国際配送の追跡・保険・配送事故とは?紛失・破損・遅延時の対応をわかりやすく解説 DAY61
【DAY61】国際配送の追跡・保険・配送事故
追跡番号の見方、紛失・破損・遅延が起きたときの確認方法、保険・補償の違いを整理する
DAY60では実重量・容積重量・請求重量を学び、商品をいくらで送れるのかを整理しました。では、送料を払い海外へ発送した後は、どうなるのでしょうか。8月1日に発送、8月2日に日本を出発、8月3日に海外へ到着。ところが8月4日・5日・6日と追跡がまったく更新されません。購入者から「まだ届きません」と問い合わせが来ました。担当者は「追跡が3日動いていないので紛失です。新しい商品を送ります」と判断しました――これは正しいでしょうか?
まだ分かりません。輸入通関中、現地配送拠点への移動中、スキャン情報の反映待ち、悪天候、休日、書類確認、受取人への連絡待ちなど、別の原因かもしれません。UPSの公式追跡案内でも、長距離輸送中は次の拠点に到着するまで追加スキャンが行われない場合があり、「Exception」は予期せぬ事象によって配送予定が変更された可能性を示すステータスとされています。日本郵便も、相手国の状況によって追跡情報の一部を取得できなかったり、最新情報の反映に時間がかかったりする場合があると案内しています。つまり追跡停止≠即紛失です。
一方、本当に紛失しているならただ待ち続けることもできません。調査・購入者への連絡・代替品・返金・配送会社への請求などを期限内に進める必要があります。さらに破損事故なら、箱を捨ててしまう前に写真・梱包材・商品・配送ラベル・Invoiceなどを証拠として残す必要があります。FedEx Japanでは破損請求時に元の箱・梱包材・内容品を検査可能な状態で保管するよう求めており、UPS Japanでも破損品・梱包状態・ラベル・外箱の写真等が請求資料として必要になる場合があります。
「“届かない!”と思っても、すぐ紛失とは限らないよ。まず追跡→通関→配送会社→調査の順番で、事実を整理しよう!」
DAY60は発送前の「いくらで送る?」、DAY61は発送後の「送った後、ちゃんと届いている?」です。なお住所入力ミスそのものは深掘りせず、当初予定どおりDAY62で整理します。
この記事で分かること
- Tracking Numberとは何か
- 追跡ステータスの見方
- Exception・通関保留とは何か
- 紛失・誤配・破損の分類
- Claimの証拠と保存方法
- Carrier標準補償と貨物保険の違い
- EMSの補償制度
- Claim Deadlineの管理
- 購入者対応とCarrier対応の分離
- 配送事故KPIと事故率
- 発送前チェックリスト
- 再発送・返金の判断基準
この学習シリーズでは、配送会社の担当者になることではなく、事実を分類し、証拠を保存し、必要な窓口へつなげられる状態を目指します。
先に結論|配送トラブルは5種類に分ける
「届かない」を一つにまとめないでください。
① 遅延
まだ配送中。
② 通関保留
税関・輸入手続で止まっている。
③ 配送Exception
住所・天候・不在・書類等で通常配送から外れている。
④ 紛失・誤配
所在不明、または別住所へ配達された可能性。
⑤ 破損・不足
荷物は届いたが商品が壊れている・一部足りない。
そのうえで、追跡確認→原因分類→証拠保存→配送会社へ連絡・調査→購入者対応→補償・保険請求→社内記録という順番で進めます。追跡番号(Tracking Number)は配送会社が荷物を識別するための番号で、注文番号とは別です。クーリエや航空貨物ではAir Waybill(AWB)番号が使われ、例えばDHL Expressでは10桁のWaybill Numberが発行されます。日本郵便の国際郵便追跡番号は英字2文字+数字9桁+英字2文字という13文字形式が代表的ですが、一部の通常扱い小形包装物等に付く番号は追跡用バーコードではない場合があります。番号があるからといって必ず追跡サービス対象とは限らないため、利用サービスのTracking可否を確認します。
追跡ステータスの見方
追跡は、配送会社のネットワーク内で荷物がどこまで処理されたかを確認する仕組みです。GPSで荷物を1秒ごとに見ているわけではなく、ラベル作成・集荷・輸出・海外到着・通関・現地配送拠点・配達中・配達完了といったスキャンイベントが記録されるたびに更新されます。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| Label Created | 配送情報は登録されたが、まだ実物の荷物が配送会社へ引き渡されていない場合がある(発送済みとは限らない) |
| In Transit | 配送ネットワーク内を移動中。長距離移動中は次のハブまで追加スキャンされないことが正常 |
| Exception | 予期せぬエラー(天候・住所・通関等)による予定変更の可能性。紛失確定ではない |
| Out for Delivery | 現地施設から最終配達ドライバーへ荷物が渡された状態 |
| Delivered | システム上の配達完了。本人が受け取ったとは限らない(置き配・家族受取・誤配の可能性) |
通関保留は、商品が輸入国へ到着したものの輸入通関が完了していない状態です。Invoice確認・価格確認・HSコード確認・輸入許可・関税支払・購入者情報などが必要な場合があり、「配送会社が遅い」とは限りません。日本郵便でも、国際交換局で通関手続中の間はその旨の表示が続く場合があると案内されています。国際配送は複数国・複数事業者・複数システムが関係するため、追跡情報は完全なリアルタイムではないことを前提にします。
「届かない」と言われたときの初回対応フロー
まず、前回スキャンの日時・場所・Status、予定配達日、通関の完了有無、購入者への連絡有無を確認します。予定日をまだ超えていなければ遅延の範囲内、大きく超えていれば状況確認の優先度を上げます。ただしDHL Expressも、見積時のTransit/Delivery Timeは目安であり、通関時間を除くなど必ずしも配達日を保証するものではないと説明しています。サービスごとの保証条件を確認しましょう。
ステータスが通関中・保留なら、必要書類(Invoice等)を確認・提出します。Deliveredなら、配達日時・場所・署名・受付・家族・置き場所・Proof of Deliveryを確認します。In Transit・Exceptionのまま停止しているなら、配送会社へ状況照会・調査請求を行います。日本から海外へ送ったEMSについては日本郵便へ調査請求ができ、受付可能期間は宛先国によって異なり、発送した郵便局等へ調査請求書を提出します(電話だけでは受け付けないと案内されています)。「調査中」で放置せず、次回確認日を決めて管理します。
破損対応プレイブック|絶対に箱を捨てない
これは非常に重要です。購入者から破損連絡が来たら、写真撮影→商品保存→外箱保存→内装材保存の順で進めます。FedEx Japanは破損Claimについて、元の発送箱・梱包材・内容品を検査可能な状態で保管するよう求めています。UPS Japanでも、破損商品と箱内梱包状態、追跡番号が見える配送ラベル、外箱全体・外箱破損などの写真を求めています。つまり商品だけの写真では不足する場合があります。
Invoiceも重要な証拠になります。FedEx Japanは、価値の証明資料として仕入先Invoice、販売時Invoice・Receipt、オンライン注文の支払証明、修理見積等を例示しています。特に家電・カメラ・時計・機械などはシリアル番号も紛失捜索の識別情報として重要になります。高額商品・一点物では、発送前の商品写真・梱包完了写真を残しておくと、破損発生時に「発送前から壊れていたのでは」という確認にも対応しやすくなります。
配送会社の標準補償 vs 貨物保険
似ていますが、同じものとして扱わない方が安全です。Carrier Liabilityは、配送会社・運送人が契約や国際運送ルール等に基づいて負う一定範囲の責任です。UPS Supply Chain Solutionsは、Carrier Liabilityについて貨物の実際の価値より低い補償になる場合があり、貨物保険とは別物として説明しています。Cargo Insurance(貨物保険)は、輸送中の紛失・破損・盗難等について、一定条件で経済的損失をカバーするための保険です。DHL Global Forwardingも、通常の運送責任による補償と貨物の実価値との間に差が生じることがあるため、その差を埋める手段としてCargo Insuranceを説明しています。
2026年8月現在、日本郵便のEMSでは実損額を対象に申告した損害要償額の範囲で最大200万円まで補償する制度があります。内容品価額が2万円を超える場合、必要な損害要償額を発送時に申告し追加料金を支払う仕組みがあり、申告がない場合の補償額は2万円とされています。DHL Expressでも追加料金でShipment Insuranceを利用でき、FedExではオンラインでClaim手続を行う流れが案内されています。保険=必ず何でも全額補償ではありません。対象事故、対象商品、免責事項、保険金額、証拠、期限を加入前に確認します。梱包不良による損害は、保険対象外になる場合もあります(UPSのCargo Insurance解説)。
Claim(補償請求)のための証拠と期限
Claimでは商品価値を証明する資料(仕入先Invoice、販売時Invoice・Receipt、購入証明、原価資料等)、個体識別のためのシリアル番号、状態証明のための発送前後の写真が必要になります。「調査中」と「Claim中」は分けて考えます。調査は荷物がどこにあるか確認中、Claimは損害について補償を求める手続です。日本郵便でも、未着・盗難・内容品不足・破損等はまず調査請求等を行い、その結果、損害賠償請求の対象となる場合に請求手続へ進む流れが案内されています。届かない→即補償金、ではありません。
CSとClaimを分けて管理する
購入者への返金と、配送会社へのClaimは別の処理です。購入者へ全額返金しても、配送会社への紛失調査・Claimが自動的に完了するわけではありません。Customer Resolution(返金済み・Replacement済み・保留)とCarrier Claim(未申請・調査中・申請済み・承認・却下・支払済み)を分けてステータス管理します。顧客に返金したからといって事故処理は終わっておらず、また補償金が出ても交換品が顧客に届いていなければ顧客対応は終わっていません。2つのTrackがCloseして初めて、Incident(事故)は終了します。すべてをIncident ID(例:SHP-INC-20260811-001)でつなぎ、CS・物流・経理・在庫の各処理を追跡できるようにします。
顧客対応のトリアージ基準|返金 vs 調査待ち
商品価値によって対応を変える方法もあります。低価格品(例:2,000円)は、数週間かかる調査を待たせず、一定条件で即座に再発送・返金する方がCS満足度と工数の面で合理的な場合があります。中価格品はCarrierの初期調査状況を確認したうえで判断し、高額品(例:50万円)は即日再発送のリスクが大きいため、Carrierの正式調査結果や署名(Proof of Delivery)の確認後に対応します。一点物・限定品は代替品がないため再発送不可で返金対応になりますが、発送前の写真と管理番号(例:CRAFT-001)の照合を徹底し、不正な未着申告の可能性にも配慮しつつ、まず事実確認を進めます。ただし金額だけで決めず、季節商品・イベント商品など再発送可能性も考慮してルールを作ります。
インシデントのデータ化|「届かない」からの脱却
「お客様から届かないと連絡あり」というCSメモだけでは、後から分析できません。配送事故を分類し、Incident ID、Type(Delay/Customs Hold/Lost/Misdelivery/Damage/Missing Contents/Return等)、ステータス、原因まで構造化して記録します。事故ステータスは、受付→初期確認→Carrier照会→調査中→顧客対応決定→Claim提出→結果待ち→補償確定→Closeという流れで管理します。
予防と継続的改善|配送KPI
配送事故対応で最も効率がよいのは、事故そのものを減らすことです。最低限、発送件数・期限内配達率・平均配送日数・遅延率・通関保留率・紛失率・破損率・誤配率・返送率・Claim率をKPIとして見ます。例えばCarrier Aが1,000件中20件(事故率5%)、Carrier Bが1,000件中2件(事故率0.2%)なら差がありますが、商品構成・国・梱包も合わせて比較します。送料が500円安いが事故率5%のCarrierと、高いが事故率0.2%のCarrierは、事故処理工数・返金・レビュー低下等のコストまで含めて比較しましょう。国別の遅延率、箱・梱包別の破損率、商品別の破損率を自社実績で把握し、「全世界一律3〜5日」という目安に頼らないようにします。
発送前チェックリスト
配送事故は発送後だけの問題ではありません。原因は商品情報・梱包・住所・ラベル・通関・購入者対応・Carrierなど、発送前から存在します。基本チェックとして、顧客の入力住所と配送ラベルの一致、正確なInvoiceとHSコード(DAY52関連)、商品特性に合った箱と緩衝材、利用サービスのTracking付帯有無を確認します。高額品・一点物ではさらに、必要な補償額の算出と追加保険(Cargo Insurance)の付保、発送前の商品正常状態の写真撮影、梱包完了状態の写真撮影、シリアル番号の控えを行います。
実際のケースで考えてみよう
ケース①|日本製陶器がアメリカで破損
商品:陶器カップ(30,000円)、日本からアメリカへ発送、Trackingあり。日本受付→出発→到着→輸入通関→Out for Delivery→Deliveredまで正常に進みましたが、購入者から「箱を開けたらカップが割れていました」と連絡が来ました。Incident ID(SHP-INC-001)を作り、購入者へ商品・外箱・緩衝材・ラベルを保管してもらい、外箱6面・損傷部分・配送ラベル・内部状態・緩衝材・破損商品・破損箇所の写真を依頼します。注文(陶器1個・数量一致)、Invoice(あり・30,000円)、発送前商品写真・梱包写真の有無を確認し、Carrier・Serviceの標準補償・加入保険・Claim期限を確認します。在庫があったため購入者は交換を希望し、新Order(RPL-001)として再発送しました。ただし元のIncidentはCloseしません。交換発送済みでもCarrier Claimが未処理だからです。Tracking・Invoice・商品価値資料・写真・梱包資料をCarrierへ提出し、承認額または却下理由を記録します。外箱が無傷で商品だけ割れていれば梱包不足の可能性、外箱に強い圧潰があれば輸送時衝撃の可能性もありますが、断定せず証拠から整理し、緩衝材の追加・箱の強化などを検討して次の100件で破損率を検証します。
ケース②|追跡が止まった
8/1発送、8/2日本出発、8/3相手国到着、8/4以降更新なし。ここで即「紛失」にせず、まず通関・予定日・Carrierの最新情報を確認します。国際配送ではスキャン更新に間隔が空く場合や、海外情報の反映が遅れる場合があるためです。予定日を一定期間超えたためCarrierへTracking Numberで照会し、EMSの場合は日本郵便の条件に従って発送した郵便局等から調査請求を行いました(受付可能期間は宛先国によって異なります)。購入者へは「現在Carrierへ調査依頼中」と現在地・次回更新予定を共有し、結果は「通関で追加確認中」と判明。つまり紛失ではありませんでした。Invoiceの追加提出等で対応し、通関完了→現地配送→購入者受取となりました。「Trackingが止まった」=「紛失」ではないことが分かる例です。
やってみよう|配送トラブル初期診断ツール
質問に「はい」「いいえ」で答えると、今の状況がどのタイプに近く、次に何を確認すべきかの目安が分かります。
Q1. 商品が壊れて届いた、または内容品が足りない、という連絡ですか?
もう一度診断する
アウトプットワーク|配送事故初期対応メモ
実際に発送している(または発送予定の)商品を一つ選び、下の欄を埋めてみてください。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 追跡が3日更新されません。最初の判断として適切なのはどれでしょうか?
第2問 Tracking Numberについて正しいものはどれでしょうか?
第3問 「Exception」について適切なのはどれでしょうか?
第4問 破損品が届いた場合、最初に捨ててはいけないものはどれでしょうか?
第5問 Carrierの標準責任とCargo Insuranceについて正しいものはどれでしょうか?
第6問 EMSについて適切なのはどれでしょうか?
第7問 購入者へ返金した場合について正しいものはどれでしょうか?
第8問 通関保留について正しいものはどれでしょうか?
実務判断問題 購入者から「商品が割れていました」と連絡がありました。担当者は「商品だけ写真を送ってください。箱は捨てて大丈夫です」と回答しました。何が問題でしょうか?
回答例を見る
問題は、外箱・梱包材を捨てるよう案内していることです。破損Claimでは、商品だけでなく、商品がどう梱包されていたか、外箱にどんな損傷があったかが重要な証拠になります。FedEx Japanは元の箱・梱包材・内容品を検査可能な状態で保管するよう求めており、UPS Japanでも破損商品・箱内部の梱包状態・追跡ラベル・外箱の写真が必要と案内されています。正しくは、商品・外箱・梱包材・配送ラベルのそれぞれを写真に残し、実物も保存してもらうよう依頼します。
よくある質問
まだ断定できません。国際配送では長距離移動中に次の拠点まで追加スキャンされない場合や、相手国の追跡情報反映に時間がかかる場合があります。まず最新ステータス、通関、予定日を確認します。
はい。日本から海外へ送ったEMSについて日本郵便へ調査請求できます。受付可能期間は宛先国によって異なり、発送した郵便局等へ調査請求書を提出します。電話だけでは受け付けないと案内されています。
配達日時、配達場所、署名、家族・受付・宅配ボックス等を確認し、必要に応じて配送会社へ照会します。「Delivered=購入者が必ず手に持った」と即断しません。
購入者へ商品・箱・梱包材を捨てないよう依頼し、破損商品、外箱、ラベル、内部梱包等の写真を残します。配送会社のClaim条件を確認して速やかに手続します。Invoice等の商品価値資料もあわせて準備します。
同じとは限りません。Carrier Liabilityや標準補償と、追加加入するCargo Insurance等を分けて確認します。通常の運送責任では貨物価値全額をカバーできない場合があります。
必ずとは限りません。対象事故、保険金額、除外条件、証拠、申請期限等を確認します。梱包不良などが対象外になる場合もあります。2026年8月現在のEMSでは、内容品価額が2万円を超える場合に発送時の申告と追加料金で最大200万円まで設定できる仕組みがあります。
配送会社・サービス・事故種類によって異なります。例えばFedEx Japanでは破損・内容不足・遅延について配達後21暦日以内の報告等の条件があります。発送前に利用Carrierの現在の期限を確認してください。
住所・電話番号、商品情報、Invoice、梱包、配送サービス、補償、Trackingの登録を発送前に確認し、事故後は原因を商品・国・Carrier・梱包別に記録して改善します。事故そのものを減らすことが最も効率のよい対応です。
今回のまとめ
DAY61では、国際配送の追跡・保険・配送事故を整理しました。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- 追跡停止=紛失ではない
- 遅延・通関保留・Exception・紛失・破損を分ける
- 破損時は商品・箱・梱包材・写真を保存する
- Carrier標準補償と追加保険を分ける
- Claimには期限があるので発送前から条件を確認する
荷物が届かないと言われたら、Tracking Number→最後のStatus→予定配達日→通関中/Exception/In Transit/Deliveredの順で確認し、単なる遅延なのか、通関保留なのか、本当に紛失の可能性があるのかを分けます。UPSでは長距離移動中に次のハブまで追加スキャンされない場合があると案内され、日本郵便でも海外情報の取得・反映に時間がかかる場合があるとされています。だから、Trackingが動かない=紛失ではありません。一方、予定日を大きく過ぎ所在も分からないなら配送会社へ照会し、EMSなら調査請求という手続があります。
破損なら時間との勝負です。箱を捨てない、緩衝材を捨てない、商品を捨てない、写真を残す、Invoiceを残す、Tracking Numberを残す――FedEx JapanやUPS Japanでも、Claimにおいて包装材、商品価値資料、写真等が重要とされています。保険については「配送会社に頼んだから安心」で終わらせず、Carrierの標準責任・標準補償と、追加のCargo Insurance・Shipment Insurance等を分けます。商品価値が1,000円の場合と50万円の場合で、同じ配送リスク管理にする必要はありません。
そして配送事故の処理は、購入者対応とCarrier対応を分けます。購入者へ返金済みでもCarrier Claimが未処理なら会社側の事故処理は終わっておらず、反対にCarrierから補償金が出ても交換品が届いていなければ顧客対応は終わっていません。最終的にはCustomer ResolutionとCarrier Claimの2本を管理し、解決したら終わりではなくCarrier別・商品別・国別・箱別に破損率・遅延率・紛失率・通関保留率を残します。すると「送料が500円安いCarrier」ではなく「事故コストまで含めて最も合理的なCarrier」を選べるようになります。
「配送事故で一番大事なのは、“届かない!”を一種類にしないこと。追跡・通関・遅延・紛失・破損を分けて、証拠を残してから動こう!」
DAY61の実践課題
実際に海外発送する商品を一つ選び、次を決めてください。
- Carrier・Serviceの標準補償額、追加保険の有無と保険料・補償上限
- 紛失Claim期限・破損Claim期限と、それぞれに必要な資料
- 発送前に保存する項目(Invoice、Tracking、商品写真、梱包写真、Serial等)
- 「届かない」「壊れている」と言われた場合の社内対応フロー
この4つを決めるだけでも、事故が起きるたびに担当者が感覚で判断する運用から離れられます。
配送事故 初期対応チェックリスト
「届かない」「壊れている」と言われたら、次の6項目を確認しましょう。タップでチェックできます。
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