海外住所の書き方とは?郵便番号・州・電話番号・国際配送ラベルの入力方法を解説 DAY62

🌏 Lv.3 越境ECの仕組みを学習中 XP 620

【DAY62】海外住所・電話番号・配送ラベル

海外住所の入力順、郵便番号、州・地域、電話番号などを正しく配送ラベルへ反映するための基本を整理する

越境ECの配送事故をゼロにする「海外住所・配送ラベル」の設計図|住所は文字列ではなく組み立て可能なデータである(DAY62)
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🔊 音声で聞く「住所を翻訳せず部品に分ける」

DAY61では、海外発送した商品が届かない・壊れた・遅れているという配送事故を整理しました。その中に「住所不備」という原因がありました。購入者がName・Address・City・ZIP・Countryまで入力し、一見問題なさそうでも、実際にはApartment:Apt 502が抜けていました。同じ建物に数百世帯が住んでいます。配送会社は建物までは到着できても、誰へ届ければよいか分かりません。購入者は「届きません」、販売者は「住所どおり送っています」、配送会社は「部屋番号がありません」――これは配送事故というより住所データの問題です。

海外住所で難しいのは、日本と住所の構造が違うことです。さらにアメリカ・ドイツ・イギリス・フランス・中国などで、住所の並び方も郵便番号の形式も違います。万国郵便連合(UPU)は、世界には200を超える住所形式があり、国ごとに住所の慣行が大きく異なると説明しています。つまり「海外住所は全部、番地→通り→市→国で入力」という世界共通ルールはありません。

誤解:日本の住所を英語にして逆から書く。現実:国ごとのルールに合わせて部品を組み立てる。万国郵便連合(UPU)によると世界には200を超える住所形式が存在する

重要なのは、住所を一つの文章として保存するのではなく、Recipient Name・Company・Address Line・Apartment / Unit・City・State / Province / Region・Postal Code・Country・Phone・Emailなど、住所の部品に分解して管理することです。そして販売国・配送会社・配送サービスに合わせて配送ラベルへ組み立てます。

「海外住所は“日本住所を逆から書けば完成!”じゃないよ。国ごとに住所のルールが違うから、“名前・通り・市・州・郵便番号・国”に分けて考えよう!」

DAY61は「事故が起きたらどうする?」、DAY62は「住所・ラベル事故をどう減らす?」です。なお、住所が正しくてもそもそも海外へ送ってはいけない商品があるため、次回DAY63で禁制品を整理します。

この記事で分かること

  • Recipient Name・Company
  • Address Line 1・2の使い分け
  • Apartment・Suite・Unit
  • City・State・Province・Region
  • Postal Codeの国別形式
  • Countryの書き方・国コード
  • 電話番号の国際形式
  • Shipping AddressとBilling Address
  • Address Validation
  • 配送ラベルの構成要素
  • 住所と通関書類の整合性
  • 住所不備率・返送理由の分析

この学習シリーズでは、住所を「なんとなく英語で書ける」状態から、「EC・物流システムで管理できる」状態へ進めることを目指します。

先に結論|住所は「1本の文字列」で持たない

次の住所があったとします。

John Smith/Apt 502/123 Main Street/Los Angeles, CA 90001/UNITED STATES

これを「John Smith Apt 502 123 Main Street Los Angeles CA 90001 USA」という一つの文字列だけで保存すると、配送システムへ連携しにくくなります。分けます。

項目
Recipient First / Last NameJohn / Smith
Company空欄
Address Line 1123 Main Street
Address Line 2Apt 502
CityLos Angeles
StateCA
Postal Code90001
CountryUS

この構造化された住所データを、配送サービスに合わせてラベルへ変換します。FedExの国際配送ラベルでも、発送者・受取人の氏名、住所、電話番号などを入力し、商品情報や重量等と合わせてラベルを作成する仕組みです。

住所データの解剖学|各フィールドの役割

住所データの解剖学:Recipient Name(個人名または受取担当者)、Address Line 1(番地・通り名)、Address Line 2(部屋番号・区画)、City(市・都市名)、State(州・行政区分、国によって不要)、Postal Code(郵便番号)

Recipient Name

荷物を受け取る人の名前。法人宛なら受取担当者名。会社宛には別途Companyを入れ、Attn.(Attention)で担当者を明示する場合もあります。

Address Line 1

配送先の中心となる番地・Street。例:123 Main Street。House Number(番号)とStreet Name(通り名)の順は国によって前後します。

Address Line 2

Apartment・Suite・Unit・Building・Floor等の追加住所情報。「任意だから不要」とは限らず、配達上重要な情報が入ります。

City / Town / Locality

市・都市名。国や配送システムによってTown、Locality、Post Townという項目名が使われる場合があります。

State / Province / Region

アメリカのState、他国のProvince・Region・County・District等。国によって必要な行政区分の種類も、必須かどうかも異なります。

Postal Code / Country

郵便番号は国ごとに形式が異なります。Countryは国際配送で最も重要な要素の一つで、国名(Country Name)とISO国コード(Country Code)を分けて持つ設計が有効です。

「Apt」「Suite」「Unit」は似ていますが、全部同じ文字へ勝手に置換しないようにします。建物名や固有名詞についても、意味だけ見て日本語へ翻訳してはいけません。住所は購入者が使用している正式な表記を基本にします。日本郵便は国際郵便について、確実な配送のため原則として英字・アラビア数字を使うよう案内していますが、中国・台湾・韓国等では現地文字の住所が現地配送で役立つ場合もあり、使える文字や入力欄はCarrierごとに確認します。

最大の罠|Address Line 2のサイレント消失

EC Checkoutで正しく入力されたApt 502が、CSV/API ExportやWMSでのマッピング漏れ・列のズレによりCarrier Labelでは消失し、建物には到着するが部屋が分からず宛先不明で返送・紛失する図

ECには「Apt 502」が正しく保存されているのに、CSV・API連携やWMS(倉庫管理システム)を経由するうちに、Carrierへ渡るラベルからApartment情報が消えることがあります。原因はマッピング漏れや列のズレです。結果として、建物には到着するものの部屋が分からず、宛先不明で返送・紛失につながります。これは購入者の入力ミスではなく、自社システムの問題です。対策は、CSV列のズレやAPIのマッピング漏れがないか、最終的に出力されたラベルを目視確認することです。EC:address2 → WMS:address_line2 → Carrier:address2、というフィールドマッピングが正しくつながっているかを確認します(DAY21のAPI・CSV連携の知識がここにつながります)。

国ごとに違う住所ルール|アメリカとドイツの比較

比較マトリクス:アメリカはState必須(例CA)・ZIP Code(数字主体)・基本並び順City→State→ZIP Code。ドイツはState不要(入力させるとエラーの元)・Postal Code・並び順Street+House Number→Postal Code+City。全世界一律でStateを必須にするとドイツの顧客が入力できず離脱またはダミーデータを入力する
アメリカ(US)ドイツ(DE)
State(州)必須(例:CA)不要(入力させるとエラーの元)
Postal CodeZIP Code(数字主体)Postal Code
基本的な並び順City → State → ZIP CodeStreet + House Number → Postal Code + City

USPSはアメリカ住所について、Name/Company/Delivery Address/City, State, ZIP Codeという基本構造を示しています。一方ドイツ郵便は、氏名/Street+House Number/Postal Code+Cityという住所形式を案内しています。「全世界一律でStateを必須にする」とドイツの顧客が入力できず離脱したり、ダミーデータを入力したりする原因になります。フォームの必須項目(バリデーション)は、最初にCountry(国)を選択させてから動的に切り替える設計が必要です。

郵便番号(Postal Code)は「5桁の数字」とは限らない

USA 90001(5桁数字)、UK(Postcode) SW1A 1AA(英数字ブロック)、Ireland(Eircode) A65 F4E2(7文字英数字とスペース)という郵便番号形式の違い。フォームを数字のみに制限すると英数字を使う国の購入者が00000などの架空番号を入力する原因になる

海外の郵便番号には、数字だけでなくアルファベットを含む国があります。例えばアメリカは90001のような5桁の数字ですが、イギリスのPostcodeはSW1A 1AAのような英数字ブロック、アイルランドのEircodeは7文字の英数字(スペースを含む)です。日本郵便の海外郵便番号情報でも、国によって桁数・数字/英数字・空白・接頭辞などが異なることが示されています。

⚠ ECサイトのフォームをPostal Codeを「数字のみ」に制限すると、英数字を使う国の購入者が入力できず「00000」のような架空番号を入力する原因になります。郵便番号の形式チェックは、必ず「Country(国)」とセットで検証しましょう。日本郵便は特に米国・EU加盟国等について郵便番号入力を推奨し、未入力によって配送・通関に遅れが出る可能性を案内しています。

電話番号とEmailは「顧客プロフィール」ではなく「物流データ」

関税支払いや通関時の確認連絡にInvoiceを使用し、Contact Info(国番号+81等とEmail)が配送予定やSMS通知(不在時連絡)に使われる。厳守すべきルール:00000000を入力させない、受取人の電話番号に販売者の番号を代用しない、国番号とセットで保存する

海外配送では、電話番号は単なる顧客プロフィールではありません。配送会社が受取人へ配送・通関・関税・住所確認等について連絡するために利用されることがあります。DHLの国際発送案内でも、受取人の氏名、完全な住所、連絡先電話番号、メールアドレス等を配送情報として必要としており、FedExの国際発送ラベル作成でも発送者・受取人それぞれのPhone Numberを入力するよう案内されています。日本郵便でもEU向け国際郵便について、事前電子データとして受取人の電話番号またはメールアドレスの送信を推奨しています。

電話番号には国・地域を識別するCountry Calling Code(国番号)があります。日本は+81です(ITUのE.164番号体系)。厳守すべきルールは3つです。①必須項目だからと「0000000000」のような架空番号を入力させない ②受取人の電話番号に販売者(自社)の番号を代用しない(現地で連絡が取れなくなります) ③国番号とセットで保存する。国内番号から国際形式への変換ルールは国によって異なるため、「先頭の0を全部削除」のような世界共通変換は作らず、国ごとの番号体系を確認します。

配送住所(Shipping)と請求住所(Billing)の分離

Shipping Addressは実際の商品を届ける住所でラベルに印字されるデータ、利用シーンはギフト・勤務先・家族宅など。Billing Addressは決済・請求に関係する住所でラベルには使用しない、利用シーンは自宅・クレジットカード登録住所。住所差異は不正とは限らないが発送前に別の国・住所への変更依頼が来た場合は厳格な自社ルールで確認が必要

Shipping Addressは実際に商品を届ける住所で、配送ラベルに印字されるデータです(ギフト、勤務先、家族宅などが利用シーン)。Billing Addressは決済・請求に関係する住所で、ラベルには使用しません(自宅、クレジットカード登録住所などが利用シーン)。この2つが違っても、それだけで不正とは限りません。ただし、発送前に「別の国・住所へ変更してほしい」という依頼が来た場合は、不正注文・配送事故・決済保護等の観点からリスクがあるため、厳格な自社ルールで確認します。住所変更はOriginal Address・Changed Address・Change Date・Requested Byを履歴として残し、商品がCarrierへ引き渡された後は、EC側で住所を書き換えただけでは配送先は変わらないため、Carrier側で変更可能か確認します。

住所エラーを防ぐ「Validation(検証)フロー」

Order受注→Carrier API/Postal Dataによる住所検証(Validation)→Validか?Yesなら配送ラベル生成へ、No(Invalid/Warning)ならHOLD(自動発送停止)。The HOLD Protocol:NGは販売者がGoogleマップ等で推測して番地を修正すること、OKは発送を保留し必ず購入者本人に確認して正式住所を確定させ確定後に注文時の住所スナップショットを保存すること

入力された住所が存在する形式か、郵便番号とCityが合うか、州が合うかなどをシステムで検証する仕組みをAddress Validationと呼びます。例えばFedExはAddress Validation APIを提供しており、国によって必要な住所フィールドが異なることを仕様として扱っています。検証がValid(正常)なら配送ラベル生成へ進み、Invalid・WarningならHOLD(自動発送停止)とします。

The HOLD Protocol:NG例は、販売者がGoogleマップ等で「たぶんこの番地だろう」と推測して勝手に番地を修正することです(住所の意味が変わる危険があります)。OKは、発送を保留し、必ず購入者本人に「こちらの住所で正しいですか?」と確認して正式住所を確定させることです。確定後は、注文時の住所スナップショットを保存します。住所自動補完も便利ですが、新築・地方・特殊住所などデータベースへ未反映の場合もあるため、候補にないから住所が存在しないと断定しないようにします。

配送ラベルとInvoice(通関書類)のデータ整合性

Shipping Labelは荷物を運ぶための書類、Commercial Invoiceは税関に説明するための書類。Recipient AddressとConsignee Addressが一致しているかが重要。住所データが完璧でもInvoiceの受取人情報(Consignee)と矛盾していると通関で止まるため、Order・Label・Invoiceの3点で同一の取引先を示しているか確認が必要

Shipping Labelは荷物を「運ぶ」ための書類、Commercial Invoiceは税関へ取引・商品の情報を「説明する」ための書類です(DAY52で学んだ内容)。この2つは目的が違いますが、内容を矛盾させてはいけません。Shipping LabelのRecipientとInvoiceのConsigneeが別人になっていたら、意図した違いなのか入力ミスなのか確認が必要です。住所データが完璧でも、Invoiceの受取人情報(Consignee)と矛盾していると通関で止まります。Order・Shipping Label・Invoice・AWBのRecipient Addressが、同じ取引を示しているか確認しましょう。

配送ラベル出力後の最終目視チェック

Anatomy of a Label:①Address Line 2 Checkで文字数制限によりApt 502が途中で切れていないか、②Barcode Integrityでバーコードが印字され箱の継ぎ目にまたがっていないか、③Layout Checkで独自のWord/Excelでなくキャリアの公式システムから生成された正しいレイアウトか。再利用ダンボールは過去の古いラベルやバーコードを必ず剥がす

印刷後は、Country・Postal Code・City・State・Street・House Number・Apartment・Recipient・Phoneを、Orderと比較して確認します。Tracking Numberがあるからといって、住所そのものの確認を省略しません。特に注意すべきは3点です。①Address Line 2 Check:文字数制限で「Apt 502」が途中で切れていないか ②Barcode Integrity:バーコードが印字されているか、箱の継ぎ目にまたがって貼られていないか ③Layout Check:独自のWord・Excelで作らず、Carrierの公式システム(API・マイページ)から生成された正しいレイアウトか。日本郵便は、送り主・受取人の住所配置を逆にしたり横並びにしたりすると返送や遅延につながる可能性があると注意しています。また再利用の段ボールを使う場合は、過去のTracking Barcode・Address Labelが残っていると誤スキャンの原因になるため、発送前に必ず剥がします。

注文から発送までの「データパイプライン」

1.注文(Order):Country別ルールに基づくフォームで正確なデータを取得。2.検証(Validation):Postal Code形式確認と住所検証、エラー時は購入者確認。3.固定(Snapshot):確定した住所をOrder Shipping Addressとして履歴保存。4.変換(Label):Carrierへ連携しラベル生成、途切れ・欠落がないか目視確認。5.登録(Tracking):Tracking NumberをOrderへ戻し発送(Shipment)完了
1. 注文(Order) 2. 検証(Validation) 3. 固定(Snapshot) 4. 変換(Label) 5. 登録(Tracking)

Country別ルールに基づくフォームで正確なデータを取得(1. 注文)、Postal Code形式確認と住所検証を行いエラー時は購入者確認(2. 検証)、確定した住所を「Order Shipping Address」として履歴保存(3. 固定)、Carrierへ連携しラベル生成、途切れ・欠落がないか目視確認(4. 変換)、Tracking NumberをOrderへ戻し発送(Shipment)完了(5. 登録)という流れです。購入者がマイページの住所を後から変更しても、過去注文の配送住所まで書き換わってはいけません。Customer Master(現在住所)とOrder(注文当時の住所)は分けて保持し、事故調査・返品・Claimに使えるようにします(DAY61との接続点です)。

実際のケースで考えてみよう

ケース①|アメリカ購入者へ商品を発送する

購入者入力:Emily Brown、Address Line 1「500 Market Street」、Address Line 2は空欄、City「San Francisco」、State「CA」、Postal Code「94105」、Country「United States」。Address Line 2が空欄でも、それだけでエラーにはしません。一戸建てやオフィス単独など追加住所が不要な場合もあるからです。Address Validationで住所候補を確認すると、注文画面のCompany「ABC Inc.」が複数テナントの入るビルだと判明しました。受取担当者Emily Brownは分かっていますが、Suite番号が必要か購入者へ確認したところ「Suite 1200」が必要と判明。Address1「500 Market Street」、Address2「Suite 1200」と修正し、受取人の有効な電話番号も保存します。注文時住所(旧)と確認後発送住所(新)を履歴として残し、Name・Company・Address1・Address2・City・State・Postal・Country・PhoneをCarrierへ連携。生成されたShipping Labelが「Emily Brown/ABC Inc./500 Market Street Suite 1200/San Francisco CA 94105/United States」という内容になっていることを確認し、InvoiceのConsignee情報も同じ配送先を示しているか確認してから発送します。

ケース②|郵便番号形式を数字限定にした失敗

ECフォームのPostal Codeを「数字のみ」に設定していたところ、英数字を含むPostal Codeを持つ国から購入者が注文しました。入力できず、購入者は仕方なく「00000」と入力。決済は成功しましたが住所は不正確なままです。Carrier側でPostal Code Errorとなり配送保留となりました。原因は購入者ではなくECフォーム設計です。世界の郵便番号には英数字形式もあり、日本郵便も国ごとに異なる郵便番号形式を案内しています。改善策は、Countryを先に選択させ、Country別Postal Code Validationへ変更することです。「住所エラー」を購入者の入力ミスだけにしないことが重要です。

アクションプラン|自社システムを見直す3つの問い

アクションプラン:フォーム設計(Countryの選択によってStateの必須/任意やPostal Codeの入力制限が動的に切り替わる設計か)、データ連携(ECカートで入力されたAddress Line 2がWMSや配送ラベル出力システムまで一切欠落せずに連携されているか)、運用ルール(住所エラー発生時に担当者が推測で修正せず自動保留して購入者に確認するフローが確立されているか)
  1. フォーム設計|「Country(国)」の選択によって、Stateの必須/任意や、Postal Codeの入力制限が動的に切り替わる設計になっているか?
  2. データ連携|ECカートで入力された「Address Line 2(部屋番号)」が、WMSや配送ラベル出力システムまで一切欠落せずに連携されているか?
  3. 運用ルール|住所エラー(Validation不一致)が発生した際、担当者が推測で修正せず、自動保留して購入者に確認するフローが確立されているか?

この3つの問いに「はい」と答えられない項目があれば、そこが自社の越境ECにおける住所事故の発生源である可能性があります。

やってみよう|海外住所ラベル組み立てツール

受取人情報を入力し、国を選ぶと、その国の一般的な並び順でShipping Labelのプレビューを組み立てます。国によってState欄の要否や並び順が変わることを体感してみてください。

ラベルを組み立てる

※ 実際のラベル書式・必須項目はCarrier・サービスの現在の仕様に従ってください。このツールは国によって並び順やState要否が変わることを体感するための簡易シミュレーターです。

アウトプットワーク|海外住所・配送ラベル確認シート

実際に販売したい国を一つ選び、下の欄を埋めてみてください。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。

🅰 この国の住所ルール
🅱 電話番号・Validation
海外住所はCountryごとの入力ルールを使用し、「」を個別フィールドとして保存する。住所Validationでエラーになった場合は、販売者が推測修正せず「」で確認する。

記入できたら完了にする

理解度チェッククイズ

第1問 海外住所について最も適切なのはどれでしょうか?

A.国ごとに住所形式が異なる
B.世界共通で日本住所の逆順
C.郵便番号だけあればよい
正解はAです。UPUは世界に200を超える住所形式があるとしています。

第2問 Address Line 2に入る可能性が高いものはどれでしょうか?

A.ApartmentやSuite
B.商品価格
C.HSコード
正解はAです。空欄にしてよいか、その建物に本当に不要な情報かを確認します。

第3問 Postal Codeについて正しいものはどれでしょうか?

A.国によって数字・英数字など形式が異なる
B.全世界5桁数字
C.国際配送では不要
正解はAです。UKのPostcodeやアイルランドのEircodeのように英数字を使う国もあります。

第4問 アメリカ住所で重要な組み合わせとしてUSPSが示しているものはどれでしょうか?

A.City・State・ZIP Code
B.HS・VAT・SKU
C.商品名・数量・価格
正解はAです。USPSはDelivery Addressの後にCity, State, ZIP Codeを置く形式を示しています。

第5問 受取人電話番号について適切なのはどれでしょうか?

A.配送・通関連絡で利用される可能性がある
B.必ず販売者番号を入れる
C.架空番号でも問題ない
正解はAです。DHL・FedExとも受取人電話番号を国際配送情報として扱っています。

第6問 Shipping AddressとBilling Addressについて正しいものはどれでしょうか?

A.異なる場合がある
B.必ず同じ
C.どちらも商品名を表す
正解はAです。ギフトや勤務先配送など、正当な理由で異なる場合があります。

第7問 Address Validationで住所候補と違った場合、最も適切なのはどれでしょうか?

A.必要なら購入者へ確認する
B.販売者が好きな住所へ変更する
C.注文を必ず削除する
正解はAです。販売者が推測で番地・部屋番号等を変更しないことが重要です。

第8問 世界共通ECフォームでStateを必須にすることについて適切なのはどれでしょうか?

A.国別に必要項目を変える
B.全世界必須にする
C.State欄にCityを必ず入れる
正解はAです。国によって行政区分の有無が違うため、Country選択に応じてフォームを変えます。

実務判断問題 ECには「Address Line 2:Suite 800」が保存されています。しかしCarrierラベルを見ると「Suite 800」が消えています。誰の入力ミスと判断するべきでしょうか?

回答例を見る

まず、購入者の入力ミスとは判断しません。ECにはSuite 800が保存されているのにCarrier Labelでは消えているなら、確認する場所はEC→CSV/API→WMS→Carrier System→Labelという連携経路です。Address Line 2のフィールドマッピングが途中で失われた可能性があります。つまり住所事故には、顧客入力エラーだけでなく、自社システムエラーがあり、原因を切り分けてから改善方法を決める必要があります。

よくある質問

今回のまとめ

まとめ:海外住所は英語に直す作業ではなく、住所を部品に分けて相手国のルールどおりに組み立てる作業。住所をデータとして管理し越境ECの配送事故をゼロにする

DAY62では、海外住所・電話番号・配送ラベルを整理しました。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。

  1. 海外住所に世界共通の一つの並び順はない
  2. 住所をStreet・City・State・Postal Code等へ分解して保存する
  3. Postal Codeの形式は国によって違う
  4. 電話番号・Emailも配送・通関に使われる重要情報
  5. EC画面だけでなく最終Shipping Labelまで確認する

最も重要なのは、住所を文章ではなくデータとして見ることです。UPUは世界には200を超える住所形式があるとしています。つまり「海外住所テンプレート」を一枚作り全世界へ当てはめるのではなく、Countryを最初に決め、その国に必要な住所要素を表示します。USはStateあり・ZIP Codeあり、GermanyはStreet+House Number・Postal Code+Cityというように、必要な項目も並び順も違います。Postal Codeも数字5桁とは限らず、英数字を使う国もあります。

さらに、住所だけではありません。Phone・Emailも配送データとして扱います。DHL・FedExでは国際配送情報として受取人電話番号を使用し、日本郵便でもEU向け事前電子データとして電話番号またはメールアドレスの送信を推奨しています。そして住所を入力したら終わりではなく、Order→Address Validation→Shipment→Carrier→Shipping Labelまで確認します。EC画面にはApt 502があるのに、Shipping Labelでは消えている――なら、配送事故の原因は購入者ではなくシステム連携かもしれません。住所品質は、購入者入力+EC+CSV/API+WMS+Carrier+Labelの品質です。最後は、実際に印刷されたShipping Labelを確認してください。

「海外住所は“英語に直す作業”じゃなくて、“住所を部品に分けて、相手国のルールどおりに組み立てる作業”なんだ!」

DAY62の実践課題

実際に販売したい国を一つ選び、次を決めてください。

  • その国のRecipient・Company・Address1/2・City・State/Province・Postal Code・Phone・Emailの必須/任意
  • 郵便番号の形式・桁数・数字か英数字か、確認先
  • 電話番号のCountry Calling CodeとCarrier入力形式
  • テスト住所でShipping Labelを実際に生成し、住所・バーコード・Trackingを確認

ここまでできれば、海外住所を「なんとなく英語で書ける」状態から「EC・物流システムで管理できる」状態へ進められます。

海外住所 確認チェックリスト

発送前に、次の6項目を確認しましょう。タップでチェックできます。

受取人の氏名とCompany(法人宛の場合)を確認した
Street/House NumberとApartment・Suite・Unit(該当する場合)を確認した
City・State/Province/Region(国別に必要な項目)を確認した
Postal Codeの形式を国別ルールで確認した
受取人本人の電話番号とEmailを確認した
実際に印刷されたShipping Labelを目視確認した

確認した項目:0 / 6

獲得バッジ

音声で学んだ
ラベル組立マスター
ワーク達成
FAQマスター
クイズクリア

次回 DAY63:海外へ送れない商品

危険物・航空輸送禁止品・国別輸入禁止品など、「販売できても配送できない商品」がある理由と確認方法を整理します。

DAY63へ進む(公開後にリンクします)

文:横田和也/解決ドットコム編集部

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