(一般消費者が見たとき、企業による広告・宣伝だと認識できるか)。両方に該当する場合、つまり「事業者が内容決定に関与」+「広告であることが分かりにくい」場合に、ステルスマーケティングとして問題になる可能性があります。
重要なのは、契約書に「広告」と書いてあるかだけではありません。依頼内容、報酬、無償提供、投稿前の確認、修正指示、過去の取引、将来の仕事、投稿者との関係など、実際の状況から判断されます。
「事業者の関与」とみなされる7つのトリガー
投稿の対価は、現金だけではありません。無料の商品、無料サービス、割引、ポイント、クーポン、イベント招待、宿泊・交通費、将来の仕事、継続契約なども、企業と投稿者の関係を判断する材料になります。ただし、商品を無料で渡しただけで、すべての投稿が自動的に広告になるわけではありません。誰に、何の目的で提供し、どのようなやり取りを行ったかを総合的に確認します。
インフルエンサーへの商品提供|危険度で考える
不特定多数の人へ試供品を配り、「よろしければSNSへ感想を投稿してください」と声を掛けたケースでは、投稿の具体的な内容を指定せず、投稿するかどうかにかかわらず不特定多数へ配布しているだけであれば、通常は企業が投稿内容を決定したとは考えにくいとされています。この場合、投稿者が自主的に書いた感想は、通常、事業者の表示には該当しないと考えられます。
一方で、企業が特定のインフルエンサーを選び、商品を無料提供して投稿を依頼した場合は判断が変わります。なぜその人を選んだか、提供した商品の価値、投稿を依頼したか、過去に仕事を依頼したか、今後の仕事を予定しているか、投稿前後に内容を確認したかを確認します。企業とインフルエンサーの関係によっては、投稿内容を直接指定していなくても、事業者の表示に該当する場合があります。安全な運用としては、「○○社から商品提供を受けて投稿しています」のように、商品提供を受けたことを明確に表示します。
自主的に購入した投稿はPR表示の対象外
投稿者が企業から依頼・報酬・商品提供を受けず、自分で商品を購入し、自分の意思で感想を投稿した場合は、通常、事業者の表示には当たりません。そのため、商品について投稿するならすべてPR表記が必要というわけではありません。過去に同じ企業の別商品についてPR案件を受けたことがあっても、今回の商品を自費で購入し、企業の関与なく自主的に投稿するなら、今回の投稿に広告表示が必要とは限りません。
口コミキャンペーンの境界線|クーポンと星5条件
ECサイトで「レビューを投稿すると、次回使える500円クーポンをプレゼント」という施策を行う場合、レビューを書くことだけを条件とし、評価内容を指定しないのであれば、通常は企業がレビュー内容を決めたとは判断されにくく、ステマ告示上の事業者の表示には当たらないとされています。ただし、投稿者には、特典を受け取って投稿していることを表示してもらう運用にすると、他の購入者にとって関係性がより分かりやすくなります(例:「レビュー投稿特典としてクーポンを受け取りました」)。
一方、「星5を付けた人へクーポン」「高評価レビューでポイント進呈」「おすすめコメントを投稿した人へ特典」といった条件は問題になりやすくなります。評価を「星5」にすることや、商品を推奨する文章を書くことを条件にすると、企業が投稿内容を決定していると考えられます。この場合、レビューは事業者の表示となり、広告であることを明確にしなければ、ステマ規制に違反する可能性があります。口コミ施策では、良い評価を求めない、低評価でも特典対象にする、内容によって特典を変えない、という設計が重要です。
SNS投稿キャンペーンでも同様です。「商品を食べた感想を、指定ハッシュタグで投稿した人の中から抽選でプレゼント」というように、不特定多数へ募集し、投稿内容を自由な感想とし、内容の良し悪しが抽選結果に影響しない場合は、通常、企業が投稿内容を決めたとは考えられにくいとされています。一方で「#毎日食べたい美味しさ」「#ダイエット中にもおすすめ」「#人生で一番おいしい」など、特定の評価・推奨表現を投稿条件にすると、企業が表示内容を決めていると考えられる可能性があります。
レビューの修正を依頼する場合
購入者レビューに、存在しない機能があると記載されている、他社を誹謗中傷している、個人情報が記載されているなどの問題があれば、客観的な事実に反する部分等の修正を依頼すること自体で、直ちに企業の表示になるわけではありません。しかし「もっと高評価にしてください」「悪い感想を削除してください」「おすすめと書き換えてください」など、自社に都合のよい内容へ変更させた場合は、修正後のレビューが事業者の表示と判断される可能性があります。
「社員SNS」と「お客様の声」の落とし穴
購入者アンケートから、回答を自社サイトの「お客様の声」として掲載する場合、回答を無作為に選び、内容を変更せず掲載するのであれば、その引用部分は企業の表示とは判断されにくいとされています。一方で、良い感想だけを選ぶ、悪い部分を削って掲載する、文章の意味が変わるように編集する場合は、企業が表示内容を決めたと考えられます。この場合は「購入者アンケートから当社が一部を選定・編集して掲載しています」のように、広告として編集・掲載していることが分かるようにする必要があります。
企業が報酬を支払って依頼したインフルエンサーのコメントを、自社サイトへ「愛用者の声」「お客様の口コミ」として掲載すると、第三者による自主的な感想のように見える可能性があります。消費者庁のQ&Aでは、企業が依頼したインフルエンサーの投稿を「お客様の声」として掲載することは適切ではなく、依頼した投稿であることが明確になる形で表示する必要があるとされています(例:「当社がPRを依頼したインフルエンサーのコメントです」)。
社員が個人のSNSアカウントへ自社商品の感想を書いた場合、社員であるだけで、すべての投稿が事業者の表示になるわけではありません。ただし、商品開発担当、販売・営業担当、広告・広報担当、役員・管理職、SNS運用担当といった社員は注意が必要です。商品の販売促進を行う立場の社員が、商品の認知・販売を高める目的で投稿した場合は、企業が表示内容の決定に関与していると判断される可能性があります。投稿者のプロフィールや本文に「○○社の社員です」と書いても、それだけで投稿が企業の広告だと明確になるとは限りません。所属を明示することと、会社の販売促進目的で投稿していると示すことは異なるためです。「自社商品の広告として投稿しています」「○○社の社員として自社商品を紹介します」など、広告目的まで分かる表現にします。
明確な広告表示の書き方
消費者庁の運用例では、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」「○○社から商品提供を受けて投稿しています」「○○社から依頼を受けて紹介しています」といった表現が挙げられています。必ず特定の単語だけを使わなければならないわけではありません。投稿全体を見た一般消費者が、企業の広告・宣伝であると明確に理解できることが重要です。
分かりにくい広告表示・リプライ欄だけの表示はNG
大量のハッシュタグの最後に#PRを置く、薄い色で表示する、極端に小さい文字にする、「gifted」だけを表示する、企業名だけを書く、プロフィール欄だけに書く、投稿を開かないと見えない場所に置くといった表示は、十分に認識されない可能性があります。広告表示は、投稿の冒頭や本文中など、購入者が通常見る位置に、読み取れる大きさで表示します。
SNSの本文には商品紹介を書き、広告表示はその投稿への返信・リプライ欄にだけ記載する方法では、多くの人は返信欄を開かず、広告表示に気付かない可能性があります。消費者庁は、投稿本文ではなくリプライにだけ「広告」などと表示する方法について、通常は広告であることが明確とはいえない場合が多いとしています。本文そのものへ表示します。
媒体別の対応|アフィリエイト・動画・ライブ配信
アフィリエイトでは、紹介者が商品リンクを掲載し、そのリンクから商品が購入されると報酬を受け取ります。サイトの上部へ「このサイトはアフィリエイト広告を利用しています。」と書くだけで、必ず十分になるわけではありません。文字が読める大きさか、背景と区別できる色か、記事を開いた人が気付けるか、商品紹介部分との関係が分かるか、広告対象の記事が分かるかを確認し、サイト全体から見て広告であることが明確である必要があります。専門家コメントなど、特定部分だけを見ると自主的な意見に見える箇所がある場合、その箇所の近くでも依頼・報酬関係を示す必要があります。記事冒頭に「広告を含みます」「本記事にはアフィリエイトリンクが含まれており、リンクを通じて商品が購入された場合、当サイトが報酬を受け取ることがあります」、特定企業の依頼記事なら「本記事は○○社から依頼を受けて作成した広告記事です」、商品提供を受けた場合は「○○社から商品提供を受け、実際に使用した上で紹介しています」のように、報酬・提供関係に合った説明を使用します。
動画の冒頭に数秒だけ「この動画はプロモーションを含みます」と表示しても、途中から視聴した人は気付かない可能性があります。消費者庁は、動画では途中から視聴する可能性もあるため、冒頭だけでなく、動画全体を通じて広告だと明確になるよう画面上へ継続表示することが望ましいとしています。動画タイトルへ【PR】、概要欄の冒頭へ広告である旨、動画内で口頭説明、画面上へ「広告」「PR」を継続表示といった方法を、一つだけに頼らず組み合わせます。ライブ配信やショート動画では、視聴者が途中から参加するため、配信開始時に一度だけ口頭説明するのでは後から参加した人に伝わりません。画面上にPR表示を固定する、定期的に口頭で説明する、概要欄・タイトルにも記載する、商品リンク付近に記載するといった方法を組み合わせます。
過去の投稿も確認する
規制開始前に投稿された広告でも、2023年10月1日以降も公開され続けている場合は確認が必要です。施行前のPR投稿であっても、現在も表示されていて、企業の広告であることが明確でなければ、行政処分の対象になる可能性があります。過去のSNS投稿、ブログ記事、YouTube動画、インフルエンサー投稿、アフィリエイト記事、商品ページの口コミを確認対象とし、契約終了後も投稿が残る場合の修正・削除方法を、契約時に決めます。
違反した場合の措置
ステルスマーケティング告示に違反した場合、広告主に対して、誤認の排除、再発防止、同様の違反を行わないことなどを求める措置命令が出される可能性があります。ステマ告示への違反だけでは課徴金納付命令の対象とはされていませんが、投稿内容に優良誤認・有利誤認が含まれる場合は、そちらについて課徴金の対象となる可能性があります。つまり、広告であることを隠した上に、効果・価格表示も事実と異なる場合は、DAY37とDAY38の両方の問題が生じます。
広告主の管理体制|契約と投稿前確認手順
インフルエンサーへ「法律を守って投稿してください」と伝えるだけでは管理できません。最低限、依頼先、対象商品、投稿媒体、投稿予定日、報酬・提供品、依頼内容、禁止表現、広告表示の方法、投稿前確認、修正依頼、投稿URL、公開終了日を残します。広告主が、投稿者ごと・投稿ごとの状況を確認できる一覧を作ります。
インフルエンサー、アフィリエイター、制作会社との契約では、広告表示を明確にする、虚偽・誇大表現を使用しない、根拠のない効果を記載しない、企業の事前確認を受ける、修正依頼に対応する、投稿を勝手に削除・変更しない、過去投稿の修正に協力する、再委託の有無、掲載期間を決めます。ただし、契約書を作るだけでなく、実際の公開画面を確認する必要があります。投稿前の確認手順は、①依頼・報酬関係を整理→②事業者の表示か判断→③PR表示の文言・位置を決める→④商品情報・根拠を提供→⑤投稿案を確認→⑥スマホ画面で表示確認→⑦投稿を公開→⑧投稿URLを保存→⑨定期的に表示を再確認、という流れです。広告内容だけでなく、PR表示が途中で削除・変更されていないかも確認します。
実際のケースで考えてみよう|インフルエンサーへ商品を提供した
EC事業者が、新しい調理器具を販売するため、インフルエンサーへ連絡しました。依頼内容は、商品を無料提供、投稿1回を依頼、表現は自由、投稿前に企業が内容を確認、投稿後に謝礼30,000円というものでした。インフルエンサーは「最近使い始めた調理器具です。とても便利でおすすめ!」と投稿しましたが、広告・PR・商品提供に関する表示はありませんでした。
Step1〜2|企業の関与と広告表示を確認する
特定の投稿者を選定、投稿を依頼、商品を無償提供、報酬を支払う、投稿前に内容確認という関係があり、投稿内容の細かな言葉を指定していなくても、企業の依頼と報酬に基づく投稿であり、事業者の表示に該当する可能性が高いと整理できます。しかし投稿本文や画像に、企業の依頼であることが書かれておらず、購入者は投稿者が自主的に購入して紹介しているように受け取る可能性があります。
Step3〜5|表示を修正し、商品表現も確認して管理表へ登録する
投稿冒頭へ「【PR】○○社から商品提供と依頼を受けて、実際に使用した感想を投稿しています。」を追加し、ハッシュタグの最後だけではなく、本文を開いた直後に分かる位置へ表示しました。また、投稿には「誰でも料理時間が半分になります。」という文章も含まれていましたが、この効果を裏付ける資料がなかったため、DAY37の観点から削除しました。広告表示を追加しても、根拠のない効果表示が許されるわけではありません。投稿者、投稿URL、依頼日、報酬、提供商品、PR表示、投稿確認日、掲載終了日を管理表へ登録しました。
よくある失敗
ステマ規制を確認する12の質問
- 誰が投稿しましたか?購入者、社員、インフルエンサー、アフィリエイターを分けます。
- 企業が投稿を依頼しましたか?口頭、メール、契約書を確認します。
- 報酬・商品・特典を提供しましたか?現金以外も確認します。
- 投稿内容を指定しましたか?文章、評価、ハッシュタグ、画像を確認します。
- 投稿前に企業が修正しましたか?企業の関与を記録します。
- 投稿者は本当に自由に評価できますか?低評価でも不利益がないか確認します。
- 一般消費者が広告だと分かりますか?投稿全体の印象で確認します。
- PR表示は見える位置にありますか?本文・画像・動画内を確認します。
- アフィリエイト対象部分が分かりますか?サイト全体の一文だけで済ませません。
- 過去投稿も確認しましたか?現在も公開されている広告を一覧化します。
- 投稿内容の根拠がありますか?DAY37の広告内容も同時に確認します。
- 誰が公開後を管理しますか?変更・削除・契約終了後の対応を決めます。
やってみよう|事業者の表示 判定シミュレーター&PR表示チェックリスト
投稿者との関係を選ぶと、事業者の表示に該当しやすいかどうかの目安が分かります。あわせて、広告表示が実際に見える形になっているかもチェックできます。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
① 事業者の表示 判定シミュレーター
② PR表示チェックリスト
これは自己チェック用の簡易ツールです。実際の判断は投稿の実態に基づいて行ってください。
アウトプットワーク|PR・口コミ投稿管理表を作ろう
自社で実施中、または予定している口コミ・SNS施策を一つ選び、確認してください。分からない内容は推測せず、インフルエンサーとの契約、依頼メール、報酬、商品提供、投稿案、実際の公開画面、消費者庁のステルスマーケティングQ&Aを確認してください。
① 投稿者との関係
② 投稿への関与
③ 広告表示と公開後管理
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 ステルスマーケティングで問題になるものはどれでしょうか?
第2問 ステマ告示の主な規制対象は誰でしょうか?
第3問 投稿文を企業が指定していなくても、報酬を払って投稿を依頼した場合はどうでしょうか?
第4問 レビュー投稿者全員へ、評価内容に関係なくクーポンを渡す場合はどうでしょうか?
第5問 星5レビューを条件に特典を渡す場合はどうでしょうか?
第6問 社員が個人SNSで自社商品を宣伝する場合はどうでしょうか?
第7問 PR表示をリプライ欄だけに記載する方法は適切でしょうか?
第8問 アフィリエイトサイトの冒頭に広告表示があれば、必ず十分でしょうか?
第9問 動画の広告表示として望ましいものはどれでしょうか?
第10問 企業が依頼したインフルエンサー投稿を「お客様の声」として掲載してよいでしょうか?
第11問|実務判断問題 企業が購入者へ「星5レビューを投稿した方へ、次回使える1,000円クーポンを差し上げます」と案内しました。投稿者は星5と付けましたが、広告・特典に関する表示はありません。何が問題でしょうか?
回答例を見る
企業が「星5」という評価内容を指定し、クーポンを提供しているため、投稿は企業が内容決定に関与した事業者の表示となる可能性があります。それにもかかわらず、クーポン提供や企業の関与が表示されていないため、一般の購入者は自主的な高評価レビューだと誤解する可能性があります。改善例:評価内容にかかわらずレビュー投稿者全員へ同じ特典を提供する、または企業の関与がある投稿については特典付き投稿であることを明確に表示します。
第12問|表示判断問題 YouTube動画の冒頭3秒だけに「この動画はプロモーションを含みます」と表示しました。20分の動画では、その後広告表示が一切ありません。これだけで十分でしょうか?
回答例を見る
十分とは限りません。動画を途中から視聴した人は、冒頭の表示を確認できません。
対応例:動画タイトルへ【PR】、冒頭で口頭説明、概要欄の冒頭に記載、動画画面へ継続して「PR」と表示、などを組み合わせ、動画全体から広告であることが明確になるようにします。
よくある質問
必ずとは限りません。提供の目的、投稿依頼の有無、過去・将来の取引、投稿内容への関与などから判断されます。特定の投稿者へ商品を提供して投稿を期待する場合は、提供を受けたことを表示する運用が安全です。
企業からの依頼・報酬・商品提供がなく、自主的に投稿する場合は、通常、PR表示は必要ありません。
広告であることの明示にはなりますが、商品効果、価格、比較、No.1などの表示が事実と異なる場合は、別途、優良誤認・有利誤認などの問題が残ります。
大量のハッシュタグに埋もれ、通常の閲覧者が気付けない場合は不十分になる可能性があります。本文冒頭など、明確な位置へ表示します。
評価内容に関係なく、レビュー投稿自体への特典とする方法は考えられます。星5や推奨コメントを特典条件にしないことが重要です。
個人情報、誹謗中傷、客観的な虚偽など、掲載基準に沿って対応することは考えられます。ただし、自社に不都合な低評価だけを削除・修正すると、企業がレビュー表示を作り変えたと判断される可能性があります。
会社への所属だけで、広告目的まで明確になるとは限りません。「自社商品の広告として紹介します」など、投稿の性質まで示します。
記事冒頭など通常の閲覧で気付ける位置に表示します。特定の広告コメント・専門家コメント等は、その箇所の近くでも関係性を明示します。
施行前の投稿でも、現在公開されている場合は対象になり得ます。PR表示が不明確な投稿を一覧化し、修正・削除を確認します。
告示の規制対象は原則として広告主です。契約だけでなく、公開後の投稿確認と修正依頼が必要です。
ステマ告示違反だけでは課徴金納付命令の対象ではありません。ただし、優良誤認・有利誤認も含まれる場合は、そちらが課徴金の対象になる可能性があります。
消費者庁の告示、運用基準、ステルスマーケティングQ&Aを確認し、個別の契約・投稿について判断できない場合は、弁護士などの専門家へ相談します。
今回のまとめ
ステルスマーケティング規制で重要なのは、広告らしい派手な表現があるかどうかではありません。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- 企業が投稿内容の決定に関与したかを確認する
- 報酬だけでなく、商品提供や継続的な関係も確認する
- 星5や推奨コメントを口コミ特典の条件にしない
- 広告・PR表示は閲覧者が通常気付く位置へ置く
- 広告主が依頼から公開後まで投稿を管理する
基本的な確認の流れは、投稿を企画→投稿者との関係を整理→企業の表示か判断→広告表示の文言・位置を決定→商品情報と根拠を確認→投稿内容を確認→スマートフォンで表示確認→公開→投稿URLを保存→公開後も定期確認→契約終了後の修正・削除、という順です。大切なのは、とりあえず「#PR」を付けることだけではありません。企業がどこまで投稿へ関与したのかを整理し、閲覧者が第三者の自主的な口コミと企業の広告を区別できる状態にすることが重要です。
「本音で書いた感想でも、企業から依頼された投稿なら広告になることがあるよ。関係性を隠さず、最初から分かるようにしよう!」
DAY38の実践課題
自社で実施中、または予定している口コミ・SNS施策を一つ選び、確認してください。投稿者、投稿依頼の有無、報酬、商品提供、過去の取引、今後の契約予定を書き出し、文章指定、評価指定、ハッシュタグ指定、投稿前確認、修正依頼の有無を整理します。広告表示の文言・位置、画像・動画内表示、スマートフォンでの確認状況を確認し、投稿URL、確認担当者、確認頻度、掲載終了日、過去投稿の確認状況を記録してください。分からない内容は推測せず、インフルエンサーとの契約、依頼メール、報酬、商品提供、投稿案、実際の公開画面、消費者庁のステルスマーケティングQ&Aを確認してください。


