ECでは誰が責任を持つ?売主・販売者・紹介者・発送担当者・運営会社の違い DAY9

【DAY9】ECでは誰がどこまで責任を持つのか
売主・販売者・紹介者・発送担当者・システム提供者の役割と責任の違い
ECでは、一つの商品を販売するために複数の会社が関わることがあります。商品をつくるメーカー。商品ページを作る販売担当者。商品や会社を紹介する事業者。商品を保管・発送する倉庫。ECシステムを提供する運営会社。購入者から見ると、すべてが一つのネットショップに見えることもあります。しかし、裏側では役割が分かれています。
そこで問題になるのが、次の疑問です。
「システム障害で注文できなかったらどうなる?」という疑問も加わります。こうした問題を整理するには、作業をする人と、判断・説明・対応の責任を持つ人を分けて考えることが重要です。
「作業した人が、いつも最終責任者とは限らないんだ!」
この記事で分かること
- 売主とは誰か/販売者と売主の違い
- 商品や会社を紹介する人の役割
- 商品を発送する人の役割
- ECシステムを提供する会社の役割
- 返品・返金・配送事故が起きたときの確認先
- 契約上の責任と、実際の作業担当の違い
- 責任分担を明確にするための確認項目
- 購入者をたらい回しにしない運用方法
この記事では、一般的なECの役割整理を扱います。具体的な法的責任は、取引内容、契約、利用規約、表示、商品の種類、当事者の行為などによって変わるため、個別の判断が必要な場合は弁護士などへ確認してください。
先に結論|責任は「3つの層」に分けて考える
ECの役割分担は、次の3つに分けると理解しやすくなります。
| 層 | 確認すること | 例 |
|---|---|---|
| 契約上の責任 | 誰が購入者と売買契約を結ぶか | 売主、返金判断者 |
| 運用上の責任 | 誰が実際の作業をするか | 商品登録、梱包、発送 |
| システム上の責任 | 誰が機能やデータを管理するか | EC運営会社、決済会社 |
たとえば、倉庫の担当者が返金ボタンを押す場合でも、返金するかどうかを決めるのは販売者ということがあります。反対に、販売者が購入者へ対応する責任を持っていても、実際の配送状況は配送会社へ確認しなければ分かりません。大切なのは、次の4つを分けることです。
- 誰が購入者と契約するのか
- 誰が実際の作業をするのか
- 誰が問題を判断するのか
- 誰が購入者へ説明するのか
身近な例で考えると「旅行の予約」と同じ
旅行予約サイトで、ホテルを予約する場面を想像してみましょう。画面を提供しているのは予約サイトです。実際に宿泊サービスを提供するのはホテルです。予約サイトを紹介したWebメディアがあるかもしれません。クレジットカード決済は、決済会社が処理しています。予約サイト上で申し込んだからといって、予約サイトがホテルの部屋を掃除したり、朝食を提供したりするわけではありません。また、ホテルを紹介したWebメディアが、宿泊キャンセルの判断をするとは限りません。
ECでも同じです。誰が画面を提供しているかだけでは、誰が売主で、誰が返金や商品対応を判断するのかは分かりません。サイトの見た目ではなく、表示・規約・契約・実際の取引の流れを見ることが必要です。
1.売主とは
購入者と売買契約を結ぶ側
売主とは、商品を購入者へ売る契約の当事者になる人や会社です。分かりやすく言えば、購入者に対して「この条件で代金を受け取り、この商品を引き渡します」という約束をする立場です。通信販売では、販売価格、送料、支払方法、商品の引渡時期、返品条件、事業者の名称・住所・電話番号などを表示することが求められています。購入者は、こうした表示を見て、誰からどの条件で購入するかを判断します。
売主が中心となって整理すること
何を販売するか、いくらで販売するか、代金をどのように受け取るか、いつ商品を引き渡すか、返品条件をどうするか、商品に問題があった場合にどう対応するか、購入者からの問い合わせ窓口、返金するかどうかの判断、販売に必要な表示です。通信販売では、返品の可否、期間、条件、返送料の負担などを分かりやすく表示する必要があります。「返品については相談に応じます」だけでは、購入前に条件が分からないため、具体的な表示が必要とされています。
売主を確認する場所
「特定商取引法に基づく表記」、会社概要、商品ページの販売者表示、注文確認画面、利用規約、領収書・請求書、注文確認メール、契約書、返金・返品案内などです。インターネット通販では、事業者の名称、住所、電話番号などを表示することが求められており、Webサイトでは「特定商取引法に基づく表記」など、表示場所へ容易に到達できる形が示されています。
2.販売者とは
商品を販売する活動を行う人・会社
販売者という言葉は、状況によって使われ方が異なります。一般的には、商品を選ぶ、販売価格を設定する、商品ページを作る、商品を広告する、注文を受ける、購入者へ連絡する、返品・返金へ対応するといった活動をする人や会社を指します。販売者がそのまま売主になることも多くありますが、販売活動の一部だけを担当し、契約上の売主は別の会社という場合もあります。
売主と販売者が同じ例
メーカーが自社ECで商品を販売する場合です。商品を用意する、商品ページを作る、注文を受ける、代金を受け取る、商品を発送する、返品・返金へ対応するといった作業を一つの会社がまとめて行います。この場合は、売主と販売者が同じ会社であることが分かりやすい形です。
売主と販売活動の担当が分かれる例
地域のメーカーの商品を、別の会社が運営するメディアで紹介し、購入画面はメーカーのECサイトへ移動する場合を考えます。紹介メディアは商品の魅力を伝えていますが、購入者と売買契約を結ぶのはメーカーという可能性があります。この場合、販売促進を行う会社と売主を分けて整理します。
3.紹介者・連携事業者とは
商品や会社を知ってもらうきっかけをつくる
紹介者は、商品提供者、販売者、ECサービスなどを別の会社や購入者へ紹介する役割です。生産者をオンラインショップへ紹介する、ECを始めたい会社をシステム提供会社へ紹介する、商品を記事や動画で紹介する、商談の場を設定する、地域の事業者同士をつなぐ、購入ページへ送客するといった活動があります。紹介者、仲介者、連携事業者、営業パートナーなど、さまざまな呼び方があります。
紹介者が注意したいこと
紹介者は、確認していない内容を断定してはいけません。
- 「この商品は必ず海外へ送れます」
- 「このサービスなら必ず売れます」
- 「返品は一切発生しません」
- 「追加費用はありません」
- 「すべて自動で処理されます」
- 「法律上まったく問題ありません」
- 「一般的な機能について説明します。契約条件や個別の商品対応は、運営会社へ確認します」
- 「海外配送の可否は、商品、配送会社、販売国によって異なるため、個別確認が必要です」
- 「紹介後の契約と運用は、当事者間の契約内容を確認してください」
「紹介できることと、契約条件を決められることは別なんだね!」
4.発送担当者とは
商品を取り出し、梱包して送り出す
発送担当者は、注文情報をもとに商品を用意し、配送会社へ渡す役割です。担当するのは、販売者の社内スタッフ、メーカー、生産者、外部倉庫、物流会社、フルフィルメント事業者などです。
発送担当者の主な仕事
注文情報を受け取る、商品を取り出す、商品と数量を確認する、検品する、梱包する、配送ラベルを作る、配送会社へ引き渡す、追跡番号を登録する、出荷結果を販売者へ伝える、返品商品を受け取るなどです。
発送担当者が判断できる範囲
発送担当者は、在庫があるか、商品が破損しているか、注文どおりの商品を用意できるか、いつ出荷したか、どの追跡番号を使ったか、返品商品が届いたかを確認できます。一方で、購入者へ返金するか、再発送するか、値引きするか、返品を受け付けるか、商品事故として対応するか、購入者へどのように謝罪・説明するかは、販売者などの責任者が行う場合があります。発送担当者が商品を梱包したからといって、すべての顧客対応を決められるとは限りません。
誤配送が起きた場合
購入者へ別の商品が届いた場合、次の順番で確認します。
- 注文内容を確認する
- 商品コード・SKUを確認する
- ピッキング記録を確認する
- 検品記録を確認する
- 梱包時の記録を確認する
- 配送ラベルを確認する
- 別の購入者と商品が入れ替わっていないか確認する
- 再発送・回収・返金の判断者へ報告する
- 購入者へ対応内容を説明する
購入者へ「倉庫へ直接連絡してください」と案内するのではなく、最初の問い合わせ窓口で事実を整理する運用が必要です。
5.配送会社とは
荷物を発送元から購入者へ運ぶ
配送会社は、発送担当者から荷物を受け取り、購入者へ届けます。荷物を集荷する、配送拠点で仕分けする、購入者へ配達する、追跡情報を提供する、不在時の持戻り・再配達、住所不明時の確認、配送中の破損・紛失の調査、受取拒否時の返送などが主な仕事です。
配送会社は荷物を運びますが、通常、商品の販売価格や返品条件を決める立場ではありません。購入者から「商品が届かない」という質問があった場合、配送会社は荷物の現在地を調べられます。一方で、商品を再発送するか、返金するかは、販売者などが判断する場合があります。
| 内容 | 主な確認先 |
|---|---|
| 荷物の現在地 | 配送会社 |
| 配送先住所 | 販売者・配送会社 |
| 再配達 | 配送会社 |
| 商品の再発送 | 販売者など |
| 購入者への返金 | 売主・販売者など |
| 配送事故の費用負担 | 契約・補償条件に基づき確認 |
6.システム提供者とは
ECを動かすための機能を提供する
システム提供者は、ECサイトや取引を動かすための仕組みを提供します。商品登録、商品ページ、ショッピングカート、注文管理、在庫管理、顧客管理、決済連携、クーポン、売上管理、出店者管理、売上分配、API・CSV連携といった機能です。
マーケットプレイスの場合
オンラインモールやマーケットプレイスでは、販売業者と購入者の間に、取引の場を提供するプラットフォーム事業者が入ります。消費者庁は、取引デジタルプラットフォームを、デジタル上の場で消費者と販売業者等が通信販売の契約を締結できる機能を持つ取引形態として説明しています。直販サイトのように販売業者と消費者だけが登場する取引とは区別されています。取引デジタルプラットフォームを運営する事業者には、販売業者等の情報確認など、消費者保護に関する取組が求められる制度があります。ただし、プラットフォームが介在しているだけで、すべての取引についてプラットフォームが売主になるわけではありません。
システム提供者について確認すること
システムだけを提供するのか、購入者から代金を受け取るのか、売上金を販売者へ分配するのか、購入者の問い合わせ窓口になるのか、返品・返金を判断するのか、返金機能だけを提供するのか、出店者を審査するのか、禁止商品を管理するのか、システム障害時に何を行うのか、データを誰が管理するのかを確認します。
7.決済会社とは
支払いと入金の仕組みを支える
決済会社は、購入者のカード決済などを処理し、売上金を販売者へ入金する仕組みを支えます。支払い情報を処理する、決済を承認・拒否する、不正利用を確認する、売上を確定する、返金処理を行う、売上金を入金する、決済履歴を提供するといった役割があります。
購入者へ返金するかどうかは、売主や販売者が判断し、決済会社の機能を使って返金処理を行う場合があります。
つまり、判断する人と、実際にお金を戻す仕組みを提供する会社は別の場合があります。
役割の違いを一覧で整理する
| 役割 | 主な仕事 | 購入者への窓口になる可能性 | 最終判断の例 |
|---|---|---|---|
| 売主 | 売買契約、販売条件、商品引渡し | 高い | 返品・返金、販売条件 |
| 販売者 | 商品ページ、注文、顧客対応 | 高い | 担当範囲により異なる |
| 紹介者 | 商品・会社・サービスの紹介 | 低い~中程度 | 紹介範囲内の対応 |
| 発送担当者 | 検品、梱包、出荷 | 原則として社内確認先 | 出荷可否など |
| 配送会社 | 集荷、輸送、配達 | 配送状況の窓口 | 配送調査、再配達 |
| システム提供者 | EC機能、データ処理 | サービスにより異なる | システム対応 |
| 決済会社 | 決済、入金、返金処理 | 決済問題の確認先 | 決済承認・処理 |
| メーカー | 製造、品質、商品情報 | 商品によって異なる | 製造・品質対応 |
これは一般的な整理です。実際の責任は、契約、規約、表示、取引方法、各社の行為によって変わります。
作業担当と責任者を分けてみよう
ECでは、「誰が作業するか」だけでなく、「誰が判断するか」も決めます。
| 業務 | 作業する人 | 判断・承認する人 | 購入者への説明者 |
|---|---|---|---|
| 商品登録 | 販売担当 | 商品責任者 | 販売者 |
| 在庫更新 | 倉庫 | 在庫責任者 | 販売者 |
| 梱包・発送 | 倉庫 | 出荷責任者 | 販売者 |
| 配送調査 | 配送会社 | 販売者等 | 問い合わせ窓口 |
| 返品受付 | CS担当 | 返品責任者 | 販売者 |
| 返金操作 | 経理・CS | 返金承認者 | 販売者 |
| システム復旧 | システム提供者 | サービス責任者 | 決められた窓口 |
| 商品不良調査 | メーカー | 品質責任者 | 売主・販売者等 |
作業する人と判断する人が同じ場合もあります。ただし、少人数で運営する場合でも、誰が何を決めるかは明確にしておきます。
問題別|誰に確認する?
主な確認先:購入者の問い合わせ窓口、販売者・売主、発送担当者、配送会社、メーカー
確認すること:発送前から壊れていたか、梱包に問題がなかったか、配送中に破損したか、再発送・返金のどちらにするか、破損商品を回収するか
主な確認先:販売者、倉庫・発送担当者
確認すること:注文データ、商品コード・SKU、ピッキング記録、配送ラベル、他の注文との入れ替わり、正しい商品の再発送、誤配送商品の回収方法
主な確認先:販売者、発送担当者、配送会社
確認すること:実際に出荷したか、追跡番号は正しいか、配送先住所は正しいか、不在・持戻りになっていないか、紛失調査が必要か、再発送・返金をどうするか
主な確認先:販売者、EC運営会社、決済会社
確認すること:決済エラーの内容、入力情報、本人認証、カード会社による拒否、システム障害、別の支払方法の案内
主な確認先:販売者、EC運営会社、制作会社
確認すること:商品が非公開になっていないか、在庫切れ設定、商品登録エラー、システム障害、ページURL、契約プランや権限
主な確認先:紹介者、契約相手、サービス運営会社、必要に応じて法律相談窓口
確認すること:誰が何を説明したか、契約書・申込書、利用規約、公式資料、メール・議事録、説明内容と実際の条件の違い
購入者をたらい回しにしないためのルール
複数の会社が関わっていても、購入者から見た最初の窓口を明確にします。
購入者:「商品が壊れていました」
販売者:「配送会社へ聞いてください」
配送会社:「発送した倉庫へ聞いてください」
倉庫:「メーカーへ聞いてください」
購入者が自分で関係者を探す状態になっています。
購入者:「商品が壊れていました」
問い合わせ窓口:「ご不便をおかけしています。注文番号と商品の状態を確認し、当社から倉庫・配送会社へ調査します。次の連絡予定は○日です」
窓口が注文情報を整理し、必要な会社へ確認します。その後、判断結果を購入者へまとめて説明します。
最低限決めておくこと
- 購入者の最初の問い合わせ先/受付時間
- 注文番号の確認方法
- 商品問題の確認先/配送問題の確認先/決済問題の確認先
- 返金の承認者/回答期限/緊急時の連絡先
- 対応履歴を残す場所
やってみよう|このトラブル、誰に確認する?
購入者からよくある問い合わせをタップすると、まず確認すべき担当者が分かります。すべてタップして、窓口の分け方を整理してみましょう。
確認した項目:0 / 6
実際のケースで考えてみよう
ケース|職人の商品を別会社がEC販売する
地域の職人が手作りの花瓶を製造しています。別の販売会社がECサイトで商品ページを作り、購入者へ販売します。注文が入ると、職人が商品を梱包し、配送会社へ渡します。ECサイトは外部サービスを利用し、カード決済は決済会社が処理します。
| 商品を製造する | 職人 |
| 商品を販売する | 販売会社 |
| 売主 | 契約・表示で確認 |
| 商品を梱包する | 職人 |
| 商品を配送する | 配送会社 |
| ECシステムを提供する | EC運営会社 |
| 決済を処理する | 決済会社 |
| 購入者の窓口 | 販売会社を想定 |
- 職人:注文情報を確認する
- 職人:発送予定を販売会社へ報告する
- 職人:商品を出荷する
- 販売会社:購入者へ遅延を説明する
- 販売会社:新しい発送予定を伝える
- 販売会社:キャンセル希望へ対応する
- 配送会社:配送事故の状況を調査する
- 職人:梱包方法・出荷前の状態を確認する
- 販売会社・売主:再発送・返金を判断する
- 販売会社・売主:購入者へ対応を説明する
- 決済会社・EC運営会社:決済履歴を調べる
- 決済会社・EC運営会社:システム上の重複を確認する
- 販売会社:注文番号と決済履歴を照合する
- 販売会社:購入者へ調査状況を説明し返金判断を行う
発送作業を職人が担当していても、購入者との契約や表示に応じて、販売会社が購入者へ対応する場合があります。
責任分担を決める10の質問
- 購入者と売買契約を結ぶのは誰ですか?事業者表示、注文画面、規約、契約を確認します。
- 商品代金を受け取るのは誰ですか?決済会社を経由したあと、売上金が誰へ入るか確認します。
- 販売条件を決めるのは誰ですか?価格、送料、発送日、返品条件の決定者を確認します。
- 商品情報を保証・確認するのは誰ですか?メーカー、販売者、公開承認者を整理します。
- 商品を発送するのは誰ですか?自社、メーカー、職人、倉庫などを確認します。
- 購入者の最初の窓口は誰ですか?購入者を複数社へ回さない窓口を決めます。
- 返品を判断するのは誰ですか?返品受付者と承認者を分けて確認します。
- 返金操作をするのは誰ですか?管理画面の操作権限と承認手順を確認します。
- 商品事故・配送事故は誰が調査しますか?メーカー、倉庫、配送会社への連絡手順を決めます。
- 記録をどこに残しますか?注文、問い合わせ、判断、返金、再発送の履歴を保存します。
アウトプットワーク|EC責任分担表を作ろう
販売したい商品、または普段利用しているECサイトを一つ選んでください。入力内容はこのブラウザにのみ保存され、外部へは送信されません。
関係者を整理する
| 役割 | 担当する人・会社 | どこまで担当するか |
|---|---|---|
| 売主 | ||
| 販売者 | ||
| 紹介者 | ||
| メーカー | ||
| 発送担当者 | ||
| 配送会社 | ||
| システム提供者 | ||
| 決済会社 | ||
| 購入者窓口 |
問題ごとの担当を決める
| 問題 | 最初の受付 | 事実確認 | 最終判断 | 購入者への説明 |
|---|---|---|---|---|
| 商品不良 | ||||
| 誤配送 | ||||
| 配送遅延 | ||||
| キャンセル | ||||
| 返品 | ||||
| 返金 | ||||
| 決済エラー | ||||
| システム障害 |
責任の空白を探す
空欄を埋められない部分が、販売開始前に確認すべき課題です。
記入できたら完了にする
理解度チェッククイズ
第1問 売主の説明として最も近いものはどれでしょうか?
第2問 商品を紹介した人は、必ず売主になるでしょうか?
第3問 発送担当者の主な仕事として適切なものはどれでしょうか?
第4問 ECシステムを提供する会社は、必ず購入者への売主でしょうか?
第5問 配送中に商品が壊れた場合、最も適切な考え方はどれでしょうか?
第6問 返金操作をする人と、返金を承認する人は必ず同じでしょうか?
第7問|実務判断問題 購入者から「商品ページでは3日以内に発送と書かれていましたが、1週間たっても発送されません」という連絡がありました。商品はメーカー直送です。販売会社は「メーカーが発送担当なので、メーカーへ直接連絡してください」と回答しようとしています。どのように対応を整理しますか?
回答例を見る
商品ページの発送条件を確認する→注文日と支払い状況を確認する→メーカーへ未発送の理由を確認する→現在の商品在庫と発送予定日を確認する→販売会社または定められた窓口から購入者へ状況を説明する→新しい発送予定を伝える→購入者がキャンセルを希望した場合の対応を確認する→メーカー直送の注文確認ルールを見直す。
メーカーが発送担当であっても、購入者に対する販売窓口や契約上の売主が誰かを確認し、購入者を一方的にメーカーへ回さないことが重要です。
よくある質問
同じ場合が多くありますが、販売活動の一部を別会社が担当する場合もあります。誰が購入者と契約し、代金を受け取り、返品・返金を判断するかを確認してください。
発送会社が返品商品を受け取る場合はありますが、返品を認めるか、返金するかの判断は売主や販売者などが行うことがあります。
モール運営会社、販売業者、購入者の役割は、サービスと契約によって異なります。プラットフォームが取引の場を提供していても、実際の売主は各販売業者である場合があります。
紹介者がどこまで対応するかは、契約と実際の関与範囲によって異なります。紹介だけで終わるのか、商談や導入後の窓口まで担当するのかを事前に決めます。
単純に「返品不可」と書けば、あらゆる問題に対応しなくてよいという意味ではありません。通信販売では返品条件を分かりやすく表示する必要があり、商品が契約内容に適合しない場合の責任について特約する場合にも表示が必要とされています。個別の判断は契約内容や商品の状態によって変わります。
利用規約だけでなく、出店契約、業務委託契約、物流契約、決済契約、運用マニュアル、社内権限なども関係します。契約上の責任と、実際の作業手順が一致しているか確認します。
今回のまとめ
ECでは、複数の会社が一つの販売に関わります。今回覚えておきたいポイントは、次の5つです。
- 売主は、購入者と売買契約を結ぶ側
- 販売活動をする会社と、契約上の売主が異なる場合がある
- 紹介者は、紹介範囲を超えた内容を勝手に断定しない
- 発送担当者は商品を送るが、返金判断者とは限らない
- システム提供者はEC機能を提供するが、必ず売主になるわけではない
ECでは、会社名だけを並べても責任分担は分かりません。誰が契約し、誰が作業し、誰が判断し、誰が購入者へ説明するのかを分けて整理する必要があります。購入者から見た問い合わせ窓口を明確にし、裏側でメーカー、倉庫、配送会社、決済会社、システム提供者へ確認する仕組みをつくることが重要です。
「“誰がやる?”だけでなく、“誰が決めて説明する?”まで決めよう!」
DAY9の実践課題
普段利用しているECサイトを一つ開き、購入者に対する売主は誰か、商品ページを作っている会社、商品を製造している会社、商品を発送する会社、商品を配送する会社、ECシステムを提供する会社、代金を処理する会社、返品を受け付ける窓口、返金を判断する会社、商品不良が起きた場合の連絡先を確認してください。
次に、商品が壊れて届いた場合を想定し、購入者→最初の問い合わせ先→商品の確認先→配送の確認先→再発送・返金の判断者→購入者へ説明する人、という流れを書き出します。分からない項目は推測で決めず、特定商取引法に基づく表記、利用規約、返品案内、注文確認メールなどを確認してください。


