BtoC・BtoB・D2C・CtoCとは?ECの取引形態の違いを分かりやすく解説 DAY4

【DAY4】BtoC・BtoB・D2C・CtoCとは
誰が誰に商品を販売するのか、取引形態ごとの違い
ECについて調べていると、BtoC、BtoB、D2C、CtoCといった言葉をよく見かけます。文字が似ているため、初めて見ると違いが分かりにくいかもしれません。
これらを理解するポイントは、難しい英単語を暗記することではありません。「誰が、誰に商品やサービスを販売するのか」を確認することです。企業が一般の購入者へ販売するのか、企業同士で取引するのか、個人同士で売買するのかによって、価格、注文数、契約、決済、配送、問い合わせ対応などが変わります。
「アルファベットより、“売る人”と“買う人”を見れば整理できるよ!」
この記事で分かること
- BtoC・BtoB・D2C・CtoCの意味と具体例
- BtoCとBtoBの違い、BtoCとD2Cの関係
- 一つの会社が複数の取引形態を持つ場合
- 取引形態によってEC運用がどう変わるか
- 顧客の事業を確認するときの質問
ECの全体像を理解するうえでは、BtoC、BtoB、D2C、CtoCなどの取引形態と、自社EC・モール・連携型プラットフォームなどの販売方法を分けて考える必要があります。
先に結論|「売る人」と「買う人」で考える
最初に、4つの言葉を簡単に整理します。
| 種類 | 売る人 | 買う人 | 身近な例 |
|---|---|---|---|
| BtoC | 企業 | 一般の購入者 | ネットショップで洋服を買う |
| BtoB | 企業 | 企業・事業者 | 飲食店が業務用食材を仕入れる |
| D2C | メーカー・ブランド | 一般の購入者 | 化粧品ブランドが自社ECで直接販売する |
| CtoC | 個人 | 個人 | フリーマーケットサービスで不用品を売る |
このうち、BtoC・BtoB・CtoCは、主に売り手と買い手の組み合わせを示します。一方、D2Cは、メーカーやブランドが卸売会社や小売店を挟まず、購入者へ直接販売するという販売の形を表す言葉です。そのため、D2Cの多くはBtoCにも当てはまります。ここが、最初に押さえておきたい重要な違いです。
「B」「C」「D」は何を表している?
それぞれの文字には、B=Business(企業・事業者)、C=Consumer(一般の購入者・消費者)、D=Direct(直接)という意味があります。「to」は「〜から〜へ」という関係を表します。たとえばBtoCは、企業(Business)から一般の購入者(Consumer)へという意味です。つまり、企業が一般の購入者へ商品やサービスを販売する取引です。
身近な例で考えてみよう
地域でつくられたリンゴを販売する場合を考えてみます。
- BtoCの場合:果物店が、一般家庭へリンゴを販売します。
- BtoBの場合:農家が、レストランへリンゴを箱単位で販売します。
- D2Cの場合:リンゴ農家が自社のECサイトをつくり、一般の購入者へ直接販売します。
- CtoCの場合:個人が、自宅に余っているリンゴをフリーマーケットサービスで別の個人へ譲ります。
同じリンゴでも、誰が誰に販売するかによって取引形態が変わります。
1.BtoCとは
企業が一般の購入者へ販売する取引
BtoCは、Business to Consumerの略です。企業や店舗が、商品やサービスを使う一般の購入者へ販売する取引を指します。普段の買い物の多くはBtoCです。アパレル企業が洋服を販売する、家電量販店が家電を販売する、動画配信サービスが個人向けプランを提供するなどが例です。
BtoCの特徴
- 購入者が多く、一人ひとりの注文金額は小さくても、多くの購入者に販売する場合がある
- 購入者が専門知識を持っているとは限らないため、商品の分かりやすさが重要
- 購入画面が複雑だと途中で購入をやめる可能性があり、購入しやすさが重要
- 価格や性能だけでなく、デザイン、ブランド、口コミ、共感なども購入理由になる
- サイズ、使い方、配送状況、返品、贈り物など、問い合わせ内容が幅広い
BtoCで確認したいこと
想定する購入者は誰か、購入者が商品を使う目的、商品説明は分かりやすいか、送料はいくらか、いつ届くか、どの決済方法を用意するか、返品条件はどうするか、問い合わせ窓口はどこか、リピート購入される商品かを確認します。
「BtoCでは、初めて見る人にも伝わる商品説明が大切だよ!」
2.BtoBとは
企業が企業や事業者へ販売する取引
BtoBは、Business to Businessの略です。企業が、別の企業や事業者へ商品やサービスを販売する取引を指します。購入した商品をそのまま使う場合もあれば、別の商品づくりや事業運営に使用する場合もあります。食品会社がレストランへ業務用食材を販売する、メーカーが小売店へ商品を卸すなどが例です。
BtoBの特徴
- 個人向けでは1個で販売する商品を、10個、100個、1箱単位で販売する場合がある
- 価格だけでなく、品質、供給量、納期、支払条件、契約内容などを確認する
- 実際に使う人、申請する人、承認する人、支払いをする人が別々の場合がある
- 問い合わせ、見積もり、社内検討、契約を経てから注文になることがある
- 注文量や継続取引、配送先などによって価格や送料が変わる場合がある
BtoBで確認したいこと
何の事業に使用するのか、1回に何個必要か、継続して注文するのか、希望する納期、最低発注数量、見積書が必要か、請求書払いに対応するか、誰が購入を承認するか、商品を再販売するのかを確認します。
BtoCとの違い
| 比較項目 | BtoC | BtoB |
|---|---|---|
| 主な購入者 | 一般の購入者 | 企業・事業者 |
| 購入目的 | 自分や家族で使用 | 事業で使用・再販売 |
| 注文量 | 1個、少量が多い | 複数、大量の場合がある |
| 購入判断 | 本人や家族 | 担当者、上司、経理など |
| 価格 | 一般販売価格 | 数量別・取引先別の場合がある |
| 購入までの期間 | 比較的短い場合が多い | 見積もりや承認で長くなる場合がある |
| 支払方法 | カード、振込など | 請求書払いなどもある |
| 必要書類 | 領収書など | 見積書、請求書、契約書など |
| 問い合わせ | 商品、配送、返品 | 仕様、数量、納期、契約など |
ただし、これは一般的な傾向です。BtoBでもECサイト上ですぐ購入できる場合があり、BtoCでも高額商品では長い検討期間が必要になります。
3.D2Cとは
メーカーやブランドが購入者へ直接販売する形
D2Cは、Direct to Consumerの略です。メーカー、生産者、ブランドなど、商品をつくる側が、卸売会社や小売店を挟まず、一般の購入者へ直接販売する形を指します。化粧品ブランドが自社ECで販売する、農家が収穫した野菜を一般家庭へ直接販売するなどが例です。
D2Cでは、企業やブランドが一般の購入者へ販売するため、売り手と買い手の関係だけを見るとBtoCです。D2Cという言葉は、特に商品をつくる側が購入者と直接つながることを強調しています。つまり、BtoCとD2Cは反対の言葉ではありません。BtoCは企業が一般の購入者へ販売する取引全体、D2Cはそのなかでもメーカーやブランドが直接販売する形です。
D2Cの特徴
- 小売店を通さずに販売するため、レビューや問い合わせを商品改善へ活かせる場合がある
- 商品が生まれた背景、製造方法、つくり手の思いなどを自社の言葉で伝えられる
- セット販売、定期購入、限定商品などを自社で企画できる
- ECサイトの運営、商品撮影、集客、注文処理、決済、梱包、発送、問い合わせ、返品対応など、直接販売する分、自社で担当する仕事も増える
D2Cで確認したいこと
自社でECを運営できる人がいるか、商品写真や説明文を用意できるか、在庫を更新できるか、注文後に発送できるか、購入者からの問い合わせに対応できるか、集客方法があるか、卸売先との価格差に問題がないか、継続して商品を供給できるかを確認します。
「直接売れる分、直接やる仕事も増えるんだね!」
4.CtoCとは
個人が別の個人へ販売する取引
CtoCは、Consumer to Consumerの略です。一般の個人が、別の個人へ商品などを販売する取引を指します。フリーマーケットサービスで不用品を販売する、個人同士で中古品を売買する、ハンドメイド作品を個人が販売するなどが例です。CtoCでは、売り手も買い手も個人ですが、個人同士をつなぐために、サービス運営会社が間に入ることがあります。
CtoCの特徴
- 専門の販売会社でなくても、商品を出品できるサービスがある
- 新品、中古品、使用感のある商品など、商品の状態が一つずつ異なる
- 傷、汚れ、付属品の有無などを正しく説明しないとトラブルにつながる
- 購入前の質問、値段の相談、発送連絡などを個人同士で行う場合がある
- 出品画面、決済、評価、メッセージ、トラブル窓口などを運営会社が提供する
CtoCで確認したいこと
商品の状態を正しく説明しているか、販売してはいけない商品ではないか、配送方法は適切か、追跡や補償はあるか、手数料はいくらか、売上金はいつ受け取れるか、キャンセル条件はどうなっているか、問題が起きた場合の窓口はどこかを確認します。
4つの違いを比較する
やってみよう|取引形態を見分けるツール
4つの取引形態をタップすると、特徴と具体例をまとめて確認できます。すべてタップして、違いを整理してみましょう。
確認した項目:0 / 4
よくある勘違い
- 勘違い1|BtoCはECだけを指す:BtoCは、企業が一般の購入者へ販売する取引です。ECだけでなく、実店舗での販売もBtoCに含まれます。
- 勘違い2|BtoBはインターネットで販売できない:BtoBでもECを利用できます。業務用商品、包装資材、オフィス用品、部品、ソフトウェアなどをオンラインで販売する仕組みがあります。
- 勘違い3|D2CとBtoCはまったく別の分類:D2Cの多くは、売り手と買い手の関係ではBtoCです。D2Cは、メーカーやブランドが購入者へ直接販売する点を強調した言葉です。
- 勘違い4|自社ECならすべてD2Cになる:自社ECを運営していても、他社から仕入れた商品を販売している場合があります。その場合、必ずしもD2Cとは限りません。
- 勘違い5|CtoCなら何でも自由に売れる:CtoCサービスにも利用規約や禁止商品があります。商品によっては法律、許可、表示などの確認が必要になる場合があります。
一つの会社が複数の取引形態を持つこともある
一つの会社が、BtoCとBtoBの両方を行う場合があります。あるコーヒー会社が一般家庭へ販売すればBtoC、飲食店へ販売すればBtoB、自社で焙煎し自社ECから直接販売すればBtoCでありD2Cとも考えられます。同じ商品でも、販売先と販売方法によって分類が変わります。
取引形態によってEC運用はどう変わる?
商品ページ:BtoCは初めて見る人にも分かる写真や説明、BtoBは仕様・数量・納期・業務上の利用方法、D2Cはブランドや製造背景、CtoCは商品の状態や傷、使用期間、付属品などを記載します。
価格:BtoCは購入者ごとに同じ価格が基本、BtoBは注文数量や取引条件で変わる場合があり、D2Cはセット販売や定期購入を設計でき、CtoCは出品者が価格を決め相談が行われる場合があります。
注文数:BtoCは1個や少量が中心、BtoBは箱・ケース・大量注文になる場合があり、D2Cは少量販売から定期購入まで、CtoCは一点だけの商品が多くなります。
決済:BtoCはカード・振込・ウォレット決済、BtoBはカード決済に加えて請求書払いを利用する場合があり、D2Cは自社が導入した決済方法、CtoCは運営会社が代金を一時的に預かる仕組みを採用する場合があります。
問い合わせ:BtoCはサイズ・使い方・配送・返品、BtoBは見積もり・仕様・数量・納期・契約、D2Cは商品への質問に加えてブランドや製造方法、CtoCは商品の状態・値下げ・発送方法・付属品などが中心です。実際の決済方法や入金条件は、利用するサービスの最新情報を確認してください。
実際のケースで考えてみよう
ケース|地域の陶器を販売する
ある地域には、陶器をつくる工房があります。工房の商品は、次の方法で販売されています。
- 取引1|工房が一般の購入者へ自社ECで販売:これは、BtoCであり、D2Cにも当てはまります。
- 取引2|工房が百貨店へ商品を卸す:企業である工房から、企業である百貨店への販売なのでBtoBです。
- 取引3|百貨店が一般の購入者へ販売:百貨店から一般の購入者への販売なのでBtoCです。
- 取引4|購入者が使わなくなった陶器を別の個人へ販売:個人から個人への販売なのでCtoCです。
商品だけを見ても、取引形態は分かりません。誰が売り、誰が買うのかを見る必要があります。
顧客の取引形態を確認する7つの質問
- 商品を販売するのは企業ですか、個人ですか?売り手の立場を確認します。
- 購入者は一般の人ですか、企業ですか?BtoCとBtoBを分ける基本の質問です。
- 購入者は商品を何のために使いますか?個人利用、事業利用、再販売などを確認します。
- 商品をつくっている会社が直接販売しますか?D2Cに当てはまる可能性を確認します。
- 1回の注文数はどのくらいですか?少量販売か、大量・卸売取引かを確認します。
- 購入前に見積もりや社内承認が必要ですか?BtoB特有の商談や承認の有無を確認します。
- 一般向けと法人向けの両方へ販売しますか?一つのECサイトで対応するのか、販売ページや価格を分けるのかを確認します。
アウトプットワーク|取引形態を分類してみよう
次の取引がどの種類に近いか考えてください。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
| 取引の例 | BtoC・BtoB・D2C・CtoC |
|---|---|
| メーカーが飲食店へ業務用調理器具を販売 | |
| 農家が自社ECで一般家庭へ野菜を販売 | |
| 個人が中古の本を別の個人へ販売 | |
| 小売店が一般の購入者へ洋服を販売 | |
| ソフトウェア会社が企業へ勤怠システムを提供 | |
| 化粧品ブランドが自社サイトで直接販売 |
自分の事業に置き換えてみよう
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 BtoCの説明として正しいものはどれでしょうか?
第2問 BtoBの例として最も近いものはどれでしょうか?
第3問 D2Cの説明として最も近いものはどれでしょうか?
第4問 CtoCの例として適切なものはどれでしょうか?
第5問 D2CとBtoCの関係について、正しいものはどれでしょうか?
第6問|実務判断問題 ある食品メーカーが、自社ECで一般家庭へ食品を販売し、同時にスーパーマーケットへ箱単位で商品を販売しています。それぞれ、どの取引形態に当てはまるでしょうか。また、EC運用上、どのような違いを考える必要があるでしょうか。
回答例を見る
自社ECで一般家庭へ販売:BtoC(メーカーが直接販売するためD2Cにも当てはまる)。1個単位の注文、商品説明、一般向け決済、個別配送などが必要です。
スーパーマーケットへ販売:BtoB。箱単位の注文、卸価格、最低発注数量、納期、請求書などの確認が必要です。
同じ食品でも、購入者と購入目的によって、価格、注文単位、決済、配送、必要書類が変わります。
よくある質問
BtoCは、企業が一般の購入者へ販売する取引全体です。D2Cは、そのなかでもメーカーやブランドなどの商品をつくる側が、購入者へ直接販売する形を表します。
必ずしもD2Cになるとは限りません。他社から仕入れた商品を自社ECで販売している場合は、一般的なBtoC小売に当たることがあります。誰が商品をつくり、誰が販売しているかを確認します。
利用できます。企業向けのECでは、数量別価格、見積もり、請求書払い、法人ごとの価格、再注文などの機能が求められる場合があります。
運用は可能ですが、価格、注文単位、決済、会員区分、商品説明などを分ける必要がある場合があります。利用するECサービスが必要な運用に対応できるか確認します。
サービス上は個人間取引として扱われる場合がありますが、販売回数や事業性、商品の種類などによって確認すべきルールが変わる可能性があります。利用規約や関係機関の最新情報を確認してください。
売り手が企業で、買い手が一般の購入者なら、取引関係としてはBtoCに近くなります。利用するサービス名だけでなく、実際に誰が誰へ販売しているかで判断します。
今回のまとめ
BtoC・BtoB・D2C・CtoCを理解するときは、アルファベットを暗記するのではなく、売り手と買い手を確認します。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- BtoCは、企業から一般の購入者への販売
- BtoBは、企業から企業・事業者への販売
- D2Cは、メーカーやブランドから購入者への直接販売
- CtoCは、個人から個人への販売
- D2Cの多くはBtoCにも当てはまる
取引形態が変わると、注文数、価格、決済、契約、配送、問い合わせ対応なども変わります。同じ商品でも、一般家庭へ販売する場合と、企業へ販売する場合では、必要なEC運用が異なります。
「“誰が売る?誰が買う?何のために買う?”の3つで考えよう!」
DAY4の実践課題
普段利用しているECサイト、または身近な会社を一つ選び、商品やサービスを販売しているのは誰か、購入しているのは一般の人か企業か、購入者は何のために買うのか、商品をつくる会社が直接販売しているか、一般向けと法人向けの両方があるか、BtoC・BtoB・D2C・CtoCのどれに近いかを確認してください。
一つの会社が複数の取引形態を持っていないかも確認してみましょう。


